■ 回答集計と各ページの分析
*** 【回答集計と分析・高校】 ***
数I/ 数A/ 数II/ 数B/ 数III/ 数C/
[測定条件と信頼性]
■中学3年■ == 2次方程式 ==
■ページ名 「2次方程式(因数分解/ゲーム)」
../math3/m3in_3007.htm
■主な内容  2次方程式を因数分解によって解くもの
■要約・解説 要約なし.ゲームのルールの解説は8行「最初の問題に着手するまでの時間」は8秒で,やり方はすぐ分かったと考えられる.
■この集計の作成年月日:2009.12.07 ■集計期間2009.05.09〜2009.12.06 ■期間中のこのペ−ジに対するアンケート回答数/読まれた回数: 164件/3723件=4.4%
グラフ1

グラフ2

グラフ3

グラフ4

表1
  第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 第6問 第7問 第8問 平均
正答 68% 54% 64% 64% 67% 51% 51% 51% 59%
符号だけのミス 13% 13% 28% 22% 7% 22% 35% 33% 22%
和積の混同など 18% 25% 7% 8% 24% 19% 8% 15% 16%
表2
I-R
相関
第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 第6問 第7問 第8問 第9問 第10問
0.57 0.72 0.65 0.61 0.69 0.68 0.61 0.61 0.56 0.47
表3
期間 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 第6問 第7問 第8問 第9問 第10問 小計
2009.5.6-9.30 35 36 44 40 38 37 36 32 22 22 342
2009.9.30-12.6 33 37 48 50 45 35 39 33 21 21 362
小計 68 73 92 90 83 72 75 65 43 43 704
グラフ5

■小問数
10題

■ヒント
10題

■入力方式
マウス選択

■問題の見え方
1題ずつ順に表示
回答者の内訳は中3が63%,卒業生が18%
1頁当たりの所要時間は11秒
平均滞在時間は5分28秒

 左のグラフ1は問題ごとの正答,誤答,無答の割合(正誤は最初の採点)で,黄色で示したものは初め誤答で再試行の結果正答に変った割合を表わす.
 グラフ2は横軸が問題番号,縦軸は直前の操作以降その問題の採点までの経過時間(秒)を表わす.ただし,第1問は解説を読む時間を含む.
 グラフ3は横軸が問題番号,縦軸が試行回数を表わす.(ただし,同一問題を16回以上試行した答案については16回と見なす.)
 グラフ4はヘルプ利用率
どんな間違いがあるのか
 表1は第1問から第8問までの答案パターンを調べたもので,「符号だけのミス」とともに「和積の混同」も多いことが分かる.
 「和積の混同」とは,例えばx2+5x+6=0 → (x+2)(x+3)=0 → x=-2,-3 とするのが正答であるのに,x2+5x+6=0 → (x+1)(x+5)=0 → x=-1,-5 などと和と積を混同した答案を指す.
第9問,第10問
 従来,中学校では「たすき掛け因数分解」や「解の公式」は習わなかったので,x2の係数が1でない2次方程式は多くないが,次のような形の方程式は無理なく簡単に解けるものになっている.
(A) (ax+b)2,(ax+b)(ax-b) の形になるもの
 4x2+12x+9=0→(2x+3)2=0→x=-3/2
(B) 共通因数で因数分解できるもの
 3x2-2x=0→x(3x-2)→x=0 , 2/3
 (A)の形になる問題が第9問,(B)の形になる問題が第10問で,教科書にも出ている基本問題である.
 グラフ1における第10問の異常さ(誤答と分かっても訂正できない)が気になるが,この傾向は高校生になっても引きずっており,x=0の解を失念してしまうミスは何度も指導しないと直りにくい.

