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== 高次方程式 ==

■解説
○ n 次の多項式 P(x) を用いて,P(x)=0 の形に書くことのできる方程式を n 次方程式という.
○ 3 次以上の方程式を高次方程式という. ○ このページでは,「因数定理を用いて因数分解で解ける3次方程式」を扱う.

【 因数定理 】
 多項式 P(x) について P(a)=0 ならば, P(x)x−a で割り切れる.( x−a を因数にもつ.)
(参考)
  • 3次方程式,4次方程式には解の公式があるが,高校では扱わない.(カルダノの公式,フェラリの公式)
  • 5次以上の方程式には解の公式を作ることはできない.(ガロア)
     これは「5次方程式は解けない」ということではない.「5次以上の方程式の解を『有限回の変形操作で』解くことはできない」ということで,具体的な数値で係数が与えられた5次,6次,...方程式でも『無限回の変形操作=無限級数を用いれば』解くことができる.
    ※気になる人は,wxMaxima(←リンク)を使って,5次,6次方程式を解いてみるとよい.
    方程式→高次方程式の解を求める→空欄を埋める
    【例】
     x^5+1=0 → 5個の解が根号を用いて示される.
     x^6-2*x^5+3=0 → 6個の解が各々小数点以下第15位まで示される.
  • 一般に n 次方程式には複素数の範囲で(重解も数えると) n 個の解が存在する(代数学の基本定理:ガウス).
一般に,係数が実数である 3 次方程式の解は,
 (ア)実数,実数,実数
 (イ)実数虚数,虚数
のいずれかになる.(これ以外の組合わせ[実数,実数,虚数][虚数,虚数,虚数]はない.
 重解をもつ場合は,アに含まれる.
◎ 以下で説明する3次方程式の解き方は,1つの実数解を因数定理で見つけ,次数を下げて2次方程式にし,残りは解の公式で解くというのが主な流れとなる.)


【 因数定理 II 】
 多項式 P(x) について P( )=0 ならば, P(x)ax−b で割り切れる.( ax−b を因数にもつ.)
(解説)
上の「II」は高校生が使いやすいように,かみ砕いて述べたもので,理論的には「因数定理」だけでよい.(その訳は以下に述べる.)

(因数定理←)
 「剰余の定理:多項式 P(x)x−a で割った余りは P(a) に等しい.」を用いると,
P(a)=0 ⇔ 余りが 0 ⇔ 割り切れる
となるから,P(a)=0 ならば, P(x)x−a で割り切れ,その逆も言える.

(因数定理II←)
 因数定理や剰余の定理において,定数 a の値は,整数に限られず,分数でも小数でも無理数でも(さらに広げて虚数でも)よい.
P( )=0 ⇔ 余りが 0 ⇔ 割り切れる

となるから,P( )=0 ならば, P(x)x− で割り切れ,その逆も言える.
 ところで,例えば
2x3−x2+2x−1=(x−)(2x2+2)
2x3−x2+2x−1=(2x−1)(x2+1)

のように,x− で割り切れことと,2x−1 で割り切れることは,同じことである.(どちらの式に2を振り分けるかの違いだけである.)
 そこで,x− で割り切れるということを整数係数で言えば,ax−b で割り切れることになるから,
P( )=0ax−b で割り切れる

 上の「因数定理II」の証明で納得できないときは,次の[別の証明]を見るとよい.
   まず,「剰余の定理」は次のように証明される:

「剰余の定理」の復習
 多項式 P(x) を1次式で割ったときの余りを求めるとき,1次式で割るのだから余りは定数項になる.そこで商を Q(x),余りを R とおくと
P(x)=(x−a)Q(x)+R
と書ける.R を求めたいのであるが,この等式において Q(x) は単なる記号で実際の式の中身は分からないから,R を求めるためには,この Q(x) が消えるようにすれなよい.
  Q(x) には x−a が掛けられているので,x−a がちょうど 0 になるような x の値を選べば,Q(x) がどんな式になるのかが分からなくても,消去できる.そこで x=a を代入すると,
P(a)=(a−a)Q(a)+R すなわち P(a)=R
になり,余り RP(a) に等しいことが証明された.
ax−b で割ったときの剰余の定理II]
 多項式 P(x) を1次式 ax−b で割ったときの余りを求めるとき,1次式で割るのだから余りは定数項になる.そこで商を Q(x),余りを R とおくと
P(x)=(ax−b)Q(x)+R
と書ける.

 x= を代入すると,

P( )=(a·−b)Q( )+R

P( )=0·Q( )+R

P( )=R
ゆえに,余り RP( ) に等しい
ax−b で割ったときの因数定理 II ]別の証明
 上で述べた「剰余の定理II」により,P(x)ax−b

で割ったとき, P( )=0ax−b で割り切れる


例題1
 3次方程式 x3+x2+x−3=0 を解け.

