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== 1次変換(線形変換) ==

≪目次≫


1. 1次変換(線形変換)とは
(1) 写像のうちで同一集合から同一集合への対応となっているものを変換といいます.
(2) 平面上の点(x, y)を点(x', y' )に移す変換fが次の式で表されるとき,この変換f1次変換(線形変換)という.
f :
x'=ax+by・・・@
y'=cx+dy

※1次変換(線形変換)と言えるためには,次のような2次以上の式が含まれてはいけない
x2, xy, y2
また,次のような定数項が含まれてもいけない.
x'=ax+by+c
y'=dx+ey+f

このような定数項が含まれる変換はアフィン変換と呼ばれ,後で述べるのでここでは扱わない.
(3) 1次変換(線形変換)は,次のように行列を用いて表すことができる.
・・・A
 右辺の行列の積において,(1, 1)成分がになり,(2, 1)成分がになるから,それらが行列として左辺に等しいということから,対応する成分が等しいという連立方程式@と同値になる.
 1次変換fは,正方行列によって決まるから,fを行列の表す1次変換,行列を1次変換fを表す1次変換という.

2. 点(ベクトル)の像と原像

-- 図1 --
 特に断りがなければ,1次変換(線形変換)

は,点(ベクトル)を点(ベクトル)に移す移動を表す.
 同じ式を使っていても,点(ベクトル)を動かさずに座標系をx, yからx', y'に変換することを表す場合がある.

-- 図2--
 右図2のように,旧座標が(x, y)である点を動かさずに,座標系を原点の回りに角θだけ回転させたとき,新座標が(x', y' )になるとき,新座標を旧座標で表すときにもこの形の行列が使われる.
 しかし,ここではしばらくの間,1次変換は物の移動,,点(ベクトル)を点(ベクトル)に移す移動を表すものとする.

【例題2.1】
 次の1次変換によって点(1, 0), (0, 1), (1, 2), (3, −4)が移される点を各々求めてください.
(解答)
点の座標を列ベクトルとして,行列に右から掛けて,得られた列ベクトルを点の座標とします.

(3, 4)・・・(答)

(2, −5)・・・(答)

(7, −6)・・・(答)

(1, 32)・・・(答)

 1次変換によって,元の点(x, y)が新しい点(x', y' )に移されるとき,新しい点(x', y' )を元の点(x, y)という.
 元の点(x, y)を新しい点(x', y' )原像と言う.
【例題2.2】
(1) 次の行列の表す1次変換による,点(3, 2)の像を求めてください.

(2) 次の行列の表す1次変換による,点(−2, −1)の原像を求めてください.

(解答)
(1) 
(8, −7)・・・(答)
(2) 
となる(x, y)を求める.
連立方程式
4x+3y=−2
3x+2y=−1

を解くと,
(x, y)=(1, −2)・・・(答)
(別解)
後で登場する逆行列を用いた逆変換う使うと,次のように簡潔に書ける

より



(x, y)=(1, −2)・・・(答)

 1次変換によって自分自身に移される点(動かない点)を不動点という.
(1) どんな1次変換でも原点(零ベクトル)は不動点になっている.(原点は不動点である.)
(証明)
任意のに対して

が成り立つからである.
(2) 行列によって表される1次変換に対して,原点(零ベクトル)以外の不動点が存在するための必要十分条件は

となることである.
(証明)
原点(零ベクトル)以外の不動点が存在するとは

となるが存在するということ
すなわち
…(1)(
 もし,の逆行列が存在したら、すなわちならば、(1)に左からを掛けるととなることから,は原点(零ベクトル)でないという仮定に反する.したがって,
…(2)
は必要条件.
 十分条件も満たすこと,すなわちのとき,だから
(この式をジロっと見ると,実際に次のように原点(零ベクトル)でない解が存在することが分かる)
ア)とする
 このとき
は成り立つ.
 もし,ならばという条件を満たさないが,その場合は次のイ)のように決めればよい
イ)とする
 このとき
は成り立つ.
 もしア)イ)ともになるならば,

となるから,平面上のすべての点が不動点となる.

