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◇判別式とは◇
 係数が実数であるような2次方程式 ax2+bx+c=0 から虚数解が出てくることがある.その原因はどこにあるのかと考えてみると・・・

○ 2次方程式の解の公式

x=
において,「係数 a , b , c が実数である限り」青色で示した箇所 2a,−b からは虚数は出てこない.= i のように根号の中が負の数のときだけ虚数が登場する.

○ また,x== のように,根号の中0 のときは,

2つの数に分かれずに,重なって1つの解になる(重解という).

○ 根号の中が正の数になるときは,2つの実数解になる.

● 以上のように,2次方程式がどのような種類の解を持っているか(「2つの異なる実数解」「実数の重解」「2つの異なる虚数解」)は,根号の中の式 b2−4ac の符号で決まる.
● 2次方程式の解の公式における根号の中の式を,判別式と呼び D で表わす.すなわち
【 要約 】
○ 係数が実数である2次方程式 ax2+bx+c=0a0
について
D=b2−4ac を判別式という.
○ D>0のとき,異なる2つの実数解をもつ
  D=0のとき,(実数の)重解をもつ
  D<0のとき,異なる2つの虚数解をもつ
 (※ 単に「実数解をもつ」に対応するのは,D0 である.)
(補足説明)
 「係数が実数であり」かつ「2次方程式」であるときだけ,判別式によって「2つの異なる実数解」「実数の重解」「2つの異なる虚数解」の判別ができる.
(♪) 2次方程式の解の公式は,係数が複素数のときでも適用できる,例えば x2+ix+1=0 の解は,

x==

になり,元の係数が虚数の場合,根号以外の部分からも虚数が登場するので,根号の中の符号を調べても「解の種類は判別できない」.

(♪) x2 の係数が 0 になっている場合(1次方程式になっているもの)には判別式というものはないので,x2 の係数が 0 かどうか分からないような文字になっているとき,うっかり判別式を使うことはできない.たとえば,ax2+(a+1)x+(a+2)=0 の解を判別したいとき,いきなり判別式は D=(a+1)2−4a(a+2) … などとしてはいけない.1次方程式には判別式はないので,この議論ができるのは,a0 のときである.( a=0 のときは,見れば分かる:0x2+x+2=0 すなわち,1次方程式 x+2=0 には,実数解が1つある.)下記の問題3参照↓

(♪) 3次以上の高次方程式にも判別式というものを考えることができるが高校では扱わない.
 すなわち,解と係数の関係からは,

α+β=− , αβ= より
(αβ)2=(α+β)2−4αβ=()2−4
==
が成り立つから α=βD=0

が成り立つ.この話が3次以上の場合に拡張できる.

(♪) 最初に学んだときに,よくある間違いとして,

 を判別式だと思ってしまうことがある.

 これは初歩的なミスで,判別式は根号の中の部分,正しくは D=b2−4ac なので,初めに正しく覚えよう.


[例題1]
 次の2次方程式の解を判別せよ.
(1) x2+5x+2=0

(答案) D=52−4·1·2=17>0 だから「異なる2つの実数解をもつ」

(2) x2+2x+1=0

(答案) D=22−4·1·1=0 だから「重解をもつ」
(※ 単に「重解をもつ」でよい.)
(※ D=22−4·1·1=0=0 などとはしないように.重解のときは Dとその符号の判断は同時に言える.)
(3) x2+2x+3=0

(答案) D=22−4·1·3=−8<0 だから「異なる2つの虚数解をもつ」

※ 以上のように,判別式の「値」がいくらになるかということと,それにより「符号がどうなるのか( <0 , >0 の部分 )」という判断の2段階の根拠を示して,「2つの異なる実数解」「実数の重解」「2つの異なる虚数解」をいう.(重解のときだけは,値と符号が同じなので1段階)
[例題2]
 x2+5x+a=0 が重解をもつように定数 a の値を定めよ.

(答案) D=52−4a=0 より,a=
2次方程式が ax2+2b’x+c=0a0 )の形をしているとき(1次の係数が偶数であるとき)は,解の公式は

x=

と書ける.これに対応して,判別式も次の形が用いられる.
D’=b’ 2−ac
実際には,この値は D=b2−4ac になっているので とも書く.
 すなわち,=b’ 2−ac
[例題3]
 x2+2x+3=0 の解を判別せよ.

(答案) D’=12−3=−2<0 だから「異なる2つの虚数解をもつ」
(補足説明)
※ この公式を使えば,係数が小さくなるので式が簡単になるという利点がある.
 しかし,この公式が使える場合に,上の例題(2)(3)で行ったように,元の D で計算していても,間違いにはならない.ただ常識的には, D’ の公式が使える場面で,元の D で計算するのは,初歩的なことが分かっていないのでは?と疑われて「かなりかっこ悪い」.( D’ の公式が使えたら使う方がよい.
※ この公式は,a , b , c整数であるか又は整式であるときに計算を簡単にするものなので,整数・整式という条件を外してしまえば,どんな2次方程式でもこの D’ の公式が使えて,意味が失われてしまう:
x2+5x+2=0x2+2·x+2=0 と読めば,
D’=()2−2=

は「間違いではない」が,分数計算になって元の D より難しくなっているので,「このような変形をする利点はない」.


■問題1
次の方程式の解を判別せよ.[ 0問 / 全8問中]


  

異なる2つの実数解をもつ
重解をもつ_______
異なる2つの虚数解をもつ
※問題2,問題3は「やり直す」ボタンで問題の係数を変更できます※
■問題2
x についての次の2次方程式が重解をもつように定数 a の値を定めよ. 
  

■問題3
  
  

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■[個別の頁からの質問に対する回答][判別式について/17.1.31]
素晴らしい
=>[作者]:連絡ありがとう.

以下は旧版のページ
《問題》
 次の2次方程式の解を判別しなさい.
(1)
7x2+6x+2=0
異なる2つの実数解をもつ

重解をもつ

異なる2つの虚数解をもつ

(2)
2−5x+2=0
異なる2つの実数解をもつ

重解をもつ

異なる2つの虚数解をもつ

(3)
2−5x+7=0
異なる2つの実数解をもつ

重解をもつ

異なる2つの虚数解をもつ

(4)
−x2+3x−5=0
異なる2つの実数解をもつ

重解をもつ

異なる2つの虚数解をもつ

(5)
9x2+12x+4=0
異なる2つの実数解をもつ

重解をもつ

異なる2つの虚数解をもつ

(6)
2x2−4x+3=0
異なる2つの実数解をもつ

重解をもつ

異なる2つの虚数解をもつ

(7)
2−x+1=0
異なる2つの実数解をもつ

重解をもつ

異なる2つの虚数解をもつ

(8)
2+6x+9=0
異なる2つの実数解をもつ

重解をもつ

異なる2つの虚数解をもつ

(9)
2+6x=0
異なる2つの実数解をもつ

重解をもつ

異なる2つの虚数解をもつ

(10)
7x2+2=0
異なる2つの実数解をもつ

重解をもつ

異なる2つの虚数解をもつ