【要点】…四角柱,三角柱,円柱の体積
○四角柱,三角柱,円柱の体積Vは,底面積Sと高さhを使って表すことができます. V=Sh ○特に,円柱については,底面の半径がrであるとき,底面積がS=πr2と書けるから V=πr2h と書くこともできます. ※簡単なことのように見えますが,底面と高さとが直角になっている場合だけこの公式が使えます.例えば,右図においてSlはこの立体の体積ではありません. |
【要点】…四角錐,三角錐,円錐の体積
○三角錐,四角錐,円錐の体積Vは,それがちょうど入る四角柱,三角柱,円柱の体積のです. ○特に,円錐については,底面の半径がrであるとき,底面積がS=πr2と書けるから と書くこともできます. |
== 三角柱 ==
【例題1】
∠ABC=90°だから,底面は直角三角形でその面積は8×6÷2=24(cm2)図1のように,6つの点A, B, C, D, E, Fを頂点とする三角柱ABC-DEFがあり,AD=6cm, DE=8cm, EF=6cm, ∠ABC=90°である。また,図1において,点Mは辺ABの中点である。このとき,次の問いに答えなさい。 問1 三角柱ABC-DEFの体積は何cm3か。 問2以下 略 (長崎県2000年入試問題.一部引用)
三角柱の高さはAD=6cm したがって,三角柱の体積は24×6=144(cm3)…(答)
以下の問題では,選択肢をクリックすると採点結果と解説が表示されます.
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【問題1.1】
図1は,すべての辺の長さが6cmの正三角柱である。この正三角柱の体積を求めよ。
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== 四角錐 ==
【例題2】
底面ABCDの面積 S=52(cm2)右の図のように,1辺の長さが5cmの正方形ABCDを底面とし,高さが4cmの正四角錐OABCDがあります。この四角錐の体積を求めなさい。 (北海道2015年入試問題)
高さ h=4(cm) だから,四角錐の体積は (cm3)…(答) |
以下に引用する入試問題は,元々記述用として作られたものですが,このサイトではweb教材として操作性をよくするために選択問題に書き換えています.
選択肢をクリックすると採点結果と解説が表示されます.
暗算ではできません.計算用紙を使って結果を出してから,選択してください.
【問題2.1】
図1は,すべての辺の長さが6cmの正四角すいである。この正四角すいの体積を求めよ。
(奈良県2017年入試問題)
底面は1辺の長さが6cmの正方形だから,その面積は
S=62=36(cm2) 次に,底面の対角線の長さを三平方の定理を使って求めると,になるから,右図のような断面で切ったときの直角三角形の底辺の長さはで斜辺の長さは問題文にある通り6cm そこで,右図において色付けした直角三角形の高さを三平方の定理で求めると したがって,正四角錐の体積は (cm3)…(答) |
【問題2.2】
図で,A, B, C, D, E, F, G, Hを頂点とする立体は立方体であり,Iは線分AG上の点で,IE⊥AGである。 AB=3cmのとき,次の@,Aの問いに答えなさい。 @ 略 A 四角すいIEFGHの体積は何cm3か,求めなさい。 (愛知県B 2017年入試問題)
底面は1辺の長さが3cmの正方形だから,三平方の定理を使って対角線の長さを求めると
さらに,断面の三角形AEGは右図のような直角三角形になるから,三平方の定理を使って斜辺AGを求めると 次に,△AEGと△EIGは相似図形であることを使って,IG=xの長さを求めると AG:IG=3:2となるから,四角すいIEFGHの高さはAE=3cmのすなわち2cm したがって,求める体積は (cm3)…(答) |
【問題2.3】
図で,A,B,C,D,Eは球の表面上の点であり,立体ABCDEは正四角すいである。 球の半径が6cm,BC=8cmのとき,次の@,Aの問いに答えなさい。 ただし,球の中心は正四角すいの中にあるものとする。 @ 略 A 正四角すいABCDEの体積は何cm3か,求めなさい。 (愛知県2015年入試問題)
底面BCDEは,1辺の長さが8cmの正方形だから,その対角線BDの長さは,三平方の定理により求めることができて