【例題2.3】
 次の行列の表す1次変換によって,自分自身に移される点(不動点)を求めてください.
(1)
(2)
(解答)
(1)

を解く

ここで

だから,左辺の係数行列には逆行列が存在する


 原点(零ベクトル)のみが解となる…(答)
(2)

を解く

より

すなわち,の直線上の点はすべて不動点となる.

3. 2点の像と原像で定まる1次変換
 2点の像と原像が与えられれば,1次変換の行列を逆算することができます.
 2点の原像と像の座標,が与えられていて,変換行列の成分が未知のとき


これらをまとめて書くと

したがって,行列に逆行列が存在すれば,それを両辺に右から掛けると変換行列が定まる

行列に逆行列が存在するのは,2つのベクトルが1次独立であるとき,すなわち2点を結ぶ直線が原点を通らないときである.また,同じことは,3点が同一直線上にない場合とも言ってもよい.

【例題3.1】
(1) 点(3, 2)(2, 3)に,点(4, 3)(4, 1)に移す1次変換の行列を求めてください.
(2) 点(5, 2)(1, 2)に,点(7, 3)(3, 1)に移す1次変換の行列を求めてください.
(解答)
(1)
求める行列をとおくと


だから



・・・(答)
(2)
求める行列をとおくと


だから



・・・(答)

4. 合成変換
 1次変換

によって,点(x, y)が点(x’, y’)に移され,1次変換

によって,点(x’, y’)が点(x”, y”)に移されるとき,
 点(x, y)に点(x”, y”)を対応させる変換をこれら2つの変換の合成変換といいます.
1次変換f, gを表す行列が各々A, Bであるとき,合成変換g○fを表す行列は,行列の積BAになります.
合成変換を表す記号g○fについても,行列の積についても,「後から行う操作」に対応する方を「左側」に書きます.
(解説)
…(1)
において,とおく
…(2)
において,とおき
(1)を(2)に代入すると


だから

…(1)
…(2)
において
(1)を(2)に代入すると


またはで表し,の合成という.

※一般に,行列の積と等しいとは限らないから,合成変換と等しいとは限らない.

を「の合成」といい,
を「の合成」という.
(作用する順と一致させ,合成変換の記号を右から順に読んだものとする)

【例題4.1】
 1次変換f, gを表す行列を各々, とするとき
(1) 合成変換を表す行列を求めてください.
(2) 合成変換によって点(1, 2)は,どのような点に移されるか.
(解答)
(1)
・・・(答)
・・・(答)
・・・(答)
(2)

だから
・・・(答)

5. 逆変換
 1次変換

が点(x, y)を点(x’, y’)に移すとき,
(x’, y’)を点(x, y)に移す移動をf逆変換といい,f−1で表す.
(1) Aが逆行列A−1をもつとき
|A|=ad−bc≠0であるとき
Aが正則であるとき
逆変換が存在し,


すなわち,逆変換は逆行列A−1で表される.
(2) Aが逆行列をもたないとき
|A|=ad−bc=0であるとき
Aが正則でないとき
fの逆変換は存在しない.
すなわち,元の点(x, y)[原像]が定まらない点(x’, y’)[像]がある.
(1)(2)の違い
 1次変換

が,平面全体から平面全体の上への写像[全射]かつ1対1の写像[単射]であるとき,逆変換が存在する.
 右図の赤で示したような点(x’, y’)=どの点の像にもなっていない点が存在するとき=上への写像でないときは,元の原像(x, y)をたどることはできない.
 また,右図の青で示したような点(x’, y’)=2つ以上の点の像になっている点が存在するとき=1対1の写像でないときは,元の原像(x, y)を1つに絞ることができない.
 このように,すべての点(x’, y’)に対して元の点(x, y)がただ1通りに定まるためには,元の変換が1対1の上への写像[全単射]になっていなければならない.
(2)となる具体例

の場合,右図のように平面全体がy=xの直線に移される(平面全体が直線に「つぶれて」いく,縮退する)ので,y=xの直線以外の点には元の点(x, y)が定まらない.また,x+yの値が等しい点,x+y=kとなる直線上の点はすべて同じy=x上の点に移されるので,y=x上の点を1つ選んでも,元の点(x, y)が多数あって1つに絞れない.

