monthlymovielog

毎月のベストテンとmovielogを統合しました。
ここでは観た作品すべての感想を書いてゆこうかと…

観た日、劇場 作品名(リンク先は公式サイト)
感想(ネタバレは反転させるようにしています)
点数(通常★5つが最高。☆は半分)

2006年1月


29/ 京都宝塚劇場 日本沈没
3147
京都宝塚劇場最後の上映の1本。
東宝邦画系の封切館としてスカラ座と同時に完成した劇場。元々は劇場名通りレヴューを上演していた。ので劇場内はすり鉢状の客席が個性的。しかし、やはり古いため席間が狭く、どうしても狭苦しい。
ここでの観映の思い出は、当然ながらアニメに邦画。「うる星やつら」「翔んだカップル」「F2グランプリ」「刑事物語りんごの詩」など。観てないけど観ればよかったといまだに思うのが、「ブルークリスマス」と「太陽を盗んだ男」。
さて…。
森谷司郎監督は、前日に観た「用心棒」の助監督でした。
ま、そういう関係での上映ではなく、今年リメイクされる同名作もあっての上映かと思われ。
東宝の特撮映画はこの時代追随を許さない質の高さだと改めて関心。その上、怪獣映画ではないため、よりリアルなカタストロフを目指していたためか、阪神大震災を体験したs-thingにとっては観るのが厳しい内容だった。
とにかく、マイナスマイナスの作用してゆくストーリー。辛くて仕方がない。そんな映画。それはいわば「大人向け怪獣映画」と言えるかも知れない。
容赦ない映像は炭化した焼死体をまざまざと見せたり、平気で人の上に火山灰を降らせたり。今ではありえないような演出がすごい。小松左京の映画はどれも尻切れが多いけど、今回も同じでしたけど。
★★★☆
28/ 京都シネマ ジョージ・マイケル
素顔の告白
3146 GEORGE MICHAEL:A DIFFERENT STORY
ライブ映画などのドキュメンタリーを主に撮っているサザン・モリス監督作品。
ワム!でデヴューし、絶頂期に解散、ソロデヴューも世界最大の売り上げを記録するも、ソニーと契約問題で裁判沙汰とゲイ疑惑にカムアウトで本職の音楽が低迷と、大変な人生を送っているジョージ・マイケルのインタビューメインのドキュメンタリー。有名人多数出演で各パートでのコメントもありと、充実の内容。
彼のすべてがわかる映画。
★★★★
28/ MOVIX京都 最終兵器彼女
3145
いやぁ、原作もアニメも観てないんですよ。
とりあえず映画だから観ましたって感じ。ま、原作読んでないと面白くないので観に来ないでください、って言うんだったら正解なのかなぁ。という内容。
とにかく、必要な説明がなさすぎ。原作者のエゴで、女子高校生が全身兵器に改造させられ、それとも知らされずに愛してしまう高校生の話。それだけの話。
しかし、その設定に無理がありすぎて、無理やりなサイボーグ化。その意味を一切伝えない。日本が戦時中という奇妙な環境。誰も戦争を感じていない。その重大性は、徐々に現れるんだけどにしてもおかしすぎ。
原作を読んでる人は、そういうことを一切言うべきではない、そんな事は百も承知で受け入れている、と言うのでしょうがそれではあまりに閉鎖的過ぎて、これこそダメヲタの産物でしかないかと。
あと、窪塚弟、演技ヘタすぎ&ブサイクすぎ。
★★☆
28/ 京都スカラ座 用心棒
3144
京都スカラ座の最後の上映の1本。
京都スカラ座は、河原町で1,2を争う劇場内の広さを持つ東宝洋画系専門(だった)封切館。
ここでも色々観たが、一番強力な印象は、今でも「スター・ウォーズ」に並ぶ自分の中のバイブル化している「エイリアン」。
一人で観に行って、あまりの怖さに血の気が失せました。場所は、後ろから数えた方が早いような中央辺り。そこまで覚えています。また、「タイタニック」では、混んでいると聞き座席指定がないので、1時間前に入場し並んでロビーで待ったりとか。
さて…。
今年初の5点満点。
黒澤明脚本監督の痛快時代劇。
出演者の豪華さと、カメラワーク、カット割りの見事さが、とにかくすばらしい。
モノクロ映画でここまで鮮明な透明感を感じたのは初めて。
田舎宿場を牛耳ろうとしているヤクザの抗争に、両方を潰さんがために、偶然立ち寄った素浪人。腕が立つだけなく、頭の回転もよく、それぞれを翻弄してゆく。途中危ない場面もあるが、結果オーライのすばらしい活劇に仕上がっている。
★★★★★
28/ 京極東宝 戦場にかける橋
3143 The Bridge on the River Kwai
京極東宝の最後の上映の1本。
