■N進数の小数
■10進法で書かれた小数
 10進法で書かれた小数12.345
1×10+2+3×+4×+5×
を表します.
a,b,c,d,e0,1,2,3,...,8,9の数字であるとき,10進法で書かれた小数abc.de
a×102+b×10+c+d×+e×
を表します.

※ 小数第n位の数は,の係数になっています.

■2進法で書かれた小数
a,b,c,d,e0,1の数字であるとき,2進法で書かれた小数abc.de(2)
a×22+b×2+c+d×+e×
を表します.

※ 小数第n位の数は,の係数になっています.
○ 10進法で書かれた小数を2進法で表すには,次のように考えると簡単です.

(1) 2進法で書かれた数は,2倍すると左に1桁ずつシフトします.(1桁ずつずれるだけ・・・2進法で2倍するのは!)
a×22+b×2+c+d×+e×
2倍する
a×23+b×22+c×2+d+e×
2倍する
a×24+b×23+c×22+d×2+e

(2) そこで,10進法で書かれた数を2進法で表すには,まず,整数部分と小数部分に分けます.
 1) 整数部分は,今まで通りに2進法で表します.
 2) 小数部分だけを[1]「2倍して」,[2]「頭を読み取り」,[3]「頭を取り除きます」  (これを繰り返します)
⇒ 右の【例3】
【例1】
 2進法で表された小数10.11(2)を10進法の分数で表してください.
(解説)
10.11(2)=1×2+0+1×+1×
=2++=
【例2】
 2進法で表された小数11.1(2)を10進法の小数で表してください.
(解説)
11.1(2)=1×2+1+1×
=2+1+==3.5
【例3】
 10進法で表された小数5.75を2進法の小数で表してください.
(解説)
(整数部分)
5=1×22+0×2+1=101(2)
(小数部分)
[1]2倍すると
0.75×2=1.5 ←[2]頭の数字は1
[3]1を取り除くと
0.5
[1]2倍すると
0.5×2=1 ←[2]頭の数字は1
小数部分は0.11(2)
(全体で)101.11(2) …(答)

【例4】
 10進法で表された小数13.625を2進法の小数で表してください.
(解説)
(整数部分)
13=1×23+1×22+0×2+1=1101(2)
(小数部分)
[1]2倍すると
0.625×2=1.25 ←[2]頭の数字は1
[3]1を取り除くと
0.25
[1]2倍すると
0.25×2=0.5 ←[2]頭の数字は0
[3]0だから取り除く必要はない
0.5
[1]2倍すると
0.5×2=1 ←[2]頭の数字は1
[もうないので終り]
小数部分は0.101(2)
(全体で)1101.101(2) …(答)

【問題1】
 2進法で表された小数11.101(2)を10進法の分数で表してください.

1 2 3 4



【問題2】
 2進法で表された小数1011.011(2)を10進法の小数で表してください.

111.375 211.75 313.375 413.75



【問題3】
 10進法で表された小数6.3125を2進法の小数で表してください.

1110.0011(2) 2110.0101(2)
3110.1011(2) 4110.1101(2)



【参考:Excelを使った検算】
○Excelには2進数の「正の整数」を10進数の正の整数に変換する関数 =BIN2DEC() がありますが,この関数のままでは2進数の「小数」を10進数の小数に変換することはできません.
 そこで,11.101を10進数に直すには,下図の流れに沿って
(1) 初めに8倍して「正の整数」に直す.(2進数を3桁繰り上げるには8倍するとよい)
(2) 次に,これを10進数に変換する.
(3) 得られた10進数を8で割る.
という手順で,2進数の「小数」を10進数の小数に変換できます.→【問題2】の答の検算ができます
○【問題1】のように分数の答が必要なときは,結果が得られてから,Excelの書式設定として書式→セル→分数とすれば分母が3桁までの分数に対応できます.

※ただし,この関数 =BIN2DEC(**) は,引数(**)の値の範囲が≦11111111(2)=511となっているようです.引数がこれよりも大きいと負の数が返されます.
○Excelには10進数の「正の整数」を2進数の正の整数に変換する関数 =DEC2BIN() があります.【例3】のように10進数の「小数」を2進数の小数に変換するには,左欄の逆の手順のように見えますが,割り算を簡単に行うには2,4,8,..倍して2,4,8,..で割るのがよいようです.
(1) 初めに2n倍して「正の整数」に直す.(2,4,8,..とやってみて整数になればよい)
(2) 次に,これを2進数に変換する.
(3) 得られた2進数を2nで割る.
という手順で,10進数の「小数」を2進数の小数に変換できます.

