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必要条件と十分条件
《解説》

 数学で用いられる「必要条件」「十分条件」という用語は,日常生活で用いられる”必要","十分"とは異なるものです.
 数学上の必要条件,十分条件は,pならばq(記号では,p→q)という関係が成り立つかどうかで決まります.

pならばq

(記号で表わせば,p→q
が成り立つとき,
「pはqであるための十分条件」,
「qはpであるための必要条件」
といいます.


 p→q と p←q の両方とも成り立つとき,
「pはqであるための必要十分条件
「qはpであるための必要十分条件
といいます.

十分必要条件とはいいません.

 p→q と p←q のどちらも成り立たないとき
 pはqであるための必要条件でも十分条件でもありません.

 2つの命題(1つの判断を述べた文章や式で,正しいか正しくないかが定まるものを命題といいます.)があるときに,一方が他方の必要条件あるいは十分条件といういい方をし,ある命題1つについてそれ自体で必要条件とか十分条件とかということはいえません.
[例1]
 シェパード→犬,犬→動物 です.
 そこで,犬であることは,シェパードであるための必要条件です.
 また,犬であることは,動物であるための十分条件です.
 しかし,犬だけで,必要とか十分とかの議論はしません.

[例2]
 x>1→x>0,x>2→x>1 です.
 そこで,x>1はx>0であるための十分条件です.x>0はx>1であるための必要条件です.
 また,x>2はx>1であるための十分条件です.x>1はx>2であるための必要条件です.


 2つの命題が与えられたとき,一方が他方の何条件であるかを判断するには,矢印を2つ作ってみて,どちら向きの矢印が成立するかで考えます.正しい推論で一方から他方が得られるとき,その矢印は「成立」すると考えます.
 
 図示できるときは,中に入っている方が十分条件です.
[例3]
 「ma=mb は a=b であるための何条件ですか」という問題があるとき,
 
という図を作り,どの矢印が成り立つかを調べます.(とにかく,矢印を2つ作ることが大切です.
○  ma=mb → m(a−b)=0 → m=0またはa−b=0 [a=bに行くとは限らず,m=0に行くこともある] 
○  a=b → ma=mb (両辺に同じ数を掛けても等しい),
だから,
以上により,成り立っている矢印を見ると,ma=mbは,矢印の先なので,a=bであるための必要条件

※ 上の説明において,「ma=mb → a−b=0」が成り立たないことは,1つの例 m=0,a=1,b=2 を示すだけで証明できます.このように,ある命題(主張)p→qが成り立たないことを示す例は「反例」と呼ばれます.
○ p→q の反例としては,「pが成り立ち」かつ「qが成り立たない」ものでなければなりません.
○ p→q は (すべての)「pについてqが成り立つ」の省略なので,「1つでもpであってかつqでないもの」があれば,p→qが間違っていることになります.しかし,「あるpについてqが成り立つ」ことを示しても他のpについてqが成り立つことは示せていないから,p→qが成立することの証明にはなりません.
 このように
を幾つ示しても成り立つことの証明にはなりません
反例を1つ示せば成り立たないことの証明になります

*** 採点結果は次の図で表示されます ***

正解の場合: 不正解の場合:
《問題》 次の( )に入る語句を右の{ }から1つ選びなさい.(問題文中の文字は,すべて実数とします.)
(等式の問題)

