■商で表される関数の導関数は,
で定義されます。

■ここで,本来の導関数の定義:に当てはめて,この式をf’(x)やg’(x)を用いて表すためには,分子の形に工夫を要します。f(x+h)g(x) と f(x)g(x+h) では2つの関数が同時に変化しているので,右のイメージ図のように,一度に変化するのが1つの関数になるように,「つなぎ」の材料を引いて足す(引いて足せば元の式に等しい)という操作をします。
■右図()の経路を考えると,分子は

f(x+h)g(x)-f(x)g(x)+f(x)g(x)-f(x)g(x+h)
={ f(x+h)-f(x) } g(x)-f(x) { g(x+h)-g(x) }
となり,h→0の極限移行により,
 
商の導関数の公式
・・・ f から言えば,「負けて勝つ」

 

の経路から行けば,分子は
f(x+h)g(x)-f(x+h)g(x+h)+f(x+h)g(x+h)-f(x)g(x+h)
=-f(x+h){ g(x+h)-g(x) } + { f(x+h)-f(x) } g(x+h)
となり,h→0の極限移行により,
分子は 
-f(x)g’(x)+f’(x)g(x)

【例1】
の導関数(微分)を求めてください.
(解答)
 分子1の微分は0,分母x+2の微分は1だから

【例2】
の導関数(微分)を求めてください.
(解答)
 分子3x−1の微分は3,分母2x+1の微分は2だから

【例3】
の導関数(微分)を求めてください.
(解答)
 分子xの微分は1,分母x2−1の微分は2xだから


【例題1】
 の関数を微分してください.
解説を読む

【例題2】
 の関数を微分してください.
解説を読む
【例題3】
 の関数を微分してください.
解説を読む

【例題4】
 の関数を微分してください.
解説を読む
【例題5】
 の関数を微分してください.
解説を読む

[問題]
次の関数の微分を求めなさい。(初めに関数を選び,次に導関数を選びなさい。正しく対応していれば消えます。
計算用紙を使って,ゆっくりやればできます.別の解き方で検算もすれば確実です
- - - [関数] - - -


- - - [導関数] - - -



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■[個別の頁からの質問に対する回答][商,分数関数の微分について/17.5.21]
下の方でいいので、答えを載せて欲しいです
=>[作者]:連絡ありがとう.一題でも間違ったら解説と答が出るようになっているのですが,この要望が来たということは全問正解で終わってしまった人だと考えられます.とはいえ,正解であっても答案を確かめたい人はあり得ますので,正解の場合でも解説が出る設定にしました.