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ここでは2004年に劇場で鑑賞した作品の一言感想を載せています。

観た日/劇場 作品名(リンク先は公式サイト)
鑑賞総本数 原題(英題)
感想(ネタバレは反転させています)
3D作品の深度
前売り(その他)特典(リンク先はs-thingブログでの紹介記事)
点数 ★ or ★☆ or ★★ クズ、観る価値なし、観る必要なし
★★☆ イマイチ、観ても保障しません
★★★ マシ、まぁまぁかな
★★★☆ 普通、悪くはない
★★★★ いい感じ、とりあえずお勧め
★★★★☆ ほぼ完璧、いい映画です
★★★★★ 傑作、オヌヌメ!!

2004年07月〜09月 


9/25 アラモ
2918 THE ALAMO
ジョン・リー・ハンコック監督脚本作品。
デニス・クエイド主演。ビリー・ボブ・ソーントーン、ジェイソン・パトリック、パトリック・ウィルソン、エミオリ・エチェバリアほか。
9/24 父と暮せば
2917
黒木和雄監督脚本作品。
宮沢りえ主演。原田芳雄、浅野忠信。
9/23 テイキング・ライブス
2916 TAKING LIVES
D・J・カルーソ監督作品。
アンジェリーナ・ジョリー主演。イーサン・ホーク、キーファ・サザーランド、ジーナ・ローランズ、チェッキー・カリョ、ジャン=ユーグ・アングラードほか。
9/23 LOVERS
2915 十面埋伏 HOUSE of FLYING DAGGERS
チャン・イーモウ監督脚本作品。
金城武主演。アンデイ・ラウ、チャン・ツィイーほか。
9/22 いかレスラー
2914
河崎実監督脚本製作原作デザイン作品。実相寺昭雄監修。
岩田貫一主演。破李拳竜、AKIRA、石田香奈ほか。
9/22 スクールウォーズ HERO
2913
関本郁夫監督作品。
照英主演。和久井映見、内田朝陽、神田沙也加ほか。
9/21 ヴィレッジ
2912 THE VILLAGE
M・ナイト・ジャマラン監督脚本製作作品。
ホアキン・フェニックス主演。ブライス・ダラス・ハワード、エイドリアン・ブロディ、ウィリアム・ハート、シガーニー・ウィーバーほか。
9/21 スウィングガール
2911
矢口史靖監督脚本作品。
上野樹里主演。平岡佑太、貫地谷しほり、本仮屋ユイカほか。
9/20 アイ,ロボット
2910 I,ROBOT
アレックス・プロヤス監督作品。
ウィル・スミス主演製作総指揮。ブリジット・モナハン、ブルース・グリーンウッドほか。
ハードコアSFとわざわざ書いたのには、最近の他のSFにはない、しっかりしたサイエンスフィクションぶりが気に入ったからです。
細かいところまで言い出すと、単なるビッグバジェットのハリウッドのバカ映画になってしまいますが、基本をアイザック・アシモフの小説から引用している通り、設定にリアリティを感じたので、観ていて身近さが実感でき、真近な世界に狂喜する結果となったわけです。
やけに体格のよくなったウィル・スミスは、アナログ万歳な刑事。ロボットなんて大嫌い。それには、過去のトラウマが彼を支配し、影響を与えているからに他ないから。 そんな中、巨大ロボット企業のブレイン(博士)が、投身自殺を図る。その博士は、彼の知り合いであり、恩人でもあった。博士が自殺する事自体に疑問を持った彼は、彼の研究室から1体の挙動不審なロボットを連行するに到る。それから、彼は挙動不審だったNS-5型ロボットの同型タイプに襲われ始める。
とにかく、シャープな展開。 非の打ち所のないSFX。 当然今の時代、危険行為をCGで代替してるのは目に見えてるけど、それでもスリリングなシーンシーンに感動。
NS-5が 今回のキーワードになっている最新式のサポートロボット。
犯罪と自己破壊以外なんでもしてくれる便利ロボットと言う感じ。それが前世代のNS-4に取って代わって人間のすべてに手助けしてくれるようになる。 頭部、胸部、1の腕、脛に、電気式に滑らかに動き、透過する素材を使って、前作までの機械機械したイメージを払拭し、親しみを煽るように設計されている。 柔らかな動きと、柔軟な表情は、警戒心を排除し、より親密な関係を保てる存在として、期待されている。それが怖い。
