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=== 2次関数の最大値,最小値 ===

*** 目次 ***(クリックすれば該当項目にジャンプします)




【例題1.1】
x+y=2のとき,xyの最大値を求めてください.
条件式が1次方程式のときは,その方程式を使って1つの文字yを消去して,1つの変数xの関数に直して考えるのが基本です.(xを消去してもよい)
(解答)

この参考図において,縦はyではなく,求める関数xyxの関数として表したものであることに注意
y=2−xを代入すると
xy=x(2−x)=−x2+2x
=−{x2−2x}=−{(x−1)2−1}
=−(x−1)2+1
右図のような2次関数になり,x=1(このときy=1)のとき最大値1になる.
【例題1.2】
x+2y=3のとき,2x2+y2の最小値を求めてください.
条件式の方程式を使って1文字を消去しますが,yを消去すると初めから分数が登場します.
この形ならxを消去する方が有利でしょう
(解答)

この参考図において,縦はyではなく,求める関数2x2+y2yの関数として表したものであることに注意
x=3−2yを代入すると
2x2+y2=2(3−2y)2+y2
=2(4y2−12y+9)+y2
=9y2−24y+18



ゆえに
のとき,最小値2をとる.

【問題1】 選択肢の中から正しい答を選んでください.(クリックする)
(1)
x−y=4のとき,xyの最小値を求めてください.

(2)
x+y=1のとき,2x2−3y2の最大値を求めてください.


x2+y2=1のとき,x+y最大値を求めよ」というような問題では,条件式x2+y2=1を1文字について解いて目的の式に代入消去するという方法は難しくなります.

全くできないということではないのですが,のような関数の最大値を求めるのは大変です.

このような問題では,
求めたい式をx+y=kとおいて,定数kの値の範囲を調べる方法があります.
x2+y2=1…(1) (条件式は方程式)
x+y=k…(2) (目的の式も方程式になる)

→ (1)(2)の両方を満たす実数x, yが存在したら,そのようなkの値はとり得る値で,(1)(2)の両方を満たす実数x, yが存在しなかったら,そのようなkの値はとり得ないと考える.

このような考え方の転換に慣れるまでは違和感があるかもしれないが,例えばx=1, y=0x2+y2=1…(1) を満たすが,そのときk=1+0=1の値は確かに取り得る値となっている.
また,x=0, y=−1x2+y2=1…(1) を満たすが,そのときk=0−1=−1の値は確かに取り得る値となっている.
このようにして(1)(2)を満たす実数x, yが存在したら,そのようなkの値はとり得る値となるのだから,(1)(2)を満たす実数x, yが存在するための条件を求めたらよい.(判別式を使うのでまだ習っていない場合は,飛ばしてもよいし,判別式を勉強してからやってもよい)
【例題2.1】
x2+y2=1のとき,x+yの最大値を求めてください.
(解答)
x+y=kとおく
y=k−xx2+y2=1に代入すると
x2+(k−x)2=1
2x2−2kx+(k2−1)=0…(*)
2次方程式(*)が実数解をもつための条件は
D'=k2−2(k2−1)≧0
−k2+2≧0
k2≦2

最大値は
【例題2.2】
xy=1 (x>0, y>0)のとき,x+yの最小値を求めてください.
(解答)
x+y=kとおく
y=k−xxy=1に代入すると
x(k−x)=1
x2−kx+1=0…(*)
2次方程式(*)が実数解をもつための条件は
D=k2−4≧0
k2≧4
k≧2またはk≦−2
x>0, y>0のとき,k=x+y>0だから
k≧2
最小値は2

【問題2】 選択肢の中から正しい答を選んでください.(クリックする)
(1)
x2+y2=2のとき,y−xの最大値を求めてください.

(2)
x2−xy+y2=1のとき,x+yの最大値を求めてください.



のような式を比例形ということがあります.

○通俗的な言い方で言えば,このような(いもづる形)の条件式が与えられているときは,


とおくと
x=2t, y=3t, z=4t
と書けるので,3つの変数x, y, zで表される関数を1つの変数tで表すことができます.

