|
○三角形の面積は
(面積)=(底辺)×(高さ)÷2
の公式で求められます.次の図のように,△ABCの頂点Aから対辺BCの中点(真ん中の点,1対1に内分する点)Dに線分ADをひくと,△ABDと△DCAとは,底辺が等しく,高さが共通になるから,これら2つの三角形の面積は等しくなります.(高さは底辺と垂直(直角)な線分で測ります) |
次の図のように,頂点Bから対辺CAの中点Eに線分BEをひいた場合にも,同様にして△BCEと△BAEの面積は等しくなります.
さらに,頂点Cから対辺ABの中点Fに線分CFをひいた場合にも,同様にして△CAFと△CBFの面積は等しくなります.
【要点】
三角形の頂点から対辺の中点にひいた線分は,三角形の面積を二等分する |
【例1】
3点A(3, 4), B(1, 2), C(5, 0)を頂点とする△ABCがある. (1) 辺BC上に点Dをとって,線分ADが△ABCの面積を二等分するようにするとき,点Dの座標を求めてください. (2) 辺CA上に点Eをとって,線分BEが△ABCの面積を二等分するようにするとき,点Eの座標を求めてください. (1) 辺AB上に点Fをとって,線分CFが△ABCの面積を二等分するようにするとき,点Fの座標を求めてください.
【ポイント】
(解答)点P(a, b)と点Q(s, t)の中点の座標は (, ) ※x座標とx座標からx座標を作る,y座標とy座標からy座標を作る. ※1つの座標のx座標とy座標を混ぜてはいけない. (1) B(1, 2), C(5, 0)の中点を点Dとすればよいから Dのx座標は y座標は したがって D(3, 1)…(答)
点の名前とその座標の間には何も入れずにD(3, 1)のように書きます.
(2)D=(3, 1)のようには書かないので注意しましょう. 同様にして , だから E(4, 2)…(答) (3) 同様にして , だから F(2, 3)…(答) |
【例2】
3点A(3, 2), B(0, 0), C(4, 0)を頂点とする△ABCがある. 頂点Aを通り△ABCの面積を二等分する直線の方程式を求めてください.
【ポイント】
(解答)B(0, 0), C(4, 0)の中点D(2, 0)と頂点A(3, 2)を通る直線の方程式を y=ax+b とおいて,この直線がD(2, 0)とA(3, 2)を通るように,a, bの値を求めます. B(0, 0), C(4, 0)の中点をDとおくと,Dの座標は によりD(2, 0) D(2, 0)と頂点A(3, 2)を通る直線の方程式を y=ax+b とおくと,この直線がD(2, 0)を通るから 0=2a+b…(1) A(3, 2)を通るから 2=3a+b…(2) (1)(2)の連立方程式を解いてa, bの値を求める. (2)−(1) a=2 これを(1)に代入すると 0=4+b b=−4 ゆえに y=2x−4…(答) |
A(3, 5), B(1, 1)の中点をDとするとDの座標は
2点D(2, 3), C(5, 0)を通る直線の方程式を y=ax+b とおいて,a, bを求める. D(2, 3)を通るから 3=2a+b…(1) C(5, 0)を通るから 0=5a+b…(2) a, bの連立方程式(1)(2)を解く. (2)−(1) −3=3a a=−1 これを(1)に代入 b=5 ゆえに y=−x+5…(答) |
【問題2】
3点A(3, 5), B(−2, 3), C(4, −1)を頂点とする△ABCがある. 頂点Aを通り△ABCの面積を二等分する直線の方程式を求めてください. 解説 y=−2x+1 y=−2x−1
B(−2, 3), C(4, −1)の中点をDとするとDの座標は
2点D(1, 1), A(3, 5)を通る直線の方程式を y=ax+b とおいて,a, bを求める. D(1, 1)を通るから 1=a+b…(1) A(3, 5)を通るから 5=3a+b…(2) a, bの連立方程式(1)(2)を解く. (2)−(1) 4=2a a=2 これを(1)に代入 b=−1 ゆえに y=2x−1…(答) |
【問題3】
3点A(−1, 2), B(4, −3), C(3, 4)を頂点とする△ABCがある. 頂点Bを通り△ABCの面積を二等分する直線の方程式を求めてください. 解説 y=−2x+3 y=−2x+5
A(−1, 2), C(3, 4)の中点をDとするとDの座標は
