■等式の証明 → 携帯版は別頁

※暗算ではできないので,計算用紙が必要
問題1
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問題2  (以下の問題は証明問題ではなく,値を求める問題であるが,比例式の値に関連してよく出される.)
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【解説】

■等式の証明
【要約】
 恒等式が成立することを証明するには,その問題に応じて次のうち使いやすい形で行えばよい.

(I) (左辺)を変形していくと(右辺)になることを示す.
__________(左辺) → →(右辺)

(II) (右辺)を変形していくと(左辺)になることを示す.
__________(左辺) ← ←(右辺)

(III) (左辺)と(右辺)を変形していくと,それぞれ同じ式に行き着くことを示す.
__________(左辺) → ←(右辺)

(IV) (左辺)−(右辺)=0を示す.
__________(左辺)−(右辺) → ★ =0
(解説)
(I) 次の例のように,(左辺)が比較的複雑な式で(右辺)が簡単な式のとき,(左辺)を変形していくと(右辺)になるという形が示しやすい.
例1
(x+1)2−(x− 1)2=4x となることを証明せよ.

(答案)
(左辺)=(x2+2x+1)− (x2− 2x+1)=x2+2x+1− x2+2x− 1=4x=(右辺)  ■証明終り■
(II) 次の例のように,(右辺)が比較的複雑な式で(左辺)が簡単な式のとき,(右辺)を変形していくと(左辺)になるという形が示しやすい.
例2
4x=(x+1)2− (x− 1)2 となることを証明せよ.

上の例1と逆向きに進めるとよい.
(III) 上の(I)(II)のように,一方通行で変形していけるときはその方が簡単でよいが,(左辺)から変形し始めて途中で変形しにくくなったらそこ()で止めて,(右辺)からその式()にたどり着けることを示してもよい.
例3
(ax+by)2+(ay− bx)2=(a2+b2)(x2+y2) となることを証明せよ.
(答案)
(左辺)=a2x2+2abxy+b2y2+a2y2− 2abxy+b2x2
_____=a2x2+b2y2+a2y2+b2x2

   (・・・ この生徒は因数分解が不得意だとする)
(右辺)=a2x2+a2y2+b2y2+b2x2=a2x2+b2y2+a2y2+b2x2
ゆえに,(左辺)=(右辺)  ■証明終り■
(IV) (I)〜(III)で証明するのがむずかしいときでも,この変形方法でできることがある.0を目指すので目標が分かりやすく,また,機械的に処理していけることが多い.
例4
(ax+by)2+(ay− bx)2=(a2+b2)(x2+y2) となることを証明せよ.
(答案)
(左辺)-(右辺)
=(ax+by)2+(ay− bx)2− (a2+b2)(x2+y2)
=a2x2+2abxy+b2y2+a2y22abxy+b2x2
a2x2a2y2b2y2b2x2=0


ゆえに,(左辺)=(右辺)  ■証明終り■
■よく見られる間違いについて■

○ 「言えていること」と「言いたいこと」を混同しないことが重要 ・・・ 「言えていること」から「言いたいこと」を作り上げる作業が証明だと考えること

○ 証明の書き手も読み手も「通りがかりの一般人」として説得力のある文章や式が証明 ・・・ 何でもお見通しの「数学の神様」を書き手にも読み手にも連れてきてはいけない

※[間をつなぐのが証明]
(x+1)2− (x− 1)2=4x を証明せよ.」という問題に対して,
(x+1)2− (x− 1)2=4x …(A)
と書いても証明にはならないが,この答案は結構多い.
 左の(IV)の例4において,単に(左辺)−(右辺)=0 とだけ書いている答案もダメである.

⇒ 結論は問題に書いてあり,問題を転記しただけで解答になるはずがないが,書いた本人は「簡単なので暗算で行った」と考えている.
 (左辺)と(右辺)の間をつなぐのが証明.左記の を埋めるのが証明

※[式を順に並べると,それが正しいと主張していることになる]
(x+1)2− (x− 1)2=4x を証明せよ.」という問題に対して,
__________(x+1)2− (x− 1)2=4x …(B)
__________x2+2x+1− (x2− 2x+1)=4x …(C)
__________4x=4x …(D)
__________0=0 …(E)
と書いても証明にはならないが,この答案は結構多い.

