【要点1.1】≪円柱の側面積≫
○円柱の表面積は,2つの底面積と側面積の和になります. ○右図のように底面の半径がr,高さがhである円柱の側面は長方形で,側面積は 2πr×h になります.
※以下に引用している入試問題で,元の問題は記述式ですが,この教材ではWeb上での操作性をよくするために,選択問題にしています.
まぐれ当たりでは力が付きませんので,計算用紙などを使って十分考えてから,選択肢をクリックしてください. 解答すれば,採点結果と解説が出ます. |
【1.1 円柱の側面積】
右の図の長方形を,直線lを軸として1回転したときにできる立体の側面積を求めなさい。
ただし,円周率はπとする。 (栃木県2000年入試問題)
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【要点1.2】≪円錐の側面積≫
○円錐の側面積を求めるには,まず展開図の扇形を描いて,その中心角を求めることから始めるとよい. ○右図のように底面の半径がr,母線の長さがLである円錐の側面は扇形になり 底面の円周と扇形の弧の長さと一致するはずだから …(1) 次に半径がLで中心角がθ°の扇形の面積は,半径がLの円の面積πL2の だから …(2) ※この式(2)を覚える必要はないでしょう.(1)で扇形の角度を求めて,(2)で面積を求めるという手順が分かればOKです. (2)自体は次の図でも示せます. (他の考え方1)
扇形を細かく分ける.
切り方が少ないと波の凹凸が残るが 無限に細かく刻むと凹凸はほとんどなくなる
底辺は2πr
高さはL
半分を上下逆にして組合せると長方形になる.
底辺はπr 高さはL ⇒ S=πrL 右上に続く↑
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玉ねぎ形に切って,皮を広げていくと考える. 右図のように 底辺が2πr 高さがL の三角形になるから,その面積は
【1.2 円錐の側面積】
ア
右の図のような円すいがあり,点Aは円すいの頂点で,線分BCは底面の直径である。また,点Dは,母線ABの中点である。AB=8 cm,BC=4 cm であるとき,次のア,イの問いに答えなさい。なお,円周率にはπをそのまま用いよ。 ア. この円すいの側面積は何cm2か。 イ. 略 (香川県1999年入試問題)
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【要点2】
○三角錐や四角錐の表面積は,底面積と側面積の和になります. ○それぞれ三角形や四角形に分けて求めます.
【2.1 四角すいの表面積】
右図のように,一辺の長さが2cm である正方形を底面とする正四角すいT-ABCDがあり,TA =TB =TC =TD = 3cm です。 このとき,次の問いに答えなさい。 (1) (ア) 正四角すいT-ABCDの表面積を求めなさい。 以下略 (筑波大駒場高2017年入試問題)
正方形ABCDの面積は,2×2=4(cm2)ですが,残り4個の二等辺三角形からなる側面積は,右図のような直角三角形を描き,三平方の定理を使って,高さhを求めてから計算します.
1つの二等辺三角形の面積は 求める表面積は …(答) 右上に続く↑
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【2.2 三角錐の表面積】
右の図のように,AB=BC=2cm, BF=4cm の直方体ABCD-EFGHがある。この直方体を頂点A, C, Fを通る平面で分けたときにできる三角
(秋田県2017年入試問題)
4つの三角形に分けて,それぞれの面積を求めてから合計します.
△ABC
AB=BC=2cm,AB⊥BCだから
△BCF
面積は2×2÷2=2(cm2)
AB=2cm,AF=4cm,AB⊥BFだから
△ABF
面積は2×4÷2=4(cm2)
上記の△BCFと同様にして面積は4(cm2)
△ACF
△ABCにおいて,三平方の定理を使うと
以上4つの合計は,2+4+4+6=16(cm2)
したがって,ACの中点をPとおくと, また,△ABFにおいて,三平方の定理を使うと さらに,△APFにおいて,三平方の定理を使うと △ACFの面積は(cm2) ※この展開図において,たまたまBFB”B’は正方形になるが,他の問題でもそうなるとは限らない. |
【2.3 三角錐の表面積】
右の図は,1辺の長さが3cm の立方体ABCD- EFGHである。この立方体を3点B, D, Eを通る平面で2つの立体に分けるとき,2つの立体の表面積の差は何cm2か。
(鹿児島県2015年入試問題)
右上に続く↑
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【要点3】
○展開図において垂線の長さを求めるには,次の例題のように
(1) 「相似図形の性質を使って求める」
などの方法があります.
(2) 「面積を2通りの方法で表して,それらが等しいことから高さを求める」
【例題】
(考え方1)…相似図形と相似比で考える
右の図のような直角三角形ABCにおいて,頂点Bから辺ACに引いた垂線の長さhを求めるには
図において2つの直角三角形ABCとBHCは相似図形だから,斜辺からで示した角度を回って直角に至る順に,CA:AB=CB:BHが成り立つ.すなわち ゆえに (考え方2)…面積を2通りの方法で表す 直角三角形ABCの面積をSとおくと これらは等しいから |
【3.1 展開図.垂線の長さ】
右の図1(略)は,AB=BC=6 cm ,∠ABC=90°の直角二等辺三角形ABCを底面とし,BD=12 cm を高さとする三角すいである。(中略) (ウ) この三角すいの側面上に,図2のように点Aから辺BDに交わるように辺CD上の点まで,長さが最も短くなるように線を引いたときの線の長さとして正しいものを次の1〜6の中から1つ選び,その番号を答えなさい。 (神奈川県2017年入試問題.一部引用)
底面をABCとし,BDを高さとするとされているから,BDは底面ABCと垂直.したがって,BDはABともBCとも垂直.
