monthlymovielog

毎月のベストテンとmovielogを統合しました。
ここでは観た作品すべての感想を書いてゆこうかと…

観た日/劇場 作品名(リンク先は公式サイト)
原題(英題)
感想(ネタバレは反転させています)
前売り(その他)特典
点数(通常★5つが最高。☆は半分)

2006年12月


30/ MOVIX京都 鉄コン筋クリート
3292
松本大洋の名作コミックの完全アニメ化。
監督にアメリカ人のマイケル・アリアス。熱狂的な松本大洋ファンがこの企画を動かしたようです。
この監督、2度ほど日本に来て、なんとソフトイマージュのトゥーンシェーダーを開発した一人だそうで、もうすごいの一言。
主演に、イマイチ乗り切れてない二宮和也と、完璧な演技の蒼井優。共演も豪華で、伊勢谷友介、田中泯、宮藤官九郎、大森南朋、岡田義徳、本木雅弘など。主題歌にアジアンカンフージェネレーション。
とにかくその原作通りの絵がすごい。その上、すばらしい2D3Dの技術が何の心配もなく観れる。
ここまで出来れば、最高ですね。
クロ・ピンズ付き
★★★★☆
24/ 京都シネマ 上海の伯爵夫人
3291 THE WHITE COUNTESS
ジェイムズ・アイヴォリー監督最新作。カズオ・イシグロ脚本で主演はレイフ・ファインズ、ナターシャ・リチャードソン、真田広之。共演にリン&ヴァネッサ・レッドグレイブ姉妹、アラン・コーデュナー他。
日中戦争の上海の話。没落ロシア貴族の女性と、アメリカの元高官、日本の謎の男の話。
いつものアイヴォリーらしい、ストーリーは背景は動いているが主人公達はたゆたう様に進んでゆく。ちょっと退屈。
主人公の貴族の女性の人生が可愛そすぎ。
ポストカード
★★☆
23/ TOHOプレックス二条 NANA2
3290
主演のハチ公、レン、シンの3人も前作からの代替わりして話題になった有名少女コミックの実写化続編。
監督は、前作から引き続き大谷健太郎。主演に中島美嘉、宮崎ますみから市川由衣、成宮寛貴、玉山鉄二、松田龍平からキョウ暢雄、松山ケンイチから本郷奏多、丸山智己他。
今回の驚きは、キョウ暢雄。パンフレットに出演作が書いてないけど、かのTVシリーズ「TRICK3」に生瀬勝久演じるヅラ刑事の潔癖症のキャリア組部下を演じている。とぼけた演技で今作とは180°違う(笑)。
ストーリーは原作をうまくまとめてさすがと言う感じ。けど、GLAYのTAKUROが作った主題曲がダサい。前作のhydeとは雲泥の差。ちょっと残念。
ラバーコースター(ナナver.)
★★★☆
23/ TOHOプレックス二条 敬愛なるベートーヴェン
3289 Copying Beethoven
アニエスカ・ホランド監督。
タイトルロールのベートーヴェンをエド・ハリスを、原題である「ベートーベンのコピスト(写譜師)」アンナ・ホルツ役にダイアン・クルーガー。この2人がとにかくすばらしい。凛とした写譜師アンナと、熊のような緩い体型でわがまま三昧のベートヴェン。そのままだ。とにかく、生きている彼らを見たことないし、必要以上に興味もないけど、とにかくそっくりなのだ。これは製作者側も納得だったようで、彼らの役者魂はすさまじい。
難聴になってからの一層偏屈になったベートーヴェンと、彼を支えた若き女性写譜師の友情とも愛情とも取れる関係の話。
その破天荒な性格は、そのぽっちゃりした体型と相まってある意味コメディぽく、映画の登場キャラクターとしては魅力的である。冒頭から作曲しているのは、日本でも超有名な「第九」の最終段階。そしてそのすばらしい初演。そこで100点満点!!
しかし、ラストがホランドらしい、一瞬にして切って捨てたような終わりかた。ちょっとどうかと。
とにかく「不滅の恋ベートーヴェン」と同等の出来のよさです。
特製メモパッド
当日、第4楽章フリードリヒ・フィン・シラー「歓喜に寄せて」の歌詞カードを貰う
★★★★☆
19/ リサイタルホール それでもボクはやってない
3288
試写会状 ぴあプレゼンツ・ティーチイン試写会。
ティーチイン(質疑応答)には監督の周防正行監督が登場。
前作「Shall We ダンス?」から11年経っての新作。今作も今まで通りのHowToモノに仕上がっている。そのHowToは、法廷。いや、裁判。しかし、今までと趣が違うのは、今まではコメディタッチの前向き映画だったのが、冤罪を覆すために右往左往する基本後ろ向きな映画になっている。
その上、
結局判決は有罪だし…。
主演に加瀬亮、役所広司、瀬戸朝香ほか、周防組多数。
とにかく腹が立つ。政府機関連中に腹が立つ。だからダメというわけではないけど、そういう世間になってる環境に甘んじる機関に腹が立つ。
地味なことこの上ないけど、すばらしい出来。

