■判別式の応用(高校数学 II )→ 携帯版は別頁
○ 2直線を表わす方程式

例題
 x2+5xy+6y2+5x+14y+4=0(A) のような x , y の2次方程式は,
(x+3y+1)(x+2y+4)=0
と因数分解してみると,
x+3y+1=0 及び x+2y+4=0(B)
の2つの直線を表わすことが分かる.

 これは,(A)を x(または yについて解くと,y(または xの1次式
x=−3y−1 , x=−2y−4
(または y=−x− , y=−x−2
になることに対応している.
 実際,(A)を x の方程式
x2+(5y+5)x+(6y2+14y+4)=0(C)
として,解の公式で解くと

x=

=


となって,根号の中が D=y2−6y+9=(y−3)2 と完全平方式になり根号が外れて,この部分が1次式になる.

x= より

x===−3y−1

x===−2y−4
■続く↑■
■→続き■
 x2+5xy+6y2+5x+14y+k=0(D) のように文字係数が含まれている x , y の2次方程式は,一般にはそのまま因数分解することはできない.
 そのため,「方程式(D)が2直線を表わすように,定数 k の値を定めよ.」という問題においては,直接に因数分解して結果を示すことはむずかしい.(左の問題を覚えていれば,k=4 という予想はできるが,それ以外に解がないといえるか?)
 そこで,左の(C)からスタートし,根号内すなわち x の2次方程式としたときの判別式 D が完全平方式となるように k の値を定めるとよい.
x2+(5y+5)x+(6y2+14y+k)=0
を解の公式を用いて x について解くと

x=

=


xy の1次式となるには,根号が1次式として外れることが必要十分条件となるが,これは根号内すなわち
D=y2−6y+(25−4k)
y の完全平方式であることと同値.
 さらに,y2−6y+(25−4k)y の完全平方式であるためには,
y2−6y+(25−4k)=0
が重解を持つことが必要十分条件となるから,この方程式を y の2次方程式としたときの判別式
D2=(−6)2−4(25−4k)=0
より,k=4 が求まる.
【要約】 
 x , y の2次方程式
ax2+bxy+cy2+dx+ey+f=0 …(1)
が2直線を表わすように係数を定めるには,(1)を x の2次方程式としたときの判別式 D1 について,
D1=0
をさらに y の2次方程式として,その判別式 D2 について
D2=0
となるように係数の値を定めればよい.
■ 問題
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■[個別の頁からの質問に対する回答][2直線を表わす方程式について/17.4.3]
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13172550918 どの解答が優れていますか。 よろしくお願いいたします。
=>[作者]:連絡ありがとう.このサイトは,数学そのものではなく数学教育を扱っていますので,相手のある話です.つまり,無駄なく正確な答案であればよいわけではなく,無駄が多くても相手に理解できる方がよい.そうすると,学力・気力などの準備状況がどうであるかによって,いうべきことが変わります.書く場所が少なければ,最も人数が多いと思われる相手方を想定してそれに合うように書くのがよく,書く場所に制限がなければ全部書いて好きなものを選んでもらえばよいことになります.
■[個別の頁からの質問に対する回答][2直線を表わす方程式について/17.4.3]
たしかに,解法のテクニックとしてはとてもわかりやすいが, @,式Aは二次曲線(楕円)なのに,どうして直線2本になるのですか?ときかれたら,どう答えたらよいのか。 「続く」の後半では, A,D式をxについて解き,その根号内が平方数でなくてはならないということの説明不足。 を感じました。
=>[作者]:連絡ありがとう.「@は楕円なのに」という思い込みが間違っています.直線になる実例が目の前に示してあるのに,それは言えないでしょう.なお,一般的には
ax2+bxy+cy2+dx+ey+f=0
a>0, c>0…(*1)のとき楕円,a>0, c<0…(*2)のとき双曲線になるのではないかという予測を持つのは悪くはないが,正確なことは調べてみないと分からないという立場に立たないといけません.
例えば(x−1)2+4(y−3)2=1を展開してみると(*1)の形になり,楕円になります.
また,(x−1)2−4(y−3)2=1を展開してみると(*2)の形になり,双曲線になります.
しかし,(x−1)2−4(y−3)2=0すなわち(x−1)=±2(y−3)は2直線になります.このように二直線になる場合があるのです.
Aについて.教えるものと学ぶものの二者からなる場面において,学習の成果が上がらないときに教え方が悪いか,学ぶ者が悪いかは昔からある水掛け論でしょう.普通の生徒は成績が下がってきたら勉強して成績を上げようとしますが,瀬戸際作戦で乗り切る生徒もたまにいます.すなわち「PTAの会議などで,○○の先生は教え方が悪いので生徒の成績が下がってきた」と親が騒ぎ立てると成績が良くなるらしい.このように現実は,声の大きい方の勝ちになりがちですが,説明不足か理解不足かはどっちもどっち,○○喧嘩は犬も食わんともいう.