■ 確率変数,確率分布携帯版
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○ 確率変数,確率分布の定義

 試行の結果によって,その値をとる確率が定まる変数を確率変数という.確率変数とその値をとる確率との対応を示したものを確率分布という.確率変数が整数値などの離散的な値(とびとびの値)になるときは,確率分布は,次のような一覧表で示されることがある.
X x1 x2 ・・・ xn
P p1 p2 pn 1
 すべての場合の確率の和は p1 + p2 + … + pn = 1 となる.
※ 試行の結果として起こる事象に整数や実数の数値が結びつけられているときに,その数値を確率変数という.この場合において,事象を決めれば,数値も確率も決まることが重要.

○例1 100本のくじで,1等10000円が2本,2等1000円が8本,3等100円が10本,残りがはずれとなっている場合に,このくじをよくまぜてから1本引いて起こる事象,賞金,確率は,次の表のようになる.
 この例では,1等,2等,・・・は確率変数ではなく,賞金の10000円,1000円,・・・が確率変数となっている.

×例2 100人の生徒の血液型が,A型40人,B型20人,AB型10人,O型30人であったとき,これらの血液型について,度数分布表,相対度数分布表を作ることはでき,1人抽出したときの各血液型の生徒が選ばれる確率は定まるが,A型,B型,AB型,O型などは確率変数ではない.
 上の例1では,賞金という数値が確率変数になっているので,その平均値(期待値)や散らばりなどを考えることができるのに対して,例2ではA型,B型などの名前は数値ではなく,平均値や散らばりなどはない.
 (グラフ中の赤線で示した値は,単に度数の平均を表わしており,確率変数の平均として想定されるものがあるとすれば,グラフ中の青線のようなものとなる.血液型の平均値はない.)
 この例のように,定性的な性質で分類したデータ(カテゴリーデータ)の分類名(カテゴリー)は,そのままでは確率変数には使えない.

×例3 ある授業のわかりやすさについて100人の生徒にアンケート調査をしたところ,次のような結果が得られたとする.
授業のわかりやすさ わかりやすい どちらかといえばわかりわすい 普通 どちらかといえばわかりにくい わかりにくい
度数
(人数)
20 40 20 10 10
 このアンケート調査から,1人の生徒を任意に抽出したとき「わかりやすい」「どちらかといえば分かりやすい」と回答した生徒が「わかりにくい」「どちらかといえばわかりにくい」と回答した生徒よりも多いというようなことはいえるが,「授業のわかりやすさ」はこの表のままでは確率変数には使えない.この例のような順序や間隔で表わされる分類から確率変数を作るには,「分かりやすい」= 5 〜「分かりにくい」 = 1 などと便宜的に数値を割り当てる必要がある.
○ 記号
 確率変数 X が x k という値をとる確率を P(X = x k) で表わす.
 確率変数 X が a ≦ X ≦ b の範囲の値をとる確率を P(a ≦ X ≦ b) で表わす.
 (a < X < b の範囲には P(a < X < b), X > a の範囲には P(X > a) が対応する.)
例4 上の例1で,賞金10000円がもらえる確率は, P(X = 10000) = 0.02 となる.
例5 さいころを1回投げて,出た目の数の100倍の金額(円)がもらえる場合,確率分布は次の表のようになる.
事象
確率変数 X 100 200 300 400 500 600
確率 P

この場合,さいころを1回投げて,200円もらえる確率は P(X = 200) =
同様にして,100円以上300円以下となる確率は P(100 ≦ X ≦ 300) =
同様にして,500以上となる確率は P( 500 ≦ X ) =
■チェックテスト
右の表を参考にして,2つのさいころを同時に投げて出た目の和を X するとき,次の空欄を埋めるとどうなるか.
  • P(X = 7) =  

  • P(2 ≦ X ≦ 3) =  

  • P(X > 9) =  

1 2 3 4 5 6
1 2 3 4 5 6 7
2 3 4 5 6 7 8
3 4 5 6 7 8 9
4 5 6 7 8 9 10
5 6 7 8 9 10 11
6 7 8 9 10 11 12
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