※以下に引用する高校入試問題で,元の問題は記述式の問題ですが,web画面上で入力問題にすると操作性が悪いので,選択問題に書き換えています.
【問題1】 (画面上で解答するには,選択肢の中から正しいものを1つクリック)
(1)
二次方程式(x−3)(x+8)=0を解きなさい。 (北海道2017年入試問題)
因数分解されている二次方程式から,解を求めるには次の原理を使います.
AB=0ならばA=0またはB=0 これにより (x−a)(x−b)=0ならばx−a=0またはx−b=0 移項してx=...の形に直すと x=aまたはx=b 「または」という用語の代わりに,カンマで区切って次の形に書くことが多い. x=a, b (ていねいにx=a, x=bと書くこともあります) ※因数分解のときの係数の符号と,二次方程式の解とでは符号が逆になることに注意してください.
【要点】
したがって,(x−3)(x+8)=0の解はx=3, −8になります.…(答)(x−a)(x−b)=0の解はx=a, b (x−a)(x+b)=0の解はx=a, −b (x+a)(x−b)=0の解はx=−a, b (x+a)(x+b)=0の解はx=−a, −b |
(2)
次の二次方程式を解きなさい。 x2+4x=0 (青森県2017年入試問題)
○因数分解できるときの二次方程式の解については,次の形が基本です.
(x+a)(x+b)=0の解はx=−a, −b
○しかし,見かけが変わると,意外に間違いが多くなります.
【他の例1】
元の問題は,(x+0)(x+4)=0と因数分解できるからx2−3x=0はx(x−3)=0と因数分解できるから x=0, 3が解になります. ※このx=0の方を忘れてしまう生徒が多いようです. (x−0)(x−3)=0と考えると分かるでしょう. 【他の例2】 x2+3x=0はx(x+3)=0と因数分解できるから x=0, −3が解になります. x=0, −4が解になります. …(答) |
(3)
2次方程式(x+2)(x−2)=2(3x−2)を解きなさい。 (大分県2017年入試問題)
両辺に式があるような二次方程式は,展開・整理して式を左辺に集めてから考えます.
x2−4=6x−4 x2−6x=0 x(x−6)=0 前問と同様に,x=0を忘れないように気を付けましょう. x=0, 6…(答) |
(4)
方程式x2−2x−35=0を解きなさい。 (岩手県2017年入試問題)
左辺が因数分解できる二次方程式は,因数分解を利用して解くのが基本です.
左辺x2−2x−35を因数分解するには,
先に,積が−35となる2つの整数を考え
▼この順序を逆にするのはよくないことです.なぜなら,和が−2となるものは,次の表の上下の組のように,限りなく多数あって絞り切れないからです.後で,その中で和が−2となるものを探すのが基本です.
因数分解は x2−2x−35=(x+5)(x−7) となるので,二次方程式は (x+5)(x−7)=0 その解は x=−5, 7…(答) ※因数分解のときの係数の符号と二次方程式の解の符号は逆になることに注意 |
※元の問題は記述式の問題ですが,web画面上で入力問題にすると操作性が悪いので,選択問題に書き換えています.
【問題2】
(1)
2次方程式x2+6x+2=0の解を求めよ。ただし,解の公式を使わずに,「(x+▲)2=●」の形に変形して平方根の考え方を使って解き,解を求める過程が分かるように,途中の式も書くこと。 (高知県2017年入試問題)
平方根の考え方で解くには次のように行います.
【平方根の定義】 (ただし,とします)
この考え方で解くためには,はじめに,(x+a)2...の形を作ります.ならば 【上記の応用形】 ならば したがって x2+6x+2=0 の両辺に7を加えると x2+6x+9=7 (x+3)2=7 左辺の3を右辺に移項すると …(答) |
(2)
2次方程式(x+4)2−5=0を解きなさい。 (埼玉県2017年入試問題)
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(3)
二次方程式(x−2)2=6を解け。 (京都府2015年入試問題)
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(4)
2次方程式(x+3)2−16=0を解きなさい。 (山口県2015年入試問題)
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【問題3】
(1)
方程式2x2+6x+3=0を解きなさい。 (秋田県2017年入試問題)
簡単に因数分解できないような二次方程式の解を求めるには,解の公式を使います.
【二次方程式の解の公式】
この問題に解の公式を使うとの解は ところで,解の公式で結果が合わないという生徒は,実際には解の公式で間違っているのではなく「根号の付いた式の約分」で間違っている場合が多いようです. 約分で間違う生徒は,次のように分子の一部分だけを割ってしまうのです. …(答) |
(2)
方程式(4x−3)(x+4)=3x−6を解きなさい。 (山形県2017年入試問題)
両辺に式があるような二次方程式は,展開・整理して式を左辺に集めてから考えます.
(4x−3)(x+4)=3x−6 4x2+13x−12=3x−6 4x2+10x−6=0 両辺が何らかの共通因数で割り入れるような場合には,その数で割って係数を小さくしておきます. 2x2+5x−3=0 左辺が簡単に因数分解できない場合は,解の公式で解きます. 解の公式により ±を分ければ簡単になる場合は,分けなければなりません. …(答) |
(3)
方程式3(x+1)(x−2)=2(x2−2)を解け。 (愛知県B 2000年入試問題)
両辺に式があるような二次方程式は,展開・整理して式を左辺に集めてから考えます.
3(x2−x−2)=2(x2−2) 3x2−3x−6=2x2−4 x2−3x−2=0 左辺が簡単に因数分解できない場合は,解の公式で解きます. …(答) |
(4)
方程式(x−4)(x−1)=2(x2+3)を解け。 (愛知県A 1999年入試問題)
両辺に式があるような二次方程式は,展開・整理して式を左辺に集めてから考えます.
x2−5x+4=2x2+6 −x2−5x−2=0 x2+5x+2=0 左辺が簡単に因数分解できない場合は,解の公式で解きます. …(答) |