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線形代数.演習ノート(アンサーブック)
 このページには,公表された著作物(著作権法第32条)の引用が含まれています.
 解き方,途中経過などには,原著作物にはない(このページの管理人の)解釈が含まれています.
** 3次元空間における直線の方程式 **
【要点】
3次元空間における直線のベクトル方程式,パラメータ表示(媒介変数表示,助変数表示),xyz方程式
〇3次元空間において,点を通り,方向ベクトルに平行な直線のベクトル方程式を,この直線上の任意の点の位置ベクトルが満たすベクトル方程式で書くと
は実数)…(1)
〇これを成分で表すと
…(2)
〇各成分に分けると

…(3)

〇パラメータを消去しての方程式で書くと
…(4)
(解説)
(1)←
に方向ベクトルを伸ばしたり縮めたりしたものを接ぎ木すると,求める直線上にある任意の点の位置ベクトルを表すことができる.
 例えば,のとき,各々右図の点を表す.
(2)(3)←
(1)を成分で書いた(2)または(3)を(3次元空間における)直線のパラメータ表示(媒介変数表示,助変数表示),パラメータ方程式という.
(4)←
(3)の方程式をについて解いたもの

は,が明示されていなくても,xyzが満たす関係式になっている.このように,媒介変数表示から媒介変数を消去したxyzだけの方程式
…(4)
も高校数学で扱う.
 ただし,(4)はのうち1つ,または2つが0の場合は,分子も0になることを表すものとする.
 たとえば,点を通り,方向ベクトルに平行な直線は,形式的には

となるが,(3)で考えてみると分かるように

…(3)

を表している.分母が0にならない書き方では

を表す.  また,たとえば,点を通り,方向ベクトルに平行な直線は,形式的には

となるが,(3)で考えてみると分かるように

…(3)

を表している.分母が0にならない書き方では
(は任意の実数)
を表す.なお,制限がないことは方程式として書かなくてよいから,これは次の形に書ける.

 の3つとも0になると,単なる1点になり直線にならないから,3つが0ということはない.
【要点】
〇3次元空間において,2点を通る直線のベクトル方程式は,上記の方向ベクトルの代わりにベクトルを用いればよいから
は実数)…(1’)
(2)〜(4)も同様

次の点を通る直線のパラメータ方程式を求めよ.
1.(1, 1, −1)(−2, 1, 3)
(引用元)Serge Lang「LINEAR ALGEBRA」1§5,P.15
(和訳引用元)ラング「線形代数学(上)」1章§5, P.037
次の点を通る直線のパラメータ方程式を求めよ.
2.(−1, 5, 2)(3, −4, 1)
(引用元)Serge Lang「LINEAR ALGEBRA」1§5,P.15
(和訳引用元)ラング「線形代数学(上)」1章§5, P.037

** 2次元平面における直線の方程式 **
【要点】
平面上で1点を通り,与えられたベクトルに垂直な直線の方程式
〇平面において,点を通り,法線ベクトルに垂直な直線のベクトル方程式は

〇平面において,点を通り,法線ベクトルに垂直な直線のxy方程式は

(解説)
を通り,法線ベクトルに垂直な直線上に点があるとき
…(1)
が成り立つ.したがって
…(2)
が成り立つ.また,逆に(2)が成り立てば,点は点を通り,法線ベクトルに垂直な直線上にあると言えるから,求める直線の方程式は(2)と言える.
次のAとPに対して、Pを通りAに垂直な(2-空間の)直線の方程式を求めよ.
3.A=(1, −1)P=(−5, 3)
(引用元)Serge Lang「LINEAR ALGEBRA」1§5,P.15
(和訳引用元)ラング「線形代数学(上)」1章§5, P.037
※1 上記の教科書では,点の座標もベクトルも,いずれものように,1文字で名前と成分の間に等号を書く方式で書かれている.これを日本の高校の教科書で使われている記号で書けば,, となる.
※2 上記の教科書では,2次元の平面 R2のことを(2-空間),3次元の空間 R3のことを(3-空間)と書いている.
次のAとPに対して、Pを通りAに垂直な(2-空間の)直線の方程式を求めよ.
4.A=(−5, 4)P=(3, 2)
(引用元)Serge Lang「LINEAR ALGEBRA」1§5,P.15
(和訳引用元)ラング「線形代数学(上)」1章§5, P.037
※1 ※2 同上

