■「生成AIを用いた答案」(3)■ ・・・『できること』と『傾向』の実演レポート
※このページの内容は,2025年2月現在で,無料利用可能な日本語対応の生成AI
(]U) 数学の問題を図や写真を使って入力する場合1. 「ChatGTP」 , 2. 「Copilot」 , 3. 「Gemini」 を用いて,Windows11 PC(64bit機)で答案を作成した結果の要約です. なお,「ChatGTP」は,短時間に繰り返し使うと「次回は何時間後に使用可能になる」というような制限が付きます・・・言うべきか言わざるべきか微妙ですが,使えないとどうしても困る場合,ブラウザの閲覧履歴データ(履歴,Cookie,キャッシュなど)を削除すると使えることがあったかもしれない。また,ChatGPT-4oという最新モデルが利用できなくても,「別のモデル」が利用できることがある。 1. 「ChatGTP」 ⇒
図1,図2とも問題は解けない.
2. 「Copilot」 ⇒
図1,図2とも問題は解けない.
3. 「Gemini」 ⇒
図1では図の中に∠xが入っている場合でも,問題は解ける
次の形で問題文を書くと,1.2.3.とも解答が示される.
ただし,1.「ChatGTP」の答え(40°)は間違っている.2.「Copilot」,3.「Gemini」は正解になり20°図2では,∠xの画像が小さくて不鮮明であるためか,問題は解けない |
Web画面上の数式がMathJaxの形式で書かれているとき 1. 「ChatGTP」 ⇒
正解の\(AB=\begin{pmatrix}3 & 2 \\5 & 2\end{pmatrix}\)が示される
2. 「Copilot」 ⇒
正解の\(AB=\begin{pmatrix}3 & 2 \\5 & 2\end{pmatrix}\)が示される
3. 「Gemini」 ⇒
正解の\begin{pmatrix}3 & 2 \\5 & 2\end{pmatrix}が示される
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(]V) 行列の計算を行う場合 《例M.1》 生成AIで行列を書き込むには,MathJaxの書き方で \\begin{pmatrix}1 & -1 \\\ 1 & 3\\end{pmatrix} などと書くとよい. 入力欄に次のように書き込んで,Enterキーを押した場合 1. 「ChatGTP」 ⇒
正しい結果が得られ
2. 「Copilot」 ⇒\(A^n = \begin{pmatrix} 2^n & 3^n-2^n \\ 0 & 3^n \end{pmatrix}\)になる
ほぼ正しい結果が得られるが,(2,1)成分が計算の途中のまま示される
3. 「Gemini」 ⇒\(A^n = \begin{pmatrix} 2^n & \sum_{k=0}^{n-1}2^k\cdot 3^{n-1-k} \\ 0 & 3^n \end{pmatrix}\)になる
正しい結果が得られ
\(A^n = \begin{pmatrix} 2^n & -2^n + 3^n \\ 0 & 3^n \end{pmatrix}\)になる |
《例M.2》 入力欄に次のように書き込んで,Enterキーを押した場合 1. 「ChatGTP」 ⇒
誤答になる
2. 「Copilot」 ⇒\(A^n = \begin{pmatrix} 2^n & n2^{n-1} \\ 2^n & 2^n+n2^{n-1} \end{pmatrix}\)
誤答になる
3. 「Gemini」 ⇒\(A^n = \begin{pmatrix} 2^n & n2^{n-1} \\ -2^n & (1+n)2^{n-1} \end{pmatrix}\)
誤答になる
⇒固有値が重解となる行列のn乗の計算は,それぞれ異なる誤答となる.今のところ3つの生成AIとも,この問題には弱いようだ。\(A^n = \begin{pmatrix} 2^n & -2^n \\ 2^n & 0 \end{pmatrix}\) 筆者が手書きで計算した結果は,次の通りになる. \(A^n = \begin{pmatrix} (2-n)2^{n-1} & -n\times 2^{n-1} \\ n\times 2^{n-1} & (n+2)\times 2^{n-1} \end{pmatrix}\) |