2005
best10

洋画編

1位 ダニー・ザ・ドッグ ベッソン製作脚本、ルイ・レテリエ監督、ジェット・リー、モーガン・フリーマン、ボブ・ホスキンス出演。アクション演出、ユエン・ウーピン。音楽、マッシブ・アタック。
完璧な布陣です。その上、今回は暴力で片を着けなくても判り合える心があるということ。
フランスの繊細さと、香港のアクション、イギリスの舞台と、好条件揃いの哀愁漂う名作です。
2位 スターウォーズエピソードV
シスの復讐
DLP/THX/DDS
ジョージ・ルーカス監督作品。
感動の最終作。
と言っても彼の作りたかった作品は、どんどん幼稚になって荘厳さが失われ、残念ながらアカデミー賞にまともにノミニーさえされなくなった。
けど、表題の通りDLP上映、THXシステム、DDS音響と三拍子揃った劇場で観ると、彼の描きたかった世界が存分に表現出来、完璧なエンタテインメントに昇華したと言える。
3位 Mr.インクレディブル ディズニー配給ピクサー製作のフルCGアニメ。今回は、最近流行のスーパーヒーローモノ。
アメリカ人の知恵が浅いのか、マーヴルのヒーローとかぶりまくりの特殊能力ですが、やはり見せ方の自由度がCGらしく勢いがあってよい。
ストーリーもさすがピクサー。緩〜いハリウッドモノとは一線を引いた、いい出来。
4位 ステルス 「ワイルドスピード」「トリプルX」のロブ・コーエン監督作品。つまり金の掛かったB級題材をテーマにした戦闘機映画。
まぁ、CG満載のスピード感はハイテクでいい。奇想天外なストーリー展開がある意味心地いい。
5位 バットマン・ビギンズ DCコミックの影の雄バットマンの起源を描いた作品。クリストファー・ノーラン監督作品。
主演のバットマンを、クリスチャン・ベールが熱演。今までの誰とも劣らない、いや一番「らしい」バットマンになっているのではないかと思える。脇を固めるのも名優揃い。マイケル・ケインにリーアム・ニーソン、ゲイリー・オールドマン、モーガン・フリーマン、ルトガー・ハウアーそして渡辺謙。今回の隠し球は、スケアクロウを演じた、キリアン・マーフィー。
マーヴルの後塵を拝したが、この出来なら誰にでも感動できるし、すばらしい。
6位 モディリアーニ
真実の愛
ミック・デイビィス監督作品。
実在の画家、アメデオ・モディリアーニを主役にした、第1次大戦後のパリで当時先進画家達が集まった「ラ・ロトンド」での有名画家達の競演、そして狂気の芸術。いや、その時代の芸術家は皆狂気だったのかもしれない。
ピカソ、ユトリロなど名前を良く知る画家達が個性豊かに出演している。
絵画に対する情熱、力、愛情、とにかくアートが好きな人は必見に名作。
7位 コーチカーター 高校バスケットボールの青春モノ。
主演のサミュエル・L・ジャクソンが抜群にかっちょいい。やさぐれ高校生もすごくいい。
最近では珍しいスポコンモノで爽快。
8位 シンデレラマン イマジンエンタテインメント製作と言うことは、ロン・ハワード監督作品。ラッセル・クロウ主演。レネー・ゼルウィガー、ポール・ジアマッティ共演。
大恐慌時代の実在するボクサー、ジム・ブラドッグの伝記。食べる事にも苦労した時代に、力で家族を守った男の話。
9位 ブラザー・グリム テリー・ギリアム監督作品。前作が様々な要因から完成を見ずに撮影中止に追い込まれ、7年振りの新作になる。
タイトル通りグリム兄弟の自分の書いた童話の世界そのままの数奇な体験談をコミカルにSFX満載で映像化。過去の作品から見ても最高の製作費だそうです。
主演のマット・デイモン、ヒース・レジャーがタイトルロールを演じ、妖艶モニカ・ベルッチ、常連ジョナサン・プライス他魅力的な配役。
グリム童話の有名なキャラクターが所狭しと登場するのは魅力的。
10位 サイドウェイ 2005年のアカデミー脚色を獲得した作品。
万年枠役と思ってた主演ポール・ジアマッティとその友達、トーマス・ヘイデン・チャーチが全編に渡ってものすごくいい演技をしている。
ワインヲタのジアマッティと、常に女の尻を追いかけるチャーチ。ベタな痴話話に、コアなワインネタ。友情溢れて暖かくなる一品です。
次点 ネバーランド 「ピーター・パン」の舞台を初めて演出した、ジェームズ・マシュー・バリの恋愛劇。と言っても恋愛よりも相手の連れ子との心の触れ合いがすばらしい。
また、劇中での上演した「ピーター・パン」も感動しまくり。押さえた演技のジョニデの真骨頂。
カンフーハッスル 「少林サッカー」のチャウ・シンチー監督作品。
今回はタイトル通りカンフーをメインにしたスーパー3Dコメディ。あまりの下品さにめげそうになるが、ものすごい勢いのコメディセンスが怒涛のように流されて大爆笑に次ぐ大爆笑。