【例題5.1】
 行列で表される1次変換fの逆変換を表す行列を求めてください.また,fによって点(1, 2)に移される元の点を求めてください.
(解答)

・・・(答)
・・・(答)
【例題5.2】
 行列で表される1次変換gの逆変換が存在するかどうか調べてください.また,gによって平面全体がどのような図形に移されるか調べてください.
(解答)
だから逆変換は存在しない.・・・(答)

により


だから

平面全体はの直線に移される・・・(答)

6. 回転を表す1次変換
 原点を中心として各点を角θだけ回転する1次変換は

で表される.
(解説1)
 右図において,
…(1)
…(2)
…(3)
…(4)
三角関数の加法定理からは,次のように書ける
…(5)
…(6)
(5)(6)を(3)(4)に代入すると

…(3’)


…(4’)
(3’)(4’)を行列で書くと
・・・[証明終]
※次に紹介する「原点の回りの角−θの回転」,後に登場する「点を動かさずに座標系を原点の回りに角θだけ回転させた場合」など,紛らわしいものが幾つかあるので,ここでは
「原点の回りに点を角θだけ回転させた場合」が

ということ(特に負の符号が付く箇所)を確実に押さえておくとよい.
 原点を中心として各点を時計回りに(右回りに)角θだけ回転する1次変換は

で表される.
(解説)
 原点の回りに角−θだけ回転させる場合と考えればよいから

ここで,三角関数の公式から

だから
・・・[証明終]

【例題6.1】
 原点の回りに次の角度だけ回転する回転移動を表す1次変換の行列を求めてください.
30°, 45°, 120°, −60°
(解答)
・・・(答)
・・・(答)
↑いつでも行列の成分に直せるので,この書き方もありです
・・・(答)
・・・(答)

7. 相似変換
 原点から平面上の各点までの距離をk倍にする(原点を相似の中心とする相似比kの)変換は,相似変換と呼ばれる.
 相似比kの相似変換は

で表される.
【例題7.1】
 原点を相似の中心とする相似比2の相似変換を表す行列を求めてください.
(解答)
・・・(答)
【例題7.2】
 のグラフは,のグラフを相似比いくらで変換したものになっているか.
(解答)
 相似比をkとおくと
…(1)
…(2)
…(3)
(3)を(2)に代入


これがと一致するには

したがって,相似比…(答)
【例題7.3】
 のとき,1次変換は原点の回りの回転と相似変換の合成(回転と拡大)で表されることを示してください.
(解答)

 直角を挟む2辺の長さがa, bである右図のような直角三角形において,斜辺とaがなす角をαとすると,
となるから

したがって,原点の回りの角αの回転と相似比の相似変換の合成となる.

8. 正射影
 点P(x, y)から与えられた直線に引いた垂線の足を点P(x, y)の正射影という.
 例えば,点P(x, y)からx軸への正射影は

だから

 同様にして,点P(x, y)からy軸への正射影は

だから

 点P(x, y)から直線y=mxへの正射影は
(解説)
 直線y=mx上の点をP’(x’, y’)とおくと
…(1)
…(2)
とおける.

となるように,の値を定める


だから


…(3)
の場合はとなるので,の場合を先に調べる.
(3)から
…(4)
(4)を(1)(2)に代入すると


行列で書くと
…(5)
なお,の直線上にある場合,が原点に一致して,となるが,(5)は結果としてこの場合も含んでいる.

