2003 BEST10

洋画編

1位 ローマの休日 やっぱ名作は名作だね。
まともに劇場で観たのは、今回が初めて。初めて観たのは大学の時、映研が300円で自主上映した時。それ以来、LDで何度となく観て、今回の大スクリーン。
それでも思った以上に新鮮で、モノクロの画像は極彩色に思えて、感情豊かなオードリーの愛らしさ満載のすばらしい作品だと再認識出来た。
2位 ライフ・オブ・デビッド・ゲイル 死刑を反対する団体の一人の大学教授が、殺人を犯す。その上、誰にも弁護を頼まず、最悪の結果を自分から進んで選ぶ。この異常にある女性記者が指名され、彼の言葉を記録するように言われる。
何か釈然としない彼を取り巻く環境。その裏にある思惑。
「ワイルドシングス」なみにハリウッドでは珍しい、手の込んだ脚本が魅力。それをサポートするかのような俳優陣(ケヴィン・スペイシー、ケイト・ウィンスレット、ローラ・リニー)。
大満足の1本です。
3位 クリスティーナの好きなこと キャメロン・ディアスとクリスティナ・アップルゲイトとセルマ・ブレア3人のスラップスティックコメディ。
女性3人のここまでのはじけっぷりは、新しいジャンルといってもいいかも。こういうのは男の特権的コメディだったのが、身を挺して笑いを取ると言うのは、ここまですがすがしいかと(笑)。
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4位 デアデビル マーヴル印のエンタテインメントムービー。
今年一番のエキサイティングムービー。
主演のベン・アフレックの大根振りが妙にはまってイケてる。
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5位 ヘヴン クシシュトフ・キシェロフスキー監督の遺稿になる、同名脚本。それを「ラン・ローラ・ラン」のトム・ティクヴァが映像化。
主演に、我らがケイト・ブランシェットと、ジャバンニ・リビージ。とにかくこの2人が素敵に光ってる。
ハリウッドにはない、「静なる動」と言う感じの、静かだけど起こってる事は派手という不思議な演出。ヨーロッパ風と言えばそれまでか。
とにかく、最後の最後の脱出劇には脱帽。さすが、アンハリウッド。
6位 キルビルvol.1 鳴り物入りで公開前から話題沸騰のクエンティン・タランティーノ監督4作目。
しかし、全編が長過ぎ、しかしカットする事も出来ず、前後編に別けてのリリースとなる。
話は単純に「復讐劇」。その中に、日本が出てきたり、カンフーアクションが出てきたりと、みょうちきりんなタラちゃんワールドが展開するから、面白い。
主演のウマ・サーマンもいいが、今作はルーシー・リューと、栗山千明が絶品。
7位 ハルク マーヴル印のエンタテインメントムービー。
緑の筋肉デブ(笑)が主演。「ブラックホークダウン」等で活躍のブルース・バナー。共演に絶世の美女ジェニファー・コネリー。
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8位 キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン スピルバーグと、デカプリオ競演の実話を基にしたクライムムービー。
1980年代、莫大な詐欺を平然と働いた男の話。
侮って観ると、激しく面白い。
主演のデカプーと、実際の人物のギャップは、ちょっとありすぎだけど、デカプーの方がリアリティあるんだよね。何人も女騙してたし。
しかし、現在FBIの顧問やってるってのもアメリカらしくていいね。
9位 X-MEN2 マーヴル印のエンタテインメントムービー。
シリーズ2作目。3作目も製作決定!!
アメコミ好きにすると、打ち震えるほどの再現力に眩暈もする。
このシリーズが起爆剤になって、ビッグバジェットでのアメコミ実写化が各社で行われて、楽しみが増えた。
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10位 レッドドラゴン トマス・ハリスの名作「羊たちの沈黙」より前に書かれた作品。ここで初めてレクター博士が登場する。
以前、一度映画化されているが、今作と比べ刑事色が強く、原作のサイコ振りが表現しきれてなく、まぁ、それでも面白かったんだけど、今作と比べるとやはり制作費などの面でも劣るので「絵」的にイマイチ。
主演に名優エドワード・ノートン。そしてアンソニー・ホプキンス。
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次点 運命の女 エイドリアン・ライン久々のエロに満ちた名作。
s-thingと同い年のダイアン・レインがこの役で、アカデミー賞にノミネートされた。それもうなずける名演技。
ストーリーと言うか、コンセプトと言うかは、ちょっと古臭いが、それを中堅どころのリチャード・ギアとダイアン・レイン、それにオリヴィエ・マリティネスが演じているのがキモになってるように思える。
次点 フリーダ 「女」という業にまみれたシュールレアリズムの画家、フリーダ・カーロの生涯を描いた大作。
主演のサルマ・ハエック以下すばらしい俳優陣で、彼女の数奇な人生を描いている。


