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== 3点を通る円の方程式 ==
【要点1】
(解説)平面上の3点A(x1, y1), B(x2, y2), C(x3, y3)が同一直線上にないとき,これらの3点を通る円の方程式は x2+y2+lx+my+n=0・・・(1) の形で求めることができる. 点P(x0, y0)を中心とする半径rの円の方程式は (x−x0)2+(y−y0)2=r2(r>0)・・・(2) と書くことができる. (2)式を変形すると x2−2x0x+x02+y2−2y0y+y02−r2=0(r>0) x2+y2−2x0x−2y0y+(x02+y02−r2)=0(r>0) ここで,−2x0=l, x−2y0=m, x02+y02−r2=nとおくと,円の方程式(2)は次の形に書き直せることが分かる. x2+y2+lx+my+n=0・・・(1)
もう少し正確に言えば,(2)式は必ず円を表すが,(1)式を(2)の形に変形したときに,例えば
(x−3)2+(y−4)2=−1 のように右辺r2の値が負の数になるものは,円にはならないから,(1)の形の式が「つねに」円を表すとは言えない.右辺r2を求めたときに,正の数になる場合だけ円になる.[ちょうどr2=0となる場合は,点を表す] |
【例題1】
x2+y2−2x+4y+n=0が円を表すように定数nの値の範囲を定めてください.
(x−1)2+(y+2)2=5−n
と変形できるから,5−n>0すなわちn<5のとき円を表す・・・(答)
• n=5のとき,(x−1)2+(y+2)2=0はx=1, y=−2の場合だけ成り立つ.すなわち,(x−1)2+(y+2)2=0は,点(1, −2)を表す.
• n>5のとき,(x−1)2+(y+2)2=−1, −2, −3などは,どのような実数x, yを持ってきても成り立たないから,平面上でどのような図形も表さない.強いて言えば,x, yは虚数になるから,実数x, yだけを使って描かれる実数xy平面上で成り立つ点はない. |
【問題1】
x2+y2+ax+by+c=0が円を表すために実数a, b, cが満たすべき条件を定めてください.
解答を見る |
【例題2】
3点A(−5, 7), B(1,−1), C(2, 6)を通る円の方程式を求めて,その中心の座標と半径を述べてください.
(解答)求める円の方程式をx2+y2+lx+my+n=0・・・@とおく ![]() 25+49−5l+7m+n=0 −5l+7m=−74−n・・・(1) 同様にして,@が点B(1,−1)を通るから 1+1+l−m+n=0 l−m=−2−n・・・(2) 同様にして,@が点C(2, 6)を通るから 4+36+2l+6m+n=0 2l+6m=−40−n・・・(3) 連立方程式(1)(2)(3)を解いて,定数l, m, nを求める. まず,(1)−(2), (2)−(3)により,nを消去して,2変数l, mにする. ![]() l−m=−2−n・・・(2) 2l+6m=−40−n・・・(3) (1)−(2), (2)−(3) ![]() −l−7m=38・・・(5) (4)−(5)×6 50m=−300 m=−6 これを(5)に戻すと −l+42=38 −l=−4 l=4 これらを(2)に戻すと 4+6=−2−n n=−12 結局 x2+y2+4x−6y−12=0・・・(答) また,この式を円の方程式の標準形に直すと (x+2)2+(y−3)2=25 と書けるから,中心(−2, 3),半径5の円・・・(答) |
【問題2】
3点A(3, −1), B(8, 4), C(6, 8)を通る円の方程式を求めて,その中心の座標と半径を述べてください.
解答を見る
求める円の方程式をx2+y2+lx+my+n=0・・・@とおく
@が点A(3, −1)を通るから 9+1+3l−m+n=0 3l−m=−10−n・・・(1) 同様にして,@が点B(8, 4)を通るから 64+16+8l+4m+n=0 8l+4m=−80−n・・・(2) 同様にして,@が点C(6, 8)を通るから 36+64+6l+8m+n=0 6l+8m=−100−n・・・(3) 連立方程式(1)(2)(3)を解いて,定数l, m, nを求める. まず,(1)−(2), (2)−(3)により,nを消去して,2変数l, mにする. ![]() 8l+4m=−80−n・・・(2) 6l+8m=−100−n・・・(3) (1)−(2), (2)−(3) ![]() 2l−4m=20・・・(5) ![]() l−2m=10・・・(5’) (4’)−(5’) 3m=−24 m=−8 これを(4’)に戻すと l−8=−14 l=−6 これらを(1)に戻すと −18+8=−10−n n=0 結局 x2+y2−6x−8y=0・・・(答) また,この式を円の方程式の標準形に直すと (x−3)2+(y−4)2=25 と書けるから,中心(3, 4),半径5の円・・・(答) |
【要点2】
上記の【例題1】の問題を,(A)中学校のときに習った「垂直2等分線の交点」を求める方法で解いてみると,次のようになる.3点を通る円(三角形の外接円)の方程式を求める問題は,【要約1】の方法で解くのが基本で,教科書や参考書ではほとんど【要約1】の方法で解いている. しかし,他にも解き方はあり,三角形の外接円の中心や半径は, (A) 中学校のときに習った「垂直2等分線の交点」と考えても求めることができ, (B) 「2点間の距離の公式」を使って3点から等距離にある点の座標を求めてもよい.