※ただし,この関数 =DEC2BIN(**) は,引数(**)の値の範囲が**≦511=11111111(2)となっているようですので,引数の範囲を超えてしまうときは無理です.
※また,2n倍で整数にならないときは無理です.
【例3】の場合
(1) 5.75×4=23で整数になる.
(2) DEC2BIN(23)=10111 により,2進数になる.
(3) 4で割るから,2桁下げて101.11が答
【例4】の場合
(1) 13.625×8=109で整数になる.
(2) DEC2BIN(109)=1101101 により,2進数になる.
(3) 8で割るから,3桁下げて1101.101が答
【問題3】の場合
(1) 6.3125×16=101で整数になる.
(2) DEC2BIN(101)=1100101 により,2進数になる.
(3) 16で割るから,4桁下げて110.0101が答

■3進法で書かれた小数
a,b,c,d,e0,1,2の数字であるとき,3進法で書かれた小数abc.de(3)
a×32+b×3+c+d×+e×
を表します.

※ 小数第n位の数は,の係数になっています.

○ 10進法で書かれた小数を3進法で表すには,次のように考えると簡単です.

(1) 3進法で書かれた数は,3倍すると左に1桁ずつシフトします.
a×32+b×3+c+d×+e×
3倍する
a×33+b×32+c×3+d+e×
3倍する
a×34+b×33+c×32+d×3+e
(2) そこで,10進法で書かれた数を3進法で表すには,まず,整数部分と小数部分に分けます.
 1) 整数部分は,今まで通りに3進法で表します.
 2) 小数部分だけを[1]「3倍して」,[2]「頭を読み取り」,[3]「頭を取り除きます」  (これを繰り返します)

⇒ 右の【例7】

【問題4】
 3進法で表された小数21.22(3)を10進法の分数で表してください.

1 2 3 4




【問題5】
 3進法で表された小数1.21(3)を10進法の小数で表してください.

11.3···(循環小数) 21.4···(循環小数)
31.6···(循環小数) 41.7···(循環小数)



【例5】
 3進法で表された小数2.01(3)を10進法の分数で表してください.
(解説)
2.01(3)=2+0×+1×
=2+=
【例6】
 3進法で表された小数10.12(3)を10進法の小数で表してください.
(解説)
10.12(3)=1×3+0+1×+2×
=3++=
=3.555···(循環小数)
【例7】
 10進法で表された小数5.7を3進法の小数で表してください.
(解説)
(整数部分)
5=1×3+2=12(3)
(小数部分)
[1] 3倍すると
0.7×3=2.1 ←[2]頭の数字は2
[3] 2を取り除くと
0.1
[1] 3倍すると
0.1×3=0.3 ←[2]頭の数字は0
[3] 0だから取り除いても取り除かなくても同じ
0.3
[1] 3倍すると
0.3×3=0.9 ←[2]頭の数字は0
[3] 0だから取り除いても取り除かなくても同じ
0.9
[1] 3倍すると
0.9×3=2.7 ←[2]頭の数字は2
[3] 2を取り除くと
0.7
=== 初めの問題に戻っているので≪繰り返しになる≫ ===
小数部分は0.2002 2002 ···(3)(循環小数) (全体で)12.2002 2002 2002 ···(3)(循環小数)
【問題6】
 10進法で表された小数3.5を3進法の小数で表してください.

12.1···(3)(循環小数) 23.2···(3)(循環小数)
310.1···(3)(循環小数) 410.3···(3)(循環小数)



※3, 6, 7, 9 など2, 5以外の因数を持つnを底とするn進数では,10進数と有限小数⇔循環小数が入れ替わることがあります.

■8進法で書かれた小数
a,b,c,d,e0,1,2,...,6,7の数字であるとき,8進法で書かれた小数abc.de(8)
a×82+b×8+c+d×+e×
を表します.

※ 小数第n位の数は,の係数になっています.

○ 10進法で書かれた小数を8進法で表すには,次のように考えると簡単です.