【例題3.1】

のとき,の最小値を求めてください.
(解答)

とおくと

このとき



となるから
t=0 (x=1, y=−1, z=2)のとき最小値−2をとる.

【問題3】 選択肢の中から正しい答を選んでください.(クリックする)
(1)

のとき, の最小値を求めてください.

(2)

のとき,の最小値を求めてください.


(1)

のように2つの変数が独立に変化できるときの最大・最小を求めるには,各々の変数について平方完成の変形をして


の形に直して
 x=1, y=−2のとき最小値3
などと変数を分けて考えるのが第1の基本です.

(2)
しかし,のようにxyの項を含む場合には

の形にはなりません.
 このように,一般の場合に2つの変数を含む2次関数の最大・最小を求めるには
(A) まず初めにxだけを変数としてxについて整理して)平方完成を行い
(B) 次にそこで出てきた定数項をyの関数として平方完成を行う
という2段階の変形を行います.




この第1段階で,各々のyに対して, x=−y−1のとき最小値 をとることが分かりますが,中でも最小値 の値は yの値によっては大きくもなり小さくもなります.

だから
y=−3のとき最小となります.
結局
 (原式)
と変形して,

のとき最小値4をとることが分かります.

【例題4.1】
の最小値を求めてください.
(解答)
変数を分けて1つずつ平方完成の変形を行います.



x=−2, y=1のとき最小値1をとる.

【例題4.2】
の最小値を求めてください.
(解答)
xについて整理します.









のとき最小値3をとる.

【問題4】 選択肢の中から正しい答を選んでください.(クリックする)
(1)

の最小値を求めてください.
0 1 2 3 4 5

(2)

の最小値を求めてください.
0 1 2 3 4 5


媒介変数(助変数)を含む2次関数の最大・最小問題は,内容的には2変数関数の最大最小の問題と同じですが,出題のされ方や見かけが少し変わりますので,これにも慣れておく方がよいでしょう.

【例題5.1】
関数の最小値を求めてください.
次にの最大値を求めてください.
(解答)


x=−2a−1のとき最小値 をとる.





のとき最大値 をとる.

【例題5.2】
におけるの最大値と最小値を求めてください.
(解答)
の頂点の座標は

ア) a<−2のとき
頂点は区間−2≦x≦2よりも左側にあり,関数のグラフは区間−2≦x≦2において単調増加.
最小値は
最大値は

イ) −2≦a<2のとき
頂点は区間−2≦x≦2の中にあり,頂点で最小となる.ただし,軸x=aが左寄りか右寄りかで最大値は変わる.
その1) −2≦a<0のとき
最小値は
最大値は
その2) 0≦a<2のとき
最小値は
最大値は

ウ) 2≦aのとき
頂点は区間−2≦x≦2よりも右側にあり,関数のグラフは区間−2≦x≦2において単調減少.
最小値は
最大値は

【問題5】 選択肢の中から正しい答を選んでください.(クリックする)
(1)
0≦x≦2においての最小値を求めてください.
ア) a<0のとき

イ) のとき

ウ) 2≦aのとき

(2)
1≦x≦5においての最小値を求めてください.
ア) a<1のとき

イ) 1≦a<5のとき

ウ) 5≦aのとき


【問題6】 選択肢の中から正しい答を選んでください.(クリックする)
(1)
x≦t≦x+1においての最大値を求めてください.
ア) のとき

イ) のとき

(2)
0≦x≦tにおいての最大値を求めてください.
ア) t<4のとき

イ) 4≦tのとき


■[個別の頁からの質問に対する回答][2次関数の最大値,最小値について/17.7.1]
わかりやすく、とても参考になっています。 条件式が比例形になっている場合 の最初の解説の比例形で式が x/2=y/3=y/4 と不可能な式となっていました。y/4はz/4の間違えではないでしょうか。
=>[作者]:連絡ありがとう.y→z書き換えました.
■[個別の頁からの質問に対する回答][2次関数の最大値,最小値について/17.6.22]
問題5の(2)が、問題文では0≦x≦5となっているのに、解答では1≦x≦5になっています。
=>[作者]:連絡ありがとう.問題文の入力ミスとして訂正しました.

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