【例題8.1】
(1) 点P(x, y)から直線y=2xへの正射影を表す1次変換の行列を求めてください.
(2) この1次変換によって点(5, 0)が移される点の座標を求めてください.
(3) この1次変換によって,平面全体がどのような図形に移されるか調べてください.
(解答)
(1)…(答)
(2)…(答)
(3)
より
変数をx, yで書くと,y=2x…(答)
(当然のことながら,平面全体はy=2xの直線に移される)

9. 対称移動
 点P(x, y)を直線y=mxに関して(線)対称移動した点P’(x’, y’)の座標は
(解説)
8.で求めたようにP(x, y)から直線y=mxへの正射影Q(x”, y”)

であり,点P(x, y)と求める点P’(x’, y’)の中点がQ(x”, y”)であるから
…(1)
…(2)
(1)より



(2)より




【例題9.1】
(1) 直線y=xに関する対称移動を表す1次変換の行列を求めてください.
(2) 直線y=−xに関する対称移動を表す1次変換の行列を求めてください.
(解答)
(1)…(答)
になり,x, y座標が入れ替わる
(2)…(答)
になり,x, y座標が入れ替わり符号も変わる

10. 直線の像と原像
【例題10.1】
 1次変換によって,直線がどのような図形に移されるか調べてください.
(解答1)
旧座標の関係式
…(1)
旧座標と新座標の関係式
…(2)
から,新座標の関係式を求めるのが問題だから,旧座標を消去すればよい.
この問題では,(2)の逆変換が存在するからこれを利用できる.
(2)より



…(2’)
(2’)を(1)に代入



変数をにすると
…(答)

(別解1)
【逆変換が存在しない場合でも使える方法】
「1次変換の線形性」(後で解説する)により,1次変換は「直線を直線に移す」(真っすぐな物が曲がることはない)ことを利用する.また2点が決まれば直線は決まるから,2点の像によって直線の像を求める.
元の直線上に点(2, 0), (0, −3)がある.これらの点の像は


そこで,2点(4, 10), (−3, −9)を通る直線の方程式を求める.



…(答)

(別解2)
【逆変換が存在しない場合でも使える方法】
媒介変数表示にして,直線の方程式をx,y座標に分ける.
直線の方程式:
を媒介変数表示で表すと


1次変換

により



媒介変数を消去しての方程式にすると

変数をにすると
…(答)

(別解3)
直線の方程式:
は,次の形に書ける

これを行列で書けば
…(1)
変換式には逆変換が存在するからこれを利用できる.


…(2)
(2)を(1)に代入すれば,x’, y’の関係式が得られる


変数をにすると
…(答)

【例題10.2】
 1次変換によって,直線に移される元の直線を求めてください.
(解答1)---◎[Best]
新しい直線の方程式が
…(1)
新旧の変換式が
…(2)

であるとき,元のの間の関係式を求めればよいから,(2)を(1)に代入してを消去する

…(答)
(別解1)---2点の原像から求める
直線上の2点の原像を求める
逆変換の式


を代入すると


2点を通る直線の方程式を求めると

…(答)

(別解2)---媒介変数表示で求める
直線を媒介変数表示に直すと


これを逆変換の式


に代入すると




から媒介変数を消去すると
…(答)
(別解3)---行列形式で書く
直線の方程式:
は,次の形に書ける

これを行列で書けば
…(1)
変換式を(1)に代入すると


…(答)

 非正則変換による直線の像
【例題10.3】
 による1次変換について
(1) 平面全体はどのような図形に移されるか
(2) 直線はどのような図形に移されるか(は定数)
(3) 直線に移される図形を求めてください
(解答)
(1)


により

変数をにすると
…(答[#1])
(2)
元の方程式を媒介変数表示で表すと
@)


これを


に代入すると


媒介変数を消去すると

変数をにすると
…(答[#2])
A)


これを


に代入すると



変数をにすると
…(答[#3])
※[#1][#2]の結果は,[#1]と整合的になっている.すなわち,平面全体が直線に移されるのであるから,その平面内にある直線も,当然,直線上に移される.
(3)
変換式


新座標の方程式

から新座標を消去して旧座標の方程式にすると

…(答)

11. 不動直線の方程式
 1次変換によって「ある直線が自分自身に移される」とき,この直線は動かないから不動直線と呼ばれる.
 類似の用語に不動点というものがある.これは,1次変換によって「自分自身に移される点」のことをいう.自分自身に移され,1次変換によって動かないから不動点と呼ばれる.
(1) 任意の1次変換に対して,原点はつねに不動点となっている.