(1) 8進法で書かれた数は,8倍すると左に1桁ずつシフトします.
a×82+b×8+c+d×+e×
8倍する
a×83+b×82+c×8+d+e×
8倍する
a×84+b×83+c×82+d×8+e
(2) そこで,10進法で書かれた数を8進法で表すには,まず,整数部分と小数部分に分けます.
 1) 整数部分は,今まで通りに8進法で表します.
 2) 小数部分だけを[1]「8倍して」,[2]「頭を読み取り」,[3]「頭を取り除きます」  (これを繰り返します)

⇒ 右の【例】

【例8】
 8進法で表された小数7.01(8)を10進法の分数で表してください.
(解説)
7.01(8)=7+0×+1×
=7+=
【例9】
 8進法で表された小数13.7(8)を10進法の小数で表してください.
(解説)
13.7(8)=1×8+3+7×
=8+3+=
=11.875
【例10】
 10進法で表された小数12.5を8進法の小数で表してください.
(解説)
(整数部分)
12=1×8+4=14(8)
(小数部分)
[1] 8倍すると
0.5×8=4 ←[2]頭の数字は4
[終り]
小数部分は0.4(8) (全体で)14.4(8)
【問題7】
 8進法で表された小数13.4(8)を10進法の分数で表してください.

1 2 3 4




【問題8】
 8進法で表された小数3.1(8)を10進法の小数で表してください.

13.125 23.25 311.25 411.5




【問題9】
 10進法で表された小数21.3125を8進法の小数で表してください.

121.25(8) 221.5(8) 325.24(8) 425.42(8)



【参考:Excelを使った検算】
○Excelには8進数の「正の整数」を10進数の正の整数に変換する関数 =OCT2DEC() がありますが,この関数のままでは8進数の「小数」を10進数の小数に変換することはできません.
 そこで,3.1を10進数に直すには,
(1) 初めに8倍して「正の整数」に直す.(8進数を1桁繰り上げるには8倍するとよい)
(2) 次に,これを10進数に変換する.
(3) 得られた10進数を8で割る.
という手順で,8進数の「小数」を10進数の小数に変換できます.→【問題8】の答の検算ができます

○【問題7】のように分数の答が必要なときは,結果が得られてから,Excelの書式設定として書式→セル→分数とすれば分母が3桁までの分数に対応できます.

※ただし,この関数 =OCT2DEC(**) は,引数(**)の値の範囲が**<263168辺りになっているようですので,引数の範囲を超えてしまうときは無理です.
○Excelには10進数の「正の整数」を8進数の正の整数に変換する関数 =DEC2OCT() があります.【例8】のように10進数の「小数」を8進数の小数に変換するには,左欄の逆の手順のように見えますが,割り算を簡単に行うには8, 64, 512..倍して8, 64, 512,..で割るのがよいようです.
(1) 初めに8n倍して「正の整数」に直す.(8, 64, ..とやってみて整数になればよい)
(2) 次に,これを8進数に変換する.
(3) 得られた8進数を8nで割る.(小数点を動かすだけ)
という手順で,10進数の「小数」を8進数の小数に変換できます.

※ただし,この関数 =DEC2OCT(**) は,引数(**)の値の範囲が**<536870912=229となっているようですので,引数の範囲を超えてしまうときは無理です.
※また,8n倍で整数にならないときは無理です.
【問題9】の場合
(1) 21.3125×64=1364で整数になる.
(2) DEC2OCT(1364)=2524 により,8進数になる.
(3) 64で割るから,2桁下げて25.24が答

■16進法で書かれた小数
x,y,z,s,t0,1,2,...,8,9,A,B,C,D,E,Fの数字であるとき,16進法で書かれた小数xyz.st(16)
x×162+y×16+z+s×+t×
を表します.
 ただし,A10B11,...,F15を1文字で表したものとします.

※ 小数第n位の数は,の係数になっています.
○ 10進法で書かれた小数を16進法で表すには,次のように考えると簡単です.

