【例題1】
(解説)次の不定積分を求めよ. (1) (2) (1) 次の公式を思い出せば(1)の問題は容易に解けます. (2) ちょうど合う公式はありませんが,(1)を手掛かりとして「その場の機転で何とかできないものか」と考えます. マイナスの問題があるのにプラスがないのもおかしな話です.
基本が分かることは重要ですが,基本公式を覚えただけでできる問題は限られています.
基本だけではできないが,特に新しいことは何も覚えなくても,式の特徴を見てその場で機転を利かせるというのが,ワンランクアップする1つの方法です…問題作成者の「興味」「関心」を読み取るのです.
これにもう1つ次の式が分かれば,問題は解けます.
ところがこの式は,よく考えればただ同然のものです. 被積分関数のところを見ると,全体の和と差が分かったことになり,(2)の問題が解けます.
【要点】
和と差が分かれば,1つずつ求められる. |
≪問題1≫ 次の不定積分を求めよ。 (正しいものをクリック。暗算ではできないので計算用紙が必要。)
(1)
解説
とおくと
とおくと …(*) (参考) この問題の答えは …(**) とも書けるが,(*)(**)が等しいことは次のようにして示される. (**)→ →(*) また,この不定積分はとおく置換積分によっても次のように求められる.
(2)
解説
(1)のように計算してから
…(*) (参考) この結果は …(**) とも書けるが,(*)(**)が等しいことは次のようにして示される. (**)→ →(*) また,この不定積分はとおく置換積分によっても求められる. |
【例題2】
(解説)次の定積分を求めよ. (1) (2) 例題1のやり方でもできますが,だからこそ利用できる簡単な方法もあります.(他の一般の区間なら例題1の結果が必要になります) ア) 例題1のやり方で味をしめて,定積分でもやってみる場合の答案 (1) …(1) (2) …(2) (1)+(2)とすると だから (2)−(1)とすると だから イ) 置換積分を行う. (1)
とおくと
したがって →(1) (2)は上記のア)と同じ
【要点】
○和と差が分かれば,1つずつ求められる. ○一般化して の各々を計算するのが難しく見えるときでも,○と●を既知の関数(や定数)として のような連立方程式が作ることができれば問題は解ける. |
≪問題2≫ 次の定積分を求めよ。 (正しいものをクリック。暗算ではできないので計算用紙が必要。)
とおく置換積分でもできますが,次のようにすると楽です.
…(*) …(**) (*)(**)より
次のようにすると楽です.
とおく …(1) …(2) (1)×3+(2)×2 |
≪問題3≫ とする. (1) とおいて置換積分を用いることで,を示せ. (2) の値を求めよ. (3) との値を求めよ.
(1) とおくと
ここで,であるから (2) (3) だから |
≪問題4≫・・・さよならの前に♪ (正しいものをクリック。暗算でできます。) |
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■[個別の頁からの質問に対する回答][間接的に求めるについて/18.8.13]
例題2の解説(ア)の(1)、途中計算式2行目で、【log(sinx+cosx)】(積分区間0からπ/2)となっていますが、途中計算式1行目の右辺の与関数の分子がマイナス分母を微分したものとなっていますから、途中計算式2行目は、-【log(sinx+cosx)】(積分区間0からπ/2)ではないでしょうか?(logの前にはマイナスがつくのではということです)
=>[作者]:連絡ありがとう.符号を訂正しました. |