【例題2’】
3点A(−5, 7), B(1,−1), C(2, 6)を頂点とする三角形ABCの外心Oの座標を求めてください. ![]() A(−5, 7), C(2, 6)の中点Pの座標は 線分ACの傾きは だから線分ACに垂直な直線の傾きは7 したがって,ACの垂直2等分線の方程式は 同様にして,B(1, −1), C(2, 6)の中点Qの座標は 線分BCの傾きは だから線分BCに垂直な直線の傾きは したがって,BCの垂直2等分線の方程式は (1)(2)からyを消去すると これを(1)に戻すと よって,三角形ABCの外心Oの座標はO(−2, 3)・・・(答)
このとき,外接円の半径は,
三点ABCを通る円の方程式(外接円の方程式)は |
上記の【例題1】の問題を,(B)「2点間の距離の公式」を使って3点から等距離にある点の座標で解いてみると,次のようになる.
【例題2”】
3点A(−5, 7), B(1,−1), C(2, 6)を頂点とする三角形ABCの外心Oの座標を求めてください. ![]() 三角形ABCの外心Oの座標O(x, y)とおくと AO2=CO2だから (x+5)2+(y−7)2=(x−2)2+(y−6)2 x2+10x+25+y2−14y+49 =x2−4x+4+y2−12y+36 14x−2y=−34 y=7x+17・・・@
【例題1’】の(1)と【例題1”】の@は全く同じものになる
同様にして,BO2=CO2だから(x−1)2+(y+1)2=(x−2)2+(y−6)2 x2−2x+1+y2+2y+1 =x2−4x+4+y2−12y+36 2x+14y=38
【例題1’】の(2)と【例題1”】のAは全く同じものになる
@Aを解くとx=−2, y=3O(−2, 3)・・・(答)
外接円の半径と外接円の方程式は,例題1’と同様にして求まる
|
【問題3】
3点A(2, 5), B(6, 1), C(6, 3)を頂点とする三角形ABCの外心Oの座標を求めてください.
解答を見る
(B)「2点間の距離の公式」を使って3点から等距離にある点O(x, y)を求める場合
AO2=BO2だから
(x−2)2+(y−5)2=(x−6)2+(y−1)2 x2−4x+4+y2−10y+25 =x2−12x+36+y2−2y+1 8x−8y=8 x−y=1・・・@ 同様にして,BO2=CO2だから (x−6)2+(y−1)2=(x−6)2+(y−3)2 x2−12x+36+y2−2y+1 =x2−12x+36+y2−6y+9 4y=8 y=2・・・@ @Aよりx=3, y=2 外心の座標は,O(3, 2)・・・(答)
外接円の半径は,
3点を通る円の方程式は, これを展開形(一般形)で書けば |
(A)「垂直2等分線の交点」を求める方法で解く場合
A(2, 5), B(6, 1)の中点Pの座標は 線分ABの傾きは だから線分ABに垂直な直線の傾きは1 したがって,ABの垂直2等分線の方程式は 同様にして,B(6, 1), C(6, 3)の中点Qの座標は 線分BCはy軸に平行 だから線分BCに垂直な直線の傾きは0 したがって,BCの垂直2等分線の方程式は (1)(2)から三角形ABCの外心の座標はO(3, 2)・・・(答)
外接円の半径,3点を通る円の方程式も同様にしてもとめられる
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(の方程式の展開形[一般形]で求める場合
求める円の方程式をx2+y2+lx+my+n=0・・・@とおく @が点A(2, 5)を通るから 4+25+2l+5m+n=0 2l+5m=−29−n・・・(1) 同様にして,@が点B(6, 1)を通るから 36+1+6l+m+n=0 6l+m=−37−n・・・(2) 同様にして,@が点C(6, 3)を通るから 36+9+6l+3m+n=0 6l+3m=−45−n・・・(3) 連立方程式(1)(2)(3)を解いて,定数l, m, nを求める. まず,(1)−(2), (2)−(3)により,nを消去して,2変数l, mにする. ![]() 6l+m=−37−n・・・(2) 6l+3m=−45−n・・・(3) (1)−(2) −4l+4m=8 −l+m=2・・・(4) (2)−(3) −2m=8 m=−4・・・(5) (4)(5)から l=−6, m=−4 これを(1)に戻すと n=3 結局 x2+y2−6x−4y+3=0・・・(答)
また,この式を円の方程式の標準形に直すと
(x−3)2+(y−2)2=10 と書けるから,中心(3, 2),半径 |
【問題4】
3点A(−2, 5), B(4, 1), C(3, 6)を通る円の方程式を求め,三角形ABCの外心の座標,外接円の半径も求めてください.
解答を見る |