(1) 16進法で書かれた数は,16倍すると左に1桁ずつシフトします.
x×162+y×16+z+s×+t×
16倍する
x×163+y×162+z×16+s+t×
16倍する
x×164+y×163+z×162+s×16+t
(2) そこで,10進法で書かれた数を16進法で表すには,まず,整数部分と小数部分に分けます.
 1) 整数部分は,今まで通りに16進法で表します.
 2) 小数部分だけを[1]「16倍して」,[2]「頭を読み取り」,[3]「頭を取り除きます」  (これを繰り返します)

⇒ 右の【例】
【例11】
 16進法で表された小数0.1A(16)を10進法の分数で表してください.
(解説)
0.1A(16)=1×+10×
==
【例12】
 16進法で表された小数12.3(16)を10進法の小数で表してください.
(解説)
12.3(16)=1×16+2+3×
=16+2+=
=18.1875
【例13】
 10進法で表された小数32.6875を16進法の小数で表してください.
(解説)
(整数部分)
32=2×16+0=20(16)
(小数部分)
[1] 16倍すると
0.6875×16=11 ←[2]頭の数字はB
[終り]
小数部分は0.B(16) (全体で)20.B(16)
【問題10】
 16進法で表された小数3.C(16)を10進法の分数で表してください.

1 2 3 4




【問題11】
 16進法で表された小数A.8(16)を10進法の小数で表してください.

110.25 210.5 311.25 411.5



【問題12】
 10進法で表された小数11.25を16進法の小数で表してください.

1A.4(16) 2A.5(16) 3B.4(16) 4B.5(16)



【参考:Excelを使った検算】
○Excelには16進数の「正の整数」を10進数の正の整数に変換する関数 =HEX2DEC() がありますが,この関数のままでは16進数の「小数」を10進数の小数に変換することはできません.
 そこで,【問題11】においてA.8を10進数に直すには,
(1) 初めに16倍して「正の整数」に直す.→A8 (16進数を1桁繰り上げるには16倍するとよい
(2) 次に,これを10進数に変換する.):HEX2DEC("A8")=168 ダブルクォートなしでは,セル番地を参照してしまうので注意
(3) 得られた10進数を16で割る.(=168/16=10.5)
という手順で,16進数の「小数」を10進数の小数に変換できます.→【問題11】の答の検算ができます

○【問題10】のように分数の答が必要なときは,結果が得られてから,Excelの書式設定として書式→セル→分数とすれば分母が3桁までの分数に対応できます.

※ただし,この関数 =HEX2DEC(**) は,引数(**)の値の範囲が**<231=4294967296あたりになっているようですので,引数の範囲を超えてしまうときは無理です.
○Excelには10進数の「正の整数」を16進数の正の整数に変換する関数 =DECHEX() [Dec To Hex の短縮形]があります.
【例13】のように10進数の「小数」を16進数の小数に変換するには,
(1) 初めに16n倍して「正の整数」に直す.(16, 256, ..とやってみて整数になればよい)
(2) 次に,これを16進数に変換する.
(3) 得られた16進数を16nで割る.(小数点を動かすだけ)
という手順で,10進数の「小数」を16進数の小数に変換できます.

※ただし,この関数 =DEC2HEX(**) は,引数(**)の値の範囲が**<536870912=229となっているようですので,引数の範囲を超えてしまうときは無理です.
※また,16n倍で整数にならないときは無理です.
【問題12】の場合
(1) 11.25×16=180で整数になる.
(2) DEC2HEX(180)=B4 により,16進数になる.
(3) 16で割るから,1桁下げてB.4が答

(以下は,この教材の管理人のメモ書)
[1]m進数で書かれた小数(A)をn進数で書かれた小数(B)に直す問題では,変換元の小数(A)が有限小数であっても,変換先の小数(B)は,ほとんどの場合,無限小数になります.
 例えば,3進数で書かれた有限小数

を10進数で表すと

となって,無限小数(循環小数)になります.(の上にドットを付けたの記号は,その数字が後に無限に続くことを表します.)
 また,10進数で書かれた有限小数

を2進数で表すと

となって,無限小数(循環小数)になります.(2つ以上の数字の組[循環節という]が,後に無限に繰り返される場合は,繰り返される先頭の数字と末尾の数字にドットをつけて表します.のように,初めのは繰り返されずに,だけが以後繰り返される場合[混循環小数という],のように繰り返される節の初めと終わりにドットを付けます.では,小数第1位のは繰り返されず,の4個の数字が繰り返されます.)
[2]m進数で書かれた小数(A)をn進数で書かれた小数(B)に直す問題で,変換元の小数(A)が有限小数であって,変換先の小数(B)も有限小数となるのは,
1) nがmの倍数になっている場合
2) 元の小数(A)を分数で書いたときに約分できる場合
など,限られた条件を満たしている場合です.
 1)の例としては,2進数,4進数,8進数,16進数,…の関係が有名です.
2進数で書かれた小数を4進数で表すと
と2桁ずつ読んだものになります.8進数で表すとと3桁ずつ読んだものになります.
 2)の例
10進数で書かれた小数

は,約分できるので

のように有限小数になります.

