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== 微分方程式の作り方 ==
≪このページ内の目次≫

1.1 常微分方程式
 独立変数が1つである未知関数を含んでいる式を常微分方程式という.また,その方程式に含まれる最高階の導関数の階数がのとき,階常微分方程式という.
【例1.1.1】
が独立変数,が未知関数のとき,

は1階常微分方程式
【例1.1.2】
が独立変数,が未知関数のとき,

は2階常微分方程式
 与えられた微分方程式に関数とその導関数を代入したとき,変数の恒等式になっている場合に,この関数を微分方程式のという.
【例1.1.3】
 関数は与えられた定数,は任意定数)・・・@を,常微分方程式
・・・A
に代入すると,

という恒等式になるので,@は常微分方程式Aの解といえる.
【例1.1.4】
 関数・・・@を,常微分方程式
・・・A
に代入すると,

という恒等式になるので,@は常微分方程式Aの解といえる.

 階数の個数の任意定数を含む解を常微分方程式一般解という.
【例1.1.5】
 関数は任意定数)・・・@を,常微分方程式
・・・A
に代入すると,





という恒等式になるので,@は常微分方程式Aの解といえる.また,Aが2階微分方程式で@が2個の任意定数を含んでいるから,@はAの一般解といえる.
【例1.1.6】
 関数は任意定数)・・・@を,常微分方程式
・・・A
に代入すると,

という恒等式になるので,@は常微分方程式Aの解といえる.また,Aが1階微分方程式で@が1個の任意定数を含んでいるから,@はAの一般解といえる.
 任意定数に特定の値を与えて得られる解を特解(特殊解)という.
【例1.1.7】
 一般解がは任意定数)であるときに,となるように,定数を定めたものは1つの特解である.また,となるように,定数を定めたものはもう1つの特解である.
 例えば,2階常微分方程式の一般解から2個の任意定数を定めて特解を求める際に

のように1点における階数よりも低い微分係数と関数値を制約条件とするものを初期条件といい,初期条件が与えられた微分方程式を解く問題を初期値問題という.
【例1.1.8】
 一般解に対して,初期条件を満たす解は


より,と定まるから
である.
【例1.1.9】
 一般解に対して,初期条件を満たす解は


より,と定まるから
である.
 例えば,2階常微分方程式の一般解から2個の任意定数を定めて特解を求める際に
の値との値
の値との値
のように,複数個の点における微分係数や関数値を制約条件とするものを境界条件といい,境界条件が与えられた微分方程式を解く問題を境界値問題という.
【例1.1.10】
 一般解に対して,境界条件を満たす解は


より,と定まるから
である.
【例1.1.11】
 一般解に対して,境界条件を満たす解は


より,と定まるから
である.

1.2 常微分方程式の作り方
 一般解が与えられているとき,その解に対応する常微分方程式を求めるには,「任意定数の個数に等しい階数の導関数を求めて任意定数を消去します」.
【例1.2.1】
 関数の任意定数は1個だから,この一般解に対応する微分方程式を求めるには,1階導関数を求めて
・・・@
・・・A
の2つの式から任意定数を消去します.
・・・(答)
【例1.2.2】
 関数の任意定数は2個だから,この一般解に対応する微分方程式を求めるには,2階導関数を求める
・・・@
・・・A
・・・B
の3つの式から任意定数を消去します.
変な感じもしますが,必ず2階導関数を使わなければならないので,@Aの面目丸つぶれでも,B式を微分方程式とします.
・・・(答)
実際に,B式が一般解になっていることを確かめるには,B式を2回積分してみるとよい.



