1999年年間ベスト10


洋画部門

1位 ワイルド・シングス 上半期に続き、結果的に首位を守った今作ですが、いやぁ脚本の勝利ってとこでしょう。ハリウッド映画らしからぬ深い展開には脱帽です。
往年のフランス映画ぽくもあり、アメリカン・ニュー・シネマの世界も感じられる、エロティック・サスペンスという括りの中でも、異質な展開が好感度大です。
必見!!
2位 恋に落ちたシェイクスピア 個人的には、シェイクスピアの世界を、演劇ではなく史実として、そこにユーモアと感動を織り交ぜた、そんなところに大拍手なわけです。
メイン出演者が、いうほどスター色が感じられないところも、勝利した一因ではないかと思います。
3位 スターウォーズ エピソード1ファントムメナス(吹き替え版) 1999年最大の話題であった、シリーズ4作目で、本当の始まりの物語。
脚本に少々難アリなところは否めないが、それでも余りある情熱とキャラクターの魅力が、所狭しと画面を駆け回っている。
ノベルティ、版権商品に翻弄された痛い人、続出。s-thing自身、1999春からこっち、振り回されっぱなし。どれだけ、投資したかわからない。
4位 シックス・センス 同率4位にしたのはそれぞれ脚本の出来が良いからですが、比べるとしてもジャンルが全く違う為、それぞれ一様に感動を与えてくれたのでこうしました。
ホラーと括られそうな予告に流されると、ヤンキーでさえ涙すると言う感動の作品だったというオチ。うれしい裏切りに会った感じです。
ノッティング・ヒルの恋人 ロマンティック・ラブ・コメディの最高峰と言っても過言ではない、ハリウッド資本のイギリス映画。
ありきたりな展開に白々しく感じる人もいるかもしれませんが、とにかく出演者の見事な演技に脱帽。幸せになりたかったら見て欲しい1本。
マトリックス キアヌ・リーブス会心のエンターテイメント大作。
サイバー・パンクの新しい担い手になった作品だと思う。(ただし2,3は今のところ関係ないが)
アメリカのアニメオタクの底力を見せつけられた感大。がんばれ邦画。
7位 ウェディング・シンガー ここ最近の復活組の女優最有力、ドリュー・バリモア主演のハートウォーム・ラブ・コメディ。
80年代に時代設定するところなど、憎い演出は全体をより一層盛り上げている。
アダム・サンドラーの、完全なスター化にも一役買ったと思う。
8位 バグズライフ ピクサー長編アニメ2本目の今作は、以前にもまして童話と言うか、ファンタジー色が強くなり、その分画面やキャラクターデザインからもうかがえる、やさしい色使いになっている。そこが、アメリカで同時期公開された「アンツ」との明暗を別けたのではないかと思う。
判りやすい話は、誰でも楽しめ、さすがディズニーと言ったところ。
9位 プラクティカル・マジック 今回のダークホース的存在作。
主演の2人が嫌いなs-thingは、時間が経つにつれ、良く書かれた脚本、というより・・・演出の勝利でか、役としての彼女達が光って見えました。
主演が女性だからって甘く見てたら、ちゃんと魔女モノしてるし、ホラー要素満載だし、サスペンスフルだしって言う事なし。
10位 ハムナプトラ 今回のベスト10の中で「SWE1」以外で、唯一まともなハリウッド大作。狙って、的を得たように売れた作品です。
個人的には、ブレンダン・フレイザーの活躍、イギリス映画テイストな作り方、SFXの見事さに乾杯!ってとこです。
前回の公開作と比べ、コメディ要素がふんだんに織り込まれているところに、評価は別れるかと思いますが、s-thingはブレンダン主演の為、こっちの方が好きです。
次点 オースティン・パワーズ デラックス
エイザベス
ディープ・ブルー
どうしても「2」というイメージを拭い切れなかった「オースティン・パワーズ〜」。コスチュームプレイとしての出来の良さはピカ一だが、万人受けするかというと・・・、の「エリザベス」。賛否両論な展開に、s-thingは賞賛組の「ディープ・ブルー」でした。

邦画部門

1位 39 s-thing的には、当然の3作と言う結果です。
「39」「大阪物語」とも好きな監督の、期待を裏切らない出来の良さ。「となりの山田くん」はアニメというジャンルを超越した上で、正当なアニメと言う世界を最新技術を使ってでもなお出来ることを証明した、高畑監督会心の作品ではないでしょうか。(これはディズニーでは「ターザン」でなしえていますが)
ベスト10に選出した以下の作品もそうですが、邦画の武器であるウェットな感覚、感性が特に苦もなく表現できているのは、見事だと思います。
2位 大阪物語
3位 となりの山田くん
4位 学校の怪談4 完全な2番煎じで終わった「リング2」の出来の悪さが、この映画に良い所を吸収されたせい??って言いたくなるほど怖がらせてくれる、子供だましで終わらない子供向きホラー。
シリーズ通して面白さが維持できているのは、「エイリアン」シリーズにも匹敵するのでは。
5位 のど自慢 井筒監督が作った、普通の邦画。
普通と言っても、ツボである「泣き笑い」は徹底している。その為、はまると自分評価がぐんと上がるだろう作品。つまり「寅さん」なわけです。
6位 ガメラ3イリス降臨 s-thing地元、京都を最終決戦場に、その上市内をめちゃめちゃにまでしてしまう、その意味は!?って深く考えなくても、監督以下、スタッフ、出演者、全ての人が深く深く考えて創っていると感じます。
「ゴジラ2000ミレニアム」のオルガと、イリス。神格化する意味があるのか??ゴジラと、怪獣というものの出来た訳を見事に(後付けにしろ)解明したガメラ。この時点で、この順位は妥当でしょう?
7位 メッセンジャー ホイチョイ久々で、期待を裏切らない出来の作品はOKでしょう。今回もバドなんかと提携してるとこなんか、にくいです。
本当は前回の3部作のとき(「私をスキーに連れてって」「彼女が水着に着替えたら」「波の数だけ抱きしめて」)に企業側(コールマン)からキャンプものを撮ってほしいとあったそうです。結局それは蹴ってしまいましたが。観てみたかったと今でも思います。(ちなみにコールマンは、「キャンプで会いましょう」という映画に出資した。しかしキャンプ映画は「7月7日、晴れ」以外考えられないでしょう。)
8位 黒い家 1位の「39」と同じ森田監督作品であり、秋公開のこの作品は正月映画にまでなってしまった、まさに怪物作品でしょう。
原作と比べて・・・っていう野暮な事は言いっこなし。ホラーよ、ホラー。単純に怖がればOK。日本家屋の怖さも感じられるし。悪臭も、感じられます。
大竹しのぶの乳に感謝ってところでしょうか。
9位 皆月 本来、こう言う小劇場演劇系な作りの映画が好きでして、最近なら「愛の新世界」、昔ならATG系って所でしょうか。革新的で、リアリティあって、深い。この映画は、そんな要素が一杯入ってます。ともすればVシネマに成り下がりそうな内容を、徹底的なリアリティでまとめたと、そう思いました。
実は、一番のお薦めだったりして。
10位 双生児 いいっすね。
塚本監督は大枚はたいた映画でも、凝り性は変わらないから、見た目一緒なんだよなぁ。いいよなぁ。ってそんな映画。必ずしも万人に受けるとは思えないが、このパワーは観て欲しい1本。
次点 梟の城
あ、春
「梟の城」は、もっと面白く出来ただろうなぁ作品。
「あ、春」は、泣かせに入った時点でNG。
両方とも悪くないのになぁ・・・。

5/6/2001

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