1996年年間ベスト10


洋画部門

1位 不滅の恋
ベートーヴェン
かの怪優ゲイリー・オールドマン主演の、言わば伝記モノ。
耳が悪くなって行く様、狂気に走って行く様、そして恋多き人生。全てが、これが天才と言える行き様で圧倒される。
共演女優に、ウマ・サーマンに、イングリット・バーグマン等豪華、豪華。
サントラは、当然ベートーベン。CDは、クラシックの入門にはぴったりだすよ。
しかし、ゲイリー・オールドマンはすごいね。とにかく、すごい。陳腐なコソ泥系(「フィフス・エレメント」「ロスト・イン・スペース」)とか、汚職警官(「レオン」「蜘蛛女」)とか、ゲイ(「プリック・アップ」)とか、極め付けが「ハンニバル」のヴァージャーだからね。もう最高!!
2位 レオン
=完全版=
言わずもがなリュック・ベッソン監督最高作。(と思っているのですが、いかが?)
つうわけで、敵役のゲイリー・オールドマンと、ジャン・レノの一騎打ちに見えたが、実はナタリー・ポートマンが全てを奪って行ったって作品。ジャン・レノの雇い主ダニー・アイエロも光った演技してます。
とにかく、ここ最近のはやり「完全版」「デレクターズカット」「スペシャルエディション」等の中では、大変イケてる出来です。
普通版と違うのは、レオンと、マチルダの友情とも愛情とも取れない関係を深く描いたシーンを大幅に追加した所。それが入ったせいで、単なるアクション映画から、すばらしいドラマに変わった。
3位 トイ・ストーリー ピクサーとディズニーのコラボレーションの記念すべき1作目。
CG作品と言うとどうしても技術先行になりがちなスタイルを、大幅に改善、「見せる映画」に仕上げたすばらしい作品。
声優陣は、主演にトム・ハンクスとティム・アレンという、全く抜かりない。
劇中オリジナル・トイを極力避け、既成の、それもメーカーの違う商品をひとつの画面に出して、メリケン少年の心を描いたのもGOOD。
4位 ブロークン・アロー ジョン・ウーのハリウッドメジャーデビューということで。
当然二丁拳銃あります。主演のふたり、友情から亀裂、起きます。いやぁ、ウー節炸裂ったら。
主演は、クリスチャン・スレイターと、ジョン・トラボルタ。ヒロインは、さほど可愛くないサマンサ・マチス。
核弾頭を巡って取り合いってのが、大雑把な筋。
s-thingが一番びっくりしたのが、核爆発させてしまうってシーン。やっぱ、核爆発はまずいっしょ、とは思ったが、いやはやそれを考えに入れても面白い出来です。
トラボルタ、悪役もまじ出来ます、を証明した作品でもありました。
5位 クルーレス いとしのアリシア・シルバーストーン主演、うぅ〜んどちらかと言うと、「バカ映画」の部類かなぁ。
けど、ちゃんと起承転結はしてますよ。主人公が今時のコギャルってだけで、いや環境がそうか。とにかく、アリシアちゃん、炸裂ぅ!!みたいな。そんな感じぃ。
6位 デッドマン・ウォーキング ティム・ロビンス監督二作目です。
もう、社会派です。(いや1作目からか)
主演に、自分ではなくショーン・ペンに任せて、共演を最強の伴侶スーザン・サランドンを配したのがばっちし当たり、アカデミー主演女優獲得!!
人が人を裁く事の疑問を真っ向から問い掛ける、すばらしい作品。
ショーン・ペンの演技がとにかく、すごい。
7位 セブン MTV出身デビッド・フィンチャー監督の出世作。
「羊達の沈黙」を一歩進め、サイコサスペンスの流行を作った、今となっては名作と言ってもいい。
7つの大罪に照らして、長期的に無差別殺人を犯した犯人を追う、転勤してばかりの新米刑事と、定年間近の熟練刑事。
8位 トゥルー・ナイト リチャード・ギア主演のコスチューム・プレイ。
有名なランスロットの話。
主演が、かっちょいいのよ。
ごめん、話忘れがちぃ。(笑)
9位 ロスト・チルドレン ジュネ&キャロの名コンビが放つ、幻想的なファンタスティック・ブラック・コメディ・フレンチ・ムービー。(すげ、適当なネーミング)
いやぁ、すげぇ映像美です。だから、って話がすげぇかってぇと、…です。
ま、個性的な出演者達がわんさか出てきて、まるで「フリーク・ショー」の様♪。って感じ。
10位 ザ・ロック 出たぞジェリー・ブラッカイマー。出せば当たる名プロデューサーの傑作。
主演に、ニコラス・ケイジと、ショーン・コネリー。
とにかく、緊迫緊迫。爆発、スローモーション。いやぁ、出来すぎ。
ハリウッド映画はこうでなくっちゃぁね、って作品。
次点 真実の行方
白い嵐
「真実の行方」は、エドワード・ノートン大注目の初出演作。共演というか、主演のリチャード・ギアを最後の食ってしまう名演を披露。
ぐろぐろした、宗教じみた世界の殺人事件。それを弁護する主人公。さて犯人は、って話。面白いよ。
「白い嵐」は、最新作「ハンニバル」でもきを吐きまくってるリドリー・スコットの海洋モノ。
主演のジェフ・ブリッジスは、相変わらずの演技なのに良い味なんだよなぁ。
クライマックスの嵐のシーンは、必見。感動に値する。


