■根号計算(約分)
2次方程式の解の公式を使うためには,根号計算,特に「根号を含む分数」の約分が正確にできなければなりません.この頁では解の公式を使ったときに登場する「根号を含む分数」の約分を練習します.
【例1】次の式を約分して簡単にしてください.
【解答】= (注意) 分母を3で割るときは,分子のどの項もすべて3で割らなければなりません.次の例はよくある間違いで,分子の内の一部分だけを3で割っているところが間違いです. は間違い は間違い ※上のような間違いを避けるために,「約分する前には必ず( )でくくる」(かっこでくくっていない式は約分しない)と決めると安全に約分ができます. == |
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次の式を約分して簡単にしてください.(正しいものを下の選択肢から選んでください.)
1± |
6, 2, 8はいずれも2で割り切れるので(最大公約数は2だから),分母・分子を2で割ります.
= ※「約分する前に( )でくくる」方式で行うときは == |
1±3 3± |
6, 3, 6はいずれも3で割り切れるので(最大公約数は3だから),分母・分子を3で割ります.
= ※「約分する前に( )でくくる」方式で行うときは == |
−3± −1±3 |
3, 6, 6はいずれも3で割り切れるので(最大公約数は3だから),分母・分子を3で割ります.
= ※「約分する前に( )でくくる」方式で行うときは == |
2± 2±6 3±4 4±3 12± |
12, 6, 6はいずれも6で割り切れるので(最大公約数は6だから),分母・分子を6で割ります.
=2± ※「約分する前に( )でくくる」方式で行うときは ==2± |
−2±9 −6±9 −2±3 −2±9 −6±3 |
6, 9, 3はいずれも3で割り切れるので(最大公約数は3だから),分母・分子を3で割ります.
=−2±3 ※「約分する前に( )でくくる」方式で行うときは ==−2± |
【例2】次の式を約分して簡単にしてください.
【解答】==
根号の中の数を素因数分解したときに2個ある数は,根号の外に出したときに1個になります.
例==2 根号の中に3個ある数は,2個だけ出せます. 例==3 根号の中に4個ある数は,根号の外に出したときに2個になります. 例==22=4 2種類以上の数字が外に出ることもあります. 例==2×3=6 |
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1± 3± 6± |
はじめに,を変形しておきます.
==3 次に,6, 3, 6はいずれも3で割り切れるので(最大公約数は3だから),分母・分子を3で割ります. = |
12±1 4± |
はじめに,を変形しておきます.
==3 次に,12, 3, 27はいずれも3で割り切れるので(最大公約数は3だから),分母・分子を3で割ります. = |
−4± −4± −4± −8± −8± |
はじめに,を変形しておきます.
==2 次に,8, 2, 2はいずれも2で割り切れるので(最大公約数は2だから),分母・分子を2で割ります. =−4± |
【例3】次の式を約分して簡単にしてください.
【解答】=だから−1, 2
根号が完全にはずれるもの ⇒ 分ければ簡単になる.
分ければ簡単になるものは分けて答える. 根号の中に数字が残るもの ⇒ 分けても簡単にならない. 分けても簡単にならないものは±のまま答える. |
は2つの数字, をまとめて書いたものなので, ==−1 ==2 のように「分けて書けば簡単になります」. このように
分ければ簡単になるものは,分けて答えます.
これに対して,上で扱ってきたのような数字は,分けてもとにしかなりませんので, もととほとんど同じになり分ける値打がありません. |
1, 2 5, 7 , 3± |
はじめに,を変形しておきます.
=2 次に,6±2を6−2=4, 6+2=8に分けて計算します. =1, =2 |
2, 3 12, 18 |
はじめに,を変形しておきます.
=3 次に,15±3を15−3=12, 15+3=18に分けて計算します. =2, =3 |
−10, 0 −, 0 |
はじめに,を変形しておきます.
=5 次に,−5±5を−5−5=−10, −5+5=0に分けて計算します. =−, =0 |
【例4】次の式を約分して簡単にしてください.
【解答】= ※ 分母は「なるべく」正の数になるようにします.(高校以上では様々な場面で,分母を負の数のまま使うこともありますが,中学校の基本の段階では,「分母は正の数にする」ように決める方がよい.) ※ 上の式で,分母と分子を−2で割ると,それぞれ符号が変わりますので 分子は−13 分母は2 となりますが,順序を問題にしないときは単に と書けばよい. |
※高校で連立方程式の解を表すときなどにおいて, (−3, 4), (3, −4)のような組をまとめて書くときは, (±3, 4)(複号同順) と書きます.これは±という複号を読むときに,上と上,下と下が組であることを表しています.だから(±3, 4)(複号同順)と書かれているときに(−3, −4), (3, 4)は入りません. 同様にして(±3, ±4)(複号同順)と書かれているときは(−3, −4), (3, 4)の組を表しています. 中学校で,解の公式を使って2つの数字の組が出てきただけなら順序は問題にならないので,複号同順などと書く必要はなく,左の解答のように順序を気にすることはなく,±を負の数で割っても±のまま使えばよい. |
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分母・分子を−2で割って約分します.
= |
−15±2 |
分母・分子を−5で割って約分します.
= |