⇒ 上記の答案では,(B)→(C)→(D)→(E)の順に主張しているので,証明すべき(B)を仮定していることになる.
(言いたいこと(B)を仮定して,当たり前のこと(E)を証明しても何にもならない)

※[結論を仮定と混同してはいけない.言いたいこと(願望)と言えていること(現実)を混同してはいけない]
 上の(B)から変形することについては,結論と仮定の混同という点からも問題がある・・・仮定と結論の違いは中学校で学ぶ.
 数学が不得意な生徒だけの話ではない・・・願望と現実との混同は,誰しも陥りやすい間違いと考えられる.
(小話)
 昔,ダイヤが炭素でできていることが分かってから,炭からダイヤを作ろうと頑張っていた学者がいた.何年がんばってもうまく行かなかったので,ある日弟子が材料にダイヤを入れておいた.
 そうとは知らずに,学者はダイヤができたと喜んだ.

※[書き手,読み手のどちらも数学の専門家,数学の神様ではなく,平凡な人が平凡な人に「納得できるように」説明するのが証明だと考えるとよい.]
 上の(A)の例では,この程度のものは暗算で済ませましたという場合,書き手=「数学の専門家」だから許されると考えていれば大間違い.

 上の(A)の例で,「数学の神様」が読めば答案の省略部分を理解してくれるはずだと考えるのは大間違い.そうではなく,普通の人が納得するかどうか,その説得力が証明力と考えるべき.
■条件付き等式の証明
※ 「a=5b のとき a2− 3ab=5b2+ab が成立する.」のように,ある条件のもとで成り立つ等式を条件付き等式という.

【要約】
 当然のことながら,条件付きの等式は条件を使わなければ証明できない.(このことを忘れることが多い.)
 条件を使うには,次のような方法がよく用いられる.

(I) 右の例5のように,条件式を1つの文字について解いてこれを証明すべき式に代入して,文字の個数を減らす

(II) 右の例6にように,条件式が比例式で与えられるときは,比の値を k とおく.(これが比例式の定石 )

 ※右の例6のように変形すると,文字数は1文字(k)増えるが,2文字(a , c)減るので,全体として1文字減る.

(参考)
○ 比例の関係 a : b=c : d は,
__________= …(A)

と書くことができる.
○ 上の比例の関係は,左辺の1番:右辺の1番=左辺の2番:右辺の2番のように対応させて,
__________= …(B)

と書くこともできる.
○ a : b : c=x : y : z のように3つ以上の比(連比)になっている場合は(A)ではできないので,(B)に慣れておくとよい.
__________a : b : c=x : y : z  ⇔  = =
例5
 a=5b のとき a2− 3ab=5b2+ab が成立することを証明せよ.
(答案)
__________a=5b を代入すると,
__________(左辺)=(5b)2− 3·(5b)·b=25b2− 15b2=10b2
__________(右辺)=5b2+5b·b=5b2+5b2=10b2
__________ゆえに,(左辺)=(右辺)  ■証明終り■

※(左辺),(右辺)は証明すべき式=最も関心のある式の右辺,左辺を表わす.条件式の左辺,右辺ではない.


例6
 = のとき = が成立することを証明せよ.

(答案)
__________= =k とおくと

__________分母をはらうと a=kb, c=kd
__________このとき,
__________(左辺)= = =k

__________(右辺)= = =k

__________ゆえに,(左辺)=(右辺)  ■証明終り■

※ 条件式を使って1文字消去すればできるので,例えば a= として,これを両辺に代入してもよい.あまり奨められないが.

 (左辺)= = = =

 (右辺)= = = = だから等しい.

(ただし,条件式が連比のときなども考えると,やはり定石通り = =k とおく方が見通しがよい.
例題1
 a+b+c=0 のとき b2− ac=c2− ab が成立することを証明せよ.
(答案)
 a+b+c=0 より c=− a− b を代入すると
(左辺)=b2− a(− a− b)=b2+a2+ab=a2+ab+b2
(右辺)=( -a− b)2− ab=a2+2ab+b2− ab=a2+ab+b2
ゆえに,(左辺)=(右辺)  ■証明終り■
例題2
 a : b : c=x : y : z  ⇔  = = のとき,

(a2+b2+c2)(x2+y2+z2)=(ax+by+cz)2

となることを証明せよ.
(答案)
_____= = =k とおくと

_____a=kx , b=ky , c=kz
_____(左辺)=(k2x2+k2y2+k2z2)(x2+y2+z2)=k2(x2+y2+z2)2
_____(右辺)=(kx2+ky2+kz2)2=k2(x2+y2+z2)2
ゆえに,(左辺)=(右辺)  ■証明終り■
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■[個別の頁からの質問に対する回答][等式の証明について/16.12.3]
もっと詳しく教えてほしい。そして、違った不等式などもだしてほしい。
=>[作者]:連絡ありがとう.不等式の証明については,先頭にあるサブメニューから不等式の項を選択してください.