邦画編

1位 パッチギ! 井筒和幸監督の青春ケンカムービー第3作(「ガキ帝国」「岸和田少年愚連隊」)。
舞台は1968年の京都。在日韓国人と日本人の意味のないケンカの日々。
戦隊モノのヒーローを演じていた塩谷瞬主演。主演陣と名脇役達が盛り上げる。
胸座をつかまれ揺さぶられたような衝撃。人の力と気持ちが満身に伝わる。
2位 野田版 鼠小僧 野田秀樹の演出による歌舞伎俳優総出演の演劇のライブ映画。
会場限定でDLP配信最新音響システム(各劇場によるようです)で、まるで生で観るようなすばらしい画質と音質での鑑賞。
中村勘三郎の汗まで感じる。
3位 リンダリンダリンダ 山下敦弘監督作品。
久々爽快な青春映画です。感動できます。
ブルーハーツが嫌いなオレでも感動出来ます。
4位 妖怪大戦争 三池崇監督、プロジェクト怪完全監修のリメイク作。
超特撮娯楽映画に仕上がりすばらしい。
妖怪のユルさと、かわいさ、やさしさが滲み出た作品に仕上がっている。特にじいちゃん役の菅原文太が見事!!
5位 奇談 一瀬隆重製作といえば「J-HORRO THEATER」シリーズを生み出したプロデューサーの作品。怖さは1級品の面白さ。けど、Jホラーのシリーズではない。
隠れ里の隠れキリシタンと、謎のパワー。サスペンスフルでミステリアス。
6位 交渉人 真下正義 ROBOT製作、「踊る〜」シリーズのスピンオフ作品。本広克行監督作品。
主演は「踊る〜」シリーズのバイプレイヤー、ユースケ・サンタマリア。
畳み掛けるような展開。軽妙な台詞。初登場の寺島進の個性。エンタテインメントに徹した内容は、さすがROBOT。
7位 ローレライ 福井晴敏原作、樋口真嗣監督のアクション戦争モノ。
第2次大戦中を舞台にしたフィクション。閉鎖的な潜水艦の中を大半の撮影シーンを、アクション性の強い演出と特撮で補い飽きない内容になっている。
出演者の一人(香椎由宇)を除きすべて男優。
8位 タッチ 東宝の東宝らしい青春映画。
原作のイメージを損なわず、2時間弱にまとめ、感情をしっかり揺さぶる演出はすごくいい。
主演のホンモノの双子、斉藤祥太、慶太と長澤まさみが思った以上にいい。
9位 フライ、ダディ、フライ 「GO」の金城一紀原作、成島出監督のちょっと変わった青春モノ。
娘を暴行した有名高校の有名生徒に復讐する為に、間違って殴りこんだ高校のなんだか不思議なグループに「ケンカの仕方」を教わる事になった中年オヤジ。そんな話。
主演にV6の岡田君と堤真一。敵役の須藤元気がいい、すごくいい。
10位 亡国のイージス 阪本順治監督作品。2005年ブレイクした福井晴敏原作の1本。
最近の戦争映画と違い、どちらかと言うと人間ドラマに重きを置いた静かな戦争モノに仕上がっている。そこら辺が原作ファンには物足りないそうですが、s-thingはコレでも十分。
そこら辺が逆に阪本映画かと思ったり。
次点 サマータイムマシンブルース ROBOT製作、ヨーロッパ企画という同志社大学の演劇部が作った演目を、本広克行監督が地元香川県善通寺市の全面協力で映画化。
邦画では珍しいスラップスティックSFコメディ。舞台ののどかさと出演陣の魅力が満載の佳作。

2/28/2006


総評 洋画より邦画のインパクトが強く、全体的に邦画のレヴェルが高い2005年だったと思います。
邦画は11本中5本が青春モノ。福田晴敏原作2本、同年代(同年±1歳)の監督2人3作品。

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