1990年年間ベスト10


洋画部門

1位 ニューシネマパラダイス 今となっては、もう名作の域に入りつつあるジョゼッペ・トルナトー監督のイタリア映画。
戦火のイタリアの片田舎で営む1軒しかない小さな映画館。その映画館を巡って、映写技師と彼を慕う少年の甘酸っぱい友情、愛情物語。
日本の戦時下と同じく、慎ましやかに過ごさなくてはならない日常に、娯楽である映画のラブシーンは持ってのほかだったのは、当然の事。ラストシーンで、その戦時も遠い昔になった今、そのカットしたシーンだけを繋げたロールを上映する主人公。感無量。
2位 ゴースト 公開当時からデミ・ムーアの泣き顔が、大根でだめじゃんって言われてましたが、s-thingは素直に感動出来ました。元々、デミも、主演のパトリック・スエッジもブラッドパック時代から好きだったので、どんどん成長して大人の演技を見せてくれるようになってくると嬉しくなります。
この作品で、ウーピー・ゴールドバーグは、アカデミー助演女優賞を獲得。シリアス演技でデビューして、シリアス一辺倒かと思ってたら、コメディタッチの演技で獲得とは。
3位 ダイハード2 やはり、「1」だそうです。当然かもしれませんが、やはり「1」が最高だそうです。けど、s-thingは「1」は、ラストシーンが調子っぱずれだったので、「2」の方が好きです。
アクション重視で、なおかつ軽妙な立ち回りのブルース・ウィルス。かっちょいいです。ハリウッドはこれでないと、って思わせる映画です。
4位 レッドオクトーバーを追え! ジャック・ライアンシリーズ1弾。
今回のジャック・ライアンは、胸毛ぼーぼーのアレック・ボールドウィン。
ロシアの潜水艦が、潜水艦ごと亡命してくるって話です。ロシア人の主演格に、ショーン・コネリー、サム・ニールなど。渋い系ですね。
5位 ドライビング・ミス・デイジー 今はなきジェシカ・タンディの主演作。
共演にモーガン・フリーマンとダン・エイクロイドが良い味出してます。
老人のそれも異性同士の友情物語、というのでは群を抜いた出来のよさ。センスが光る演出と演技です。
6位 ヤング・ガン2 これぞブラッド・パックの真骨頂!
シリーズ2作目。当時、というか今もだけど「西部劇」てのは流行ってないんだよね。そんな中でも気を吐いた、その上「続編」としての出来のよさも併せて見ごたえ十分です。
あ〜、エミリオ・エステベス、チャーリー・シーンよ何処に行ったのでしょう…。
7位 オペラ座の怪人 ロバート・イングランド(「エルム街の悪夢」)が「怪人」のなった古典のリメイク。
今風にアレンジされたホラーで、スプラッタ要素満載がおいしい。
ホラー映画のキモをちゃんと押さえた佳作。
8位 ロッキー5 スタローンが嫌いです。「ロッキー」なんてこれが初めての劇場体験です(笑)。
それでもここに入れたのは、「ロッキー」が「ロッキー」じゃなくなったから(笑)。なぁーんだ、ストリートファイトかぁ、って感じ。そういう目で見ると、よく出来た成長モノです。
9位 背徳の囁き アンディ・ガルシア主演、リチャード・ギア競演のクライムムービー。
汚職警官の話。まぁ、ハリウッドにはよくあるタイプの映画ですね。リチャード・ギアが悪役してるのも珍しい。
10位 トレマーズ ケヴィン・ベーコンがヤングからアダルトに抜ける間に出演したコメディタッチのモンスターモノ。
はっきり言ってB級センスのアイデアなんですが、それを逆手にとってうまく料理してますね。大好きな仕上がりです。
特撮は、今のようにCGなんてなかったから、がんばってアーマトロニクス、ミニチュア、オープンセットでがんばってます。ちんこみたいなモンスターもよくできてます。あまり怖くは見えないけど。
共演のフレッド・ウォードは何処に行ってしまったのでしょう。一時期主演が続いてたのに…。「レモ第一の挑戦」なんてよくで出来てたのになぁ。
次点 グレムリン2 ビデオ化したら「新種誕生」なんて副題が付いてしまいました。あ〜安っぽい。
主演の2人は同じ、そうフィービー・ケイツが出てる唯一の続編です。
続編らしく、はちゃめちゃな展開が、いかにもジョー・ダンテらいし。