○信頼性
 表2は各問題の得点と残りの問題の得点合計との相関係数(I-R相関)で,各々かなり高く,各々の問題の得点は学力を反映している.
○識別力
 グラフ5は回答者全体をその合計得点によって高(H)〜低(L)の5群に等分したときの群別得点で,中〜高得点の層において精度よく識別できることが分かる.
 また,グラフ6は回答者全体を合計得点によって上位群,中位群,下位群(各3分の1)に分けたときの群別・問題別正答率のグラフで,どの問題でも上位群と下位群の間に大きな開きがあることが分かる.むしろ下位群が全滅していることが深刻である.
○再現性
 表3は回答を前後2つの期間に分けて集計したときの期間別・問題別正答者数(件数)で,この表を元に独立性に関するχ2検定を行うと p=0.996 となり,有意差は見られず,問題ごとの正答率について再現性がうかがえる.
学習開始時における平均正答率は40%台で,半分近くの回答者はこの頁の問題を処理できない.
この頁の学習により,正答率は42.9%から76.2%へ変化し,ここで扱った項目に関して33.2%の成績アップが見込まれる.
【傾向】
 簡単な2次方程式を因数分解で解ける回答者は半分以下である.(深刻)
グラフ6

■ページ名 「2次方程式の解き方(因数分解)」
../math2/m3qeq01.htm
■主な内容  2次方程式が因数分解で解ける場合について,その解き方を身につけるもの
■要約・解説 解説16行「最初の問題に着手するまでの時間」はほぼ0秒で,解説は読まれていない.
■この集計の作成年月日:2009.10.15 ■集計期間2009.05.02〜2009.10.14 ■期間中のこのペ−ジに対するアンケート回答数/読まれた回数: 435件/25,694件=1.7%
グラフ1


グラフ2

グラフ3
■小問数
8問

■ヒント
なし

■入力方式
マウス選択(多対多選択)

■問題の見え方
一度に全部見える形になっている
回答者の内訳は,中3が40%,卒業生が33%
1題当たりの所要時間は9.7秒.
 左のグラフ1は問題ごとの正答,誤答,無答の割合(正誤は最初の採点)で,黄色で示したものは初め誤答で再試行の結果正答に変った割合を表わす.この頁については無答答案が多いので,正答率の通常の定義に従って無答を除いた解答者に対する割合をその下に示す.
 グラフ2は横軸が問題番号,縦軸は直前の操作以降その問題の採点までの経過時間(秒)を表わす.ただし,第1問は初めからの時間.
 グラフ3は横軸が問題番号,縦軸が試行回数を表わす.(ただし,同一問題を16回以上試行した答案については16回と見なす.) 
問題の表示は乱数的に配置されるので,この順ではない.
元の問題番号は次のようになっている.
第1問 x2-9=0
第2問 x2+x-6=0
第3問 x2-x-42=0
第4問 x2+2x+1=0
第5問 x2+2x-24=0
第6問 x(x+3)=10
第7問 x2+8x+12=0
第8問 x2-5x-14=0
第4問の解答の書き方については,教科書(3冊)に従って(重解)と書かずに単に1つの解のみを書くことにしたが,授業で習う書き方と異なるのか,グラフ2において第4問が突出しており,迷いがうかがえる.(中高一貫の場合,2回教えるのを避けて,初めから「重解」と教えることが考えられる.)
 グラフ4は横軸が第4問の所要時間(秒),縦軸が合計得点で,時間が長いほど成績優秀者が多い傾向がある.これは,2乗の因数分解ができないのではなく,授業で(重解)と書きなさいと指導を受けているために戸惑っている可能性が考えられる.
微妙な凹凸は別として,解答者に対する割合で概ね正答率が80%以上あり,この頁の解説・問題は,ほぼ理解できると考えられる.

学習開始時において回答者の平均正答率は80%台で,この頁の問題は「ほとんどの者ができる」問題である.
この頁の学習により,正答率は81.1%から92.4%へ変化し,ここで扱った項目に関して10.6%の成績アップが見込まれる.
グラフ4

■ページ名 「2次方程式の解き方(類題1)」
../math2/m3in_5001.htm
■主な内容  2次方程式が因数分解で解ける場合について,その解き方を身につけるもの
■要約・解説 解説なし「最初の問題に着手するまでの時間」は11秒.
■この集計の作成年月日:2009.10.16 ■集計期間2009.07.27〜2009.10.15 ■期間中のこのペ−ジに対するアンケート回答数/読まれた回数: 15件/1139件=1.3%
グラフ1

