■「生成AIを用いた答案」(2)■ ・・・『できること』と『傾向』の実演レポート
※このページの内容は,2025年2月現在で,無料利用可能な日本語対応の生成AI
(X) 分数の問題を解くには
1. 「ChatGTP」 ⇒1. 「ChatGTP」 , 2. 「Copilot」 , 3. 「Gemini」 を用いて,Windows11 PC(64bit機)で答案を作成した結果の要約です. なお,「ChatGTP」は,短時間に繰り返し使うと「次回は何時間後に使用可能になる」というような制限が付きます・・・言うべきか言わざるべきか微妙ですが,使えないとどうしても困る場合,ブラウザの閲覧履歴データ(履歴,Cookie,キャッシュなど)を削除すると使えることがあったかもしれない。また,ChatGPT-4oという最新モデルが利用できなくても,「別のモデル」が利用できることがある。
途中経過と答 \(\displaystyle \frac{5}{6}\) が示される
2. 「Copilot」 ⇒
途中経過と答 \(\displaystyle \frac{5}{6}\) が示される
3. 「Gemini」 ⇒
MathJaxの形式「\frac{1}{2} + \frac{1}{3} = \frac{5}{6} 」の形で返答がある。
1. 「ChatGTP」 ⇒
約分した結果が正しく示される.\(\displaystyle \frac{2093843}{2544799}=\frac{7559}{9187}\)
2. 「Copilot」 ⇒
ユークリッドの互除法を用いた解法が述べられているが,公約数が大きい(277)ためか,約分に失敗し,誤答になる⇒「約分できない」という答えになる
3. 「Gemini」 ⇒
「この機能はサポートされていません。」という返答になる。
⇒ 生成AIによって結果は変わるが,3桁の公約数は見つけられないことがある.生成AIには,もっと勉強してもらわないと・・・
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(Y) 整数問題を解くには
1. 「ChatGTP」 ⇒
できない
2. 「Copilot」 ⇒
小さい方の素数で割ってみる方法がとられるが,8桁の整数÷4桁の整数で計算間違いがあり,誤答になる.
3. 「Gemini」 ⇒
小さい方の素数で割ってみる方法がとられるが,500程度の素数まで割ってみて,割り切れないのであきらめてしまって,「素因数分解できない」という誤答になる.
⇒ 生成AIによって結果は変わるが,3桁よりも大きい素因数は見つけられないことがある.生成AIには,もっと勉強してもらわないと・・・
1. 「ChatGTP」 ⇒
1組という正解が得られる.
2. 「Copilot」 ⇒
合同式を用いて解こうとするが,「正の整数解はない」という誤答になる
3. 「Gemini」 ⇒
1組という正解が得られる.
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(Z) 根号計算を行うには
1. 「ChatGTP」 ⇒
途中経過と答 \(\displaystyle \sqrt[4]{b}\) が示される
2. 「Copilot」 ⇒
途中経過と答 \(b^{1/4}\) が示される
3. 「Gemini」 ⇒
途中経過と答 \(b^{1/4}\)及びMathJaxの式 \sqrt[4]{b} で返される
1. 「ChatGTP」 ⇒
正しい結果が得られる:\(\displaystyle \sqrt{14+\sqrt{75}}=\frac{5\sqrt{2}+\sqrt{6}}{2}\)
2. 「Copilot」 ⇒
正しい結果が得られる:\(\displaystyle \sqrt{14+\sqrt{75}}=\frac{5\sqrt{2}}{2}+\frac{\sqrt{6}}{2}\)
3. 「Gemini」 ⇒
正しい結果が得られる:\(\displaystyle \sqrt{14+\sqrt{75}}=\frac{5\sqrt{2}+\sqrt{6}}{2}\)
([) 数列の計算を行うには
《例H.1》Σ記号の計算式
\(\displaystyle \sum_{k=1}^n k^2\)
生成AIで右のような総和記号を書き込むには,MathJaxの書き方で\sum_{k=1}^n k^2 などと書くとよい. 入力欄に次のように書き込んで,Enterキーを押した場合 1. 「ChatGTP」 ⇒
途中経過と答 \(\displaystyle \frac{n(n+1)(2n+1)}{6}\) が示される
2. 「Copilot」 ⇒
途中経過と答 \(\displaystyle \frac{n(n+1)(2n+1)}{6}\) が示される
3. 「Gemini」 ⇒
数学的帰納法による証明と答がMathJaxの式 Σ[k=1]^n k^2 = (n(n+1)(2n+1))/6 で返される
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Σ記号の計算式 《例H.2》
\(\displaystyle \sum_{k=1}^n(k+1)x^k\)を求める問題です
入力欄に次のように書き込んで,Enterキーを押した場合
1. 「ChatGTP」 ⇒
正しい結果が得られ,x≠1という条件も示される.