京極東宝は、生まれて初めて自分が選んで小遣いでチケットを買った劇場です。サンリオの「親子ネズミの不思議な旅」と「ボーイズ・ボーイズ」。中学1年でした。それ以来大学1回までの7年間は京都の映画館を徘徊。
1954年開館。1996年4Fに2館増設。2002年座席改修。
一番の思い出は、やはり今の自分のヲタ度の基本になってる「スター・ウォーズ」。M前君と一緒に観に行って興奮した事はいまだに忘れられない。
さて…
サム・スピーゲル製作、デビッド・リーン監督のちょっと変わった戦争モノ。
主演は、オビ=ワン・ケノービのアレック・ギネスと、初日系ハリウッドスター早川雪洲、ウィリアム・ホールデン。
思ってたストーリー展開と全く違い、タイとビルマの国境でイギリス捕虜が鬼将校のまとめる収容所で、軍事目的に有効な鉄道の為の橋をクワイ川に渡すという強制労働を強いられる。
初めはいやな日本人を書くんだなぁ、と思ってるとジワジワと、お互い(日本軍人とイギリス人捕虜)を理解し始め見事な橋を完成させてしまう。
しかし脱走して生き延びた、アメリカ兵がイギリス軍の選出された特殊兵員を引き連れ、橋の破壊を狙う。
珍しい友情モノ?とか思ってると、クライマックスでその自分のした愚行(橋の建設)に気付く。しかし、橋がいとおしい。ついでに日本軍も、というパラノイアックな英国将校。最後は主人公格すべて死亡という浮かばれない状況に…。
常に客観的に見ていた英国軍軍医がその様を「キチガイの沙汰だ」と。
思ってた以上に考えさせられる内容でした。
★★★☆
22/ MOVIX京都 天使
3142
桜沢エリカの同名コミックが原作の実写化。監督宮坂まゆみ、脚本奥寺佐渡子と、製作陣が女性の映画。
出演陣もコミックが原作だけに深田恭子、永作博美、永瀬正敏、内田朝陽、佐藤めぐみなど小奇麗な役者ばかり。
台詞のない天使役のフカキョンがプチ不幸な人々を幸せにしてゆく、という話。
鰐淵晴子役の猫おばさんの家が猫屋敷で、にゃんこ大挙出演&ゆる〜い演技で、それだけで幸せですた(笑)。
★★★☆
22/ MOVIX京都 博士の愛した数式
3141
「雨、あがる」「阿弥陀堂だより」と、小泉堯史監督と寺尾聰出演のコンビ3作目。
交通事故で記憶が80分しか持たない数学者の男のところに、家政婦として通う主人公の母。主人公はそのとき10歳で、その数学者を友達として成長し、人生において色々な経験を積み彼と同じ数学者になる。
ゆっくり流れる時間と、「数字」という形のないものを題材とする本題を、情感豊かに描いている。
主演の寺尾聰は言わずもがな、共演の深津絵里、子役の齋藤隆成、その成長した吉岡秀隆がいい演技をしている。
★★★★☆
21/ MOVIX京都 フライトプラン
3140 Flightplan
先行ロードショーで観る。
ジョデー・フォスター主演。共演にショーン・ビーンとか。
主演のジョデーの役が、ヒステリックでちょっとウザい。
ストーリー展開は、思った以上に面白いが、ネタバレしてからの展開は見る影もない。
けど、主役の超大型旅客機の性能と言うか、機能というかそのシステムはすごい。ワクワクする。
★★★☆
15/ MOVIX京都 スタンドアップ
3139 North Country
めきめき伸びてすばらしい女優になったシャーリーズ・セロン主演の問題作。
セクハラ裁判に勝訴し、セクハラに対する企業の姿勢の基礎を作った実話を、「クジラの島の少女」のニュージーランド出身女流監督のニキ・カーロが監督。
ヘヴィーな内容に憎しみを通り越して哀しさが溢れる。ここまで人は冷酷になれるのか、という。まるで子供のいたずらの延長線と理解しないと何故ここまの仕打ちをしているのか理解できない男達。
主演のセロンは言わずもがな、共演のフランシス・マクドーマンド、ショーン・ビーン、シシー・スペイセク、久々のウディ・ハレルソンがいい。
上向きのストーリー展開は、やっぱいいなぁ。
★★★★☆
15/ 京都シネマ 疾走
3138
カルトファンも多い、俳優から監督になったSABUの監督作品。1作目から「走り」をモティーフにしているが、今回も。
いやぁ、正直2度と観たくないかも。それくらいヘヴィーな内容ですた。
ヤクザに制裁に地域差別にイジメに放火に夜逃げに殺人にSMにと、ありすぎ。ヘヴィーすぎ。
日本らしい負に負に進んでゆく様は、辛すぎで…。
けど、それくらいリアル。
主演の2人(手越祐也、韓英恵)より、脇の豊川悦司、寺島進、加瀬亮そしてすばらしい大阪女を演じた中谷美紀が見事。
★★★★
14/ MOVIX京都 プライドと偏見
3137 Pride & Prejudice
前売りを買い忘れたのでレイトショーで観る。
