2006 best10

洋画編

1位 アポカリプト すべてにおいて完璧な映画。絵、脚本、カメラ、役者、美術、どれをとってもこれほどヴァーチャルリアリティを感じる作品はない。
マヤ、アステカ文明がどうとかと言う問題ではなく、人間の祖を体感できる名作。
2位 トランスフォーマー スピルバーグ×ベイの化学反応が花開いた1作。
不可能としか思えない題材を、最新技術と勢いでこなした娯楽大作。
唯一の欠点は、クライマックスになぜ人間のいる場所を選んで戦うことを選ぶ脚本にしたかというところ。
3位 明日、君がいない オーストラリアの20代の新進監督。
近親相姦、奇形、いじめ、恋愛、様々な若者達の苦悩を克明に描いている。こんなにさわやかなのに、こんなにどろどろしてるのか。そんなに悩むのにそこまでして生きてゆくのか。
4位 ヘアスプレー ジョン・ウォーターズのエログロ作品から、舞台へ。その舞台の映画化の今作。
実は、深いところに人種差別を大きくフィーチャーしているのがミソ。コレがあってこそのメッセージ性。ただの歌って踊ってる映画ではないのだ。
5位 ザ・シューター マーク・ウォルバーグの確実に出世作になるアクション映画。
サバイバルや、武装類がリアルでそれを見ているだけで楽しい。
6位 ドリームガールズ 元は、ブロードウェイミュージカル。なおかつ、モデルになったのがドナ・サマーらしく、本人からクレームが付いたとか。それも箔になるけど。
「ヘアスプレー」と同様、深い感情を歌にして演じているので、実はヘヴィな内容ってのを軽く見られるのは、いいことだと思う。
7位 ダイ・ハード4.0 前作で酷く失速したが、シリーズ4作目で返り咲き的パワーのアクション大作。
息もつかせぬ展開が面白い。
8位 ロッキー・ザ・ファイナル こちらはシリーズ6作目。
1作目のファンのための続編とも取れるしっかりした脚本がさすがスタローン。
9位 ブラッド・ダイアモンド デュカプ×エドワード・ズウィックのサスペンス。
暴力が支配するアフリカで生きる一般人と、その国のダイアを狙った密輸業者と、ジャーナリストの話。
思った以上にヘヴィーで、リアリティのある展開に感動する。
10位 大統領暗殺 所謂、現代でほんとに大統領が暗殺されればどうなるかという、シミュレーションムービーと言ったところ。
実録画像と、撮り下ろし(フェイク)画像をうまくミキシングした結果、魅力的な映画に仕上がってる。
次点 ディパーテッド 元は、香港映画「インファナル・アフェア」のハリウッド版。
主演にデュカプ、監督にスコシージと、最近の黄金コンビ。
二転三転する展開がさすがハリウッドが認める脚本といった所。
リトル・ミス・サンシャイン 2006年アカデミー賞の助演男優と脚本を受賞したよく考えられた作品。
好き嫌いがはっきりしそうな不思議なテイストのロードムービー。


邦画編

1位 夕凪の街、桜の国 こうの史代原作コミックを映像化。広島と東京、現代と第二次大戦のクロスオーバー。
「半落ち」「出口のない海」の佐々部清監督作品。田中麗奈、麻生久美子主演。
戦中と戦後の恋物語を優しい語り口で描いている。
2位 自虐の詩 業田良家原作コミックを、堤幸彦が映像化。
中谷美紀、阿部寛主演ですごくいいけど、周りがもっといい。
3位 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 リビルドされた完全新作の「エヴァンゲリオン」。
シーンシーンは全く同じ所も多いけど、すべて描き直して情報量が格段に上がっている。ストーリーの核になる部分で微妙に修正が加えられ1本の映画としてより完成された形に仕上げてある。
4位 クワイエットルームへようこそ 原作者でもある松尾スズキが2度目のメガホンを取った作品。
内田有紀の復活といっていい作品。けど、松尾の常連俳優群が素晴らしい演技で濃い濃いの内容に仕上がりちょっとかすんでも見えたり(w)
5位 転々 三木聡脚本監督作品。
三浦友和、オダジョー主演。意外とアットホームなシーンがあったり、今までに感じなかった展開が感動を呼ぶ。
三木組の役者が楽しい。
6位 東京タワー リリー・フランキーの自伝を映画化。
主演に、オダジョー、樹木希林。とにかく死にモノ、動物モノ、子供モノと卑怯3連荘で泣かす泣かす。
けどすがすがしく気持ちがいいのだ。
7位 天然コケッコー くらもちふさこ原作コミックの映像化。
山下敦弘監督、夏帆、岡田将生主演。島根県をロケ地に田舎の分校の青春を描いている。キラキラした空気感が初々しくていい。
8位 椿三十郎 かの黒澤明が撮った同名映画を森田芳光が果敢にもリメイクした。脚本は当時のものと全く一緒で、一言一句変えずに使用し、しかし演出は今風なのでそのコラボが面白い。
主演の織田裕二ががんばり過ぎている。
9位 河童のクゥと夏休み 「クレヨンしんちゃん」シリーズの原恵一脚本監督作品。
タイトル通りの河童と一家族の交流の感動ストーリー。
10位 サイドカーに犬 根岸吉太郎監督作品。竹内結子、古田新太、椎名桔平、トミーズ雅ほか出演。とりわけ子役の松本花奈が最高にいい。
母親が家出した家族と、奔放な謎の女の交流をドライに、しかし優しく描いている。
次点 龍が如く 劇場版  原作はSEGAのゲーム。三池崇監督の感性がバッチコーイと合った作品。
新宿が舞台なのに、どんどん無国籍になっていく様がいい。
クローズド・ノート 雫井脩介原作の小説が映像化。
沢尻エリカ、伊勢谷友介、竹内結子主演。とにかく永作博美がいい。

1/22/2008


総評 洋画は、ハリウッド大作が中心になったs-thingとしては珍しい選出。その中でも3位の「明日、君がいない」は小品ながらすばらしい。
原作がミュージカルが2本、続編が2本、リメイクが1本というのも最近のハリウッドの背景を象徴してる感がする。5位までは文句なしにお勧め。
邦画は、やはり悲劇がドラマチックで1位です。その悲劇を笑いに変える2位とか、作り手のこだわり爆発の3位、4位とか。去年は今の日本人らしい邦画が揃った気がします。

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