ロボットのデザイナーは、タトポロス。 かの「ハリウッド・ゴジラ」をデザインしたその人である。 正直失敗だと思った。とにかく、顔が怖いのだ。頭髪もなく、当然眉毛も睫毛もない。そんな人型に共感できるはずがない。 ところが、いざ画面内で動いてみると、これが躍動感に満ち溢れ、繊細で、優美でもあるのだ。 確かに、モーションや脚本に助けられてるところは、多分にあるとは思うが、制作者側の狙ったものがコレなら、間違ってなかったのだなぁ、と思える。
9/19 仮面ライダー剣 MISSING ACE
2909
石田秀範監督作品。
椿隆之主演。森本亮治、天野浩成、北条隆博ほか。
9/12 ヴァン・ヘルシング
2908 VAN HELSING
スティーブ・ソマーズ監督脚本製作作品。
ヒュー・ジャックマン主演。ケイト・ベッキンセール、リチャード・ロクスバーグ、デビッド・ウェンハム、シュラー・ヘンズリーほか。
9/11 バイオハザード2:アポカリプス
2907
アレクサンダー・ウィット監督作品。ポール・W・S・アンダーソン脚本製作。
ミラ・ヨボビッチ主演。シエンナ・ギロリー、ジャレッド・ハリス、オデッド・フェール、ソフィー・ヴァヴァサーほか。
予告編で使われたアンブレラの若返り特効薬のCMは一切使わない豪気さ。その懐の大きさが作品にも表れています。
前作からの完全な続編。と言っても主人公アリスが目覚めたのは、あの事件があってから2年もあとだった。主人公アリス(ミラ・ジョボビッチ)は映画オリジナルキャラクターで、今回でその魅力が140%溢れる。そのパワー、スピードは常人の域を超え、なぜそこまでヒーロー的なのか、それが今回明かされる事となる。 また、原作であるゲームの主人公(出演者)ジル・バレンタイン、カルロス、追跡者などが脇を固め、映画をより一層魅力的にしている。
オープニングからアンブレラ社のマーク(赤と銀の傘を上から見た状態)をデザイン化したスタイリッシュなタイトルロール。 原作であるゲーム「バイオハザード」を髣髴とさせるシーン。教会の中、学校の中。それは洋館と、警察署にまるで当てはまる。心臓バクバクのシーン、そのまま体験できます。 そして、リアルリッカーと追跡者(劇中ではネメシス)の登場で、最高潮!!!ここまでリアルバイオしてくださるとは。ポール・アンダーソン(前作で脚本監督、今回は脚本のみ)のパワーを感じますね。 リッカーは、申し分なしの登場、行動パターン。
しかし、追跡者は、設定から変えてあり、まぁそこは映画なんでいいんですが、すごいリアルに作ってあるのはいいんですが、CGを使いたくなかったのか、ついに制作費が尽きたのか判らないけど、着ぐるみなんですよね。アップでは、まだ耐えてたんだけど、引きで生人間と並ぶと…あれ??頭でけぇぇぇぇ、肩幅無ぇぇぇぇ、コギャル(死語)みたいに12cmものラバーソウル履いてるしぃぃぃぃ。ちょっと間違ってない?? ま、いいか。大目に見よう(笑)。
今回のアリスというか、ミラ・ジョボビッチが最強にかっちょいいのだ。 例えば、アリスの検体状態からの蘇生後の行動で、自分の装備(服からウエポンまで)を揃えるシーンが、そんなシーンゲームはないけどすごいゲームらしくていい。 マーシャルアーツと、高性能銃火器類のエキスパート振りが、あまりに男前。とにかくしびれる。 ま、映画的設定ののせいで、ネメシスとタイマンはるんだけど、ネメシス目じゃない。全く勝ってる。
すっかり言い忘れてるけど、ジル・バレンタイン(シエンナ・ギロリー)も、唐突に登場して、男前に立ち回って戦ってくれる。 スタイルはもとより、目線から、銃の構え方、扱う火器までゲームそのままなんだ。これはうれしい。 ホンモノの男のカルロスもがんばってる。 そういや、主役クラスの登場シーンは、全員しびれる。マジしびれる。 これだけで、この映画はOKでもいい(笑)。
クライマックスのはずのシーンから一転する思わせぶりなエピローグ。 これはさすが「映画」と言った感じ。
