monthlymovielog

ここでは2004年に劇場で鑑賞した作品の一言感想を載せています。

観た日/劇場 作品名(リンク先は公式サイト)
鑑賞総本数 原題(英題)
感想(ネタバレは反転させています)
3D作品の深度
前売り(その他)特典(リンク先はs-thingブログでの紹介記事)
点数 ★ or ★☆ or ★★ クズ、観る価値なし、観る必要なし
★★☆ イマイチ、観ても保障しません
★★★ マシ、まぁまぁかな
★★★☆ 普通、悪くはない
★★★★ いい感じ、とりあえずお勧め
★★★★☆ ほぼ完璧、いい映画です
★★★★★ 傑作、オヌヌメ!!

2001年04月〜06月 


6/24 シネ・リーブル梅田 非バランス
2459
冨樫森監督作品。
派谷恵美主演。小日向文世、はたのゆう、中村桃花、羽場裕一、原田美枝子、柏原収史、とまとほか。
6/24 テアトル梅田 Stereo Future SF episode 2002
2458
中野裕之監督脚本撮影作品。
永瀬正敏主演。桃生亜希子、麻生久美子、緒川たまき、吹越満、竹中直人、ピエール瀧ほか。
6/17 京極東宝 JSA
2457 JSA:JOINT SECURY AREA
パク・チャヌク監督脚本作品。
ソン・ガンホ主演。イ・ビョンホン、イ・ヨンエ、キム・テウほか。
6/16 マイカルシネマ茨木 エル・ドラド 黄金の郷
2456 THE ROAD of EL DORADO
CINEMAEXPO 10
ドン・ポール&エリック“ピーポ”バージェロン監督作品。
2001年6月のワーナーマイカルシネマズ、シネマエキスポ10は、ドリームワークス製作、ユニバーサル配給の冒険アニメ「エル・ドラド 黄金の都」です。ドリームワークスの長編アニメとしては「プリンス・オブ・エジプト」以来2作目になります。今回も前回と変わらないスタンスの製作姿勢で、CGをセルで補う以上に使い、見事な動画力を披露しています。その分CGの浮いたところもあるわけですが。
話はスペインの港町に住むちんけな詐欺師2人の大冒険。イカサマで奪い取った、エルドラド(黄金の都)の地図を頼りに見つけた真のエルドラド。あれよあれよと言う間に、どんどん規模が大きくなって、言わば世界を守ろうとまでする。
主演にケヴィン・クラインとケネス・ブラナー。ヒロインは、ロージー・ペレズ。敵役にアーマンド・アサンテ。ちょっと主人公2人の声が聞き分け難いですが、その分ロージー・ペレズの独特の巻き舌が魅力的です。
全編軽妙なテンポの元に、スペクタキュラーありロマンスありミュージカルありと、さすが「アニメ」な感じはゴージャスで良いですよ。根底に流れるテーマが、「友情」。最後には感動できるそんな、じわ〜な佳作です。
★★★★☆
6/12 北野劇場 ハムナプトラ2 黄金のピラミッド
2455 THE MUMMY RETURNS
スティーブン・ソマーズ監督脚本作品。
ブレンダン・フレイザー主演。レイチェル・ワイズ、ジョン・ハナー、アーノルド・ポスルー、フレディ・ポース、ザ・ロックほか。
6/10 三番街シネマ ザ・ダイバー
2454 MEN of HONOR
ジョージ・ティルマン・Jr.監督作品。
キューバ・グッディング・Jr.主演。ロバート・デ・ニーロ、シャーリーズ・セロン、アーンジャニュー・エリス、ハル・ホルブルック、マイケル・ラパポートほか。
★★★★☆
6/8 OS劇場 ロスト・ソウルズ
2453 LOST SOULS
ヤヌス・カミンスキー監督作品。
ウィノナ・ライダー主演。ベン・チャップリン、ジョン・ハート、フィリップ・ベイカー、サラ・ウィンターほか。
6/3 シネヌーボー 東京マリーゴールド
2452
市川準監督脚本作品。
田中麗奈主演、小澤征悦、樹木希林、斎藤陽一郎、寺尾聰、石田ひかり、小林沙世子ほか。
★★★★★
5/31 メルパルクホール みんなのいえ
2451
試写会
三谷幸喜監督、「ラジヲの時間」に続いて2作目です。
