高校〜大学基礎の数学用語.公式.例
話題
無理数の指数
となる数に対して,の値
(1) が正の整数のとき,回かけた値を表す.

→図の青丸
(2) が負の整数のとき,の逆数を表す.

→図の茶色丸
(3) のとき,を表す.
→図の黒丸
(4) は正の整数)のとき,(累乗根)を表す.

→図の明緑丸
(5) は正の整数)のとき,を表す.

→図の暗緑丸

(6) ≪ここからがこの項目のテーマ≫
 さて,のように,指数が無理数のとき,の値はどのように定まるか?
指数関数のグラフを描くためには,の値がなど無数にある無理数の場合のの値を決める必要があります.これを決めなければ,グラフは穴だらけになり「連続」とか「微分」という議論ができなくなります.
 結論から言えば,「指数が無理数のとき,の値」は「指数が有理数のときのの値」の数列の極限値で定義します.
 例えば,の値を求めるには
(6.1) まず,のように無理数を小数で表示します.
(6.2) 次に





のように必要なだけ詳しく求めます.この数列が収束するとき,その極限値をと決めます.(次のような値になります)
3.321997085483912805157183119647826939159120898002259...
【要約】
「指数が無理数のとき,の値」は「指数が有理数のときのの値」の数列の極限値で定義する.

グラフ
指数関数のグラフ
 指数関数を指数関数の底という)のグラフは,
ア) のとき,上の図のようになる.
【重要な特徴】
どのグラフもにおいて連続で
  単調増加である.


(1) どのグラフも点を通る.
だから,のどのグラフものときになる.
グラフでは赤丸で示した
(2) 各々のグラフは,を通る.
だから,各々のグラフはのときを通る.
グラフでは青丸で示した
(3) のとき,
グラフの青丸を比較する
(4) のとき,
グラフの青□を比較する

イ) のとき,上の図のようになる.
【重要な特徴】
どのグラフもにおいて連続で
  単調減少である.


【例】
(1) どのグラフも点を通る.
だから,のどのグラフものときになる.
【例】 グラフでは赤丸で示した
(2) 各々のグラフは,を通る.
だから,各々のグラフはのときを通る.
【例】 グラフでは青丸で示した
(3) のとき,
【例】 グラフの青丸を比較する
(4) のとき,
【例】 グラフの青□を比較する


簡単復習
 次の2数の大小を比較してください.(不等号を使って表してください.)
(1)
(2)
(3)
(4)
(解答)
(1) 底のとき,のグラフは単調増加であるから,により,
(2) 底のとき,のグラフは単調減少であるから,により,
(3) のとき,…ア)(4)の□の比較により
(4) のとき,…イ)(3)の○の比較により
は単調減少関数だから
したがって,
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