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== 三角方程式 ==
【三角方程式とは】
のように角度が未知数になっている方程式を三角方程式という.
• 三角方程式は,次の例題のように単位円を利用して解くと分かりやすい.
【例題1】
 のとき,を満たすθの値を求めてください.

サインはy
だから,単位円(半径rが1の円)を描くと,になる
⇒「サインはy」と覚えておく
(解答)
 右図の単位円で,y座標がとなる角度は,…(答)
#超初心者のビックリ答案#
 何十年も高校で教えていると,ビックリ答案に出会うことがある.馬鹿にしているのでなく,危険な落とし穴として注意しておこう!
からと答えた生徒がいた.
のかけ算ではないのだ!などというものはないのだ.
#この問題はなぜ解けるのか#
 本当のことを言えば,この問題が解けるのは,
という答えを覚えているから解けるのです.もっとはっきり言えば,「筆算で解ける」のは,次の表に出てくるの組み合わせだけです.
θ0π
y010
 この表にない値,例えばのどれも「筆算では」解けません.解けるのは,この表にあるの場合だけです.
 中学校で習う1次方程式の解き方など違って,を「数式変形で」解く方法はありません.のような問題は「教科書の巻末に付いている三角関数表を見て」解くのです.
θ19°20°21°
正弦0.32560.34200.3584
θ=約19°
 これに対して,定期試験や入学試験などで三角関数表が付いていない場合には,上に述べた表に出てくる問題しか出ないことになります(符号が逆のものは出ます).

【例題2】
 のとき,を満たすθの値を求めてください.

コサインはx
だから,単位円(半径rが1の円)を描くと,になる
⇒「コサインはx」と覚えておく
(解答)
 右図の単位円で,x座標がとなる角度は,…(答)
【例題3】
 のとき,を満たすθの値を求めてください.

タンジェントはy/x
だから,単位円(半径rが1の円)を描くと,=(縦)÷(横)の比率になる
⇒「タンジェントはy/xの比率」
(解答)
 右図の単位円で,(縦)÷(横)の比率が正で1となる角度は,…(答)

≪水色の表だけは確実に言えるようにしよう!≫
残りは矢印の方向に同じ値にして,符号を付ける
θ0π
010

θ
−1


θ0π
10−1

θ
0


θ0π
01×−10

θ
1×−1


【解説】
○ 次のような問題では,2θの問題に直して解く。

○ 次の問題では,に直して解く。

■ 問題
0≦θ<πのとき,次の方程式を解きなさい。(初めに問題を1つ選択し,続いて解答を1つクリックしなさい。正しければ消えます。)
問題 解答
ヒント
ヒント
ヒント
ヒント
ヒント





【三角方程式の一般解】
(A) の1つの解をαとするとき,
θ=α+2nπ…(1)
θ=(π−α)+2nπ…(2)
nは整数]
の形に書ける角度はすべて解になる.
 この形で一般解として覚えてもよいが,次のようにまとめる方法も使われる.
(1)はnが偶数のときはαを加えることを表しており,
(2)はθ=(2n+ 1)π−αと書けるから,nが奇数のときはからαを引くものと解釈することができる.
 そこで,これら2つの式を
nは整数]
とまとめることができる.
 上記の茶色で書いたまとめ方は,式が複雑で迷う可能性がある.自分が答案を書くときは,(1)(2)で安全・確実に書けばよい.
 上記の(A)の公式は,次の(B)の形に書くこともできる.
(B) のとき,
θ=α+2nπ…(1)
θ=(π−α)+2nπ…(2)
nは整数]
が成り立つ.

【例題4】
 を満たすθの値を求めてください.
(解答)
 だから,は1つの解となる.
…(1)nは整数]
…(2)…(答)
【例題5】…たぶん,高校生の正答率は1割以下.難しい
 のとき,を満たすθの値を求めてください.
(解答)
nは整数として
(1) より
気長に,nの値の範囲を求めているだけだが,生徒には難しいらしい




これに該当する整数値nはない
(2) より







これに該当する整数値はn=0
したがって,…(答)

【例題6】…もう高校生2年生ではほとんど解けないかも
 0≦θ≦πのとき,を満たすθの値を求めてください.
(解答)
と変形する.
なぜ,そのような変形をするのか?それは,加法定理などの変形方法をまだ習っていない段階では,の形からでは解き方の手がかりがなく,の形からなら解き方が分かるから,にそろえたということ.
 特に,を使わなければならない訳ではなく,でもよいが,一番簡単なものを使ったということ
nは整数として
(1) より





これに該当する整数値はn=0, 1
n=0のとき,
n=1のとき,
(2) より






これに該当する整数値はない
(1)(2)から,…(答)

【三角方程式の一般解】
(A) の1つの解をαとするとき,
θ=±α+2nπnは整数]
の形に書ける角度はすべて解になる.
 上記の(A)の公式は,次の(B)の形に書くこともできる.
(B) のとき,
θ=±α+2nπnは整数]
が成り立つ.

【例題7】
 を満たすθの値を求めてください.
(解答)
 だから,は1つの解となる.
nは整数]…(答)
【例題8】
 のとき,を満たすθの値を求めてください.
(解答)
nは整数として
(1) より




これに該当する整数値はn=0
n=0のとき,
(2) より





これに該当する整数値はn=1
したがって,
以上から,…(答)

【例題9】
 0≦θ≦πのとき,を満たすθの値を求めてください.
(解答)
と変形する.
正弦にそろえてもできる
nは整数として
(1) より





これに該当する整数値はn=0, 1
n=0のとき,
n=1のとき,
(2) より




これに該当する整数値はn=1
n=1のとき,
(1)(2)から,…(答)

【三角方程式の一般解】
(A) の1つの解をαとするとき,
nは整数]
の形に書ける角度はすべて解になる.
 上記の(A)の公式は,次の(B)の形に書くこともできる.
(B) のとき,
nは整数]
が成り立つ.

【例題10】
 を満たすθの値を求めてください.
(解答)
 だから,は1つの解となる.
nは整数]…(答)
【例題11】
 のとき,を満たすθの値を求めてください.
(解答)
nは整数として
より



これに該当する整数値はn=0
n=0のとき,…(答)

【例題12】
 0≦θ≦πのとき,を満たすθの値を求めてください.
(解答)
と変形する.
にそろえる方法はいろいろあるが,一番簡単なものを使ったということ
nは整数として
より





これに該当する整数値はn=0, 1, 2
n=0のとき,
n=1のとき,
n=2のとき,
…(答)

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