 x=1 は x+3x−4=0 であるための(  )条件
必要十分必要十分必要でも十分でもない
ヒント↓

 a=1かつb=1 は ab=1 であるための(  )条件
必要十分必要十分必要でも十分でもない
ヒント↓

 a+b=2 は a=b=1 であるための(  )条件
必要十分必要十分必要でも十分でもない
ヒント↓

 a=b=0 は a+b=0かつab=0 であるための
(  )条件
必要十分必要十分必要でも十分でもない
ヒント↓

 a=b=0 は a+b=0 であるための(  )条件
必要十分必要十分必要でも十分でもない
ヒント↓

 a=b は a+c=b+c であるための(  )条件
必要十分必要十分必要でも十分でもない
ヒント↓

 x=9 は x=3 であるための(  )条件
必要十分必要十分必要でも十分でもない
ヒント↓

 (x−y)(y−z)=0 は x=y=z であるための(  )条件
必要十分必要十分必要でも十分でもない
ヒント↓
9 整数nについて
 nが3の倍数であることは,nが6の倍数であるための
(  )条件
必要十分必要十分必要でも十分でもない
ヒント↓
10 整数nについて
 nが3の倍数であることは,nが2の倍数であるための
(  )条件
必要十分必要十分必要でも十分でもない
ヒント↓
11 
  整数nについて
 nが奇数であることは,nが奇数であるための(  )条件
必要十分必要十分必要でも十分でもない
ヒント↓
12 整数nについて
 nが3の倍数であることは,nが3の倍数であるための
(  )条件
必要十分必要十分必要でも十分でもない
ヒント↓

■[個別の頁からの質問に対する回答][必要条件と十分条件について/17.3.19]
最後の問題12番では、3の倍数でない数の2乗が3の倍数であることを反例として挙げればいいのですよね。 ならば√3はどうなのですか?
=>[作者]:連絡ありがとう.この質問については以前にもお答えしています.問題文に「整数nについて」と書いてあるのだから,整数の中で考えます.
■[個別の頁からの質問に対する回答][必要条件と十分条件について/17.3.27]
わかりやすかったです。ありがとうございました
=>[作者]:連絡ありがとう.
■[個別の頁からの質問に対する回答][必要条件と十分条件について/17.2.6]
最後の問題で、√3をnに代入すると n²が3になり 3の倍数になるのですが、nは√3となり3の倍数ではなくなるとですが、この考え方は間違っているのでしょうか?
=>[作者]:連絡ありがとう.問題文に整数nについてと書いてあるので,整数で考えます.「整数nについて」が1行上にあって見落としてしまうという話が前にもありましたので,改行しました.
■[個別の頁からの質問に対する回答][必要条件と十分条件について/17.2.2]
とても分かりやすかったです!苦手を克服できました。ありがとうございました。
=>[作者]:連絡ありがとう.
■[個別の頁からの質問に対する回答][必要条件と十分条件について/17.1.15]
11 間違っています 反例としてルート3 ルート3^2は奇数ですが、ルート自体に奇数偶数の定義付けがされていませんので 答えは十分条件です
(追伸) 整数nでしたか… 見落としてました。申し訳ない

=>[作者]:連絡ありがとう.
■[個別の頁からの質問に対する回答][必要条件と十分条件について/17.1.10]
この辺が数1aでの不安要素だったのですが、とても分かりますいし、問題形式で理解度も深まったので安心してセンター試験に臨めそうです。助かりました。
=>[作者]:連絡ありがとう.受験生は大変ですが頑張ってください.
■[個別の頁からの質問に対する回答][必要条件と十分条件について/17.1.3]
整数nについてをもっと見やすく目立たせたほうがいいと思います。
=>[作者]:連絡ありがとう.改行してあり結構目立っていると思いますが・・・この「整数について」という前提を読まなくても,意味が変わる問題は含まれていません.例えば第9問で「nが3の倍数であることは,nが6の倍数であるための(  )条件 」という問題では,nが3の倍数であることはとなっているので,普通に読めばnが小数,分数,無理数,虚数である場合はどうなるのかとは考えません特に注意書きがなくても,nが3の倍数であるなら整数と考えのが普通です.
■[個別の頁からの質問に対する回答][必要条件と十分条件について/16.12.11]
8番の問題を間違えました。 解説の[十要は重要である]のやり方が役に立ちました! 問題か沢山ないサイトが多いので、ここでは助かりました
=>[作者]:連絡ありがとう.
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