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高校〜大学基礎の数学用語.公式.例

1. 三角関数の定義
 原点を中心とする半径の円周上にある点の座標をとする.(ただし,半径はつねに正,座標は正,負,0の値をとる…符号が付いている)
 動径軸の正の向きをなす角度をとするとき,次の比の値は(相似図形の性質から)半径の大きさに関係なく,角度だけで定まる.そこで,の関数になり,三角関数と呼ばれる.
日本語正弦せいげん読み方サイン
日本語余弦よげん読み方コサイン
日本語正接せいせつ読み方タンジェント
なお,これらの分母と分子を逆にした次の形も使われる.[以下の関数の3文字目を見ると,上記のどの関数の逆であるかが分かる…なお,以下の日本語読みは覚えなくても支障はない]
日本語余割よかつ読み方コセカント
日本語正割せいかつ読み方セカント
日本語余接よせつ読み方コタンジェント

2. 三角関数の性質
三角関数の相互関係

…(2.1)

ここで,は原点を中心とする半径の円周上の点だから,が成り立つ.よって

…(2.2)
※以下においては,角として第1象限の角を使って解説しますが,求めた結果はがどのような角とかの場合でも成り立ちます.
 第1象限の角として解説するのは,符号や長さが見た目のままになり「分かりやすい」からです.
偶関数,奇関数の関係

…(2.3)は奇関数
 動径が軸の正の向きから角だけ回転したとき(負の向きにだけ回転したとき)の円周上の点をとすると

だから,この値をの三角関数で表すと
に等しい
…(2.4)は偶関数
上記の点座標は,点座標と全く同じだから

※この関係を間違う答案は非常多いので注意.とはならない
…(2.5)は奇関数
上記の点の座標を用いて,計算すると

この値をの三角関数で表すと
に等しい

の三角関数

公式

(2.6)
(2.7)
(2.8)
 右図のどこかの騎士団の紋章のような図形の書き方:「横線は右(正)を青,左(負)を赤で描く」「縦線は上(正)を青,下(負)を赤で描く」
 第1象限(x>0, y>0)の「元の三角形すなわち角度に対応している三角形は濃く」描いておく
解説
(2.6)←
@まず初めに,角度の場所を単位円上で探します.右図のになります.
A次に,求めるものがであるから,@で求めた場所について
縦(符号あり)/半径
を考えます.
になります.
B最後に,第1象限の濃い色の三角形,すなわち角度が,何に対応しているかと考えます.
になります.
 以上により,
(2.7)←
@同様にして右図のの場所について
A求めるものがであるから,@で求めた場所について
横(符号あり)/半径
を考えます.
になります.
B最後に,第1象限の濃い色の三角形,すなわち角度が,何に対応しているかと考えます.
になります.
 以上により,
(2.8)←
@同様にして右図のの場所について
A求めるものがであるから,@で求めた場所について
縦(符号あり)/横(符号あり)
を考えます.
になります.
B最後に,第1象限の濃い色の三角形,すなわち角度が,何に対応しているかと考えます.
が,だから,その分母と分子を逆にすると,になります.
 これは,とも書かれます.
 以上により,
【要点】
北極から(←通俗的な言い方)角だけ戻ると
三角関数の形が変わる:

の三角関数

公式

(2.9)

(2.10)

(2.11)

解説
(2.9)←
@まず初めに,角度の場所を単位円上で探します.右図のになります.
A次に,求めるものがであるから,@で求めた場所について
縦(符号あり)/半径
を考えます.
になります.
B最後に,第1象限の濃い色の三角形,すなわち角度が,何に対応しているかと考えます.
になります.の符号は正です.
 以上により,
(2.10)←
@同様にして右図のの場所について
A求めるものがであるから,@で求めた場所について
横(符号あり)/半径
を考えます.
になります.
B最後に,第1象限の濃い色の三角形,すなわち角度が,何に対応しているかと考えます.
になります.の符号は負です.
 以上により,
(2.11)←
@同様にして右図のの場所について
A求めるものがであるから,@で求めた場所について
縦(符号あり)/横(符号あり)
を考えます.
になります.
B最後に,第1象限の濃い色の三角形,すなわち角度が,何に対応しているかと考えます.
が,だから,その分母と分子を逆にすると,になります.
 これは,とも書かれます.の符号は負です.
 以上により,
【要点】
 北極から(←通俗的な言い方)角だけ進むと
三角関数の形が変わる:
 求めているのがのときは,その場所のy座標の符号を付ける.求めているのがのときは,その場所のx座標の符号を付ける.求めているのがのときは,その場所のy/x座標の符号を付ける.

の三角関数

公式

(2.12)

(2.13)

(2.14)

解説
(2.12)←
@まず初めに,角度の場所を単位円上で探します.右図のになります.
A次に,求めるものがであるから,@で求めた場所について
縦(符号あり)/半径
を考えます.
になります.
B最後に,第1象限の濃い色の三角形,すなわち角度が,何に対応しているかと考えます.
になります.の符号は正です.
 以上により,
(2.13) ←
@同様にして右図のの場所について
A求めるものがであるから,@で求めた場所について
横(符号あり)/半径
を考えます.
になります.
B最後に,第1象限の濃い色の三角形,すなわち角度が,何に対応しているかと考えます.
になります.の符号は負です.
 以上により,
(2.14)←
@同様にして右図のの場所について
A求めるものがであるから,@で求めた場所について
縦(符号あり)/横(符号あり)
を考えます.
になります.
B最後に,第1象限の濃い色の三角形,すなわち角度が,何に対応しているかと考えます.
が,で,の符号は負です.
 以上により,
【要点】
 赤道から(←通俗的な言い方)角だけ戻ると
三角関数の形が変わない:
 求めているのがのときは,その場所のy座標の符号を付ける.求めているのがのときは,その場所のx座標の符号を付ける.求めているのがのときは,その場所のy/x座標の符号を付ける.

の三角関数

公式

(2.15)

(2.16)

(2.17)

解説
同様にして右図で考える.解説は略
の三角関数

公式

(2.18)

(2.19)

(2.20)

解説
同様にして右図で考える.解説は略
の三角関数

公式

(2.21)

(2.22)

(2.23)

解説
同様にして右図で考える.解説は略
の三角関数

この公式は,前述の「偶関数・奇関数の関係」(2.3)(2.4)(2.5)と全く同じものであることに注意.
公式

(2.3)

(2.4)

(2.5)

解説
同様にして右図で考える.解説は略
の三角関数

公式

(2.24)

(2.25)

(2.26)

解説
単位円上での場所はの場所と全く同じなので,その角に対する三角関数は全く同じ値になります.

簡単復習
次の式を簡単にしてください.
(定数やを使って表してください)
(1)
(解答)
←(2.24)
←(2.6)
単位円上での場所(北極)からだけ戻った場所で直接考えてもよい

(2)
(解答)
←(2.4)
は偶関数で,となることに注意.
ではない!
したがって,ではない
←(2.13)

(3)
(解答)

←(2.5)
は奇関数で, となる
←(2.23)
(別解)
単位円上での場所(北極)からだけ戻った場所で直接考えてもよい



←(2.8)
(4)
(解答)

第1項はが奇関数だから
←(2.6)(2.9)
(別解)
単位円上で,右図の2つの点のy座標は符号だけが逆になっているから,それらの和は0になる
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