■変数分離形.微分方程式の解き方携帯版

【変数分離形の微分方程式とは】
変数分離形の微分方程式とは
y’=f(x)g(y)もしくは=f(x)g(y)
のように,y’x, yの関数の積で表されるものをいいます.

【変数分離形の微分方程式の解き方】
変数分離形の微分方程式は
=f(x)dx

=f(x)dx
のように変形すれば一般解が求められます.

【例1】
微分方程式=yの一般解を求めてください.
(解説・解答)
両辺にdxを掛け,yで割って
=dx(1)
と変形します.

両辺を積分すると
=dx(2)

log|y|=x+A(3)

|y|=ex+A=eAex(4)

eAB(>0)とおくと
|y|=Bex

y=±Bex

±BC(≠0)とおくと
y=Cex (C≠0) …(5)
(検算)
(5)を元の微分方程式に代入すると,(左辺)=Cex=(右辺)となって成立する.
(5)においてC=0のときはy=0となって,この場合も元の微分方程式を満たす.(特異解と呼ばれる)
以上により,y=Cex (Cは任意の実数) …(答)
(1)(2)を詳しく見るとy=0のときは途中経過に問題があるように見えるが,元の微分方程式を用いた検算ではy=0でも構わない.微分方程式ではこのようなことがよくある.)
(参考)
(1)について
 数学Uで微分を最初に習うときに,ニュートン方式の微分記号y’もしくはf ’(x)と並べてライプニッツ方式の微分記号
も習う.そのときに初心者が早合点して
=
のような計算をしないように,「この記号は全体で1つの記号」で「約分などしてはいけない」と教えます.(怒)#あの話は(1)の変形ではどうなっているのか#と疑問を感じることがあるかもしれません.
≪結論から言えば≫
dだけ約分するような変形はダメですが,dxdyを掛けたり,割ったりする変形は自由にできます.

納得できない方は,(1)のような式が表す内容を極限移行の前の段階(有限の値からなる増分ΔxΔyから成る関係)
=y=Δx
で考えてみるとよい.このように解釈すれば有限の値ΔxΔyも使って「単なる分数計算をしているだけ」になり,掛け算,割り算などの変形が自由にできます.

(2)について
 慎重な方は,なぜ積分記号を付けたり外したりできるのかと疑問に思うかもしれませんが,上で述べたように極限移行する前の段階で考えると
f(x)Δxのような式は長方形を表す
これがf(x)dxに対応
Σf(x)Δxのような式は長方形の和を表す
これがf(x)dxに対応
 このようにを付けるということはΣを付けるということで,

個々の長方形の面積を足す操作を表しているから,気楽に付けることができます.

(3)について
積分公式=log|x|+Aによります.
最後に任意定数(積分定数)としてCを使いたいので,途中経過はABまたはC1, C2で行うとよい.

(4)について
対数の定義(指数と対数の関係)ar=Mr=logaM
特に底がeの場合,er=Mr=log M
によります.
log|y|=x+Aだから|y|=ex+Aになります.

次に,指数法則ap+q=apaqにより
ex+A=exeA
になります.
【例2】
微分方程式=2xyの一般解を求めてください.
(解説・解答)
両辺にdxを掛け,yで割って
=2xdx(1)
と変形します.

両辺を積分すると
=2xdx(2)

log|y|=x2+A(3)

|y|=ex2+A=eAex2(4)

eAB(>0)とおくと
|y|=Bex2

y=±Bex2

±BC(≠0)とおくと
y=Cex2 (C≠0) …(5)
(検算)
(5)を元の微分方程式に代入すると,
(左辺)=C2xex2=2x·Cex2=(右辺)となって成立する.
(5)においてC=0のときはy=0となって,この場合も元の微分方程式を満たす.(特異解と呼ばれる)
以上により,y=Cex2 (Cは任意の実数) …(答)
【例3】
微分方程式=の一般解を求めてください.
(解説・解答)
両辺にdxを掛け,yで割って
=(1)
と変形します.

両辺を積分すると
=(2)

log|y|=log|x|+A=log|x|+log eA=log eA|x|(3)
両辺を1つの対数に直してlog|y|=log...の形にするためには,A→log eAとするとよい
解は原点を通る直線の集合になる

|y|=eA|x|(4)

eAB(>0)とおくと
|y|=B|x|

y=±Bx

±BC(≠0)とおくと
y=Cx (C≠0) …(5)
(検算)
(5)を元の微分方程式に代入すると,
(左辺)=C=(右辺)となって成立する.
(5)においてC=0のときも元の微分方程式を満たす.
以上により,y=Cx (Cは任意の実数) …(答)
(元の微分方程式を見ると原点(0, 0)における微分係数が定義されていないが,微分方程式で扱われるのは微分可能な関数で,したがって連続な関数なので,この頁ではこのような除外点の問題に深入りしない.)
【例4】
微分方程式(x+1)y’+(y−1)=0の一般解を求めてください.
(解説・解答)
はじめにy’に直します.
(x+1)+(y−1)=0
(x+1)=−(y−1)
=−
=−
log|y−1|=−log|x+1|+A=−log|x+1|+log eA=log
|y−1|=
y−1=±
±eAC(≠0)とおくと
y−1= (C≠0)
y=+1 (C≠0)
(検算)
y=+1のとき
y−1=y’=−だから
(左辺)=(x+1)(−)+=0

となって,元の微分方程式を満たす.
以上により,y=+1 (Cは任意の実数) …(答)
解はx=−1, y=1を漸近線とする直角双曲線の集合になる
【例5】
微分方程式=−の一般解を求めてください.
(解説・解答)
ydy=−xdx
ydy=−xdx
=−+A
y2=−x2+2A
y2+x2=2A
2A=Cとおくと
y2+x2=C
(検算)
y2+x2=Cの両辺をxで微分すると
(y2+x2)=(C)
2y+2x=0
y≠0のとき
=−
となって,元の微分方程式を満たす.
以上により,y2+x2=C (Cは任意の実数) …(答)
(微分方程式の解は,yの陽関数:y=...という形でyについて解かれた形でなくてもよく,x=f(y)の形でも,陰関数f(x, y)=...の形でもよい.)
解は原点を中心とする円の集合になる
【問題】
次の微分方程式の一般解を求めてください.特異解は考えなくてよいものとし,解答は右の選択肢の番号で答えてください.
(途中経過は長い計算になり,暗算では無理です.計算用紙が必要です.)
(1)=x2y CHECK
(2)=(x+1)y CHECK
(3)=ex−y CHECK
(4)yy’+2x=0 CHECK
(5)xy’=y+y’ CHECK





≪選択肢≫

1y=log(ex+C)
2y=
32x2+y2=C
4y=Ce+x
5y=C(x−1)
6y=Ce



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