[3]一般に,m進数で書かれた小数(A)をn進数で書かれた小数(B)に直すには,このページの問題で解説したように,次々にn倍して整数部分を取り除いていく方法の他に,以下のように「分数にして,n進数の割り算をする」方法が考えられます.(そのまんまワル[割る]
 ただし,n進数の足し算,引き算,かけ算,割り算が縦横に登場するので,慣れないと難しく感じるかもしれません.
【例1】
3進数で書かれた小数を2進数で表すには

のように分数に直します.次に,これを2進数で書くと

2進数で割り算を行う








同じ余りの1が登場したから,以下01の繰り返しになる.
…(答)
(検算)

は,初項,公比の無限等比級数であるから,その和は

囲み文字は「余り」.3で割るときの余りは,0から2までの3種類.余りが0になれば割り切れて,有限小数になる.それ以外の余りは1と2の2種類で,同じ余りが登場すれば循環小数になるから,この場合,多くても循環節は2桁以下と予想できる.
 循環小数を分数に直して検算するには,高校数学Vで習う無限等比級数の和の公式が必要になる.
初項,公比の無限等比級数

の和は(10進数で書くと)


【例2】
5進数で書かれた小数を7進数で表すには

のように分数に直します.次に,これを7進数で書くと

7進数で割り算を行う



…(*1)

…(*2)

…(*3)

…(*4)


同じ余りの1が登場したから,以下1254の繰り返しになる.
…(答)
(検算)

は,初項

,公比の無限等比級数であるから,その和は(10進数で書くと)


5で割る計算では,割り切れる(余り0=有限小数になる)場合を除けば,余りは1〜4の4種類です.同じ余りが登場すれば,以下同じ小数が繰り返されることになるから,循環節の長さは長くても4までです.
左の計算の解説
(*1)←
7進数で10(7)=7×1+0
これから2を引くと5になる
(*2)←
7進数で20(7)=7×2+0
これから5×2=10(10)=7×1+3=13(7)を引くには,7だけ繰り下がって
(7×1+7)−(7×1+3)=4とします
(*3)←
7進数で40(7)=7×4+0
これから5×5=25(10)=7×3+4=34(7)を引くには,7だけ繰り下がって
(7×3+7)−(7×3+4)=3とします
(*4)←
7進数で30(7)=7×3+0
これから5×4=20(10)=7×2+6=26(7)を引くには,7だけ繰り下がって
(7×2+7)−(7×2+6)=1とします


【例3】
7進数で書かれた小数を6進数で表すには

のように分数に直します.次に,これを6進数で書くと

6進数で割り算を行う



…(*1)

…(*2)


同じ余りの2が登場したから,以下14の繰り返しになる.
…(答)
(検算)

は,初項
,公比の無限等比級数であるから,その和は(10進数で書くと)


6で割る計算では,割り切れる(余り0=有限小数になる)場合を除けば,余りは1〜5の5種類です.同じ余りが登場すれば,以下同じ小数が繰り返されることになるから,循環節の長さは長くても5までです.
左の計算の解説
(*1)←
6進数で20(6)=6×2+0
これから6×1+1=11(6)を引くには,6だけ繰り下がって
(6×1+6)−(6×1+1)=5とします
(*2)←
6進数で50(6)=6×5+0
これから6×4+4=44(6)を引くには,6だけ繰り下がって
(6×4+6)−(6×4+4)=2とします

(無限等比級数の和から逆算する裏技)の検討
【例4】
2進数で表された小数を5進数で表してください.
初項,公比の無限等比級数

の和は


において,2と5は互いに素だから,5進数で表したとき,有限小数にはならない.
例えば

の右辺を通分すると,分母は5の累乗になるから,約分できても2に等しくならない.
 次に,2で割る計算だから,割り切れないときの余りは1になる.余りが1種類であるから,循環節の長さが1桁の循環小数になる.
 したがって

 次に初項を求める


 以上により



【例5】
5進数で表された小数を7進数で表してください.

において,5と7は互いに素だから,7進数で表したとき,有限小数にはならない.
 次に,5で割る計算だから,割り切れないときの余りは1〜4になる.余りが4種類であるから,循環節の長さは最大でも4桁になる.
 したがって

において,分母が5の倍数になるものを求める.