【例題1.2.3】
 次の式から任意定数を消去して,微分方程式を作ってください.
(1)
(2)
(解答)
(1) 任意定数が1個だから「必ず1階導関数を使って」(必要ならば関数や変数も使ってよい)表す.
・・・@
・・・A
より,任意定数を消去します
・・・(答)
(2) 任意定数が2個だから「必ず2階導関数を使って」(必要ならば関数,1階導関数や変数も使ってよいが,これらが必ず含まれなければならない訳ではない)表す.
・・・@
・・・A
・・・B
B式の任意定数を消去します
・・・(答)
(この解答を見ると,消去の際に@を使っていないように見えるが,「2階導関数を使ってあればよく」,@の面目丸つぶれでもよい!)
【例題1.2.4】
 次の式から任意定数を消去して,微分方程式を作ってください.
(1)
(2)
(解答)
(1)
・・・@
・・・A
より,任意定数を消去します
・・・(答)
(2) 2階導関数を使います
・・・@
・・・A
・・・B
より
・・・(答)

1.3 偏導関数
 が2変数の関数であるとき

に関する偏導関数といい

などの記号で表す.偏導関数を求めることを偏微分するという.
に関する偏導関数も同様にして

で定義され

などの記号で表される.
【例 1.3】
(1) 関数に関する偏導関数を求めてください
(2) のとき,を求めてください
(3) のとき,を求めてください
(解答)
(1)を定数と見なして,で微分します.
・・・(答)
(2)を定数と見なして,で微分します.
・・・(答)
(3)

・・・(答)

1.4 高階偏導関数
 をさらにで微分したものをで表します.すなわち

または

同様にして,他の第2階導関数も次のように定義される.



なお,なんとなく「眺めていると」次のような錯覚を持つかもしれないが,そのように定義されているのではない

正しくは,次のように定義されている.(順序が違う)

※この教材で扱うような多くの関数は,「第2階導関数がすべて存在してかつ連続」(級といわれる)という条件を満たしているので,が成り立つが,定義としてはこれらは別である.
【例 1.4】
(1) 関数について,第2階偏導関数を求めてください
(2) 関数について,第2階偏導関数を求めてください
(3) 関数について,第2階偏導関数を求めてください
(解答)
(1)
・・・(答)
(2)
・・・(答)
(3)
・・・(答)

1.5 合成関数の微分法
■1変数の合成関数微分法
の関数で,の関数であるとき

・・・(1)
■多変数の合成関数微分法[1]
の関数で,の関数であるとき

・・・(2)
■多変数の合成関数微分法[2]
の関数で,の関数であるとき

・・・(3)

※上記の合成関数の微分法(1)(2)(3)の式は,「連鎖律」もしくは「連鎖定理」と呼ばれる.
【例 1.5.1】
@) のとき,を求めてください
A) の導関数を求めてください.
(解答)
@)




・・・(答)
A)

とおくと


・・・(答)

【例 1.5.2】
@) のとき,を求めてください
A) のとき,を求めてください
(解答)
@)










・・・(答)
A)









・・・(答)
【例 1.5.3】
@) のとき,を求めてください
A) のとき,を求めてください
(解答)
@)










@)









1.6 偏微分方程式
 独立変数が2つ以上である未知関数を含んでいる式を偏微分方程式という.また,その方程式に含まれる最高階の導関数の階数がのとき,階偏微分方程式という.
【例1.6.1】
が独立変数,が未知関数のとき,

は1階偏微分方程式
【例1.6.2】
が独立変数,が未知関数のとき,
は定数)
は2階偏微分方程式
 偏微分方程式の未知関数とその導関数が1次式(定数倍と和差のみで結ばれていて,未知関数相互,未知関数と導関数,導関数と導関数の積などがない形)であるとき,線形偏微分方程式という.線形でない偏微分方程式は非線形偏微分方程式と呼ばれる.
【例1.6.3】
が独立変数,が未知関数のとき,
は既知)
は1階線形偏微分方程式
【例1.6.4】
が独立変数,が未知関数のとき,