答案
f(x)=x3+x2+x−3 とおくと
 f(1)=1+1+1−3=0 だから …(*1)
 f(x)x−1 で割り切れる.
 割り算を行うと f(x)=(x−1)(x2+2x+3) …(*2)
(x−1)(x2+2x+3)=0 より x=1 ,−1±i …(*3)
【 この問題では 】
 x3+x2+x−3=(x−a)(x2+bx+c) ならば a3 の約数(符号は正負あり:±1,±3)
【 一般に 】
 x3+・・・ + p=(x−a)(x2+・・・+c) ならば ap の約数(符号は正負あり)
 正負を考えて p の約数に順に当たっていけば「いずれ見つかる」
(舞台裏から)
(*1) なぜ f(1) を思いつくのか?
 はっきり言って,「一発で当てる方法はない」.ある程度は「まぐれ当たり」
もし,x3+x2+x−3=(x−a)(x2+bx+c) の形に因数分解できる(係数は整数)とすれば,ac=3 になるはずなので,a は3の約数(正負の符号あり).
a=1 ,−1, 3 ,−3 でやってみて f(a)=0 となるものを探す.
(答案は清書としてうまくいったものを見せますが,舞台裏では(運が悪ければ)3回も泣いている.)
(*2) この式はどうやって出てくるのか?
次のように割り算をして,(割り切れるのは分かっている)商を書く.

 割り切れる場面では,次のように暗算でもできる.
 x3+x2+x−3=(x−1)(x2+bx+c) になるとすれば,定数項 −3 から,c=3
2次の係数(=1)から b−1=1b=2
(*3) 3次式から1次の因数を1つ見つけると残りは2次
残りは2次なので,2次方程式にすれば「解の公式」で直ちに解ける.

※ 次の問題は,因数分解の結果が (2x−3)(x2+x+1) となる問題である.このような問題では,整数値 a をどんなに探しても,f(a)=0 にはならない.また,残り2つの解は虚数なのでこれも通常は思いつかない.

したがって,f( )=0 を見つけない限り,この問題の糸口はつかめない.

f( )=0 を見つける方法は?

例題2
 3次方程式 2x3−x2−x−3=0 を解け.

答案
f(x)=2x3−x2−x−3 とおくと

 f( )=2( )3−( )2−( )−3==0

だから
 f(x)2x−3 で割り切れる.
 割り算を行うと f(x)=(2x−3)(x2+x+1)

(2x−3)(x2+x+1)=0 より x= ,
(舞台裏から)

f( )=0 を見つける方法は?
もし, 2x3−x2−x −3=(ax −b)(cx2+dx+e) の形( a , b , c , d , e は整数 )に因数分解できるとすれば,
ac=2 , be=3
となるので,a2 の約数(±1,±2),b3 の約数(±1,±3)になる.

 したがって,f(±), f(±), f(±), f(±)

8個の中に f( )=0 となるものがある.
 いずれ見つかるので「早いか遅いかの違いだけ」となる.
 
【 一般に 】
 px3+・・・ +q=(ax−b)(mx2+・・・+n) ならば
ap の約数,bq の約数として f(±)=0 となるものがある.
【 要約 】
  f(x)=px3+・・・ +q の因数分解 ⇒  f(±) を調べる.


※ 整数や分数を用いて因数分解できる3次方程式はこの方法で対応できる.
※ 次のような3次方程式は,ここで紹介した方法では解けない.x3−2.32 x2+x−=0


※「やり直す」で,別の係数の問題に変ります.
■問題1
 次の方程式を解け.
[ 0問 / 全8問中] [採点する] [やり直す] [次の問題]
  
■問題2
 次の方程式を解け.   
[ 0問 / 全8問中] [採点する] [やり直す] [次の問題]

  


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