【要点1】
【例題】根号を含んだ大小関係が与えられたとき,各辺を2乗して比較してもよい. 〇はに直して考えたらよい. 〇はに直して考えたらよい.
より小さい自然数をすべて書きなさい。
(解答)(大阪府2017年入試問題)
自然数が …(1) を満たしているとき,(1)の各辺を2乗すると …(2) ところで だから …(答) (参考) 10までの整数については, などと覚えることがあるので,から直接,と答えてもよい. しかし,それ以上大きい数の平方根,などの値は通常覚えないので,様々な問題に対応できるようにするためには,上記の答案のように2乗して考えるのがよい. |
※以下に引用する高校入試問題で,元の問題は記述式の問題ですが,web画面上で入力問題にすると操作性が悪いので,選択問題に書き換えています.
【問題1】 (画面上で解答するには,選択肢の中から正しいものを1つクリック)
(1)
を満たす整数を,小さい順にすべて書きなさい。 (群馬県2015年入試問題)
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(2)
は自然数で,である。このとき,に当てはまる数の個数を求めなさい。 (熊本県2015年入試問題)
各辺を2乗すると
64<a<81 ここで,植木算を復習しておくと 例えば,両端を含む10個の整数1≦a≦10の個数は 差(10−1)+1…(A)
両端を含まない8個の整数1<a<10の個数は差(10−1)−1…(B)
だから,64<a<81となる整数の個数は(B)の方の植木算を使うとよい.(81−64)−1=16(個)…(答) |
(3)
次の大小関係に当てはまる自然数nは何個あるか,求めなさい。 (和歌山県2017年入試問題)
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(4)
に当てはまる自然数を,すべて求めなさい。 (長野県2015年入試問題)
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(5)
に当てはまる自然数の個数を求めなさい。 (山口県2017年入試問題)
各辺を2乗すると
49<m<72 ここで,植木算を復習しておくと 例えば,両端を含む10個の整数1≦a≦10の個数は 差(10−1)+1…(A)
両端を含まない8個の整数1<a<10の個数は差(10−1)−1…(B)
だから,49<a<72となる整数の個数は(B)の方の植木算を使うとよい.(72−49)−1=22(個)…(答) |
(6)
を自然数とする。を満たすの個数を求めよ。 (長崎県2015年入試問題)
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(7)
不等式を満たす自然数の個数を求めよ。 (東京都2017年入試問題)
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【要点2】
【例題】根号を含んだ式が整数になるのは,根号の中が平方数になっている場合に限る. 〇例えば は,それぞれ だから のように整数になる. 〇これに対して のような式は,根号の中が平方数になっていないので,整数にはならない.
を0でない整数にしたい。できるだけ小さい整数の値を求めよ。
(解答)(香川県2000年入試問題)
だから,根号の中を平方数にするために,は7の倍数になっていなければならない. できるだけ小さい(正の)数でこれを満たすものは7…(答) |
【問題2】
(1)
が1けたの自然数になるような自然数の値をすべて求めなさい。 (秋田県2015年入試問題)
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(2)
が整数となるような自然数の値を全て求めよ。 (奈良県2017年入試問題)
根号の中が約分によって整数になるにはためには,5が約分されなければならない n=5×k 次に,根号の中が平方数になるためには,2や3は2つずつ残っていなければならない n=5×1, 5×22, 5×32, 5×22×32 したがって n=5, 20, 45, 180…(答) |
(3)
とがともに整数となるような最も小さい自然数の値を求めよ。 (鹿児島県2015年入試問題)
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(4)
nを50以下の正の整数とする。が整数となるようなnの個数を求めよ。 (千葉県2015年入試問題)
が整数になるためには,根号の中が平方数でなければならない
n=3×k2 (kは整数) 1≦n≦50だから n=3, 3×22, 3×32, 3×42 n=3, 12, 27, 48の4個…(答) |
(5)
nは正の整数で,は2けたの整数になるという。このようなnをすべて求めよ。 (愛知県2000年入試問題)
が整数になるためには,根号の中が平方数でなければならない
n=2×5×7×k2 (kは整数) この式の根号をはずすと35kになるから 10≦35k<100 k=1, 2 このとき,n=70, 280 …(答) |
(6)
nを自然数とする。 が20以下の自然数となるとき,最も大きいnの値を求めよ。 (東京都2015年入試問題)
が整数になるためには,根号の中が平方数でなければならない
n=6×k2 (kは整数)…(1) また,…(2) より …(2) したがって k=3のとき,nは最大値n=6×32=54となる…(答) |
(7)
nを1以上の整数とする。 の値が整数となるとき,最も小さいnの値を求めよ。 (東京都2015年入試問題)
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【要点3】
例えば,ですが,の小数部分をaとするとき,a2の値を求めよという問題があるときに
▼0.412=0.1681と答えてもダメです.
この問題では近似値ではなく,正確な値が要求されています.▼0.4142=0.171396と答えてもダメです. ▼0.41422=0.17156164と答えてもダメです. 正しくは,次のようにします. を整数部分と小数部分に分けると,整数部分は1です.したがって,から整数部分1を取り除いた残りの部分が小数部分aですから, したがって …(答) 一般に,の整数部分がnであるとき,の小数部分は になります.
※整数部分は目で見て考えます.(整数部分を先に求めます)
次に,元の数字から整数部分を引いたものを小数部分とします. |
【例題】
の小数部分をaとするとき,a2+3aの値を求めよ。
(解答)(東京都2015年入試問題)
だから,の整数部分は4 したがって …(答) 【問題3】
(1)
の小数部分をaとするとき,a(a+6)の値を求めよ。 (奈良県2015年入試問題)
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(2)
の小数部分をaとするとき,a2+2a+1の値を求めよ。 |
(3)
の小数部分をaとするとき,a2+a+1の値を求めよ。 |