** 2次元平面における2直線の平行条件,垂直条件 **
【要点】
平面上の2直線の平行条件,垂直条件
〇平面上の2直線

の法線ベクトル

が平行であるとき,2直線は平行になる.
〇平面上の2直線

の法線ベクトル

が垂直であるとき,2直線は垂直になる.
(解説)
図を描けば,明らか

5.2直線3x−5y=1, 2x+3y=5は垂直でないことを示せ.
(引用元)Serge Lang「LINEAR ALGEBRA」1§5,P.15
(和訳引用元)ラング「線形代数学(上)」1章§5, P.037
※1 ※2 同上
6.次の直線の組のうち,垂直なのはどれか.
(a) 3x−5y=12x+y=2
(b) 2x+7y=1x−y=5
(c) 3x−5y=15x+3y=7
(d) −x&+y=2x+y=9
(引用元)Serge Lang「LINEAR ALGEBRA」1§5,P.16
(和訳引用元)ラング「線形代数学(上)」1章§5, P.037

** 3次元空間における平面の方程式 **
【要点】
1点を通り与えられた法線ベクトルに垂直な平面の方程式
〇(3次元空間において)点を通り,法線ベクトルに垂直な平面のベクトル方程式は

〇(3次元空間において)点を通り,法線ベクトルに垂直な平面の方程式は

(解説)
を通り,法線ベクトルに垂直な平面上にある点Pの位置ベクトルをとおくと

だから


が成り立つ.逆も言える.
これを成分で書くと

7.次の点Pを通り,ベクトルNに垂直な平面の方程式を求めよ.
(a) N=(1, −1, 3)P=(4, 2, −1)
(b) N=(−3, −2, 4)P=(2, π, −5)
(c) N=(−1, 0, 5)P=(2, 3, 7)
(引用元)Serge Lang「LINEAR ALGEBRA」1§5,P.16
(和訳引用元)ラング「線形代数学(上)」1章§5, P.037

【要点】
3点を通る平面の方程式
〇(3次元空間において)3点を通る平面の方程式を求めるには,求める平面の方程式を

とおいて,
がこの方程式を満たすということから,係数を定めるとよい.
(解説)
 3点が一直線上に並んでいる場合を除けば,通常,3点を通る平面はただ1通りに定まる.
 理科の実験器具や測量器具など,精密さが要求される器具は3本足になっているのは,3点にすると平面が確定するということを利用したものである.
8.次の3点を通る平面の方程式を求めよ.
(a) (2, 1, 1), (3, −1, 1), (4, 1, −1)
(引用元)Serge Lang「LINEAR ALGEBRA」1§5,P.16
(和訳引用元)ラング「線形代数学(上)」1章§5, P.037
(解答)
 求める平面の方程式を

とおく.
(2, 1, 1)を通るから
…(1)
(3, −1, 1)を通るから
…(2)
(4, 1, −1)を通るから
…(3)
 方程式の個数(3個)が未知数の個数(4個)よりも少ない連立方程式
…(1)
…(2)
…(3)
は,確定した解を持たず,不定解を持つ.
これは,次のどの方程式も同じものを表すということと対応している.
…(*i)
…(*ii)
…(*iii)
このように,求める方程式はという形ではなく,という形の不定解になる.
連立方程式(1)(2)(3)を解くときに,混乱を防ぐためには,1つの文字,例えばについて解くのをあきらめて,を用いて表すと考えればよい(を媒介変数に使う).次の形において,( )に入れた文字については解かないことにする.
…(1)
…(2)
…(3)
このようにすると,未知数が3個,方程式が3個の連立方程式となり,高校で解き慣れた形になる.
 まず,(1)−(2), (2)+(3)によりを消去すると
…(4)
…(5)
(5)より

(4)に代入

(1)に代入


以上から

両辺をで割って,−7を掛けると. …(答)
に適当に数字を入れると,



なども,もちろん解になるが,通常はなるべく簡単な整数比が好まれるから,上記の(答)がよい.

(参考1)
 逆行列の求め方を習っている場合,上記の連立方程式を次のように解くと見通しがよい
…(1)
…(2)
…(3)
は,行列を用いて次の形に書ける.