日本での売りはキーラ・ナイトレイ。すごくキュートです。眉間に力の入る笑い方が面白い。
監督は、デビュー作になるジョー・ライト。共演にジョデー・デンチ、ブレンダ・ブレッシン、ドナルド・サザーランド。正直コレで助演男優賞を取ってほしいサザーランド演技。
18世紀後半の片田舎のイギリス。没落貴族の5姉妹の婿取り物語(簡単すぎるか、ま、いいか)。
人の描き方がすばらしい。人と人との関係が見事。(こういう内容を「スターウォーズエピソード2」で表現できればよかったのにね)
5姉妹の中のキチガイ2人と母親のぶっ飛び方が腹立つ、最高にいい脚本の映画です。
★★★★
14/ 東宝公楽 THE有頂天ホテル
3136
奇才というか、天才と言うか、三谷幸喜の映画監督作品3作目。映画化では5本目。
元々というか今も基本はそうでしょうけど、舞台をメインにTVドラマでも有名な方ですが、s-thingは映画基本で観てたりしてます。
緻密な舞台設定とキャラクター設定が圧倒的。その上、脚本がすごい。こんなに出演者が多い中で、人と人との関わりをすら〜と描いて、笑わして感動させる。いやぁ、すごいや。
オダジョー、寺島進、唐沢寿明の今までにない使い方。脇を締める小劇団系の個性派俳優陣。見所満載ですばらしい。
劇場限定GOODSも凝ってていいので、劇場に行った際は是非!!
★★★★☆
9/ MOVIX京都 銀色の髪のアギト
3135
飯田馬之介(「08小隊」「戦闘妖精雪風」)原案、GONZO製作のオリジナル長編劇場アニメ。
メカデザイン安藤賢司(S.I.C.造形)前田真宏。作画に緒方剛志、山形厚志(「ガサラキ」他)、恩田尚之、3D増尾隆幸。
キャストに、勝司涼、宮崎あおい、古手川祐子、濱口優、布川敏和、遠藤憲一、大杉漣。
オリジナルの厳しい時代にがんばってますが、微妙…。設定が面白いんだけど、もうちょっとしっかりした演出がいいなぁ。
シーンシーンで「AKIRA」風だの宮崎駿風な絵だのが見えてきくるのはまぁ許す(笑)。
★★★
8/ 京都シネマ 僕の恋、彼の秘密
3134 17歳的天空
台湾のゲイ・ムービー。
台詞のある役者に女性が一切出てない。
正直、台湾ムービーは肌に合わないようです。「嶺街少年殺人事件」くらいしか観てないけど、まったりした演出方法が退屈。間延びしすぎの編集が緩い。
話はアジアンムービーにありがちな古臭さ。
こういう映画って、脇役が光るんだよね。今回も、いい感じにハッチャケた脇群でした。
★★★
7/ TOHOプレックス二条 輪廻
3133
Jホラーシアター3作目は、今をときめく清水崇監督作品。
一瀬隆重プロデューサーの手腕も見事に、よく出来たホラーに仕上がってます。
タイトルにもなっている「輪廻」を軸に、全く思ってもない人間が巻き込まれ、怨念に引き込まれていく。
昭和45年の万博の時に起こった大量虐殺事件を元にした映画を作ろうとする椎名桔平。その映画の主演に選ばれた優香。脇に杉本哲太、小栗旬、香里奈など。カメオで黒澤清が出てるのが、ちょい笑える。監督はおしゃべりと聞くけど、さすが演技もうまいもんですねぇ、と言ったところ。
怖がらせどころに音響効果をふんだんに使ってうるさいくらいだけど、少女の持つチャッキーばりのきっしょい人形が効果的だったり、その襲われる理由に「輪廻」を持ってきてとりあえず納得できるところなんか「呪怨」と比べると全然面白い。

デ・ジャヴと現世と幻が混在するとえらいことになると(笑)。そんな映画。
★★★★
3/ 京都シネマ 綴り字のシーズン
3132 Bee Season
2006年初映画は、渋い趣のファミリードラマになりました。
日本で言うと漢字検定みたいなもんでしょうか。英語圏ではスペリング大会と言うものがメジャーで、それを題材に親子の関係、夫婦の秘密など深いドラマが展開します。
監督は、スコット・マクギーとデヴィッド・シーゲル。主演の家族は、リチャード・ギアとジュリエット・ビノシュの夫婦に、フローラ・クロスとマックス・ミンゲラ(アンソニー・ミンゲラの実息だそうです)のフレッシュな子供。そこにケイト・ボスワースの美貌が花を添えてたり。
メインになる末娘のフローラ・クロスが天才的スペリング能力をみせるんですが、その綴りをイメージするときのシーンがCGでカバーされて、アルファベットが舞ったり、服の模様がアルファベットに変貌したりと、細かいところで効果的。
精神病、異宗教、精神的重圧、期待などテーマが重いのがそういうところでカヴァーされてたりでいい感じです。
★★★☆

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