邦画部門

1位 宇宙の法則 相米慎二監督作品。
フィルムを自然光で感光するヴィヴィッドな特殊フィルムを使って、照明を一切使わず、その場に存在する光源(太陽、蛍光灯等)で撮っている。それが、今ままでみたその映画より、臨場感、リアリティを感じ、見てる最中中最高の心地よさを感じてた。
2位 ファンシーダンス 周防正行監督作品。
大ヒットした監督処女作。
コミック原作の、主演本木雅弘、鈴木保奈美、竹中直人。脇に大勢の演劇系が出ている。これが良い!!
テンポの良いカメラワーク、カット割り、音。伊丹十三監督作品にもにたHOWTOものに近い作りは、邦画の勝ちのセオリーのひとつになっていきそうです。
3位 鉄拳 坂本順二監督作品。
監督2作目の今作は、主演に現役ボクサー大和武を使い(現在は俳優(それもVシネ系))、前作の「どつたるねん」とは、一味違った作品に仕上げている。
前作が、どちらかと言うとドキュメンタリーぽかったのが、今作はエンタテインメントに徹した作りになっていて、ボクサーなのに拳をつぶしてしまったせいで、スチール製の拳を作ってもらい戦うという、言わばSF。
4位 白い手 神山征二郎監督作品。
原作は椎名誠。オーソドックスな作りの映画。出演者も堅実なメンツが揃ってる。
引っ越してきたいいとこのぼんと、田舎のガキ大将の友情。そして謎の窓から見える「白い手」の少女に対する淡い恋心。
南野陽子、哀川翔らが好演。
5位 3−4×10月 北野武監督作品。
不思議なタイトルの意味は、10月の野球のスコアで9回裏3対4。草野球に出てた主人公がヤクザの抗争に巻き込まれる、監督2作目でもヤクザの話を持ってくる辺り武ワールドなのかも知れない。これからあとすべての作品に登場する事に(笑)。
舞台も彼らしい沖縄がクライマックスになる。所謂北野武ベーシックかもしれない。
6位 さくらの園 中原俊監督作品。
これぞ日本の青春映画の王道。吉田秋生原作の同名コミックの映像化。
女子高の演劇部。「桜の園」の演目を巡り、甘酸っぱいストーリーが展開していく。
出演陣は、今となっては名女優、名バラエティタレントになっている面子が多い。酒井和歌子や、白島靖代、つみきみほなど。
7位 つぐみ 市川準監督作品。
牧瀬里穂主演の吉本ばなな原作の人気小説の映画化。
原作を忠実に再現しても、市川節が闊歩するのは、最高の出来事です。正直大根の牧瀬も光まくってるし。やっぱ演出家でどうにでもなるもんだなぁ、と感心。
8位 バタ足金魚 松岡錠司監督作品。
原作は望月峯太郎の同名コミック。
今で言うストーカーまがいの主人公と、彼を激しく嫌いながらも引かれていく、恋愛モノなのかスポコンモノなのか分からない映画。
主演の筒井道隆、今をときめく浅野忠信は今作はデビュー作。ヒロインは高岡早紀。
原作に忠実で、オリジナリティもあり、青春映画としては1級品。
9位 ウルトラQザ・ムービー 実相寺昭雄監督作品。
久々の特撮モノを、それも銀幕で撮ってくれた事に感謝感謝。
出演者が何だか妙な、取り合わせの柴俊夫、荻野目慶子、風見しんご、高樹澪。う〜ん、どういう人選だか。当時、売れてる!ってほどでもなかったような気が…。
話もオーソドックスで謎めいてて面白いです。
10位 ウォータームーン 工藤栄一監督作品。長渕剛主演作。
相変わらず人間としてはぐれてる男を演じてる。って彼自体が、世間をドロップアウトしてるようなもんだろうけど。
今更感は、もう固定客しか付かないんじゃない。って言ってしまいました。
いかにも東映系な内容は、監督のせいだけじゃないと。
次点 ボクが病気になった理由 大森一樹監督作品。
この頃から、どんどん落ちていく監督ですが、この作品はよく出来てます。(多分)
オムニバス映画で、「病気」をキーワードに短編をまとめた作品だそうです。
はい、全く覚えておりません。はふ〜。

3/15/2005


総評 さすがにワーストは、10年以上も前に観た作品だと覚えてないことが多いですが、好きな(気に入った)作品は、覚えてますね。それでもネットで確認しつつですが。
邦画は、監督で観てるのがよく判ります。1本でも良い作品を撮ったら、それからは無理してでも興行には参加したいというのがs-thing的恩返しってところでしょうか。
邦画はこのころからコミックの原作が多いですね。

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