9/11 スパイダーマン2
9/5 誰も知らない
2906
是枝裕和監督脚本製作製作総指揮作品。
柳楽優弥主演。YOU、北浦愛ほか。
9/4 NIN×NIN忍者ハットリくん THE MOVIE
2905
鈴木雅之監督作品。
香取慎吾主演。知念侑李、田中麗奈、ゴリ、升毅、伊東四朗、戸田恵子「ほか。
8/22 華氏911
2904 FAHRENHELT 9/11
ドキュメンタリー
マイケル・ムーア監督製作出演作品。
8/22 ディープ・ブルー
2903 DEEP BLUE
ドキュメンタリー
アラステア・フォザーギル&アンディ・バイヤット監督作品。
★★★★☆
8/16 機関車先生
2902
廣木隆一監督製作総指揮作品。
坂口憲二主演。倍賞美津子、大塚寧々、伊武雅刀、堺正章ほか。
★★★★☆
8/10 サンダーバード
2901 THUNDERBIRDS
ジョナサン・フレイクス監督作品。
ビル・パクストン、アンソニー・エドワーズ、ソフィア・マイルズ、ベン・キングスレー、ブラディ・コーベットほか。
8/10 リディック
2900 THE CHRONICLES of RIDDICK
デビッド・トゥーヒー監督脚本作品。
ヴィン・ディーゼル主演製作。ジュディ・デンチ、コルム・フィオール、タンディ・ニュートン、カール・アーバンほか。
8/9 スターシップ・トゥルーパー2
2899 STARSHIP TROOPERS 2:HERO of the FEDERATION
フィル・ティペット監督製作作品。
リチャード・バージ主演。コリーン・ポーチ、ビリー・ブラウン、エド・クイン、ドリュー・パウエル、エド・ローターほか。
7/30 茶の味
2898
石井克人監督脚本編集原作作品。
「鮫肌男と桃尻女」、「PARTY7」、「KILL BILL vol.1」のアニメパート・キャラデザインの石井克人監督最新作。 観に来てる大半がサブカル大好き若者だが、内容は予想を反ししっかりした邦画に仕上がっている。 いや、彼はサブカル系映画監督だから、演出方法は当然そっちに偏ってはいる。その偏り方が今回は心地いいのだ。 当然ながら「石井組」のスタッフ、キャストが揃って映画を盛り上げている
主演の兄妹に、味わい深い「金八」で頼りない学級委員をやらされてた佐藤貴宏、天才的演技で存在感からすべてがOKな名子役、坂野真弥。その父親に、催眠治療を生業としている三浦友和。母親に、一度は引退したアニメーターを淡々と演じた、手塚理美。その手塚理美の父親、伝説のアニメーターに、これこそ石井組の我集院達也。その手塚理美の弟役に、一体何をして生きているのか判らなかったが、実はサウンドミキサーの浅野忠信。三浦友和の漫画家の弟は、轟木一騎。その他、土屋アンナ、中嶋」朋子、和久井映見。 カメオで、草薙剛、庵野秀明、岡田義徳など。 撮影は、松島孝助。スタイリストに宇都宮いく子と、前2作からの登板。
サブカル満載の家庭環境にありながら、住んでいる街は田んぼに山に川の、ほのぼの世界。 そこで、些細な出来事が、日々繰り返されていく。
主人公は、いつも同級生の女の子を好きになり、その妹は、巨大な自分に見られることに嫌気が差し、その父は、嫁がアニメーター復帰に微妙に賛成できない。 非日常を、日常として捉えている辺り、もうすばらしく面白い。 後半にアニメーターの本領発揮には、涙の感動してしまった。 これほど、クリエイティブな映画は、他にないだろう、と。
★★★★☆
7/25 シュレック2
2897 SHREK 2
アンドリュー・アダムソン、ケリー・アズベリー、コンラッド・バーノン監督作品。
声に、マイク・マイヤーズ、キャメロン・ディアス、エディ・マーフィー、アントニオ・バンデラス、ジュリー・アンドリュース、ルパート・エベレットほか。
7/24 キング・アーサー
2896 KING ARTHUR
アントワン・フークア監督作品。ジェリー・ブラッカイマー製作。
クライブ・オーウェン主演。キーラ・ナイトレイ、ヨアン・グリフィス、ステラン・スカルスガルド、マッツ・ミケルセン、ジョエル・エドガートン。