今回は主演に俳優でない2人(ココリコ田中&八木亜希子)を採用し、フレッシュなイメージの画面です。しかし脇の布陣は見事の一言に尽きます。田中邦衛、唐沢寿明、野際陽子、清水ミチコ等、味のある名優って感じでしょうか。
ホンの一瞬で台詞のない出演者も多くて、それを探すってのもおいしい。一見すると今は無き伊丹十三監督作品群を彷彿とさせる、いわゆる「ハウツームービー」なのだが、そこを真っ向から取り組んだ三谷幸喜は、微妙なラインでそれを拒んだ様に作られている。
タイトル通り家を建てる話なのであるが、なんだか出始めから不安要素満載で進み出すから大変。嫁の父親の頑固な職人大工と、嫁の後輩のデザイン重視の新進インテリアデザイナーが衝突してしまう。翻弄される若夫婦。あらすじだけだとありがちな内容だが、映画か舞台かTVか判らないような映像表現は、見ていてわくわくする。その雰囲気だけで、三谷映画は成り立つのだ。
内容は当然1級ですよ。けど邦画嫌いな人に薦めるなら、こう言うしかないかな。 「三谷映画だから、見ておけ」って。
★★★★★
5/27 三番街シネマ メトロポリス
2450
りんたろう監督作品。大友克洋脚本。
声の出演に井元由香、小林桂、岡田浩暉、石田太郎、富田耕生ほか。
5/27 梅田ピカデリー ガールファイト
2449 GIRLFIGHT
カリン・クサマ監督脚本作品。
ミシェル・ロドリゲス主演。ジェイミー・ティレリ、ポール・カルデロン、サンティアゴ・ダグラスほか。
5/27 ピカデリー梅田 15ミニッツ
2448 15 MINUTES
ジョン・ハーツフェルド監督脚本製作作品。
ロバート・デ・ニーロ主演。エドワード・バーンズ、ケルシー・グラマー、エイブリー・ブルックス、ベラ・ファーミガ、キム・キャトラル、シャーリーズ・セロンほか。
★★★★★
5/26 扇町ミュージアムシアター ビートニク
2447 THE SOURCE
レイトショーで鑑賞。
チャック・ワークマン監督脚本製作作品。
ジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグ、ウィリアム・S・バロウズ、ジョニー・デップ、デニス・ホッパー、ジョン・タトゥーロ、ボブ・ディランほか。
5/24 サントリーIMAXシアター ドルフィン
2446 DOLPHINS
試写会
グレッグ・マクギリブレイ監督製作作品。
キャサリン・ダジンスキー、ディン・バーナル、アレハンドロ・アセベド・グテレス、ベアーンド・ワージッグほか。
5/20 OS劇場 ジュエルに気をつけろ!
2445 ONE NIGHT at McCOOL'S
ハラルド・ズワルト監督作品。
リブ・タイラー主演。マット・デイモン、ジョン・グッドマン、ポール・ライザー、マイケル・ダグラス、メアリー・ジョー・スミスほか。
5/19 シネリーブル セシル・B ザ・シネマ・ウォーズ
2444 CECLL B,DeMENTED
ジョン・ウォーターズ監督脚本。
スティーブン・ドーフ主演。メラニー・グリフィス、エイドリアン・グレニアー、アリシア・ウィット、ラリー・ギリアード・Jr.、マギー・グレンホールほか。
5/19 扇町ミュージアムシアター 式日
2443
庵野秀明監督脚本作品。
岩井俊二主演。藤谷文子出演脚本、村上淳、大竹しのぶ、松尾スズキ、林原めぐみほか。
5/18 リサイタルホール リトル・ニッキー
2442 LITTLE NICKY
試写会
スティーブン・ブリル監督脚本作品。
地獄界では、そろそろ世代交代かと言う時期にきていた。気の遠くなるような期間を統治してきたサタンが言い渡した次期魔界王は…結局自分だった。頼りなく、偏った考え方を嫌った王は、まだまだ時期尚早と判断したわけだ。しかし気の遠くなるほどの時間を待ってきたサタンの3人息子の内、長男次男は納得せず、代わりに狙ったのが地上界だった。しかし無理やり魔界から地上界に行ったものだから、地獄の業火が凍り付いてしまい、サタンは7日間の猶予を残し体が崩れて行くのであった。これを阻止するには、無理に出ていった長男次男を連れ戻すしかない。かくして一番頼りない、ヘビ・メタ好きの末っ子が2人を探しに地上界に送られた…。