そこで,△ABD, △BCDの展開図は右図のようになり,DCの長さは三平方の定理を使って求められる. 右図においてAP⊥DCのときAPに長さが最短になる.このときAPの長さは,次のように求めれる. (考え方1)…相似図形と相似比で考える 図において2つの直角三角形DBCとAPCは相似図形だから,斜辺からで示した角度を回って直角に至る順に, CD:DB=CA:APが成り立つ.すなわち ゆえに (cm) (考え方2)…面積を2通りの方法で表す 三角形DABの面積をSとおくと これらは等しいから (cm) |
【3.2 展開図.円錐の側面】
図1のように、底面の直径ABと母線の長さPAについてAB= PA= 4 cmの円錐がある。 (1) 略 (2) 線分PBの中点をCとする。図2のように、この円錐の表面に,点Aから点Cまで,ひもをゆるまないようにかける。ひもの長さが最も短くなるとき,その長さを求めなさい。 (長野県2017年入試問題)
(2) 底面の半径は2 cmだから,右図で青で示した円周の長さ2π×2=4π cm.
一方,赤で示した扇形の中心角をθとおくと,その弧の長さLは4πに等しくなるから そこで,右図の△APCは∠APC=90°の直角三角形になる. ACは展開図において直線になるとき最短になるから,三平方の定理を使ってAC間の距離を求める. (cm)…(答) |
【3.2 展開図.円錐の側面】
右の図のような円すいがあり,点Aは円すいの頂点で,線分BCは底面の直径である。また,点Dは,母線ABの中点である。AB=8 cm,BC=4 cm であるとき,次のア,イの問いに答えなさい。なお,円周率にはπをそのまま用いよ。 ア. 略 イ. 図のように,点Bから側面に沿って,母線ACを横切るように点Dまで線を引く。このような線のうち,最も短い線の長さは何cmか。 (香川県1999年入試問題)
側面の展開図は扇型になり,その中心角をθ°とする.
底面の円周と扇形の弧の長さと一致するはずだから そこで,右図の三角形ABDにおいて∠BAD=90° BDは直線になるときに最短になるから,三平方の定理を使って,線分BDの長さを求める. (cm)…(答) |
【3.3 展開図.直角二等辺三角形】
右の図のように, ∠BAC =∠CAD =∠DAB =90°, AB =AC =AD =cm の三角すいA-BCDがある。このとき,次の(1)〜(3)の問いに答えなさい。 (1)(2) 略 (3) 辺BC上に中点Eをとり,辺AC上に点Fをとって,点EとF,FとDをそれぞれ結ぶ。EF+FDの最小値を求めなさい。 (新潟県2000年入試問題)
右図のように△ABC, △ACD, △BCDはいずれも直角二等辺三角形で辺の長さの比は1:1:になるから,
BC=2, CD=2 EC=1 EF+FDはE, F, Dが1直線上にあるとき最小になる. △ECDに三平方の定理を使うと, (cm)…(答) |
【3.4 展開図.相似図形】
図3の立体は,AB=6 cm, AD=2 cm, AE=4 cmの直方体である。 このとき,次の(1)〜(3)の問いに答えなさい。 (1)(2) 略 (3) この直方体において,図5のように,辺AB, BF上の点をP, Qとする。DP+PQ+QGが最小となるときの,三角すいBPQCの体積を求めなさい。 (静岡県2017年入試問題)
右図の展開図において,DE:EG=6:8だから,AP=xとおくと
2:x=6:8 したがって 次に z:y=6:8 三角すいBPQCの底面△PQBの面積は 三角すいBPQCの体積は (cm)…(答) |
【3.5 展開図.直角二等辺三角形】
右の図のように,OA= OB= OC= 4 cm ,∠AOB= ∠BOC= ∠COA= 45°の三角すいOABCがある。点Aから辺OBに垂線ADを引き,点Dから辺OCに垂線DEを引き,点Eから辺OAに垂線EFを引く。 このとき,(1)〜(4)の各問いに答えなさい。 (1)(2)(3) 略 (4) 三角すいOABCに,点Aから点Fまで,辺OB,辺OCの順に交わるようにひもをかける。ひもの長さが最も短くなるとき,ひもの長さを求めなさい。 (長崎県2017年入試問題)
∠AOB= ∠BOC= ∠COA= 45°だから,垂線AD,DE,EFを引くと,右図のようにそれぞれ直角二等辺三角形ができる.
になり,OP= PF= 1 cmになる. このとき,AP= 5 cm,PF= 1 cm,AP⊥PFになる. AFが最短になるのは,この展開図においてAFが直線になるときだから,三平方の定理を使ってAFの長さを求めると (cm)…(答) |
【3.6 展開図.中線の長さ】
右の図のように,AD= BD= CD= 4 cm ,∠ADB= ∠ADC= ∠BDC= 90°である三角すいABCDがある。辺ACの中点をEとし,辺CD上を点Cから点Dまで移動する点をFとする。このとき,次の(1)〜(3)の問いに答えなさい。 (1)(2) 略 (3) EF+FBの長さが最も短くなるとき,次の@,Aの問いに答えなさい.
@ EF+FBの長さを求めなさい.
A 略 (新潟県2017年入試問題)
△BCD, △CDAの展開図は右図のようになり,ACの長さは三平方の定理を使って求められる.
したがって,ACの中点Eについては, となる. EF+FBの長さが最も短くなるのは,BFEが直線になるとき. (考え方1)…相似図形と相似比で考える EからADに垂線EPを引くと,AP=PD=2 cm,EP=2 cm になるから,直角三角形BEPについて三平方の定理を使うと (cm) (考え方2)…たまたま直角になっていることを利用する △BCD, △CDAはいずれも直角二等辺三角形で∠BCD=∠DCA=45°だから,∠BCA=90° そこで,△BCEについて,,∠BCE=90°により,三平方の定理を使うと (cm) |