そこで,この正四角すいを△ABDを含む平面で切った断面を考えると,右図のようになる. なお,「球の中心は正四角すいの中にある」という問題文や図から見て,BDは球の中心Oよりも下にある. また,AOの延長がBDと交わる点(正方形BCDEの対角線の交点)をHとし,OH=hとおく. ,BO=6だから,直角三角形OAHに三平方の定理を使うと そこで,正四角すいABCDEの高さはAH=8となる. (cm3)…(答) |
== 三角錐 ==
【問題3.1】
右の図のように,点A, B, C, D, E, Fを頂点とし, ∠DEF=90° の直角三角形DEFを底面の1つとする三角柱がある。辺DFの中点をGとし,4点B, E, F, Gを結んで三角すいPを作る。 辺DEの長さが8cm,辺EFの長さが4cm,辺ADの長さが10cmのとき,次の各問いに答えなさい。 なお,各問いにおいて,答えの分母にが含まれているときは,分母を有理化しなさい。また,の中をできるだけ小さい自然数にしなさい。 @ 三角すいPの体積を求めなさい。 A 略 (三重県2017年入試問題)
三角形DEFは直角三角形で,∠DEF=90° だから,その面積は
(cm2) 三角形GEFの面積はその半分だから (cm2) 次に,三角すいPの高さEB=10(cm) したがって,三角すいPの体積は (cm3)…(答)
【問題3.2】
右の図のように,1辺の長さが4cmの立方体があり,辺ABの中点をM,辺BCの中点をNとする。この立方体を4点M, E, G, Nを通る平面で2つの立体に切る。 このとき,次の(1)〜(5)の各問いに答えなさい。 (4) 2つの立体のうち,頂点Bを含む立体の体積を求めよ。 (1)(2)(3)(5) 略 (佐賀県2000年入試問題)
右図のようにEMの延長線,FBの延長線,GNの延長線は1点で交わる.この点をOとすると,O-MBN, O-EFGはいずれも三角錐になる.
三角錐O-EFGの体積は (cm3) 三角錐O-MBNの体積は (cm3) これらの差が求める図形の体積になる (cm3)…(答) |
【問題3.3】
右の図は,底面が直角三角形で,側面はすべて長方形の三角柱ABC-DEFであり,∠ABC=90°, AB=4cm, BC=6cm, AD=12cmとする。また,点P, Q, Rはそれぞれ辺AD, BE, CF上の点で,AP=6cm, BQ=7cm, CR=3cmとする。このとき,次の(1)・(2)の問いに答えなさい。 (1) 略 (2) 3点P, Q, Rを通る平面でこの立体を切って2つに分けるとき,頂点Eをふくむほうの立体の体積を求めよ。 (高知県2000年入試問題)
右図のように点Qを通り△ABCに平行な平面とAD, CFの交点をS, Tとおくとき,三角柱SQT-DEF,三角すいPSQT,三角すいPQTRの3つに分けて体積を求めるとよい.
底面△ABCの面積は,4×6÷2=12だから,三角柱SQT-DEFの体積は 三角すいPSQTは△SQT=12を底面とすると,PS=1が高さになるから 三角すいPQRTは△QRT=6×:4÷2=12を底面とすると,QS=4が高さになる.その体積は,頂点をPからSに等積変形しても同じだから,△SQT=12を底面とし,RT=4を高さとする三角すいと同じ したがって,求める立体の体積は (cm3)…(答)
一般に,底面積がSの三角柱を,右図のように底面からの高さが各々a, b, c (a<b<c)となるように斜めに切ったとき,この立体ABC-PQRの体積は
が成り立ちます.(覚える必要はない) (解説) 三角柱ABC-P'QR'の体積はSa 三角すいPP'QR'の体積は 三角すいPQRR'の体積はP'QRR'の体積に等しいから これらの和は |
== 円錐 ==
【例題4】
(cm3)…(答)図のように,半径が3cmで,高さが4cmの円錐がある。 @B 略 A 図の円すいの体積を求めなさい。ただし,円周率はπとする。 (長野県2015年入試問題)
【問題4.1】
右図の立体は,底面の半径が2cm,高さが6cmの円すいである。円周率をπとして,右図の円すいの体積を求めなさい。
(大阪府2017年入試問題)
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【問題4.2】
右の図1は,線分ABを直径とする円Oを底面とし,線分ACを母線とする円すいであり,点Dは線分BCの中点である。 AB=6cm,AC=10cmのとき,次の問いに答えなさい。ただし,円周率はπとする。 (ア) この円すいの体積を求めなさい。 (イ)(ウ) 略 (神奈川県2015年入試問題)
(ア)