両辺に左から係数行列の逆行列を掛けると



(参考2)
 クラメールの公式を習っている場合,上記の連立方程式は次のように解ける






(参考3)
〇点を通り,方向ベクトルに平行な直線は,1つの媒介変数を使ったベクトル方程式
…(1)
で表される.これを,成分を用いて表すと
…(2)
分けて書くと

…(3)

(3)式から媒介変数を消去してx,y,zの方程式にすると
…(4)
(1)は任意の値をとる変数が1つあるから,自由度1すなわち1次元空間,直線を表す.
〇点を通り,ベクトルに平行な平面は,2つの媒介変数を使ったベクトル方程式
…(1’)
で表される.これを,成分

を用いて表すと
…(2’)
分けて書くと

…(3’)

これらから,まず媒介変数を消去すると2個の方程式になり,さらに媒介変数を消去すると1個の方程式になる.
(1’)は任意の値をとる変数が2つあるから,自由度2すなわち2次元空間,平面を表す.
8.(a)の問題を,点A(2, 1, 1)を通りベクトルに平行な平面と解釈すると
…(2’)
分けて書くと

…(3’)

(3’)から媒介変数を消去して,x,y,zの方程式にすると

…(4’)
となって,前述と同じ結果を得る.

8.次の3点を通る平面の方程式を求めよ.
(b) (−2, 3, −1), (2, 2, 3), (−4, −1, 1)
(引用元)Serge Lang「LINEAR ALGEBRA」1§5,P.16
(和訳引用元)ラング「線形代数学(上)」1章§5, P.037
8.次の3点を通る平面の方程式を求めよ.
(c) (−5, −1, 2), (1, 2, −1), (3, −1, 2)
(引用元)Serge Lang「LINEAR ALGEBRA」1§5,P.16
(和訳引用元)ラング「線形代数学(上)」1章§5, P.037

**3次元空間において2つのベクトルに垂直なベクトル**
9.(1, 2, −3)および(2, −1, 3)に垂直なベクトルを求めよ.
(引用元)Serge Lang「LINEAR ALGEBRA」1§5,P.16
(和訳引用元)ラング「線形代数学(上)」1章§5, P.038
(解答1)
 の両方に垂直なベクトルをとおくと
だから…(1)
だから…(2)
 この連立方程式(1)(2)を解いて,ベクトルを求めるとよいが,未知数の個数が3個であるのに対して,方程式の数が2個と1個少なくなっている.
 そのため,この方程式は自由度1の不定解(任意の値をとる媒介変数を1つ含む解)になる.
 これは,右図のようにあるベクトルに垂直ならば,その定数倍に垂直になるという事情に対応している.
 実際に解くときは,媒介変数に選ぶ変数を1つ選び,その文字で他の文字を表すとよい.
については解かないと決めて,右辺に持って行く
…(1’)
…(2’)
(1’)+(2’)×2


これを(2’)の代入

以上から
…(答1)
…(答1’)
…(答2)
…(答3)
(答1)←1つのベクトルの定数倍になることは当然だから,解の全部を答えよとは解釈せず,解を1つ述べよと解釈すれば,これでよい.
(答1’)←当然,この形でもよい.
(答2)←高校では,零ベクトルは大きさが0で,向きを考えないとする.したがって,に垂直なベクトルと言うためには零ベクトルであってはならないから,を書かなければならない.
(答3)←大学では,零ベクトルは任意のベクトルに垂直と定義するから,上記の条件は不要になる.
(解答2)
逆行列を用いて連立方程式を解く場合
…(1’)
…(2’)
より

両辺に左から係数行列の逆行列を掛けると



以下の答案は,(解答1)と同様
(解答3)
クラメールの公式を用いて連立方程式を解く場合


の解は(係数行列の行列式が0でないとき)

…(1’)
…(2’)
の解は


以下の答案は,(解答1)と同様
(解答4)
2つのベクトルの外積に垂直であることを覚えている場合
に垂直であるから
…(答)

** 3次元空間における2平面の交線 **
【要点】
〇(3次元空間において)点を通り,方向ベクトルに平行な直線のベクトル方程式は
…(1)
この方程式を成分 で表すと
…(2)
成分に分けると

…(3)

(3)式から媒介変数を消去してx,y,zの方程式にすると
…(4)
この(4)式は,連立方程式
…(5)
…(6)
と見ることができる.
(5)および(6)は各々平面の方程式だから,空間における直線の方程式は,2平面の交線として表されていることになる.
〇(3次元空間において)2平面の交線の方向ベクトルは,法線ベクトルの両方に垂直なベクトルになっている.
2つの平面に垂直な断面から見た図
記号は手前向き,は向こう向きに紙面を貫いているものとする
14.2平面2x−y+z=1 , 3x+y+z=2の交線のパラメータ方程式を求めよ.(問題12.対応分)
(引用元)Serge Lang「LINEAR ALGEBRA」1§5,P.16
(和訳引用元)ラング「線形代数学(上)」1章§5, P.038
(解答1)
連立方程式


