■ 三平方の定理の逆
《解説》
■次のような直角三角形の三辺の長さについては,
a2+b2=c2
が成り立ちます.(これを三平方の定理といいます.)
■逆に,三辺の長さについて,
a2+b2=c2
が成り立つとき,その三角形は直角三角形です.
(これを三平方の定理の逆といいます.)
一番長い辺が斜辺です. |
※ 直角三角形であるかどうかを調べるには,
a2+b2 と c2 を比較してみれば分かります.
例
三辺の長さが 3,4,5 の三角形が直角三角形であるかどうか調べるには,
5 が一番長い辺だから,
42+52=?=32
52+32=?=42
が成り立つ可能性はないから,調べる必要はない.
32+42 =?= 52
が成り立つかどうか調べればよい.
32+42=9+16=25 , 52=25 だから,32+42=52
ゆえに,直角三角形である.
例
三辺の長さが 4 , 5 , 6 の三角形が直角三角形であるかどうか調べるには,
42+52≠62 により,直角三角形ではないといえる.
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【要点】
小さい方の2辺を直角な2辺として,2乗の和 a2+b2 を作り, 一番長い辺を斜辺として c2 を作る.
これらが等しいとき ⇒ 直角三角形(他の組合せで,a2+b2=c2 となることはない.)
これらが等しくないとき ⇒ 直角三角形ではない
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■ 問題 次のように三角形の三辺の長さが与えられているとき,これらのうちで直角三角形となっているものを選びなさい.
(4組のうち1組が直角三角形です.)
(1)
「3 , 3 , 4」 「3 , 4 , 4」 「3 , 4 , 5」 「3 , 4 , 6」
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(2)
「1 , 2 , 2」 「1 , 2 , 」 「1 , 2 , 」 「1 , 2 , 」
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(3)
「1 , , 」 「1 , , 」 「1 , , 2」
「1 ,
, 3」
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(4)
「5 , 11 , 12」 「5 , 12 , 13」 「6 , 11 , 13」 「6 , 12 , 13」
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(5)
「8 , 39 , 41」 「8 , 40 , 41」 「9 , 39 , 41」 「9 , 40 , 41」
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■ 問題 次のように三角形の三辺の長さが与えられているとき,これらのうちで直角三角形となっているものを選びなさい.(ややむずかしい)
(1)
「
−
,
+
,
」
「
−
,
+
,
2
」
「
−
,
+
,
4
」
「
−
,
+
,
8
」
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Help
(−)2+(+)2
=5+3−2 +5+3+2 =16
=42
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(2)
「3
−1
,
3
+1
, 2
」
「3
−1
,
3
+1
, 6
」
「−
,
+
,
2
」
「−
,
+
,
9
」
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Help
(3−1)2+(3+1)2
=27+1−6 +27+1+6 =56
=(2 )2
(− )2+(+ )2
=7+2−2 +7+2+2 =18
=(3 )2
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(3)
「2
−
,
+2
, 2
」
「2
−
,
+2
, 2
」
「2
−
,
+2
, 5
」
「2
−
,
+2
, 3
」
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Help
(2− )2+(+2)2
=12+2−4 +3+8+4 =25
=52
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■ ピタゴラス数の問題
○ 次の式の m , n に適当な正の整数(ただし m>n)を入れれば,「三辺の長さが整数となる直角三角形」ができます. (正の整数で三平方の定理を満たすものは,ピタゴラス数と呼ばれます.)
(2mn)2+(m2-n2)2=(m2+n2)2
左辺は 4m2n2+m4-2m2n2+n4
右辺は m4+2m2n2+n4 だから等しい
例 m=2,n=1 を代入すると 42+32=52 となります.(このとき,3 , 4 , 5 の組がピタゴラス数)
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■ 問題
左の式を利用して,三辺の長さが整数となる直角三角形を1組見つけなさい.(上の問題にないもので答えなさい・・・ただし,このホームページでは,あまり大きな数字の計算はできないので,どの辺の長さも100以下で答えなさい.)
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