グラフ2

グラフ3
■小問数
8問

■ヒント
なし

■入力方式
マウス選択(多対多選択)

■問題の見え方
一度に全部見える形になっている
回答者の内訳は,中3が47%,卒業生が27%
1題当たりの所要時間は33秒.
 左のグラフ1は問題ごとの正答,誤答,無答の割合(正誤は最初の採点)で,黄色で示したものは初め誤答で再試行の結果正答に変った割合を表わす.この頁については無答答案が多いので,正答率の通常の定義に従って無答を除いた解答者に対する割合をその下に示す.
 グラフ2は横軸が問題番号,縦軸は直前の操作以降その問題の採点までの経過時間(秒)を表わす.ただし,第1問は初めからの時間.
 グラフ3は横軸が問題番号,縦軸が試行回数を表わす.(ただし,同一問題を16回以上試行した答案については16回と見なす.) 
表1は問題の形と誤答率(無答を除く)の一覧で,表2はこれにより問題の形と誤答率の相関を調べたものである.
 表2によれば,「前処理として展開が必要なこと」が誤答に最も影響しており,「1つの解が0であること」がこれに続く.重解や解の符号は回答者の負担になっていない.
別途主成分分析で第1主成分を求めると,回答者ごとの得点差が出やすい問題は第9問,第8問で「前処理の展開をしてから解けるかどうか」で大きく差がついている.

学習開始時において回答者の平均正答率は60%台で,この頁の問題は「基本問題の正答率としては普通」である.
この頁の学習により,正答率は66.0%から92.0%へ変化し,ここで扱った項目に関して26.0%の成績アップが見込まれる.
表1
  第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 第6問 第7問 第8問 第9問 第10問
解が異符号 0 1 0 1 1 0 0 0 1 0
1つの解が0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1
重解 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0
展開が必要 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1
誤答率 13% 20% 27% 7% 20% 47% 29% 54% 42% 50%
表2
誤答率と
の相関
解が異符号 1つの解が0 重解 展開が必要
-0.455 0.566 -0.047 0.749

■ページ名 「2次方程式の解き方」
../math3/m3eq101.htm
■主な内容  問題,途中経過,解答を自動生成して2次方程式の解き方を身につけるもの
■要約・解説 各問題で途中経過,解答を見ることができる「最初の問題に着手するまでの時間」はほぼ0秒.
■この集計の作成年月日:2009.11.13 ■集計期間2009.05.30〜2009.11.11 ■期間中のこのペ−ジに対するアンケート回答数/読まれた回数:16件/3930件=0.4%
グラフ1


グラフ2

グラフ3

グラフ4
■小問数
15頁

■ヒント
15題

■入力方式
空欄書き込み

■問題の見え方
1題ずつ順に表示
回答者の内訳は,中3が44%,卒業生が25%
1題当たりの所要時間は48秒.
 左のグラフ1は問題ごとの正答,誤答,無答の割合(正誤は最初の採点)で,黄色で示したものは初め誤答で再試行の結果正答に変った割合を表わす.この頁については無答答案が多いので,正答率の通常の定義に従って無答を除いた解答者に対する割合をその下に示す.
 グラフ2は横軸が問題番号,縦軸は直前の操作以降その問題の採点までの経過時間(秒)を表わす.ただし,第1問は初めからの時間.
 グラフ3は横軸が問題番号,縦軸が試行回数を表わす.(ただし,同一問題を16回以上試行した答案については16回と見なす.) 
 グラフ4はヘルプ利用率
問題の妥当性
 表1は各問題の得点と合計得点の相関で,システムの設定上第3問まで回答した者が多いため,それ以降無答答案が多く,第3問までとそれ以降との整合性がとれていない.
 グラフ5は回答者全体をその合計得点によって上位群,中位群,下位群(各3分の1)に分けたときの群別・問題別正答率で,第3問において上位群と下位群の逆転がみれれ.妥当でない.第4問以降は中位群が下位群と一致しており極端に難しいと受け止められたことを示している.
この形の問題の見直し
 この形の問題は,「途中経過」「解答」がいつでも確認できる形の問題として作成したものであるが,
(1) 読者は問題が変化すると気づいていない
(2) そのため答が見えると考えプライドが傷つく
(3) 操作方法が分かりにくい