2点D(1, 3), B(4, −3)を通る直線の方程式を y=ax+b とおいて,a, bを求める. D(1, 3)を通るから 3=a+b…(1) B(4, −3)を通るから −3=4a+b…(2) a, bの連立方程式(1)(2)を解く. (2)−(1) −6=3a a=−2 これを(1)に代入 b=5 ゆえに y=−2x+5…(答) |
【例3】
3点A(0, 4), B(0, 0), C(3, 0)を頂点とする△ABCがある. 線分BC上の点D(2, 0)を通り△ABCの面積を二等分する直線と線分ABの交点をEとするとき,点Eのy座標を求めてください
【ポイント】
(解答)三角形の面積は (面積)=(底辺)×(高さ)÷2 の公式で求められるので, (面積)と(底辺)の長さが決まっていたら,(高さ)が求まる △ABCの面積は △EBDの面積は △ABCの面積を二等分しているのだから …(答) |
【例4】
(解答)3点A(2, 4), B(0, 0), C(6, 0)を頂点とする△ABCがある. 線分BC上の点D(4, 0)を通り△ABCの面積を二等分する直線と線分ABの交点Eの座標を求めてください △ABCの面積は Eのy座標をyで表すと △EBDの面積は △ABCの面積を二等分しているのだから ABの直線の方程式は だから,のとき ゆえに …(答)
【ポイント】
底辺がx軸上にあれば,高さはy座標 |
【問題4】
3点A(0, 5), B(0, 0), C(6, 0)を頂点とする△ABCがある. 線分BC上の点D(5, 0)を通り△ABCの面積を二等分する直線と線分ABの交点をEとするとき,点Eのy座標を求めてください 解説
△ABCの面積は
△EBDの面積は △ABCの面積を二等分しているのだから …(答) |
【問題5】
3点A(0, 4), B(0, 0), C(5, 0)を頂点とする△ABCがある. 線分AB上の点D(0, 3)を通り△ABCの面積を二等分する直線と線分BCの交点をEとするとき,点Eのx座標を求めてください 解説
△ABCの面積は
△EBDの面積は △ABCの面積を二等分しているのだから …(答) |
【問題6】
3点A(3, 6), B(0, 0), C(4, 0)を頂点とする△ABCがある. 線分BC上の点D(3, 0)を通り△ABCの面積を二等分する直線と線分ABの交点をEとするとき,点Eの座標を求めてください 解説
△ABCの面積は
Eのy座標をyで表すと △EBDの面積は △ABCの面積を二等分しているのだから ABの直線の方程式は だから,のとき ゆえに …(答) |
【問題7】
3点A(4, 4), B(0, 0), C(5, 0)を頂点とする△ABCがある. 線分BC上の点D(4, 0)を通り△ABCの面積を二等分する直線と線分ABの交点をEとするとき,点Eの座標を求めてください 解説
△ABCの面積は
Eのy座標をyで表すと △EBDの面積は △ABCの面積を二等分しているのだから ABの直線の方程式は だから,のとき ゆえに …(答) |
【例5】
3点A(0, 3), B(0, 0), C(4, 4)を頂点とする△ABCがある. 線分BC上の点P(3, 3)を通り△ABCの面積を二等分する直線と線分ABの交点をQとするとき,点Qのy座標を求めてください
【考え方1】
(解答)○BCの中点D(2, 2)と頂点Aを結ぶ線分ADは△ABCの面積を二等分する. ○そうすると,△PABの面積は△ABCの面積の半分よりも△PADの分だけ大きくなっている. ○△PADをPAを底辺として高さを変えずに等積変形すると△PAD=△PAQとなるように点Qを定めることができる. ○そこで,△PABから△PAQを取り除いたもの,すなわち△PQBが△ABCの面積を二等分することになる. BCの中点D(2, 2)と点A(0, 3), P(3, 3)でできる△PADを,PAを底辺として高さを変えない等積変形を行う. Dを通りPAと平行な直線とABとの交点をQとおくと,△PAD=△PAQとなる. PAはx軸に平行だからDQもx軸に平行(y座標を変えない)に取ると Q(0, 2)…(答)
【考え方2】
(解答)
この部分は中3の相似図形の性質を習ってからの方がよく分かるが,内容は小学校でも習う
