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== 2次不等式 ==(解き方まとめ)

(T) 初めにx2の係数が負になっている2次不等式は,両辺に−1を掛けて,x2の係数が正になるように書き換えます.
x2の係数が負になっている2次不等式,例えば
−2x2+3x+2<0
のような問題を「そのまま解こうとすると」
y=−2x2+3x+2
という上に凸のグラフを描いて,y<0になるようなxの値の範囲を探さなければならないことになります.

このような問題は,元の不等式を
2x2−3x−2>0
に変形してから解くことに決めておくと,常にx2の係数が正の
y=2x2−3x−2
という「よく見慣れた」グラフで解けるようになります.

そこで,以下においてはx2の係数が負になっている2次不等式が登場したら,両辺に−1を掛けて,x2の係数が正になるように書き換えて解くことにします.

y=ax2+bx+cにおいて2次の係数aが正であるとき、グラフは谷形になります。
⇒ y=ax2+bx+c(ただし,a>0)は谷形

(U) x2の係数が正で

ア)ax2+bx+c=0の解がx=α, β ( α<β ) のとき
(1) 問題がax2+bx+c<0 (a>0)なら,
答は α<x<β
マイナスは「間」

(2) 問題がax2+bx+c>0 (a>0)なら,
答は x<α, β<x
プラスは「両側」

(3) 問題がax2+bx+c0 (a>0)なら,
答はα≦x≦β
マイナスは「間」
等号付き

(4) 問題がax2+bx+c0 (a>0)なら,
答はx≦α, β≦x
プラスは「両側」
等号付き

イ)ax2+bx+c=0の解がx=α(重解) のとき
D=b2−4ac=0のとき)
(1) 問題がax2+bx+c<0 (a>0)なら,
答は
解なし

(2) 問題がax2+bx+c>0 (a>0)なら,
答はx<α, α<x
x≠αでもよい)

(3) 問題がax2+bx+c0 (a>0)なら,
答はx=α

(4) 問題がax2+bx+c0 (a>0)なら,
答は「すべての実数」

ウ)ax2+bx+c=0が実数解をもたないとき
D=b2−4ac<0のとき)
(1) 問題がax2+bx+c<0 (a>0)なら,
答は
解なし

(2) 問題がax2+bx+c>0 (a>0)なら,
答は
すべての実数

(3) 問題がax2+bx+c0 (a>0)なら,
答は
解なし

(4) 問題がax2+bx+c0 (a>0)なら,
答は
すべての実数


【例題1】
2次不等式−2x2+3x+2>0の解を求めてください.
(解答)
(T)により,x2の係数が負のときは,両辺に−1を掛けて,問題を書き換えます.

両辺に−1を掛けると
2x2−3x−2<0
この2次不等式を解くことにする.
まず2次方程式を解く.
因数分解できる問題は,因数分解で解くのが楽
2x2−3x−2=0
の解は
(2x+1)(x−2)=0
より

2次関数
y=2x2−3x−2
のグラフは右図のようになるから
y=2x2−3x−2<0
となるxの値の範囲は
…(答)
【例題2】
2次不等式x(2x-1)> x2+x−3の解を求めてください.
(解答)
両辺に式があるときは,展開整理して左辺に集めます

2x2−x> x2+x−3
x2−2x+3>0
この2次不等式を解くことにする.
まず2次方程式を解くと虚数解になるのを見たら,判別式の話にしてしまう.
ax2+b’x+c=0 (a≠0)
のときは
D’=b’2−ac
を使うと
D=b2−4ac
よりも小さな数字で調べられる
x2−2x+3=0
の判別式は
D’=12−3
=−2<0
だから
2次関数
y=x2−2x+3
のグラフは右図のようになる

y=x2−2x+3>0
となるxの値の範囲は

すべての実数…(答)

■参考・・・平方完成による不等式の証明
上記のイ)D=0の場合,およびウ)D<0の場合は,平方完成の変形により解くべき2次不等式に代えて絶対不等式の証明で行うことができますが,後に述べる事情(*)から基本練習としてはお勧めしません.
【例1】イ)D=0の場合
(1) 2次不等式x2−4x+4<0…(A)の解を求めるとき
x2−4x+4=(x−2)2≧0…(B)
だから
(A)は成り立たない.したがって,「解なし」…(答)
(2) 2次不等式x2−4x+4≦0…(A)の解を求めるとき
x2−4x+4=(x−2)2≧0…(B)
だから
x=2…(答)
(*)
(1)(2)の問題において,(A)は解くべき式,(B)はつねに成り立つ式であるが,同じような不等式で書かれているためか,(B)を使って(A)を解くという関係がなかなか理解しづらい生徒が多く,教科書などでは2次関数のグラフを使った解き方を薦めることが多い.
【例2】ウ)D<0の場合
(3) 2次不等式x2−4x+5>0…(A)の解を求めるとき
x2−4x+5=(x−2)2+1>0…(B)
だから
(A)はつねに成り立つ.したがって,「すべての実数」…(答)
(4) 2次不等式x2−4x+5≦0…(A)の解を求めるとき
x2−4x+5=(x−2)2+1>0…(B)
だから
(A)は成り立たない.したがって,「解なし」…(答)

【問題1】
次の2次不等式を解きなさい.
(正しい選択肢をクリック)
(1)
x2−7x+10<0
(2)
2x2−4x+1≦0
(3)
2x2−6x>0
(4)
x2+4x+4≦0

【問題2】
(1)
x2−2x+2>0
(2)
3x2−11x−4<0
(3)
x2≧4x
(4)
x2+4x+8≦0

【問題3】
(1)
12(x−1)≧3x2
(2)
7+20x<3x2
(3)

(4)
x2+(x−1)2≦3


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