《解説》
■ rnの極限:rnの値
(1)−1<r<1 のとき,rn=0
n → ∞のときrn0)とも書く
(2)r=1 のとき,rn=1
n → ∞のときrn1)とも書く
(3)r>1 のとき,rn=
n → ∞のときrn)とも書く
(4)r−1 のとき,rnは振動する
n → ∞のときrn は振動 )とも書く
証明
(3)
 r>1のとき,r=1+h (h>0)とおくと
 r=(1+h)=1+nh+(正の数)>1+nh→∞
(2)
 r=1のとき,明らか.
(1)
−1<r<1のとき,
  •  0<r<1のとき,

  •  r=1÷Rとおくと,R>1だから(3)よりR→∞
     したがって,r→0
  •  r=0のときr→0は明らか
  • −1<r<0のとき

  • |r|→0だからr→0
(4)
  • r=−1のとき,rはnが偶数であるか,奇数であるかによって1,−1

  • を振動するから,rは振動
  • r<−1のとき,|r|→∞で符号はnの偶数,奇数によって正負の値をとるから,振動
《問題》 一般項が次の式で与えられる数列の極限を求めなさい.(初めはできなくても、「詳細」をよく見て「変形方法を脳裏に刻み込んで」おいて、2回目にできたらよい。)














■解法の要点■

 ○1 見かけ上「∞+∞」の形になるもの ⇒ 直ちに「∞」と答えられる
 ○2 見かけ上「∞×∞」の形になるもの ⇒ 直ちに「∞」と答えられる
 ○3 見かけ上「∞−∞」の形になるもの ⇒ どちらの∞が強いかの決着をつけるために「最大項でくくる」
 ○4 見かけ上「∞÷∞」の形になるもの ⇒ どちらの∞が強いかの決着をつけるために「最大項で約分する」

※○3、○4の形の極限は(実際には不定になるとは限らないが、見かけの形から)不定形の極限と呼ばれる。
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