ティーチ・インについて。
2時間21分もある本編のあと9時過ぎから始まった質疑応答は、40分過ぎまで5回答ほどあり、そのどれも興味深いものだった。
この作品を選んだ理由。3年掛けて脚本を書いたその資料に2年掛かって裁判を200回ほど見た。その結果、憤りしか感じなく、それを絵にしたかった。
脚本の作り方は、今作に限りラストが見えたから全体から考えた。大体ケースバイケイースで、かっちりしたスタイルはない。など。

また周防監督は、思った以上にゴツイ感じの人でした。
協賛のマイワークからインフォペン(ボールペン軸大阪地下鉄地図が収納されている)
★★★★★
16/ TOHOプレックス二条 エラゴン
3287 eragon
飛び級で大学に進学できる17歳の少年が、大学に行く年齢になるまでのニート期間に書き上げたファンタジーが原作。
ドラゴンライダーと言われるドラゴンと精神を共にし、戦う戦士の3部作中第1作。
表題のエラゴンは、主人公の名前である。
ILM出身のジュフェン・ファンマイヤーの初監督作品。主演に新人エド・スペリーアス。共演にジェレミー・アイアンズ、ジョン・マルコビッチ、ロバート・カーライル、ジャイモン・フンスーと超豪華。特にロバート・カーライルは最高の演技が見れる。また、ドラゴン「サフィラ」の声にレイチェル・ワイズが当てている。
ストーリーは、今まで映像化されたファンタジーシリーズ「ハリポタ」「ナルニア国物語」のお子様向けとは違うはずが、原作者が稚拙なために、あっさりして退屈。狭い世界観で面白みがない。また、ハリウッド(白人?)の悪いところで、ドラゴンの造形が全く想像力を掻き立てないひどい出来。知性があるからって人間と同じ顔つきにしたり、翼を蝙蝠に鳥の羽を着けただけにしたり、スタイルも人間ぽい。SEGAのゲーム「パンツァー・ドラグーン」のような特殊なデザインもありだと思うんだけどなぁ。また、主人公がバカすぎてイライラする(w)。
エンディングにアヴリル・ラヴィーンか書き下ろしていてすごくいい。
光る”ドラゴンの卵”携帯ストラップ
★★★
15/ シネ・リーブル 暗いところで待ち合わせ
3286
シネ・リーブルの金曜会員割引(1000円)で鑑賞。
乙一原作の妙なサスペンス。
天願大介監督、田中麗奈、チェン・ボーリン主演。この2人の組み合わせは、「幻遊伝」に続いて2度目。
最近活躍目覚ましい波岡一喜がここでもいい役で登場。キーパーソンの井川遥ががんばってる。
前半の緩〜いお涙頂戴系から、後半のサスペンスフルな内容の展開が思った以上に面白い。
★★★★
10/ TOHOプレックス二条 硫黄島からの手紙
3285 LETTERS FROM IWO JIMA
ポイントで鑑賞。
クリント・イーストウッド監督の「父親たちの星条旗」に続く硫黄島2部作後編。
今作は、前作のアメリカ側からの火の車視点ではなく、日本側からの死闘の攻防を刻々と描いている。
主演陣には、日本の俳優を使い渡辺謙、二宮和也、伊原剛志、加藤亮、中村獅童、裕木奈江他。
主人公達の身内(大切な人)に宛てたモノローグをメインに、壮絶な戦いが繰り広げられている。しかし、描いているのはほんの一部で、実際の硫黄島の攻防はあまりに悲惨すぎ映像化すると見てられない状態になるのでこれでいいのかとも思ったり。
「個人」と「自由」を大切にするアメリカらしい脚本だが、主人公の二宮役にはイマイチ感情移入出来かねるところも多い。これは「戦場のピアニスト」の主人公にも似て、自分の「生きたさ」が周りを巻き込み、
結局主人公である自分だけ生き残れるという図式である。
玉砕しろとは言わないまでも、もっと現状に前向きに対応して欲しかった。対応すると死ぬのかもしれないけど。そういう意味では中村獅童役は、逆に実感しやすいと思える。
久々に「天皇陛下万歳」を聞いて、ちょっと寒気がした。日本人だからか??
それと、主人公二宮の戦友のにやけた丸顔無精ひげの男は、日系俳優なのか演技は下手だが「ラストサムライ」にも出演していた。
★★★★
9/ MOVIX京都 武士の一分
3284
山田洋次監督の時代劇3部作の最終作。原作も前2作と同じ藤沢周平の短編小説から。
主演に木村拓哉、檀れい、笹野高史。共演に、坂東三津五郎、赤塚真人ほか。
舞台も前作から引き続き東北の庄内藩をベースに庄内訛りの暖かな言葉の遣り取りがやさしい。
今作も、一武士の日常生活を緩やかに細やかに描き、力強い決闘まで山田洋次らしい演出がいい。
木村拓哉がいつもの演技を限りなく封印しているのも好感度大。
1分タオル
★★★★☆
9/ MOVIX京都 オープン・シーズン
3283 OPEN SEASON
PIXER出身のジル・カルトン、ディズニー出身ロジャー・アラーズ、ドリームワークス出身のアンソニー・スタッチの共同監督作品。
初のソニーピクチャーアニメーションズの長編CGアニメである。
監督は3人いるが、正直ジル・カルトンの力が80%は占めてるのではないかと思うほどのPIXERカラー。だから、登場するキャラクターから背景までとにかくキュートで感情移入しやすく、ちょっと毒っ気がおいしい。
最近のフルCGアニメは、お子様向けを主眼に置いているのでどうしても吹き替え主体になってるけど、言語でもなんなく入り込めるからすばらしい。
一応、娯楽による狩りの問題定義をしているので子供向きになってるけど、大人も十分耐えうる作品に仕上がってると思う。
主人公の熊ブーグ最高!!
携帯ストラップ(ブーグver.)
★★★★★
8/ テアトル梅田 パプリカ
3282
待ってましたの今敏監督最新作。
今作は原作を筒井康隆の小説から採り、摩訶不思議な映像を作り上げている。
今までの作品は実写でも可能な、いや実写に近い作り方のアニメだったものが、今作は「夢」をベースにしてるだけに、吐きそうなほどの眩暈を感じるほどありえない映像がすごい。
緻密な画質と溢れんばかりの情報量は、大友克洋、福山庸治、吉田秋生などに通ずるものがありすばらしい。
サントラは、「千年女優」「妄想代理人」に引き続き平沢進が、テクノとアンビエントと融合させたようないつもの音楽を提供し、魔法のような絵とマッチし最高の出来である。
絵馬
★★★★★
7/ リサイタルホール 犬神家の一族
3281
試写会状 試写会で鑑賞。
角川映画処女作にして金字塔「犬神家の一族」のリメイク。それも監督も同じ市川崑監督。
主演の金田一耕介もその当時と同じ石坂浩二。その他では等々力警部の加藤武も同じ。
正直、前作から30年も経つんだからくたびれて仕方ないか。
オープニングの、エヴァンゲリオンがぱくったタイトルロールは感慨深い。
脚本では、2人が同時に喋るというシーンが随所にあっておしゃれ。
それと今回の大ヒットは、富司純子。とにかくすばらしい。「フラガール」の時もそうだったけど、勢いがすごいのだ。その驚きと、うろたえと、涙。さすがの大女優。これはいい。
とここまでが誉め。
気に入らないところもあり、佐清役の歌舞伎役者、尾上菊之助が全くイケてない。顔も駄目だし演技もまるで舞台で浮いてるし。カメオで出演の三谷幸喜も下手さ爆発。
それに、イマイチ推理ともホラーともつかない演出もどうかと思ったり。

