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◇このページの構成◇

1. 予備的考察・・・重要な極限値 e (自然対数の底,ネイピア数)の定義
2. 指数関数,対数関数の導関数
3. 極限値の計算問題

4. 指数関数,対数関数の微分計算 
1.予備的考察・・・自然対数の底 e(ネイピア数)の定義

○ 指数関数 y=ax ( a>0 ) や対数関数 y=logax ( a>0 ,a1 ) の導関数を,導関数の定義に従って求めると,右の(2)(3)のような極限値に行き着く.

○ これらの極限値は,次の極限値で表わすことができる.

(1+) n

 この極限値は,次のグラフから見当がつくように約 2.7 となる定数で,自然対数の底(またはネイピア数)と呼ばれ,と並んで有名な無理数(循環しない無限小数)となっている.
(もう少し詳しい値は,e=2.71828… である.)

 
すなわち,
自然対数の底 e(ネイピア数)の定義:


(1+) n=e=2.71828 …  …(1)
○ y=ax ( a>0 )y’==

=ax  …(2)

○ y=logax ( a>0 ,a1 )y’=


= =


==loga(1+t)  …(3)


※ 左の極限値 e から,次の極限値が求まる.
(1−)−n=( )−n =( )n

=(1+)n =(1+)n−1(1+)=e
 …(4)

(1)(4)より,(1+)x=(1+)x=e …(5)

(5)より,(1+h) =e …(6)

(6)より,(3)が求まる.

loga(1+t) =logae …(7)

(7)より,y=logax ( a>0 ,a1 )y’=logae

ここで,対数の底の変換公式を用いると logae== となるから
y=logax ( a>0 ,a1 )y’=(9)が得られる
2. 指数関数,対数関数の導関数

 上で定義した極限値 e を用いると,指数関数,対数関数の導関数について,次の公式が得られる.
○ 対数関数の導関数
 y=logex ( e は自然対数の底) → y’= …(8)

 y=logax ( a>0 ,a1 )y’= …(9)

○ 指数関数の導関数
 y=ex y’=ex  …(10)
 y=ax ( a>0 )y’=ax log a …(11)


※ 現行(2007現在)の数学IIIの教科書では,右のような極限計算の多用を避けて,次のように対数微分法によって(8)(9)から(10)(11)を導くものが多い.
y=ax ( a>0 )log y= x log a

両辺を x で微分すると (log y)=(x log a)

z=log y として,合成関数微分法を用いると

===log a

ゆえに,y’=y log a=ax log a …(11)が得られる

(11)においてa=e とおくと(10)が得られる

 以後 e を底とする対数(自然対数)がしばしば登場し,底 e を省略して,単に log x などと書く.[微分積分などにおいて底が省略されていれば,底は e となる.]
 y=log x y’=


(9)において a=e とおくと(8)が得られる

※ (11)は次のように示される
(2)において,ah−1=t とおくと,
  h0 のとき,ah1 だから,t0
 また,ah=1+t だから,h=loga(1+t)

 ===

===log a
となるから


y=ax ( a>0 )y’=ax log a


(11)においてa=e とおくと(10)が得られる
※ ここまでに登場した極限値のまとめ.( e の定義だけは覚えた方がよい.他は,「そういうものを見たことがある」の程度でよい.必要なときに e の定義から導けたらよい.)

(1+) n=(1−) −n=e …(*1)


(1+)x=(1+)x=e …(*2)


(1+h) =e …(*3)

=1 …(*4)


=log a  ( a>0 ,a1 )…(*5)


=1 …(*6)


=  ( a>0 ,a1 )…(*7)

3. 極限値の計算問題

  問題  次の極限値を求めよ.(選択肢から選べ.)
(1)
  ( ) n


  2    2e    e2  
[ 採点と途中経過 ]

(2)
 (1+) n


  2    2e    e2  

(3)
 (1+x3)

      1  3e    e3

(4)
 


  2    2e    e2  

(5)
 


  2    2e    e2  


4. 指数関数,対数関数の微分計算

(ex)’= ex ,(log x )’= から次の公式が導かれる.

(ekx)’= kekx …(**1)
(ax)’= (exlog a)’=log a exlog a=log a ax
とすれば ax の微分公式は覚えなくてすむ.

(log kx)’=   …(**2)(log|x|)’=  …(**3)

(logax)’=()’= とすれば

logax の微分公式は覚えなくてすむ.

 多くの関数の積商で表わされる関数や複雑な合成になっている関数を微分するとき,元の関数の(絶対値の)対数を微分すると計算できることがある.元の関数の(絶対値の)対数を微分する方法を対数微分法という.

例1
y= のとき,

  |y|=||=

  log|y|=log||=log

  =3log|x−2|−4log|x+1|


両辺を x で微分する.
左辺の微分は z=log|y| とおくと,合成関数の微分法により

  = = · y’=

…(対数微分法の左辺は常にこの式になる)

右辺の微分は

したがって,=

  y’=y()=()

  =


例2
y=xx ( x>0 ) のとき

  log y=x log x

=log x+x · =log x+1


  ゆえに,y’=xx (log x + 1)
(**1)の証明
 y=et
   t=kx とおくと,合成関数の微分法により
------------
==et k=kekx


(**2)の証明
 y=log t
     t=kx とおくと,合成関数の微分法により
------------
==· k=· k= k が付かないことに注意!)

(別の証明)

log(kx)= 定数 ↓log k + log x の導関数は,log x の導関数に等しい.

(**3)の証明
x>0 のとき,log|x|=log x の導関数は

x<0 のとき,log|x|=log(−x) の導関数は  (**2)で k=-1 の場合
いずれの場合も,導関数は

ただし,次のようになっていることに注意
y=log(−x)x<0 だけで定義される関数
y=log xx>0 だけで定義される関数
y=log|x| はこれらを貼り合わせただけのもの.
  問題  次の関数の導関数を求めよ.
(1) y=e5xy’=e

[ 途中経過 ]
(2) y=xe−xy’=e−x ()

(3) y=log(x2+1)y’=

(4) y=log103xy’=


とすれば分かる)

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(5) y=xlog x (x>0)y’= x+log x log x


(6) y=y’=


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