は1階非線形偏微分方程式
 偏微分方程式の未知関数とその導関数の定数倍,または関数倍の和差のみで結ばれているものを同次偏微分方程式という.同次でない偏微分方程式は非同次偏微分方程式と呼ばれる.
【例1.6.5】
が独立変数,が未知関数のとき,

は同次偏微分方程式
【例1.6.6】
が独立変数,が未知関数のとき,
は既知)
 関数・・・@を,偏微分方程式
・・・A
に代入すると,

という恒等式になるので,@は偏微分方程式Aの解といえる.
 階数の個数の任意関数を含む解を偏微分方程式一般解という.
常微分方程式の一般解が階数の個数の「任意定数」を含むのに対して,偏微分方程式の一般解は階数の個数の「任意関数」を含むところが重要
【例1.6.7】
 関数は微分可能な任意の関数)・・・@を,偏微分方程式
・・・A
に代入すると,

という恒等式になるので,@は偏微分方程式Aの解といえる.また,Aが1階偏微分方程式で@が1個の任意関数を含んでいるから,@はAの一般解といえる.
が任意の関数(ただし微分可能)であるとは,例えば次のような関数はすべてこの偏微分方程式の解になるということである.




【例1.6.8】
 関数は与えられた定数,は2階微分可能な任意の関数)・・・@を,偏微分方程式
・・・A
に代入すると,


という恒等式になるので,@は偏微分方程式Aの解といえる.また,Aが2階偏微分方程式で@が2個の任意関数を含んでいるから,@はAの一般解といえる.
が任意の関数(ただし2階微分可能)であるとは,例えば次のような関数はすべてこの偏微分方程式の解になるということである.




1.7 偏微分方程式の作り方
【例 1.7.1】
 を微分可能な関数とするとき,次の関係式から任意関数を消去して,に関する偏微分方程式を作ってください.
(解答)
 任意関数が1個あるので,1階偏微分方程式にします.
 元の問題と,2つの1階偏導関数を使ってを消去した式を作ります.
・・・@
・・・A
・・・B
ABより
・・・(答)
【例 1.7.2】
 を微分可能な関数とするとき,次の関係式から任意関数を消去して,に関する偏微分方程式を作ってください.
(解答)
 任意関数が1個あるので,1階偏微分方程式にします.
 元の問題と,2つの1階偏導関数を使ってを消去した式を作ります.
・・・@
・・・A
・・・B
ABより
・・・(答)

【例 1.7.3】
 を微分可能な関数とするとき,次の関係式から任意関数を消去して,に関する偏微分方程式を作ってください.
(解答)
 任意関数が1個あるので,1階偏微分方程式にします.
 元の問題と,2つの1階偏導関数を使ってを消去した式を作ります.
・・・@
・・・A
・・・B
ABより
・・・(答)
【例 1.7.4】
 を微分可能な関数とするとき,次の関係式から任意関数を消去して,に関する偏微分方程式を作ってください.
 (は定数)
(解答)
 任意関数が1個あるので,1階偏微分方程式にします.
 元の問題と,2つの1階偏導関数を使ってを消去した式を作ります.
・・・@
・・・A
・・・B
@BをAに代入

・・・(答)

【例 1.7.5】
 を2回微分可能な関数とするとき,次の関係式から任意関数を消去して,に関する偏微分方程式を作ってください.
(解答)
 任意関数が2個あるので,2階偏微分方程式にします.
 元の問題と,1階偏導関数,2階導関数を使ってを使わない関係式を作ります.
・・・@
・・・A
・・・B
・・・C
・・・D
CDより
・・・(答)
【例 1.7.6】
 を2回微分可能な関数とするとき,次の関係式から任意関数を消去して,に関する偏微分方程式を作ってください.
(解答)
 任意関数が2個あるので,2階偏微分方程式にします.
 元の問題と,1階偏導関数,2階導関数を使ってを使わない関係式を作ります.
・・・@
・・・A
・・・B
・・・C
@×C=A×Bだから
・・・(答)
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