|
奈良の町を歩いてみると、風変わりな町の名が多いのに気がつくだろう。 旅行者にはちょっと読めないものも多い。餅飯殿町、百万辻子町、破石町、 京終町、内侍原町、不審ケ辻子町、横領町、横枕町といった工合である。 この町の名は奈良町の成り立ちを語ってくれるものだし、読み方が分から ないと不便でもあるので、代表的な町名の読み方とそのいわれをあげておこう。 |

・元林院町(がんりんいんちょう) ・光明院町(こうみょういんちょう)
・阿宇万字町(あぜまめちょう)(元興寺の阿字万院からついたという)
・鶴福院町(つるふくいんちょう)・福智院町(ふくちいんちょう) ・十輪院町(じゅうるいんちょう)
・薬師寺堂町(やくしどうちょう)・紀寺町(きでらちょう) ・閼伽井町(あかいちょう)
・元興寺町(がんごうじちょう) ・興善院町(こうぜんいんちょう)・般若寺町(はんにゃてらちょう)
・浄言寺町(じょうごんじちょう) ・法蓮町(ほうれんちょう)・福井町(ふくいちょう)
・今御門町(いまみかどちょう) ・西御門町(にしみかどちょう) ・中御門町(なかみかどちょう)
・北御門町(きたみかどちょう) ・高御門(たかみかどちょう) ・手貝町(てがいちょう)
・北向町(きたむきちょう) ・東向町(ひがしむきちょう)
神社の名からついた町
・子守町(こもりちょう) ・漢国町(かんごちょう) ・天満町(てんまちょう)
・椿井町(つばいちょう) ・高天町(たかまちょう) ・登大路町(のぼりおおじちょう)(以上は仏師の座)
・半田町(はんだちょう) ・芝町(しばまち) ・勝南院町(しょうなみちょう)(以上は経師の座)
・陰陽町(いんぎょちょう)(陰陽師) ・木辻町 (きつじちょう)(材木屋) ・鍋屋町(なべやちょう)(なべ屋)
・油阪町(あぶらさかちょう)(油屋)・魚屋町(うおやちょう)(魚商) ・笠屋町(笠屋)
・包永町(かねながちょう)(刀工包永にちなむ)・瓦町(瓦屋)
・南市町(みなみいちちょう) ・北市町(きたいちちょう) ・中市町(なかいちちょう) ・高天市町(たかまいちちょう)

そのほか、伝説付きの町名もある。奈良時代の僧玄ムが筑紫太宰府に流されて憤死し、
その死体が飛んできて散らばった。
頭が落ちたところが頭塔町(づとうちょう)、眉が落ちたところが大豆山町《もと眉目山町》(まめやまちょう)、
腕が落ちたところが貝塚町《もと肘塚町》(かいのづかちょう)だという。
地名は旅行者の心をそそるものだが、奈良はことにおもしろい。
町を散歩するとき、気をつけて土地の人にいわれなどを聞くと旅はいっそう楽しくなる。