○Q(0, y)とおき,AB, QBを底辺と考えると,底辺の長さの比はAB:QB=3:y○高さの比はC, Pのx座標の比になるから4:3 ○三角形の面積は (面積)=(底辺)×(高さ)÷2 だから,面積の比は (底辺1)×(高さ1):(底辺2)×(高さ2) Q(0, y)とおくと, 底辺の比は3:y 高さの比は4:3 よりy=2 Q(0, 2)…(答) |
【例6】
3点A(3, 3), B(−1, −1), C(5, 2)を頂点とする△ABCがある. 線分BC上の点P(3, 1)を通り△ABCの面積を二等分する直線と線分ABの交点をQとするとき,点Qの座標を求めてください
【考え方1】
(解答)○BCの中点と頂点Aを結ぶ線分ADは△ABCの面積を二等分する. ○そうすると,△PABの面積は△ABCの面積の半分よりも△PADの分だけ大きくなっている. ○△PADをPAを底辺として高さを変えずに等積変形すると△PAD=△PAQとなるように点Qを定めることができる. ○そこで,△PABから△PAQを取り除いたもの,すなわち△PQBが△ABCの面積を二等分することになる. BCの中点すなわちと点A(3, 3), P(3, 1)でできる△PADを,PAを底辺として高さを変えない等積変形を行う. Dを通りPAと平行な直線とABとの交点をQとおくと,△PAD=△PAQとなる. PAはy軸に平行だからDQもy軸に平行(x座標を変えない)に取る. Qのx座標はDと同じ2になり,Qは直線AB:y=x上の点だから,Qのy座標は2 Q(2, 2)…(答)
【考え方2】
(解答)
この部分は中3の相似図形の性質を習ってからの方がよく分かるが,内容は小学校でも習う
○底辺の比はCB:PB=3:2○高さの比はAB:QB=4:L
長さは各々3,2,4,Lではない.比が3:2, 4:Lだということに注意
○面積の比はとおくと L=3 y座標は2になる. AB:QB=4:Lとおくと, 底辺の比は3:2 高さの比は4:L よりL=3 y座標の差を考えるとAB:QB=3−(−1):y−l(−1)=4:y+1 これが4:3になるのだからy=2 Qは直線AB:y=x上の点だからx=2 Q(2, 2)…(答) |
【問題8】
3点A(2, 4), B(0, 0), C(6, 0)を頂点とする△ABCがある. 線分AC上の点P(3, 3)を通り△ABCの面積を二等分する直線と線分BCの交点をQとするとき,点Qの座標を求めてください 解説
ACの中点D(4,2)と頂点Bを結ぶ線分DBは△ABCの面積を二等分する.
△PBCの面積は△ABCの半分よりも△PBDの分だけ多い. △PBDを底辺PBを共通として高さを変えずに等積変形して,頂点Dを移動させて線分BC上にきたとき,その点をQとすると,△PBD=△PBQとなり,△PQCの面積は△ABCの半分になる. P(3,3), B(0,0)を通る直線の傾きは1だから,点D(4,2)を通り,傾き1の直線とBCの交点を求めるとよい. DQの方程式は,傾きが1だから y=x+b とおける.これがD(4,2)を通るから b=−2 y=x−2とBC:y=0との交点を求めると Q(2, 0)…(答) (別解) - - - - - - - - 斜辺の長さをx座標の差で比較すると Qの座標を(x, 0)とおくと より 3(6−x)=12 18−3x=12 3x=6 x=2 ゆえに Q(2, 0)…(答) |
【問題9】
3点A(3, 6), B(0, 0), C(8, 4)を頂点とする△ABCがある. 線分BC上の点P(6, 3)を通り△ABCの面積を二等分する直線と線分ABの交点をQとするとき,点Qの座標を求めてください 解説
BCの中点D(4,2)と頂点Aを結ぶ線分DAは△ABCの面積を二等分する.
△PABの面積は△ABCの半分よりも△PADの分だけ多い. △PADを底辺PAを共通として高さを変えずに等積変形して,頂点Dを移動させて線分AB上にきたとき,その点をQとすると,△PAD=△PAQとなり,△PQBの面積は△ABCの半分になる. P(6,3), A(3,6)を通る直線の傾きは−1だから,点D(4,2)を通り,傾き−1の直線とABの交点を求めるとよい. DQの方程式は,傾きが−1だから y=−x+b とおける.これがD(4,2)を通るから b=6 y=−x+6 次に,ABの方程式はy=2x これらの交点を求めると Q(2, 4)…(答) (別解) - - - - - - - - 斜辺の長さをx座標の差で比較すると Qの座標を(x, 2x)とおくと より x=2 ゆえに Q(2, 4)…(答) |