■三角関数の2倍角公式,半角公式(練習問題) この頁では2倍角公式,半角公式を使う簡単な計算問題を扱います.
【例題1】
(解答)αが第2象限の角で,sinα=のとき,次の値を求めてください. sin 2α, cos 2α, tan 2α cos2α=1−sin2α=1−= cosα=− (<0) だから sin 2α=2sinα·cosα=2××(−)=− cos 2α=cos2α−sin2α=−= tan 2α==(−)÷=− …この問題ではtanαの値をまだ求めていないので,上記のように求めることができます.tanα=−の値を求めてからtan 2αの2倍角公式を使う方法もあります.
【例題2】
sin22.5°の値を求めてください. 半角公式を使えば,
(解答)cos 2αの値が分かる⇒sin α, cos α, tan αの値が求まる. この問題では cos45°の値が分かる⇒sin22.5°, cos22.5°, tan22.5°の値が求まる. sin222.5°=== sin22.5°= (>0) |
【2倍角公式】
2倍角公式は加法定理においてα=βとおけば得られます. ○sin(α+β)=sinα·cosβ+cosα·sinβにおいてα=βとおくと, sin2α=2sinα·cosα ○cos(α+β)=cosα·cosβ−sinα·sinβにおいてα=βとおくと, cos2α=cos2α−sin2α =1−2 sin2α (←cos2α=1−sin2αにより変形) =2 cos2α−1 (←sin2α=1−cos2αにより変形) ○tan(α+β)=においてα=βとおくと, tan2α= 【半角公式】 半角公式はcos2αの公式を逆に解けば得られます.(sin2α, tan2αの公式からは得られません.) ○cos2α=1−2 sin2αを逆に解くと sin2α= すなわち ○cos2α=2 cos2α−1を逆に解くと cos2α= すなわち ○tan2α=により tan2α= すなわち |
【問題1】
αが第3象限の角で,cosα=−のとき,次の値を求めてください. sin 2α, cos 2α, tan 2α 空欄に入るものを右の選択肢から選んでください.
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αは第3象限の角だからsinα<0になり, sinα=−=(1) だから |
−
−
−
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sin2α=2sinα·cosα=(2)
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−
−
−
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cos2α=cos2α−sin2α=(3)
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−
−
−
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tan2α==(4)
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4
−4
−
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【問題2】
<α<π, sinα=のとき,次の値を求めてください. sin 2α, cos 2α, tan 2α 空欄に入るものを右の選択肢から選んでください.
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αは第2象限の角だからcosα<0になり, cosα=−=(1) だから |
−
−
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sin2α=2sinα·cosα=(2)
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− − |
cos2α=cos2α−sin2α=(3)
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−
−
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tan2α==(4)
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3
−3
−
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【問題3】
sin67.5°の値を求めてください. 空欄に入るものを右の選択肢から選んでください.
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sin267.5°==(1) |
−
−
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sin67.5°>0だから,sin67.5°=(2)
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− − |
【問題4】
0<α<90°, cosα=のときsin値を求めてください. 空欄に入るものを右の選択肢から選んでください.
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sin2==(1) |
−
−
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0°<<45°, sin>0だから,sin=(2)
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− − |
【問題5】
<α<π, sinα=のときcos値を求めてください. 空欄に入るものを右の選択肢から選んでください.
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<α<π, cosα<0だからcosα=(1)
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−
−
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cos2==(2)
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− − |
<<, cos>0によりcos=(3)
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− − |
(参考) などと求められます. また, のように求めてもよい. 半角公式を利用して求める場合は などとできます. (2) また,半角公式を使って求めることもできます. (3) さらに,表1の15°の三角関数の値を求めた後では,数学Tで習う三角関数の性質を使って簡単に求めることができます.
数学Tの公式
数学Tの公式
数学Tの公式
以下,数学Tで登場する次の公式を利用することができます.上記の公式を使うと,これらの値は次のようになります. 4種類の値 とその符号を変えたものだけから成り立っています. |
(参考) (1) を ※分子の二重根号ははずれません。( (2) を ※この二重根号もはずれません. (3) ![]() sin67.5° =sin(90°−22.5°) =cos22.5° cos67.5° =cos(90°−22.5°) =sin22.5° 同様にして,次の表が得られます.この表は4種類の値 とその符号を変えたものだけから成り立っています. を このように三重根号になり,はずれません. 同様にして このように四重根号になります. 参考: |
(参考) であるから,18°と36°の三角関数を求めると残りは埋まります. |
倍角公式および3倍角公式により ここで などとします. |