邦画編

1位 青の炎 「座頭市」とどちらにしようかと思いましたが、感情を揺り動かされ度で考えると、こちらが激しかったので、1位です。
蜷川幸雄監督作品。主演がジャニーズの二ノ宮君とあややという、所謂アイドル映画。しかし、単なるアイドル映画ではすまない、すばらしい演出です。つーか、蜷川さん、アイドル映画として撮ってないし。
問題を表面化しないDBの家庭の長男。DBが原因で別れているはずの元父親が、再び居座りだし…。
若者の微妙な心情、感情を、一人称をベースに描いたところが、新しい。かきむしられるような日本的湿式感情表現がs-thingの心に刺さる。
2位 座頭市 北野武監督作品。
ずっと観て来ました。
正直ここまで商業ベースに乗れる映画を撮れるとは思えない、アート感満載の作品を作り出してきてたので、嬉しくもあり、戸惑いもあったり。
蓄積された「監督」としての力量を、いかんなく発揮した名作となったと言える。
すべてのシチュエーションが、しっかり繋がった見事な映画。
3位 六月の蛇 塚本晋也監督作品。
さすがの監督、というか何かに取り付かれてるか、病んでるかと思えるほどの、偏執的エロチシズムの集合体。
モノクロの中にそのエロと、質感が混在し、独特の塚本ワールドを形成している。
出演者誰もが、言うほど男前でも美人でもなく、景色が良いわけでも、天気が良いわけでもない。
邦画独特というか、ロマンポルノ独特の湿感が、さすが。
4位 壬生義士伝 滝田洋二郎監督作品。
2004年大流行中の新撰組の一人、吉村貫一郎の人生を描いた感動の時代劇。
勧善懲悪の一遍通りな内容とは違い、その人となりの人生を細かく描く様は共感を覚える。
主演の中井貴一はいい役者になりましたね。
5位 アカルイミライ 黒沢清監督作品。
オダギリジョーがいい。
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6位 刑務所の中 崔洋一監督作品。
花輪和一原作の実話。作者のガンマニア癖が高じて、実弾を発射出来る銃を所持していた事から実刑を受け、その時の様子を漫画化したものを映像化。
当然ながら刑務所の中がメインなので、男ばかりの絵。むさくるしいと思いきや、同性ばかりだから自然と男役女役が出来上がってるんですよね。面白い。
7位 昭和歌謡大全集 篠原哲雄監督作品。
村上龍原作の、アバンギャルドな内容の復讐劇。青年軍団とオバちゃん軍団の壮絶な戦いを描いている。
最近の猟奇犯罪にも似た作りは、逆に今となってはリアリティあるかも…。
8位 あずみ ハリウッドデビューの予定のある(っていつ撮んのよ!!)北村龍平の監督作品。
主演共演を、今をときめく若手俳優を配した、所謂アイドル映画だが、原作が原作なのと、監督のパワーを考えると、単なるアイドル映画では終わらないと思っていたら、その通りだった。
とにかくオダギリジョーが最高!!
9位 9ソウルズ 豊田利晃監督作品。
9人で脱獄したが、別に仲間でもなく、お互いの犯罪も知らず、で、道中それぞれの犯罪と人生に沿った思い出の場所を巡りつつ、最後は派手に終焉と言ったところ。
クライムムービーと言うより、ロードムービーの趣。
10位 ゲロッパ! 井筒和幸監督作品。
ま、ありがちな設定と、ありがちな展開で、ハズレなしの演出が、一応この位置。
あまりに普通すぎて(笑)その分、楽しめるんだけどね。
次点 仮面ライダー555/パラダイスロスト がんばりました。
平成ライダー映画シリーズで秀逸の出来ではないでしょうか。それでもやっぱり子供向け。
s-thingは何を期待してるのでしょう。元々子供向けの話なんですから。子供向けにしては、これでも難しいのでは、とも思えたりしますが、大きいお子様にはちょっと物足りないかなぁ。
しかし、個々が感情をうまく表現できていて、えらい成長振りです。
選外 ロッカーズ 陣内孝則原作監督のノンフィクション。初監督でこの出来はいいね。勢いってところでしょうか。
母国語(笑)の博多弁も素敵です。
ジブリの中篇アニメ。原作は、映画好きの黒田硫黄の短編コミック。
元々の雑なタッチを、映像化しているのには、脱帽。これは、「となりの山田君」にもいえる。実験的ともいえる絵がとても高感度大。しかし、ジブリの宮崎駿監督が絡んでない作品は、実験的手法が多いなぁ。
茄子:アンダルシアの夏

9/25/2004


総評 洋画の1位はちょっと反則ですが、一応劇場公開したした差作品なんで、同列と言う事で入れました。
と言って昔のだから良いってこととか、今のはいいのがない、って言う意味ではないので。
邦画は、粒揃いですね。ジャンルがしっかり分かれてそれぞれで面白い。
自分の評価基準は、どれだけ感情を揺さぶられたか、と言うことなんで、こうなったんですけどね。

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