の解を求める.方程式の個数が2個で,未知数の個数3個よりも1個少ないから,媒介変数を1個含んだ不定解になる.そこで,1文字については解かないと決める.(については解かないと決めて,右辺に移項し,( )でくくって分かるようにしておく.このを媒介変数に使う)
…(1)
…(2)
(1)+(2)より


和訳引用元の解答は,となっているが,様々な書き方が可能で,これは左の答案に対して,

とすれば対応する
これを(1)に代入

媒介変数をで表すと



媒介変数をに直すと

…(答)

または
…(答)

(解答2)
 3次元空間における直線の方程式は,通るべき1点と,方向ベクトルが定まれば求められる.
 2x−y+z=1 , 3x+y+z=2において,y=0のときはx=1, z=−1となるから,点を通る.
 求める直線の方向ベクトルは,2つ平面の法線ベクトルの両方に垂直であることから求められる.


を媒介変数に選ぶと


これを解くと

したがって

1つの方向ベクトルはだから
…(答)
(解答3)
 3次元空間における直線の方程式は,通るべき1点と,方向ベクトルが定まれば求められる.
(解答2)において,通るべき1点の座標を求められた訳を考えてみると,連立方程式


は,未知数が3個であるのに対して,方程式が2個と少ないため,そのままでは不定解となるところを,1つ限定を追加して(yに特定の値を代入して,定数にして)未知数の個数を2個にすれば,特定の点の座標が定まることを利用した.具体的には,y=0とするとx=1, z=−1となることから,点を通ることが分かる.
 この作業をもう1回行い,2つ目の点を見つけると2点A,Bが見つかり,点Aを通りベクトルを方向ベクトルとすれば,方向ベクトルが分かることになる.
 x=0とするととなることから,点を通ることが分かる.
 このとき,であるから,1点を通り,方向ベクトルに平行な直線の方程式を求めるとよい.ただし,方向ベクトルの大きさは何でもよいから,を2倍して整数係数にしたものを使うと,方向ベクトルとして
…(答)

14.2平面2x+y+5z=2 , 3x−2y+z=3の交線のパラメータ方程式を求めよ.(問題13.対応分)
(引用元)Serge Lang「LINEAR ALGEBRA」1§5,P.16
(和訳引用元)ラング「線形代数学(上)」1章§5, P.038
前問と同様に(解答2)(解答3)のように解いてもよい.ここでは(解答3)を示す.
z=0とするとx=1, y=0となるから,点A(1, 0, 0)を通る.
また,x=0とするととなるから,点を通る.
そこで,点A(1, 0, 0)を通り,方向ベクトルに平行な直線の方程式を求める.
方向ベクトルとしてを使うと,
…(答)

** 3次元空間において2平面がなす角 **
【要点】
〇(3次元空間において)2平面がなす角は,それらの法線ベクトルがなす角に等しい.
(∵)右図@のような断面から見た場合,
θ+φ=90°
θ’+φ=90°
だから
θ=θ’
が成り立つ
ただし,Aのように法線ベクトルの向きによっては,90°<θ≦180°になってしまう場合がある.
 高校では,2平面のなす角は,0°≦θ≦90°と90°<θ≦180°の2つあるうちの小さい方,0°≦θ≦90°で答えるのが普通である.
(※ラングの和訳では,法線ベクトルがなす角そのまま平気で答えるようになっている)
 2つの法線ベクトルについて

だから

ただし,高校ではのとき,を用いて,符号を変えてで答える.
15.次の2平面のなす角の余弦を求めよ
(a) x+y+z=1 , x−y−z=5
(引用元)Serge Lang「LINEAR ALGEBRA」1§5,P.16
(和訳引用元)ラング「線形代数学(上)」1章§5, P.039

15.次の2平面のなす角の余弦を求めよ
(c) x+2y−z=1 , −x+3y+z=2
(引用元)Serge Lang「LINEAR ALGEBRA」1§5,P.16
(和訳引用元)ラング「線形代数学(上)」1章§5, P.039
15.次の2平面のなす角の余弦を求めよ
(d) 2x+y+z=3 , −x−y+z=π
(引用元)Serge Lang「LINEAR ALGEBRA」1§5,P.16
(和訳引用元)ラング「線形代数学(上)」1章§5, P.039
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