だから,すなわち循環節の長さは4桁になる.このとき

 次に初項を求める



 以上により

※この話は,次の「フェルマーの小定理」と関係があります.
整数は互いに素で,が素数のとき

すなわち,で割り切れる.
 高校では,フェルマーの小定理は必ずしも教えないが,この定理を使えば,「整数は互いに素で,が素数だから,で割り切れる」と言えます.
 しかし,のときで割り切れないとまでは言えないから,上記のようにと順に調べるとよいでしょう.
(混循環小数になる場合)
10進数で表した小数を他の記数法で表してみると
2進数 →
3進数 →
4進数 →
5進数 →
6進数 →
7進数 →
のように,10と互いに素となる3進,7進では純循環小数になるのに対して,10と共通な約数(≠1)がある2進,4進,5進,6進では混循環小数になります.すなわち,先頭に循環しない桁があり,その後に循環する部分があります.このような場合には,無限等比級数の和

に直接当てはめることはできません.mとnに公約数(≠1)があるとき,m進数の小数をn進数の小数に直すには,「nを掛けてnで割る」変形を利用できます.
すなわち,n進数の小数は,分数を使って書けば

になりますが,この数にnを掛けると

となって,左に1桁だけシフトした数になります.また,をnで割ると

となって,右に1桁だけシフトした数になります.
 このように,n進数の小数について考えるときは,nを掛けたり,nで割ったりする計算は非常に簡単に行うことができます.
 そこで,上記の10進数の小数を4進数の小数に直す問題を考えてみると,10と4に公約数2があるという問題は,「初めに4を掛けて約分する」ことによって解決できます.

 こうして,を4進数の純循環小数に直してから,「できたものを4で割る=右に1桁シフトする」とよい.



 類題として,10進数の小数を6進数の小数に直す問題を考えてみると,10と6に公約数2があるという問題は,「初めに6を掛けて約分する」ことによって解決できます.





(10よりも大きな底になる場合)
 12進数では,各位の数として,0〜9とa,bの12種類の数字を使って表します.16進数では,各位の数として,0〜9とa,b,c,d,e,fの16種類の数字を使って表します.このように,0〜9と英小文字26種類を使えば,36進数まで表せます.これでも足りなければ,その上に,英大文字A,B,C, ...,Zを追加すると,62進数まで表せます.
 6進数の小数を15進数の小数に直す問題を考えてみると,6と15に公約数3があるという問題は,「初めに15を掛けて約分する」ことによって解決できます.




 12進数の小数を15進数の小数に直す問題を考えてみると,12と15に公約数3があるという問題は,「初めに15を掛けて約分する」ことによって解決できます.





【要約】 m進数で書かれた小数をn進数に直す方法
(1) と仮定して,次々にnを掛けて行き,整数部分を取り出す
循環節の長さは,元の小数を分数で書いたときの分母mによって決まり,m−1 以下になる.
循環すると判断して打ち切るタイミングがやや難しいかも.
(2) n進数の分数に直して,そのまま割り算を行う
循環節の長さは,元の小数を分数で書いたときの分母mによって決まり,m−1 以下になる.
計算力が必要になるが,確実にできる.
同じ余りが登場したら打ち切る(同じ商ではないことに注意).
(3) 無限等比級数の和の公式から逆算して小数に直せることが多い.
※次の表(*)を参考にしてください
≪表(*)≫ 読者の練習用例題
有限小数←→有限小数


有限小数←→純循環小数



有限小数←→混循環小数


純循環小数←→純循環小数



純循環小数←→混循環小数


混循環小数←→混循環小数



※有限小数か無限小数かという区別はあまり重要ではない.次の例で分かるように,(0以外の)すべての有限小数は無限小数に直せる.




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■[個別の頁からの質問に対する回答][N進数の小数について/18.7.31]
【例8】の(解説)の小数点第二位の8は1の間違いではないですか?
=>[作者]:連絡ありがとう.小数第1位と第2位を読み間違えたようです.途中経過が違うだけでなく,解答も違っていましたので訂正しました.(ボロボロ答案)
■[個別の頁からの質問に対する回答][N進法の小数について/17.1.5]
例8の8進法で表された小数について、7.08とありますが、8進法なのに8があるのは変なのではないですか?7.1ではないですか?違ったらごめんなさい
=>[作者]:連絡ありがとう.入力ミスですので訂正しました。