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== 自然数の累乗の和 ==

高校では3乗の和までを覚える.4乗以上の和は覚えない.
【T 公式一覧】

















【U 累乗の和の相互関係】

とおくとき,高校数学で言えなけえばならないのは,次の1つだけである.

すなわち

高校生としては,まずこの関係に感心してもらって,「他にはないのか」と興味をもってもらうとよい.

次の関係が知られている.これらはTの公式一覧を前提とすれば,気長に計算するだけで示せる.
…(U.1)
…(U.2)
…(U.3)
…(U.4)
…(U.5)
…(U.6)
※右辺の分数は,分子の係数を単純に足したものが分母になっている.(のときでそのとき分母と分子が等しくなって1になる)

Tの公式一覧はmが10以下の場合しか示していないので,すべてのmについて述べたい場合には,数学的帰納法などを使って示す必要がある.
どので割り切れる.…(U.7)
すなわち,mが正の整数のとき

ただし,多項式が多項式で割り切れるというときは係数が分数になってもよく,因数をもつというのと同じ意味である.はnの多項式.

Tの公式一覧を見ると次の関係が成り立つように思われるが,証明となると難しい.
mが3以上の奇数のとき,で割り切れる.…(U.8)
mが偶数のとき,で割り切れる.…(U.9)


【Tの公式の証明方法】
[1] Σ{ f(n+1)−f(n) }の形を作る方法
…教科書や参考書で多く用いられている
[2] 階段型の式:(n+2)(n+1)nなどを利用する方法
[3] 微分を利用する方法
[*4] ベルヌーイ多項式を利用する方法
大学生向けには,[*4]の方法による証明が多いが,高校数学の範囲を外れてしまうので,以下においては[1]〜[3]の方法で解説する.

[1] Σ{ f(n+1)−f(n) }の形を作る方法
まず,次のような「隣り合う2項の差で表される数列」の和を考える.
…(1.1)
もしくは
…(1.2)

(1.1)はの値を順次代入していくと,次の和を表している.





このような和では,正負の符号が異なる中間項が消えて,先頭の項と末尾の項だけが残ることに注意すると,結果は次のようになる.

すなわち

(1.2)では,さらに先頭の項も消えるのでもっと簡単になる.





すなわち
…(1.3)

以上の性質(1.2)を利用して,実際に自然数の累乗の和を求めてみる.
とおいて,この和を求める.

少し勉強してみると,自然数の1乗の和は2次式,2乗の和は3次式,3乗の和は4次式,...というように元の式よりも次数が1つ高い式が和の式になるので

を作ってみる.
(1.3)から,この和はに等しい.
他方で,この式は


すなわち

に等しい.
したがって


以上により

が示された.

を証明する.

を作ってみると.





すなわち


他方



したがって

この式を気長に変形していくと

以下同様にして,次数の低い方から順にを求めていくと,それぞれのはそれよりも小さなの式で表されて,の式になる.  


[2] 階段型の式:(n+2)(n+1)nなどを利用する方法
まず,次の変形を見ておきます.

…(2.1)

…(2.2)

…(2.3)
(2.1)から

左辺は






となるから


同様にして,(2.2)から


したがって




同様にして,(2.3)から


したがって






ゆえに

 

[3] 微分を利用する方法

この方法では数学Vで習う分数関数の微分法を使います
まず,次の数列を考えます.これが全体の母となる関数です.

は初項,公比,項数の等比数列の和だから,のとき

の左辺をで微分すると

の右辺をで微分すると


したがって


この式の両辺にを「代入する」と,自然数の和が得られるのであるが,注意すべき問題点が2つある.
(1) を求めるときにが前提になっているのをどうするか.
(2) の右辺でのとき分母が0になるのをどうするか.
(1)について,関数値を求めるのでなく,極限値を比較するのである.
(2)についても同様に極限値を比較するのであるが,数学Vで習うロピタルの定理というのがあって,


のとき

もし,1回の微分で

とならないときは,分母が0以外になるまで,繰り返し微分して

とすればよい.
上記のの右辺については




の左辺については

以上により

この方法の要点は,次々に微分していくと階段型の係数

となるのに対して,微分するたびにを掛けると累乗の係数になることを利用する点にある.

微分すると

を掛けると

微分すると

を掛けると

微分すると

このようにして,自然数の累乗を係数とする多項式を作り,右辺も微分するたびにを掛けると,次々に公式が得られる.
理屈上は以上のようにすればできるはずであるが,実際にやってみると右辺の分数式の微分が複雑で,さらにロピタルの定理を繰り返し使わなければならないので,あまりうれしくない.別系統から求めて点検できるということがこの方法の良さかもしれない.  

【U 累乗の和の相互関係】(解説)
…(U.1)
すなわち

左辺は

右辺は

だから等しい.
…(U.2)
すなわち

左辺は

右辺は

だから等しい.
…(U.3)
すなわち

左辺は

右辺は


だから等しい.

以下,同様にして気長に計算すれば(U.6)までは示せる.
この頁では,公式一覧は10乗までしか示していないので,この範囲の数字について調べただけで,(U.7)のようにすべての自然数mについて成り立つことまではいえない.

(以下は試案:手元に十分な資料がないので未確認です)
(2.2)(2.3)のようにして


により


の右辺の各項は

に係数がついているだけだからの1次結合とで表されることになる.

したがって,で割り切れる.
(U.8)(U.9)の初等的な証明方法,証明できるかどうかも,筆者としては確認できていない.  



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