(2) ある1次変換について,原点以外の不動点があるとき,1次変換の線形性により,直線上の点はすべて不動点となる.

(3) 原点以外の不動点があるとき,直線は不動直線となるが,不動直線上の点であっても必ずしも不動点であるとは言えない.
 1次変換に対する固有値を,固有ベクトルをとするとき

が成り立つが,
ア) そのうちで右図のように,固有値がであるとき

となって,が不動点となるから,前述の(2)により,固有ベクトルに沿った直線上の点は,すべて不動点となる.
イ) これに対して右図のように,固有値がであるとき
固有ベクトルに沿った直線全体は同じ直線全体に移されるから,この直線は自分自身に移され「不動直線」であるが,各点は原点からの距離が2倍に遠ざかっているから,この直線上に原点以外の不動点はない.
【要点】
● 固有値がであるとき
「不動点がある」かつ「不動直線がある」
● 固有値がであるとき
「不動直線がある」が(原点以外の)不動点はない

【例題11.1】
 による1次変換について,不動点と不動直線を求めてください.
(高校数学Tによる答案)
●不動点を求める
不動点の座標を(x, y)とおくと


したがって
は任意)
  不動点は,は任意)…(答)
●不動直線を求める
不動直線の方程式を,・・・@(は,少なくとも一方は0でない)とおく


の変換により,方程式が変わらないから

・・・A
@Aの係数を比較すると

が必要十分条件となる


より

結局
  不動直線はは任意)…(答)
(固有値,固有ベクトル,不動点,不動直線の関係)
(T) 0でない実数値に対応する固有ベクトル

を満たすので,直線の方向が変わらず,原点を通る不動直線に対応する.
(U) 特に,固有値に対応する固有ベクトル

を満たすので,各点は1次変換によって変わらず,不動直線にも不動点にも対応する.
(V) が固有値となっている場合,原点を通らない不動直線が存在することがある.
 右図のように,固有値に対応する固有ベクトルと固有値に対応する固有ベクトルがあるとき



となるから,を通り,方向ベクトルに平行な直線が不動直線になる.
※なお,(重解)が固有値となっている場合にも,原点を通らない不動直線がある例は【例題11.4】参照
固有方程式を解く



ア) のとき


は不動直線
かつ,の直線上の各点は不動点
イ) のとき


は不動直線
ウ) 原点を通らない不動直線を調べる


とおくと


だから

となるから,点を通り,方向ベクトルに平行な直線は自分自身に移される.



媒介変数を消去して,の方程式として書くと

以上により
 不動点は,の直線上の各点
 不動直線は,・・・(答)
の直線でとすれば含まれる)

【例題11.2】
 による1次変換について,不動点と不動直線を求めてください.
(高校数学Tによる答案)
●不動点を求める
不動点の座標を(x, y)とおくと


したがって

  不動点は,は任意)…(答)
●不動直線を求める
不動直線の方程式を,・・・@(は,少なくとも一方は0でない)とおく


の変換により,方程式が変わらないから

・・・A
@Aの係数を比較すると

が必要十分条件となる

より

の係数の,少なくとも一方は0でないから,としてとおくと
  不動直線はは任意)…(答)

(別解)・・・固有値,固有ベクトルを利用して解く
固有方程式を解く




ア) のとき


は不動直線
かつ,の直線上の各点は不動点
イ) のとき


は不動直線
ウ) 原点を通らない不動直線を調べる


とおくと



媒介変数を消去して,の方程式として書くと
は不動直線

【例題11.3】
 による1次変換について,不動点と不動直線を求めてください.
(解答のみ)
不動直線は,
不動点は,直線上の各点
【例題11.4】
 による1次変換について,不動点と不動直線を求めてください.
(高校数学Tによる解答)
●不動点を求める



ゆえに,の直線上の点はすべて不動点
●不動直線を求める
…(1)
の形の不動直線があるとする.


を代入して,元の直線の方程式を求める

…(2)
(1)(2)が一致するには


よって,が条件となる.

ここで,とおくと
不動直線の方程式は,

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