2. 「Copilot」 ⇒\(\displaystyle \frac{x(2-(n+2)x^n+(n-1)x^{n+1}-x)}{(1-x)^2}\)(ただし,x≠1)
微分を使う方法が示されているが,結果のまとめ方が要領を得ない
3. 「Gemini」 ⇒
正しい結果が得られ,x≠1という条件も示される.
二項間漸化式の一般項\(\displaystyle \frac{x(2-(n+2)x^n+(n-1)x^{n+1}-x)}{(1-x)^2}\)(ただし,x≠1) 《例H.3》 入力欄に次のように書き込んで,Enterキーを押した場合 1. 「ChatGTP」 ⇒
特性方程式を利用する方法を使って,正しい結果が得られる。
2. 「Copilot」 ⇒\(\displaystyle a_n=5\frac{2^n}{2}-3 \)
階差数列を利用する方法を使って,正しい結果が得られる。
3. 「Gemini」 ⇒\(\displaystyle a_n=5\frac{2^n}{2}-3 \)
数列 \(\{a_n+3\}\)が公比2の等比数列となることを利用する方法を使って,正しい結果が得られる。
三項間漸化式の一般項\(a_n=5\cdot 2^{n-1}-3 \) 《例H.4》 入力欄に次のように書き込んで,Enterキーを押した場合 1. 「ChatGTP」 ⇒
特性方程式を使う方法を使って,正しい結果が得られる。
2. 「Copilot」 ⇒\(\displaystyle a_n=\frac{1}{3}\cdot 3^{n}-\frac{1}{2}\cdot 2^{n}\)
特性方程式を使う方法を使って,正しい結果が得られる。
3. 「Gemini」 ⇒\(\displaystyle a_n=\frac{3^{n}}{3}-\frac{2^{n}}{2}\)
特性方程式を使う方法を使って,正しい結果が得られる。
\(a_n=-2^{n-1}+3^{n-1}\) |
(\) ベクトルの問題を解くには
《例I.4》![]() \vec{AC}, \vec{AD} などと書くとよい. 入力欄に次のように書き込んで,Enterキーを押した場合 1. 「ChatGTP」 ⇒
途中経過が成分計算として示され,答 \(3\) になる
2. 「Copilot」 ⇒
途中経過が成分計算として示され,答 \(3\) になる
3. 「Gemini」 ⇒
途中経過が図形ベクトルを用いて示されるが,なぜか∠AOD=120°で計算してしまい,誤答になる
《例I.4》入力欄に次のように書き込んで,Enterキーを押した場合 1. 「ChatGTP」 ⇒
正解が得られ,135°となる
2. 「Copilot」 ⇒
正解が得られ,135°となる
3. 「Gemini」 ⇒
正解が得られ,\(\displaystyle\frac{3}{4}\pi\)または135°となる
⇒ここまでの実験から分かる傾向を大雑把に言えば,生成AIのベクトル計算は「成分表示では強い」が「図形表示のベクトルでは弱い」かもしれない
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(]) 微分の問題を解くには 商の微分法の問題 《例J.1》 入力欄に次のように書き込んで,Enterキーを押した場合 1. 「ChatGTP」 ⇒
正解が得られ,\(\displaystyle y'=\frac{7}{(2x+1)^2}\) となる
2. 「Copilot」 ⇒
正解が得られ,\(\displaystyle y'=\frac{7}{(2x+1)^2}\) となる
3. 「Gemini」 ⇒
正解が得られ,\(\displaystyle\frac{dy}{dx}=\frac{7}{(2x+1)^2}\) となる
対数微分法の問題《例J.2》 入力欄に次のように書き込んで,Enterキーを押した場合 1. 「ChatGTP」 ⇒
