《解説》
〇例えば,
x2+2x−8=(x+4)(x−2)
という因数分解を見ると
x2+2xy−8y2=(x+4y)(x−2y)
という因数分解は,「1つずつyを付け足しただけじゃないか」と思うかもしれません.
■その見方は,「ある限られた範囲で正しい」と言えます.
▼しかし,その見方は「単純化し過ぎ」で「今後危なくなる」とも言えます.
〇他の例で言えば,
x2−5x+6=(x−2)(x−3)
に対応して
x2−5xy+6y2=(x−2y)(x−3y)
になるので,いつでもyを付け足せば答になるように見えますが,これは
x2+axy+by2
の形の因数分解だけに言えることです.
〇高校に入ればすぐ習う,次のような因数分解ではyを付け足せば答になる訳ではありません.
x2+2xy−8y2−x+8y−2
=(x+4y−2)(x−2y+1)
※元の簡単な方の因数分解が見つからない.
〇以上のような事情で,x, yの2文字が登場するような場合の因数分解は「1つの文字に目を付ける」という原則から身に着ける方がよい.

yのプライドはどうなるんだ?

ここでは名脇役をお願いするということです
具体的には
x2+2xy−8y2
のような因数分解では,1つの文字xだけを文字として扱い,他の文字yは係数とみなすということです.そうすると
x2+(2y)x+(−8y2)
となって,積が−8y2,和が2yとなる2つの式を探せば因数分解できることになります.
(4y)×(−2y)=−8y2
(4y)+(−2y)=2y
だから,2つの式は4y−2yだと分かり
x2+2xy−8y2=(x+4y)(x−2y)
という因数分解ができます.

【要点】
2つの文字が入っている式の因数分解では
(1) xだけを文字と見なし,xの2次式として因数分解する.
(2) 「yと数字」を合わせたもので「係数」を考える.
 (yはただの数字として扱う)
【例題1】
x2−2xy−15y2を因数分解して下さい
(解答)
x2+(−2y)x+(−15y2)と変形します
積が−15y2,和が−2yとなる2つの式を探す
(3y)×(−5y)=−15y2
(3y)+(−5y)=−2y
だから,2つの式は3y−5y
したがって
x2−2xy−15y2=(x+3y)(x−5y)…(答)

《問題》
 左の式を因数分解すると,右のどの式になりますか.
○ルール:「左側の式」を一つクリックし,続けて「右側で対応するもの」をクリックすると消えます.
○間違った場合は,右側の式を連打するのではなく,左側の式を選び直すことから始めてください.




















←メニューに戻る