■無理不等式の解き方携帯版

○ はじめに
 無理方程式=x−2を両辺を2乗して解くと,
x=(x−2)2
x=x2−4x+4
x2−5x+4=0
(x−1)(x−4)=0
x=1, 4
となって,正しい解x=4以外に,原方程式の解でないもの(無縁根,無縁解)x=1も混ざってきます.
 これは,2乗すると原方程式を満たすもの以外に=x−2を満たすものが入って来るためで,グラフで言えば右図1の赤色の曲線y=と黄色の直線y=x−2の交点x=4, y=2という原方程式の解に相当するものの他に,灰色の曲線y=−と黄色の直線y=x−2の交点x=1, y=−1という無関係なものも混入するためです.

 このことと関連して,無理不等式>x−2を,不注意に両辺を2乗してx>(x−2)2で解いてしまうと,1<x<4という間違った範囲が得られます.(右図1で赤色の曲線が黄色の直線よりも上にある範囲は0≦x<4
 同様にして,無理不等式<x−2を,不注意に両辺を2乗してx<(x−2)2で解いてしまうと,x<1, 4<xという間違った範囲が得られます.(右図1で赤色の曲線が黄色の直線よりも下にある範囲は4<x

 この頁では,無理不等式の解き方について
(A) 数式変形で解く方法
(B) グラフで解く方法
の2つを紹介します.
図1
(A) 数式変形で解く方法[1]
>x−2
が成り立つためには
が定義されるためにはx≧0でなければなりません.(2つのものの大小関係が言えるためには,両方とも定義されていなければなりません.)
・ さらに,x−2≧0も成り立つときは,0以上の2つのものは2乗比較してよいから,原不等式はx>(x−2)2に書き換えることができます.
x≧0であって,かつ,x−2<0のときは2乗するまでもなく,(0以上の数)>(負の数)が成り立ちます.
以上の内容は次のようにまとめられます.
>x−2
(1) x≧0
x−2≧0
x>(x−2)2
または
(2) x≧0
x−2<0
(1)からは,x≧0かつx≧2かつ1<x<4となって,2≦x<4が得られます.
(2)からは,x≧0かつx<2となって,0≦x<2が得られます.
これらは,x=2のところでつながるので,結局0≦x<4が解となります.
【要点】
>g(x)
(1) f(x)≧0
g(x)≧0
f(x)>{g(x)}2
または
(2) f(x)≧0
g(x)<0


f(x)が定義されることを前提として,
(1) g(x)≧0なら2乗比較する
(2) g(x)<0なら当然成立する
(A) 数式変形で解く方法[2]
<x−2
が成り立つためには
が定義されるためにはx≧0でなければなりません.(2つのものの大小関係が言えるためには,両方とも定義されていなければなりません.)
・ 左辺は0以上だからx−2=0では不等式は成り立ちませんが,x−2>0が成り立つとき,0以上の2つのものは2乗比較してよいから,原不等式はx<(x−2)2に書き換えることができます.
x−2<0のときは成り立ちません.
以上の内容は次のようにまとめられます.
<x−2
x≧0
x−2>0
x<(x−2)2
これらからx≧0かつx>2かつx<1, 4<xとなって,結局x>4が得られます.
【要点】
<g(x)
f(x)≧0
g(x)>0
f(x)<{g(x)}2


f(x)が定義されることを前提として,
(1) g(x)>0なら2乗比較する
(*) g(x)≦0なら解はない
(B) グラフで解く方法
>x−2
をグラフで解くには,図1のようなグラフを描き,赤色の曲線が黄色の直線よりも上にあるようなxの範囲を解とします.
 そのとき,x=0のところも2つの関数が定義されていて,かつ,>−2が成り立っていることに注意してください.解にはx=0も含まれ0≦x<4となります.
 x<0の区間では,が定義されないので,大きいとか小さいとかの議論はできません.
<x−2
をグラフで解くには,図1のようなグラフを描き,赤色の曲線が黄色の直線よりも下にあるようなxの範囲を解とします.
 x>4となります.
 x<0の区間では,が定義されないので,大きいとか小さいとかの議論はできません.
【要点】
 グラフを使えば簡単
>のような場合も,定義域に注意すれば2乗比較によって解くことができますが,>−1のような場合は2乗の変形を1回行っただけでは根号は取り除けず,2回の操作となって複雑な式になります.
このような場合でも,グラフが描けると簡単に答えることができます.
[第1問 / 全4問]次の問題
問題次の不等式を解いてください.
(答が分数になるときは2/3のように記入するものとし,負の分数になるときは−2/3のように記入するものとします.)


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