正解が得られ,\(\displaystyle \frac{dy}{dx}=x^{\cos x}(-\sin x\ln x+\frac{\cos x}{x}) \) となる
2. 「Copilot」 ⇒
正解が得られ,\(\displaystyle \frac{dy}{dx}=x^{\cos x}(\frac{\cos x}{x}-\ln x\cdot\sin x) \) となる
3. 「Gemini」 ⇒
正解が得られ,\(\displaystyle \frac{dy}{dx}=x^{\cos x}(-\sin x\ln x+\frac{\cos x}{x}) \) となる
陰関数の微分法《例J.3》 入力欄に次のように書き込んで,Enterキーを押した場合 1. 「ChatGTP」 ⇒
正解が得られ,\(\displaystyle \frac{dy}{dx}=\frac{4x}{9y} \) となる
2. 「Copilot」 ⇒
正解が得られ,\(\displaystyle \frac{dy}{dx}=\frac{4x}{9y}) \) となる
3. 「Gemini」 ⇒
正解が得られ,\(\displaystyle \frac{dy}{dx}=\frac{4x}{9y}) \) となる
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(]T) 積分の問題を解くには 不定積分の問題 《例K.1》 入力欄に次のように書き込んで,Enterキーを押した場合 1. 「ChatGTP」 ⇒
正解が得られ,\(\displaystyle -\ln|x-2|+2\ln(x+1)+C\) となる
2. 「Copilot」 ⇒
正解が得られ,\(\displaystyle -\ln|x-2|+2\ln(x+1)+C\) となる
3. 「Gemini」 ⇒
部分分数分解を用いる方法で正解が得られ,$$ \int \frac{x-5}{x^2-x-2} dx = \log \left| \frac{(x+1)^2}{x-2} \right| + C $$ となる
定積分の問題《例K.2》 入力欄に次のように書き込んで,Enterキーを押した場合 1. 「ChatGTP」 ⇒
正解が得られ,\(\displaystyle \frac{\pi}{4}\) となる
2. 「Copilot」 ⇒
正解が得られ,\(\displaystyle \frac{\pi}{4}\) となる
3. 「Gemini」 ⇒
$$ \int_0^1 \frac{dx}{x^2+1} dx = \frac{\pi}{4} $$となる
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区分求積法の問題 《例K.2》
\(\displaystyle\lim_{n\rightarrow\infty}(\frac{1}{n+1}+\frac{1}{n+2}+\frac{1}{n+3}+\cdots+\frac{1}{2n})\)
入力欄に次のように書き込んで,Enterキーを押した場合
1. 「ChatGTP」 ⇒の計算です
(利用回数の制限に抵触してしまって,点検できなかった)
2. 「Copilot」 ⇒
正解が得られ,\(\displaystyle \ln 2 \) となる
3. 「Gemini」 ⇒
正解が得られ \(\log 2\) となる
微分方程式の問題《例K.2》 入力欄に次のように書き込んで,Enterキーを押した場合 1. 「ChatGTP」 ⇒
正解が得られ $$ y = e^{-2x^2+2} $$ となる
2. 「Copilot」 ⇒
正解に近いが,符号の記述が変?
3. 「Gemini」 ⇒
正解が得られ $$ y = e^{2-2x^2} $$ となる
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