ブロックバスター量産プロデューサー、ジェリー・ブラッカイマー、「トレーニング・デイ」でデンゼルにアカデミー賞をもたらしたアントワン・フークワ監督、今となっては映画音楽の大御所ハンス・ズィマー、と抜け目なしの製作陣。
主演のアーサー王に、ちょっと地味なクライヴ・オーウェン。ヒロインは、めきめき伸びてるキーラ・ナイトレイ。他にヨアン・グリフィス、レイ・ウィンストン。 余談ですが、どこかで見た事あるなぁと思ってたら、「SWE2クローンの攻撃」に出演のオーウェンおじさんの若かりし頃のジョエル・エドガートンと出てるのね。ちなみに、キーラ・ナイトレイは、「SWE1ファントムメナス」で、アミダラの替え玉を演じていました。
「エクスカリバー」と言うジョン・ブアマンの芸術性の高い映画の焼き直しかと思ったら、切り口が全く違ってました。プロローグ、ランスロットの幼少時代の赤紙徴兵シーンで早くもじ〜んとさせて、即行15年後へ。そこからの10分あまりは、完全に「ラスト・サムライ」に触発されたようにしか見えない、アーサー率いる「円卓の騎士団」の大活躍ぶり。とにかく、かっちょいい。もう見せる魅せる。 おいよ、カッチョよすぎるよ、と思ってたらずんずんストーリーは展開。名シーンであるはずの円卓の誓いは、とうの昔に交わされ残った戦友はほんのわずか。15年で徴兵が解かれるので、気持ちはすでにおのおのの故郷に向かっているはずが、ローマの使者からは過酷な最終任務が…。その任務の先には、蛮族が襲ってきたり、異民族サクソン(これってアングロサクソン??)の容赦ない侵略が待っている。そんな中で、アーサーが自分の博愛主義と、母国ローマ側のキリスト教による異教徒の弾圧に悩み、戦う。
最近多い、リアルでハードなアクション超大作の真打のような作品だが、出演者が地味で逆にそれがマニア好みかも知れない。しかし、こんな事言うとバカにされるかもしれませんが、アーサーってローマ人だったんですね。つーか、ローマ人の勢いの良さは、島国のイギリスまで及んでたとはすごい事ですよね。そのアーサーは、最後まで自国の甲冑を纏い、戦う姿は荘厳で偉大。 さすがイギリス全土に知れ渡る猛者だと思える。
★★★★
7/19 トスカーナの休日
2895 UNDER the TUSCAN SUN
オードリー・ウェルズ監督脚本原案製作作品。
ダイアン・レイン主演。サンドラ・オー、リンゼイ・ダンカン、ラウル・ボバほか。
7/19 アメリカン・スプレンダー
2894 AMERICAN SPLENDOR
シャリ・スプリンガー・バーマン&ロバート・プルチーニ監督作品。
ポール・ジアマッティ主演。モープ・デイビス、ジェームズ・アーバニアクほか。
7/17 ハリーポッターとアズカバンの囚人
2893 HARRY POTTER and the PRISONER of AZKABAN
アルフォンソ・キュアロン監督作品。
ダニエル・ラドクリフ主演。ルパート・グリント、エマ・ワトソン、ゲイリー・オールドマン、マイケル・ガンボン、マギー・スミス、アラン・リックマンほか。
7/11 69 sixty nine
2892
李相日監督作品。宮藤官九郎脚本。
青春真っ只中、股間でモノを考え行動する輩のスーパーナチュラル佐世保ストーリーだ。
主演陣というか、出演陣が超豪華。 この映画を牽引する、妻夫木聡と安藤政信。 加藤亮、星野源、金井勇太太田莉奈の若手から、村上淳、新井浩文、井川遥、豊原功補などの中堅。それに柴田恭平、原日出子、国村隼、森下能幸、嶋田久作、岸部一徳などのベテランまで、とにかく個性の塊のような布陣。 出てくるだけで、ノックアウト。
ほんの田舎の長崎は佐世保の高校生のモンモンとした青春時代。 世間は、やれ全共闘だ、ゴダールだと、過激な思想から、内なる思想まで入り混じった情報をどれが正しいとは言ってくれないまま流されている。 そんな中、自分がしたいこと、つまり「誰よりも目立つ事」を考えつつ、人と一緒はイヤな若者たちが集い、一発花火でも上げてやる的勢いで一番過激な行動に出てしまう。 それが高校の「バリケード封鎖」、略して「バリ封」 しかし、ソレをまんまと成功出来たがために、青春は一層困難を極める事に…。
