■1
2文字以上が含まれている整式の割り算においては,(割り切れる場合を除いて,一般に,)どの文字についての割り算であるかによって,商や余りが変わります.
例
xy+1,x+yをそれぞれxの式とみなすとき,(xy+1)÷(x+y)=y・・・−y2+1 |
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xy+1,x+yをそれぞれyの式とみなすとき,(xy+1)÷(x+y)=x・・・−x2+1 |
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同様にして,(x2+3xy+2y2+y+4)÷(x+2y+3)のような割り算は,xの式とみなすか,yの式とみなすかによって,結果が変わります.
xの式ならば,商x+y−3 余り4y+13
yの式ならば,商y+x−1 余り−2x+7
■2
割り切れる場合は,どの文字に関する式とみなしても,商は同じです.(余りは0)
例 (x2−y2)÷(x+y)=x−y
■3
次のような問題では,xの式とみなします.(他の文字については,「値」「定数」と書かれている.)
例 6x4+x3−2x+kが2x2+x+1で割り切れるように,kの値を定めよ.
例 x3+ax2+x+bがx2+2x−1で割り切れるように,定数a,bの値を定めよ.
[ 以上のまとめ ]
文字が2種類以上含まれる式について,文字の指定がなされていなくて,割り算の商や余りが問題になるのは
1 割り切れるとき
2 どの文字についての式なのかが,明らかなとき
です. |
以下においては,xについての式であることが明らかな場合について,文字係数を含む整式の割り算を考えます.
《問題》
x3−2x2+ax−3 を x2+x+1 で割って商と余りを求めなさい.(次のア,イ,ウに入る式を求めなさい.)
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