個人サイトですが、俳優別比較がされてて面白いです。
★★★☆
3/ TOHOシネマなんば 007/カジノ・ロワイヤル
3280 CASINO ROYALE
シリーズ21作目にして、6代目ボンド、ダニエル・クレイグ主演、「ゴールデンアイ」のマーティン・キャンベル監督作品。
最近流行の原点回帰ということで、殺しのライセンスを取ってすぐの若きボンドの初仕事を描いている。
冒頭の爆弾テロとの追いつ追われつがとにかくすごい。
ボンドガールも曖昧で、秘密兵器も地味で、バットマンのような弱いボンドで、前作までの派手さがないのでちょっと記憶の軌道修正に戸惑う。それに、2時間20分以上ある内容だけど、正直要らないシーンも多いように思える。2時間以下になるのでは??それがなければ★4点だったけどなぁ。
主演のダイニエル・クレイグは、まだボンドぽくないので、これからかな。どうでもいいことだけど、鍛えた体型が微妙に変なんだけど。
それと、ボンドの拷問の仕方がちょっとまわりくどいなぁ(笑)、と。
LEDライトキーホルダー
★★★☆
2/ 京都シネマ クリムト
3279 KLIMT
ジョン・マルコビッチ主演、ラウル・ルイス監督の伝記的映画。
タイトルロールのクリムトは、グスタフ・クリムトという1900年代に活躍したオーストリアの現代画家。
日本画と日本文化に魅せられ、その画風のそこここに浮世絵や襖絵の手法が取り入れられている。
その彼の今際の際に見る、その芸術的な半生を描いた作品。
昨今映画化されている芸術家の伝記映画にしては少し退屈だが、興味深いヴィジョンで生きているのが判って面白い。
特に画風の似た、エゴン・シーレと仲良しだったのは感動。そのエゴン・シーレ役に、クラウス・キンスキーの息子であり、ナスターシャ・キンスキーの弟でもあるニコライ・キンスキーが演じている。正直、親父に似てそのままですごく変な顔で、鬼気迫る演技も父親譲りなのかと納得してしまう。
あぶらとり紙、当日「NOEVIR505」のサンプルを貰う
★★★

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