邦画部門

1位 岸和田少年愚連隊 井筒和幸監督作品。
監督自身が型破りの上に、原作が、爆発してしまったような、そんなパワーを感じる見事な作品。
主演の2人がナインティナイン(以下ナイナイ)という、どう考えてもVシネ以下って言う布陣を持ってきたのは、観るまで大心配だったが、そこはさすが井筒さん!と言うべきか、ナイナイの本領発揮と言うべきは判らないが、見ごたえ十分に仕上がっている。
特に注目すべきは岡村のおかん役で出演の秋野よう子。べたべたの大阪のおかぁちゃんを演じて、すばらしい存在感を醸し出している。
今作は1作目で、コレを皮切りに続々と続編が公開されている。
2位 ガメラ2 金子修介監督作品。
今回の敵は、軍団レギオン。昆虫型の多足外骨格複眼生命体。(結構適当)
3位 7月7日、晴れ 今をときめく本広克行監督作品。
s-thingは、これを観ても号泣出来ます。
企業と組んだ映画としても一級で、今回の主人公たちの趣味である「アウトドア」が、すばらしく面白い物のように描かれている。(いや実際面白いんだけどね)
主演の観月ありさと、荻原まさとが絶妙な役を演じている。
タイプで言うと、ホイチョイ系な実際の小道具満載の青春モノってところ。
4位 ビリケン 坂本順ニ監督作品。
大阪にこだわる、大阪出身の監督って事で。
杉本哲太の「ビリケン」さんは、監督は妙な顔で選んだだけあって、ノーメイクで十分、謎な人物を演じている。ライト感覚のコメディかと思いきや、そこはディープな大阪。人間味を最大限に生かし、感動させてくれた。
5位 スワロー・テイル 一時代を築いた岩井俊二監督作品。
大作であり、最高傑作でもある。(と思う)多国籍化した日本の、ある街YENTOWNが舞台。広東語と、英語と日本が入り混じった世界は、不可思議で、荒廃した世界観は、まるでアニメのようでもある。いや、キャラクター設定自体が、アニメっぽいか。そこが、良い。
また、サントラもYENTOWNBANDという、オリジナルバンドを結成して、活動し見事、はまった。
6位 学校2 山田洋二監督作品。
「男はつらいよ」シリーズとは別の、シリーズとして松竹が気に入った作品の2作目。このシリーズは結局4作作られる事となる。
ほとんど、職人芸の監督作の2作目は、精神障害児の自覚なんかを主観に置いた、これまた泣かせる名作に仕上がっている。
今をときめく永瀬雅敏が主演の一人で出ている。
7位 キッズ・リターン 北野武監督作品。
不運の事故以来の復帰1作目。まだまだリハビリが終わってない状態で撮ったので、監督自身は役者としては出演していない。
今となっては、若手スターの仲間入りを果たした、安藤政信と、金子賢主演。
せつない、成功とは程遠い若者のほんの一瞬の青春時代。
8位 GONIN2 石井輝夫監督作品。
原作のコミックも手掛ける、漫画家兼映画監督。その原作のイメージがすごく忠実に表現出来たのではないかと思える、見事なバイオレンスさ。粘液のようなエロティックさ。もう、さすがです。
今回は「2」と言いながら、シュチュエーションが同じなだけで、パラレルワールド的な話の持っていき方で攻めている。主演が五人の女性というのも珍しい。
9位 シャル・ウィ・ダンス? 周防正行監督作品。
結果世界的に大ブレイクした和製ダンスムービー。
みんな知ってるから、詳しくは書きません。
この年の日本アカデミー賞の部門すべてを独占したという、選考委員会はこの年この映画しか観てなかったという事が判明したり。
そういや、ハリウッドで映画化ってのは、立ち消え?
10位 (ハル) 森田芳光監督作品。以外と地味だけど、内容はしっかりした恋愛もの。
今をときめく深津絵里が、一層綺麗になって帰って来た。(って何処に)
2002年の今となっては当たり前の、「メール」を使った恋愛劇。言葉と言葉の間のシーンで、顔文字が打たれていったりする、やっぱ森田さん気が利いてるぅ、って感じの演出。
次点 トキワ荘の青春
男たちのかいた絵
市川準監督作品「トキワ〜」
相変わらずの淡々さで描ききった情熱溢れる元祖日本の漫画家発祥の地での物語。主演陣を当時の演劇人が演じていたのも見物。こういう環境が、すばらしい漫画家(決してオタではない)を産むんだと、感心することしきり。
伊藤秀裕監督作品「男たちの〜」は、豊悦が2重人格をそつなく演じてる、面白い題材の映画。

4/13/2002

総評 考え中

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