 おそらく以上のような理由で,この形の問題は,読者に受け入れられなかったと考えられる.(教訓として一応残しておき,削除はしない)

学習開始時において回答者の平均正答率は30%台で,ほとんどの回答者はこの頁の問題を処理できない.
この頁の学習により,正答率は31.7%から37.5%へ変化し,ここで扱った項目に関して5.8%の成績アップが見込まれる.
表1
I-T相関 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 第6問 第7問 第8問 第9問 第10問 第11問 第12問 第13問 第14問 第15問
-0.21 0.07 -0.10 0.36 0.51 0.10 0.74 0.74 0.63 0.74 0.21 0.59 0.87 0.87 0.87
グラフ5

■ページ名 「2次方程式の解の公式」
../math/2eq05.htm
■主な内容  2次方程式を解の公式によって解くもの
■要約・解説 解の公式を用いて解くプログラムが前に付いている.解説は20行「最初の問題に着手するまでの時間」は73秒で,解説はよく読まれている.
■この集計の作成年月日:2009.09.30 ■集計期間2009.05.06〜2009.09.29 ■期間中のこのペ−ジに対するアンケート回答数/読まれた回数: 77件/28,647件=0.3%
 読まれた回数と比較して回答数が極端に少なく,各自の問題を記入すると答が出るためこのページは問題練習用としてよりは宿題の答合わせとして使われている可能性がある.問題をせずに公式だけを見る人が多い.
グラフ1


グラフ2

グラフ3
■小問数
8題

■ヒント
別途プログラムとして示している

■入力方式
マウス選択

■問題の見え方
1題ずつ順に表示
回答者の内訳は卒業生が51%,中3が25%
1題当たりの所要時間は34秒
平均滞在時間は10分31秒
 左のグラフ1は問題ごとの正答,誤答,無答の割合(正誤は最初の採点)で,黄色で示したものは初め誤答で再試行の結果正答に変った割合を表わす.この頁については無答答案が多いので,正答率の通常の定義に従って無答を除いた解答者に対する割合をその下に示す.
 グラフ2は横軸が問題番号,縦軸は直前の操作以降その問題の採点までの経過時間(秒)を表わす.ただし,第1問は解説を読む時間を含む.
 グラフ3は横軸が問題番号,縦軸が試行回数を表わす.(ただし,同一問題を16回以上試行した答案については16回と見なす.) 
 「ヒント」は別プログラムなので集計していない.
学習指導要領で,取り扱いが変りつつある項目なので,習っていない可能性がある.
 3題以上解答すれば送信できる仕組みにしているので,回答した人は必ず3題は答えているが,第4問以後の無答率が非常に高く「難し過ぎるので放棄した」と考えられる.
 以下の正答率は各問題の無答を除く実際の回答者数に対する割合を用いる.
表1は各問題において必要な変形と誤答率の一覧で,表2はこれにより誤答率との相関を求めたものである.
 これによれば,b(xの係数),c(定数項)の符号は正答率にほとんど影響しておらず,「根号を簡単にする変形」と「約分」の影響が大きいことが分かる.
 根号計算がしっかりできないと,解の公式は使えない.まず,根号計算の練習が必要.
 特に,の形の式の約分が重要

学習開始時において回答者の平均正答率は30%台で,この頁の問題は「基本問題のでき方としては,全く不十分」である.
この頁の学習により,正答率は27.9%から46.1%へ変化し,ここで扱った項目に関して18.2%の成績アップが見込まれる.
表1
  第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 第6問 第7問 第8問
bが負 0 0 1 0 1 0 0 1
cが負 0 1 1 1 0 1 1 1
根号を簡単にする 0 0 0 1 1 1 1 1
約分がある 0 0 0 1 1 1 1 1
2つに分ける 0 0 0 0 0 1 1 1
誤答率 23% 23% 29% 46% 47% 54% 65% 35%
表2
  bが負 cが負 根号を簡単にする 約分がある 2つに分ける
誤答率 -0.183 0.212 0.826 0.826 0.605

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