主演脚本にアダム・サンドラー。サタンにハーベイ・カイテル。長男にリス・エヴァンス(「ノッティングヒルの恋人」の同居人!!)。地上界の彼女にパトリシア・アークエット。天使にリース・ウェザースプーン。そしてカメオが多彩!!クエンティン・タランティーノ、オジー・オズボーン、カール・ウェザース(「ロッキー」のアポロ!!)、ダナ・カーヴィー、ダン・マリーノほか。重要なキャラクターを忘れるところだった。ブルドッグのビーフィー。人間語を喋る犬。その上、×××から〇〇〇を発射までしたりして。
とにかく楽しい。アダム・サンドラーの出る映画は、どれも何だか味のある質の良いコメディに感じた。音楽もファッションセンスも、最近の若者を触発しそうでこれもイケてる。
とことんアメリカナイズされた壮絶な跡取合戦(と言って良いものかどうか…)。 大笑いで観てください。
入場者特典:ステッカー
★★★★☆
5/13 梅田ピカデリー 隣のヒットマン
2441 THE WHOLE NINE YARDS
ジョナサン・リン監督作品。
ブルース・ウィリス主演。マシュー・ペリー、ロザンナ・アークエット、マイケル・クラーク・ダンカン、ナターシャ・ヘンドリッジ、アマンダ・ピートほか。
5/12 ワーナーマイカル茨木 バンパイアハンターD
2440 VAMPIRE HUNTER D
CINEMAEXPO 10。
川尻善昭監督脚本絵コンテ作品。
声の出演にアンドリュー・フィリップ、ジョン・ラフター・リー、パメラ・シーガル、ウェンディー・リー、マイク・マクシェイン、マッタ・マッケンジーほか。
★★★★★
5/6 ガーデンシネマ アメリカン・サイコ
2439 AMERICAN PSYCHO
メアリー・ハロン監督脚本作品。
クリスチャン・ベール主演。ウィレム・デフォー、ジャレット・レト、ジョシュ・ルーカス、サマンサ・マシス、マット・ロス、クロエ・セヴィニーほか。
5/5 京都ピカデリー ショコラ
2438 CHOCOLAT
ラッセ・ハルストレム監督作品。
ジュリエット・ビノシュ主演。ジョニー・デップ、ジュディ・デント、レナ・オリン、アルフレッド・モリーナ、ピーター・ストーメア、キャリー=アン・モスほか。
★★★★☆
4/29 大宮東映 走れ!イチロー
2437
大森一樹監督脚本作品。
中村雅俊主演。浅野ゆう子、川口和久、浅田美代子、石原良純、木村佳乃、松田龍平、南野陽子ほか。
4/21 北野劇場 ザ・メキシカン
2436 THE MEXICAN
ゴア・バービンスキー監督作品。
ブラッド・ピット主演。ジュリア・ロバーツ、ジェーズ・ガンドルフィーニ、ボブ・バラバン、J・K・シモンズ、デビッド・クラムホルツほか。
前売り特典:カレンダー
4/21 テアトル梅田 風花
2435
相米慎二監督作品。
小泉今日子主演。浅野忠信、麻生久美子、香山美子、柄本明、尾美としのり、小日向文世、鶴見辰吾ほか。
前売り特典:ポストカード
4/15 OS劇場 チキン・ラン
2434 CHICKEN RUN
ピーター・ロード&ニック・パーク監督製作原案作品。ジェフリー・カッツェンバーグ製作総指揮。
声の出演にメル・ギブソン、ジュリア・サワラ、ミランダ・リチャードソン、トニー・ヘイガース、ジェーン・ホロックス、ベンジャミン・ホイットニーほか。
前売り特典:ポストカード
4/14 ガーデンシネマ アタックナンバーハーフ
2433 SATREE-LEK
ヨン・ユット・トンコントーン監督脚本作品。
チャイチャーン・ニムプーンサワット主演。ゴッゴーン・ベンジャーティグーン、エカーチャイ・ブーラナパーニット、ジェッダーポーン・ポンディーほか。
前売り特典:ハンドタオル
4/14 梅田東映パラス ハンニバル
2432 HANNIBAL