宮藤官九郎の脚本の勢いは、ない。それを多分原作が食ってしまってるのだと思う。それほど、過激なのだ。 リアリティもあるんだろうが、全編時代を反映した疾走感が心地いい。それに、懐かしいフレーズの数々。 11PMの主題歌、「夜明けのスキャット」、ゴジラのメインテーマなど。 それに、これほどチンポコ、チンチンを連呼した映画も珍しい。そういや、おおらかだったよなぁ。ちょっと前まで。と思える。 観終わった後、若者たちはそれを「下ネタ」でまとめてたけど、そうじゃないんだよ。あれは。(笑)
とにかく、自分のあこがれてる時代を爆走した若者たちに話。 懐かしんで観るのもありだし、こういう時代もあったんだと思うのもありだし、楽しめる一品です。
★★★★
7/11 ウォルター少年と、夏の休日
2891 SECONDHAND LIONS
ティム・マッキャンリーズ監督脚本作品。
マイケル・ケイン主演。ロバート・デュバル、ハーレイ・ジョエル・オスメント、キラー・セジウィック、ジョシュ・ルーカスほか。
★★★★☆
7/3 スパイダーマン2
2890 SPIDER-MAN 2
サム・ライミ監督作品。
トビー・マグワイア主演。キルスティン・ダンスト、アルフレッド・モリーナ、ジェームズ・フランコ、J・K・シモンズ、ローズマリー・ハリスほか。
オープニング、相変わらず血が滾る「MARVEL」ロゴ。 タイトルロールは、1作と変わらない…と思っていたら、なんとタイトルロールで前作のあらすじを、御大アレックス・ロス画伯の絵で展開!! もう、この時点でメガネが涙で曇って見えない…(嘘)。
今回は前作の正統な続きなので、前作の問題をより一層拡大させつつ話は進んでゆく。 主人公ピーター・パーカーのオーバーワーク気味なスーパーヒーロー像。その親友に言えない事実の壮絶さ。両思いのはずがタイミングと気持ちのすれ違いが常にひどい結果に。メイおばさんのピーターも思い入れのある家の放棄。すべてがマイナスの中、ピーターの気持ちが、その自分の自分しか出来ない事(スーパーヒーロー)への疑問がどんどん大きくなってゆく。
今回の敵役はコミック第2の人気を誇る「ドクター・オクトパス」こと「ドックオク」。今までの原作シリーズに登場のスタイルと、さほど変わらないが、設定を大幅に変更させ「いかにもありそう」感を絶大に表現できている。4本の金属アームのA.I.化。それを人間の脊髄と直結させる事によって、自由度を上げるというマニアックさ。原作ではマザコンのおかっぱ頭のおっさんだったのが、役者のアルフレッド・モリーナがどちらかと言うと絶倫系な雰囲気なのでしっかり嫁もいたりなんかして、環境から映画的にしてある。
また人間関係もより掘り下げられ、デイリー・ビュークル編集長のJ・ジョナ・ジェイムソンのスパイディバッシングの裏の、彼に対する愛情の現われや、気丈を振舞うメイおばさんのピーターに対する保護者としての気丈さ、など。
ピーター・パーカーの成長が大きなキーワードになる今作で、精神的な重圧からスーパーパワーがなくなり単なる人間になってしまう。壁が登れない、力が出ない、何よりウェッブが出せない。自分が何を成さなければならないのか。それを自問自答しながら成長する話。
今回のカメオは、当然原作者であるスタン・リー。それとすごい台詞の多い役で前作から再び登場、サム・ライミ監督の実弟テッド・ライミ。そしてベンおじさんと、ノーマン・オズボーン。どちらも感慨深い登場です。
すべてがアメコミファンの為のような作りのすばらしい今作は、更なる続編に続くエピローグを用意して、終焉を迎える。ノーマンの息子ハリーの、グリーン・ゴブリン化。それは、確実に一層人間関係を縺れさせるに十分なエピローグだろう。
★★★★★
7/3 スチームボーイ
2889
大友克洋監督脚本企画原案作品。

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