連立方程式(高校入試問題)
 2015年〜2017年の公立高等学校入試問題で,連立方程式の計算問題として出題されたものを以下のA〜Gの型に分類すると,右のグラフのような割合になります.
 すなわち,Bの型の問題が最も多く出題されており,受験勉強の時間が足りなければ,この型の問題から練習するとよい.
 もう少し時間に余裕があれば,他の型の問題もやっておくようにしましょう. (おのおのクリックすれば解説にジャンプします.)

≪A≫1組の文字の係数がそろっている問題
【例A.1】 
 連立方程式


の解は, である.
(沖縄県2015年)
(考え方)
の係数がそろっていて,符号が逆だから,左辺どうし右辺どうしを足すとが消去できる.

…(1)
…(2)

(答案)
(1)+(2)



これを(1)に代入すると


…(答)
【例A.2】 
 連立方程式


を解きなさい.
(大阪府2017年)
(考え方)
の係数がそろっていて,符号が同じだから,左辺どうし右辺どうしを引くとが消去できる.

…(1)
…(2)

(答案)
(1)−(2)



これを(2)に代入すると


…(答)
【問題A.1】
 連立方程式


の解は, である.
(沖縄県2017年)
解説を見る 【問題A.2】
 連立方程式


を解きなさい.
(大阪府2016年)
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≪B≫1つの文字の係数が1になっている問題
【例B.1】 
 連立方程式
…@
…A
を解きなさい。計算の過程も書きなさい.
(秋田県2015年)
(考え方)
の係数はそろっていないが,Aを2倍するとそろう.
(答案)
@−A×2



これをAに代入すると


…(答)
【例B.2】 
 連立方程式


を解きなさい。
(茨城県2015年)
(考え方)
の係数はそろっていないが,(2)を5倍するとそろう.
…(1)
…(2)
(答案)
※この問題では,(1)を2倍しての係数をそろえる方法もある.
(1)×2+(2)



これを(2)に代入すると



…(答)
(1)−(2)×5



これを(2)に代入すると

…(答)
【問題B.1】
 連立方程式


を解きなさい.
(埼玉県2016年)
解説を見る 【問題B.2】
 連立方程式


を解きなさい.
(新潟県2016年)
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【問題B.3】
 次の連立方程式を解きなさい.


(滋賀県2017年)
解説を見る
【問題B.4】
 連立方程式


を解きなさい.
(宮城県2017年)
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≪C≫係数が1つもそろっていない問題
【例C.1】 
 次の連立方程式を解け.


(京都府2017年)
とも係数がそろっていない.の係数をそろえるには,(1)式を2倍,(2)式を3倍するとよい.
(1)×3−(2)×4によっての係数をそろえてもよいが,掛ける数字が小さい方が楽
(考え方)
…(1)
…(2)
(答案)
(1)×2+(2)×3



これを(1)に代入すると


…(答)
【例C.2】 
 連立方程式


を解きなさい。
(愛知県2017年)
(考え方)
まず,移項して形を整えてから考えます.
とも係数がそろっていない.の係数をそろえるには,(1)式を2倍,(2)式を3倍するとよい.
…(1)
…(2)
(答案)
(1)×2+(2)×3



これを(1)に代入すると



…(答)
【問題C.1】
 次の連立方程式を解きなさい.


(大分県2015年)
解説を見る 【問題C.2】
 連立方程式


を解け.
(東京都2015年)
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≪D≫y=またはx=の式がある問題
【例D.1】 
 連立方程式


を解きなさい.
(長野県2015年)
この問題のように,という形で,で表された形になっている問題は,代入法で解くのがよい.
(考え方)
…(1)
…(2)
(答案)
(1)を(2)に代入する[(2)のの場所に(1)の右辺のを入れる]




これを(1)に代入すると
…(答)
【例D.2】 
 連立方程式


を解きなさい。
(秋田県2016年)
この問題のように,という形で,で表された形になっている問題は,代入法で解くのがよい.
(考え方)
…(1)
…(2)
(答案)
(1)を(2)に代入する[(2)のの場所に(1)の右辺のを入れる]




これを(1)に代入すると
…(答)
【問題D.1】
 連立方程式


の解は, である.
(沖縄県2016年)
解説を見る 【問題D.2】
 連立方程式


を解け.
(福島県2016年)
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≪E≫小数,分数の係数がある問題
【例E.1】 
 次の連立方程式を解きなさい.


(滋賀県2016年)
(2)式のように小数第1位までの0.2と0.1,小数第2位までの0.15があるとき,これら全部を整数係数に直すには,100を掛けます
(考え方)
…(1)
…(2)
(答案)
(2)の両辺を100倍して整数係数に直す

…(2’)
(1)×4−(2)




これを(1)に代入すると

…(答)
【例E.2】 
 連立方程式


を解け.
(東京都2015年)
分数係数になっているときは,両辺の最小公倍数を掛けて分母を払う.(最小公倍数が分からないときは,分母の数字を全部かけてから,後で割れるだけ割ればよい)
(考え方)
…(1)
…(2)
(答案)
(1)の両辺を6倍して整数係数に直す
…(1’)
(2)の両辺を6倍して整数係数に直す
…(2’)
変な答えだから,間違いかと心配になるが,検算して合っていれば,そのまま押し切る.
(1’)−(2’)×2




これを(1’)に代入すると


…(答)
【問題E.1】
 連立方程式


を解け.
(東京都2015年)
解説を見る 【問題E.2】
 連立方程式


を解け.
(東京都2017年)
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≪F≫連なり型(型)の問題
【例F.1】 
 方程式を解きなさい.
(北海道2015年)
のような連なり型の方程式は「切り離して連立方程式に直して解く」のが基本です.
…(1)
…(2)
または
…(3)
…(4)

のように,(1)(2)ではが,(3)(4)ではが2回登場します.
【切り離す理由】
 右のように,イコールを2つ付けたままにすると,今まで自由に使ってきた「移項」のような変形が,うまくできないから,切り離して身軽にするのです.
#3人だと「もめる」からです#←人情話かい!
(考え方)
…(1)
…(2)
または
…(3)
…(4)

この問題では(3)(4)の切り離し方の方が楽かもしれません.[(1)(2)のように切り離した場合,さらに変形する必要があります.]
(答案)
(3)×3−(4)×5




これを(3)に代入すると



…(答)
【問題F.1】
 連立方程式を解きなさい.
(宮城県2015年)
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≪G≫解から係数a,bを求める問題
【例G.1】 
についての連立方程式


の解がであるとき,の値を求めなさい.
(徳島県2015年)
(考え方)
 の値が分かっているのだから,それらを連立方程式に代入すると成り立つはずです.
 このときできるのは,の方程式ではなく,の方程式です.このの連立方程式を解きます.
 に数字を代入しているのだから,もうは残っていません.
(答案)
を代入すると
…(1)
…(2)
(1)+(2)




これを(1)に代入すると



…(答)
【問題G.1】
についての連立方程式


の解が,であるとき,の値をそれぞれ求めなさい.
(佐賀県2015年)
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【問題G.2】
についての連立方程式


の解がであるとき,定数の値を求めよ.
(東京都2016年)
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