右図のような断面を考えると,△CAOは∠AOC=90°の直角三角形になるから,三平方の定理により
CA2=AO2+OC2 102=32+OC2 OC2=91(これが円すいの高さになる) だから,円すいの体積Vは (cm3)…(答) |
== 体積比 ==
【問題5.1】
下の図のように,AB=4cm,BC=3cm,AD=6cm,∠ABC=90°の三角柱P ,GH=3cm ,HI=4cm ,IJ = 3 cm , ∠GHI = ∠GHJ = 90° の三角錐Q があります。三角柱Pの体積は,三角錐Qの体積の何倍ですか,求めなさい。 (北海道2017年入試問題)
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【問題5.2】
右の図のように,立体ABCD-EFGHにおいて,面ABCDとEFGHは,1辺の長さがそれぞれ2cm,4cmの正方形であり,この2つの面は平行である。また,それ以外の4つの面は,すべて台形でAE=BF=CG=DH=3cmである。 このとき,次の(1)〜(3)に答えなさい。 (1)(2) 略 (3) 立体ABCD-EFGHの体積を求めなさい。なお,途中経過の計算も書くこと。 (福井県2017年入試問題)
ABCDは1辺の長さが2cmの正方形だから,対角線ACの長さはcm,したがってその半分(右図のAP)はcm
同様にしてEFGHは1辺の長さが4cmの正方形だから,対角線EGの長さはcm,したがってその半分(右図のEQ)はcm このとき,明らかに△OAPと△OEQは相似図形で,底辺の長さAP:EQ=1:2だから,OA:OEも1:2となり,OA=3, OE=6 それぞれの直角三角形△OAPと△OAQに三平方の定理を使って,高さOPとOQを求めると 四角錐O-ABCDの体積は 四角錐O-EFGHの体積は 求める四角錐台の体積は,これらの差だから (cm3)…(答) |
【問題5.3】
右の図の2つの円すいA,Bは相似で,その相似比は2:3です。円すいAの体積が40cm3のとき,円すいBの体積を求めなさい。
(滋賀県2017年入試問題)
40:VB=8:27より(cm3)…(答)
小学校以来,体積比は相似比の3乗比と覚えますが,この問題のような円すいの場合に,その公式の証明は次のようになります.
AとBの相似比(縦および横の長さの比)が1:kのとき となるから |
【問題5.4】
図2のように,立方体の中に,直径が立方体の1辺の長さと等しい球が入っている。このとき,球の体積は立方体の体積の何倍か。ただし,円周率はπとする。
(奈良県2015年入試問題)
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== 回転体の体積 ==
【問題6.1】
右の図Tのように,AC=6cm ,BC=8cm ,AD=5cm ,∠ACB=90°の三角柱がある。このとき,次の各問いに答えなさい。 問1,問3 略 問2 △ADEを,直線ADを軸として1回転してできる立体の体積を求めなさい。 (鳥取県2015年入試問題)
△ABCについて,三平方の定理を使って,斜辺ABの長さを求めると,
AC2+BC2=AB2 62+82=AB2 36+64=AB2 AB=10 次に,AB=DEで,△ADEを1回転してできる立体は右図のような円錐になる. (cm3)…(答) |
【問題6.2】
右の図Uの△ABCは,BA=BCの二等辺三角形である。この△ABCを,辺ACを軸として1回転させてできる立体の体積を求めなさい。 (鳥取県2016年入試問題)
BからACに降ろした垂線の足をDとおくと,
直角三角形ABDを,ADを軸として1回転してできる立体の体積は (cm3) 直角三角形BCDを,CDを軸として1回転してできる立体の体積もこれに等しいから (cm3)…(答) |
【問題6.3】
右の図の台形ABCDを,辺ADを軸として1回転させてできる立体の体積を求めなさい。(円周率はπを用いなさい。)
(岐阜県2015年入試問題)
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【問題6.4】
右の図のように,半径3cm,中心角90°のおうぎ形OABがある。このとき,と弦ABで囲まれた部分を直線OAを軸として1回転させてできる立体の体積を求めよ。 (福井県2015年入試問題)
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