** A=B=C型の連立方程式(入試問題) **

〇このページで扱う方程式は「芋づるのように」「イコールが連なっている」のが特徴です.
 この教材の作者(私)は「芋づる型」と呼ぶのが一番感覚的に合うのですが,都会生活をしていると芋づるを食べたことがない生徒も多く,団子3兄弟といっても流行語なので聞いたことがない世代の人もいるかもしれません.そこで,数学での正式用語とまでは行かないが割とよく使われている「A=B=C型」と呼ぶことにします.
【例】
3x−4y+5=2x+y−4=5x−3y+1
 この形の方程式を解くとき,普通の方程式を解くときの「移項」のような変形をしにくいので,解き方のコツを覚えておくとよいでしょう.
【解き方】
〇「A=B=C」というのは,「A=BかつB=C」を省略的に書いたものです.だから,「A=B=C」という方程式が与えられたら,「A=BかつB=C」に直して解いたらよいのです.
A=B=C
A=B
B=C

3x−4y+5=2x+y−4=5x−3y+1
3x−4y+5=2x+y−4
2x+y−4=5x−3y+1

〇ここで誰もが間違いやすいことについて注意します.次の悪い食べ方で示したように,団子1つずつに切り離してしまうと「方程式のイコールがなくなって」しまいます.そうではなくて,下の図に示したように,2つずつに切り分けるのです.このとき真ん中の団子は2回登場します.(「A=BかつB=C」だからです.)
【要点】
A=B=C
A=B
B=C

A=B=Cは「A=BかつA=C」としてもよく,「A=Cかつ B=C」としてもよいが,なるべく見た目のままに単純に切り離す方が,間違いにくい.

【例題】 次の方程式を解きなさい.
3x−4y+5=2x+y−4=5x−3y+1
(解答)
3x−4y+5=2x+y−4 …(1)
2x+y−4=5x−3y+1 …(2)
の形に切り離します.
それぞれ右辺にあるx, yの項を左辺に移項し,左辺にある定数項を右辺に移項して整理すると
x−5y=−9 …(1')
−3x+4y=5 …(2')
これで普通の連立方程式になりますので,この後は代入法か加減法で解きます.ここでは(1')のxの係数が1であることに目を付けて,代入法で解く例を示してみます.
(1')より
x=5y−9 …(1”)
これを(2')に代入
−3(5y−9)+4y=5
−15y+27+4y=5
−11y=−22
y=2
これを(1”)に戻すと
x=1
したがって,x=1, y=2 …(答)
※以下に引用する高校入試問題で,元の問題は記述式の問題ですが,web画面上で入力問題にすると操作性が悪いので,選択問題に書き換えています.
【問題】 次の計算をしなさい.(画面上で解答するには,選択肢の中から正しいものを1つクリック)
(1)
方程式6x+5y=2x+3y=4を解きなさい。
(北海道2015年入試問題)

(2)
方程式6x−3y+7=4x+6y=2x+3を解きなさい。
(埼玉県2017年入試問題)
(3)
方程式2x+y=x−5y−4=3x−yを解け。
(奈良県2017年入試問題)

※(自由研究)
 あなたが解きたいと思う問題を書き込んで[解く]というボタンを押してください.
ただし
• 係数に空欄があれば0と見なします.
• 整数係数の問題に限ります.
• 解がただ一つに定まる問題に限ります.(不能解・不定解となる問題は扱っていません)
○ 元の問題が小数や分数の係数のときは,次の例のように3辺とも10倍,100倍...などして整数に変えて使ってください.
0.3x+0.4y+0.2=0.1x−0.2y+0.1=1.8
3x+4y+2=x−2y+1=18

x+y+1=x−y+2=1
2x+3y+6=x−9y+12=6

()x+()y+()
=()x+()y+()
=()x+()y+()
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