トマス・ハリスは過去4本の小説を書いたっきりである。「ブラック・サンデー」、「レッド・ドラゴン」、「羊たちの沈黙」そして「ハンニバル」。前3作は映像化の決まる前に書き下ろされたが、最新作は映像化を前提として書き下ろされた。
まずは本作を1本の映画として観た時の印象。ホラーと言うよりはサスペンス・スリラー。主人公クラリスの捜査モノって感じに仕上がっている。前作(「羊たちの沈黙」)と比べた時、主演の艶が増した感じ。つまりジョデー・フォスターよりジュリアン・ムーアは、大人の女を気丈にかつエロティックに演じていた。ハンニバル・レクターであるアンソニー・ホプキンスの楽しそうな事。必ずしもオスカーを獲れた前作の続編だからではない気がする。やはり悪役は魅力的なのだろう。共演陣も豪華。前作では主演のふたり以外では、スコット・グレンくらいが印象がなかったせいで、2大俳優の対決的な感じだったが、今回はイタリアからはジャンカルロ・ジャンニーニ。イギリスからゲイリー・オールドマン。そしてレイ・リオッタ。それぞれすさまじいインパクトを残してくれる。
オミットされたのが、キャラクターではメイスンのレズビアンの妹と、前作スコット・グレンが演じたクロフォード。特にメイスン・ヴァージャーの妹マーゴを全く登場させなかったのは意外で、主演格の一人のはずであり、メイスンの性的精神的異常をより一層引き立たせる役を原作では担ってたと思う。だからか映画ではメイスンは、あっさり殺されるのだが。そして問題になっているラストシーン。個人的には言うほど変わってない気がしたが、精神面的はすごく違っているのが映画と原作の違いか。
映画では自分を傷つけた上に、一人で逃亡するレクターが描かれているが、原作では相当な時間クラリスは、レクターと行動を共にし(しかしこれは半分薬物による反無抵抗状態だったのだが)、カニバリズムを味わうというものだった。これではジョデーが出演を承諾するはずもないとは思える。しかし公開されたヴァージョンは、言うほどレクターに同情的でもなく、どちらかと言うと神秘性を増すような演出に終始していたように感じた為、これはこれで良いのではと思える。またラストに壮絶な殺され方をする、原作では「お前が殺されろ!!」って思うほどクラリスに対してセクハラで憎く思ってしまう、ポール・クレンドラー(レイ・リオッタ)は、原作ではもっと描写がすごく、どんどん脳を生きながら切除されて行く。その過程でクレンドラーは、幼児化し、意味不明な言葉を勝手に発したり、子供の歌う歌を歌ったりするのである。映画では全くそういうシーンがないにも関わらず、あのシーンに関しては、「お笑い」と言う感じ方をする人が多いと聞いた。ということはあれでも十分なわけだ。
映画的にどうと言われても、どうしても2作目(続編)となると、比べられる対象になるのだが、今回はさすがリドリー・スコットと言える、闇と霧と光を絶妙に使ったフィレンツェ・ロケと、「誰かに見られている」等の巧妙なサスペンス性をうまく出したアメリカ・ロケが見事に調和し、前作「グラディエーター」を作ったとは思えない、モダンな作りに仕上がっていると思う。「エイリアン」シリーズ、「ゴッドファーザー」シリーズ、「バック・ツー・ザ・フィーチャー」シリーズに匹敵する(と言い切る)続編の誕生に幸せさえ感じる。
★★★★☆
4/13 連弾
2431
竹中直人監督主演作品。
天海祐希、冨貴塚桂香、箕輪裕太、北村一輝、及川光博ほか。
★★★★★
4/8 ガーデンシネマ ハイ・フィデリティ
2430 HIGH FIDELITY
スティーブン・フリアーズ監督作品。
ジョン・キューザック主演。ジャック・ブラック、ジョエル・カーター、リサ・ポネ、ジョーン・キューザック、サラ・ギルバートほか。
4/7 京極東宝 ミート・ザ・ペアレンツ
2429 MEET the PARENTS
ジェイ・ローチ監督製作作品。スティーブン・スピルバーグ製作総指揮。
ロバート・デ・ニーロ主演製作。
