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== 積と和を考える因数分解(分数) ==

〇この頁の内容は,教科書レベルの基本ではありません.難しいなと思ったら無理にやらなくてもよい.
〇発展学習として余裕があればやってください.
〇難関校の高校入試問題として類似問題が出題されることはあります.
※高校の教材では,「たすき掛け因数分解」に吸収される内容です.
【公式】
x2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)
〇この公式はa, bが整数の場合によく使われますが,分数や小数の場合でも使えます.
【例1】
を因数分解するには
(解答)
積がとなる分数の組を考える.(
その中から和がとなる組を探せばよい.(
上記のように,で合うから
と因数分解できます.
【例2】
を因数分解するには
(解答)
積がとなる分数の組を考えるのであるが,(とか
その中から和がとなる組が簡単には見つからないときどうすればよいか.(はダメ)
※実はとなるのであるが,そんな分け方を思いつくとは限らない.
分数のままで積と和を合わせようとすると,この問題のように難しい場合があります.このような問題では,整数の問題に直せばもっと簡単になります.
…(1)
…(2)
となるを求めるには
(1)×6で分母を払うと
…(1')
(2)×6×6で分母を払うと
…(2')
そこで積が−12,和が1となる「2つの整数」を求めると,4−3になるから


と因数分解できます.
【要約】
1. 分数のままで積と和を合わせることができたら,2つの分数を使って因数分解したらよい.
2. 分数のままで積と和を合わせることが難しいときは,分母を払って整数に直して考えたらよい.
「和と積で同じ数字の組になるように」,積の方は「分母を払うに必要な数以上に大きい掛け方をする」と積と和で文字がそろう.
a+b=...kを掛けてka+kb=...とするとき
ab=...k2を掛けてka×kb=...の形にすることになる

【問題1】 次の式を因数分解してください.(選択肢の中から正しいものを1つクリック)
(1)
(2)
(3)
(4)

〇中学校の数学の教科書で,の係数が1以外の数字になっている2次式の因数分解は,通常,次のような特別な場合に限って登場します.
(1) のように定数でくくれば,和と差だけで解ける因数分解になる場合
このあと,となって答えになる.
(2) のように共通因数が見つかる場合
(3) のように2乗の公式に当てはまる場合
〇上のように,もっと簡単な他の解き方に直して解けるような特別な場合を除けば,中学校の数学の教科書で,の係数が1以外の数字になっている2次式の因数分解は,通常,登場しません.これらは「たすき掛けの因数分解」と呼ばれ,高校1年生で習います.


(1)のように2でくくっての係数を1にするのは無理に見える
(2)のような共通因数は思いつかない
(3)のような2乗の公式には当てはまらない
〇しかし,ここまでに学んできた「分数係数を使う因数分解」では,これらの式も発展学習として因数分解できます.

として( )の中を因数分解すればよいのだから,できるはずです.
やってみると
…(1)
…(2)
となるを求めるには
(2)×2×2で分母を払うと
…(2')
(1)×2として係数を合わすと
…(1')
そこで積が3,和が−4となる「2つの整数」を求めると,−1−3になるから




…(答)
【要約】
の係数が1でないとき,その係数でくくって「分数係数」で因数分解してもよい
【例1】
を因数分解するには
(解答)
の係数でくくる

…(1)
…(2)
となるを求める
(1)×3で分母を払うと
…(1')
(2)×3×3で分母を払うと
…(2')
そこで積が−12,和が4となる「2つの整数」を求めると,6−2になるから



したがって
…(答)
※意外に多い間違いに注意!
のように定数を掛けるとき,一方のかっこに掛けたら終了です.

両方に掛けたりしたら間違いです.

のように定数を掛けるとき,それぞれ1回ずつかっこに掛けたら終了です.


さらになぜを掛けて,を掛けるのかなどと尋ねないように・・・分数よりも整数にした方が見やすいからです.

※いわゆる「たすき掛け因数分解」の問題を,現在の中学校の学習内容に合わせて,たすき掛けなしで解く問題です.
【問題2】 次の式を因数分解してください.(選択肢の中から正しいものを1つクリック)
(1)
(2)
(3)
(4)

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