ベン・スティラー、テルー・ポロ、ブライス・ダナー、ジェームズ・レブンホーン、ジョン・エイブラハムズ、オーウェン・ウィルソンほか。
4/5 タイタンズを忘れない
2428 REMEMBER the TITANS
アメフト映画は巨匠オリバー・ストーン監督作「エニー・ギブン・サンデー」やキアヌ・リーブス主演「リプレイスメント」、アダム・サンドラー主演大学アメフト・コメディ「ウォーターボーイ」まで様々な形で演出されてきている。今回は、「バーシティー・ブルース」にも似た高校アメフト部の話である。
1971年と言えば日本の戦後成長期で、とどまる所を知らない勢いの世の中ので、つまり近代史であるはずが、このドラマ(実話)では驚くほどの人種差別の根強いヴァージニア州の田舎町が舞台になっている。黒人と白人の学校の統合によりその溝がより深まる中、アメフト部に世間体で就任した黒人コーチが、その学生をお互いを理解させ、共に戦って行かせる事を描いている。それ(人種差別)は、町ぐるみの深刻な問題であり、解決して行かなければいけない事柄であった。
就任する黒人監督にデンゼル・ワシントン。前任の監督が、当然黒人の監督の手腕など信じるはずもなく、自分が降ろされた事に理不尽さを爆発させる白人監督にウィル・パットン。学生たちは正直ほとんど魅力のない若手だが、唯一顔的に光っているのがキップ・パルデュー。
製作はブロックバスター作品を連発のジュエリー・ブラッカイマー。監督は、ポアズ・イェーキン。(過去は「フレッシュ」これからは「バットマン・ビヨンド」)
とにかくデンゼル・ワシントンの圧倒的な演技が見事である。彼のパワーが映画を引っ張ってるような気がした。また彼以上のスターを使ってない所も、地味ではあるが成功した要因ではないかと思える。色の違いで差別、区別する習慣が、その人間自体を小さくさせるという、すばらしいメッセージの本編。友情とは?信頼とは??
★★★★☆
4/3 IMPホール トラフィック
2427 TRAFFIC
2001年アカデミー賞、監督、脚色、助演男優、編集、4部門最優秀賞獲得!!
スティーブン・ソダバーグ監督作品。彼の初期作品よりは最近の作品が自分の感性に合っている様で、今回の「トラフィック」も見事な作品に仕上がっているように感じました。
映画の大きな流れは、「麻薬」と「権力」そして「力みなぎる愛」ってところではないかと思う。3つの大きなシークエンスが、同じ時間軸上にかすりはすれど当たりはしない状態で進んでいく。
麻薬の密売を裏の生業として豪邸に住む資本家と、その実状を知らない妻。アメリカとメキシコの麻薬組織を撲滅せんと立ち向かう麻薬捜査官。そしてその麻薬に飲みこまれる学生、その親。
人間描写は生半可じゃなくすばらしい。当然3つのエピソードが同時に進行していくわけだから、演出にしろ脚本にしろ必ずぼろが出てくるものだがそれを全く感じさせない、2時間半近い時間を退屈させない。またエピソード分出演者も多くなって当然。その多い出演者のそれぞれの微妙な関係やドラマ性を、その時間内に治め、なおかつ活劇的要素も忘れない。また画面を3エピソードごとに色分けし、それぞれの情景の妙をうまく表現している。その色はストーリーが進むにつれ、カラー化して行く。それには、問題の解決、進展を意味するのだろうか。
出演者にマイケル・ダグラス、その妻キャサリーン・ゼータ・ジョーンズ、ベニチオ・デル・トロ、デニス・クエイドなど、総勢150人。スティーブン・ソダバーグは、撮影も本人が、偽名を使ってまで撮っており、それほど思い入れはあったのだろうと伺える。今回の一押し役者はドン・チードル。麻薬捜査官の一人を地味ながら、リアルに演じきっている。また麻薬密売人の妻、キャサリーン・ゼータ・ジョーンズも、早くも演技派か!?と思えるほど熱演。ただの女から愛するものと自分を守る為に変わりゆく姿を見事に演じている。
短期間に2本の秀作を世に送り出し、それをまともの評価されたソダバーグ監督作品。
★★★★☆

BACK